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追い詰められた北朝鮮とオリンピック後の危機状態の再開(時計は再び動き出す)

オリンピックに北朝鮮が招へいされ、寝食どころかお土産までもらい大きな顔で参加している間に時計は止まっていたのか、それとも北朝鮮が実は着々と準備を怠っておらずさらに高圧的な態度をとるのか、3月になれば判明するでしょうね。その場合に、平和の錯覚から対話の重視(しか)主張しなかった人たちは自分の主張が通らない国際政治の現実に直面することになるでしょう。National Interest記事からです。 The North Korea Crisis Is Back 北朝鮮危機の再開 Harry J. Kazianis February 23, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/the-north-korea-crisis-back-24615?page=show ト ランプ大統領がCPACで好戦的な発言をしている。オリンピック休戦を楽しめるうちに楽しめ。北朝鮮危機は再開し、あと二か月もしないうちに戦争の瀬戸際に立つだろう。  新たな制裁措置を求めるトランプは正しい手を打ったと言える。自国民多数を強制収容所で拷問しながら米国に核攻撃の苦しみを与えようという国は無視できず真正面から対決すべきである。また対決こそトランプの選ぶ道だ。北が虚偽の宣伝工作でオリンピック期間中の応援団等でイメージを塗り替えようとする中、トランプ政権はだまされないぞとばかりに平壌が米本土攻撃可能案核兵器の完成をめざす間は決して手を下ろさないぞと示しているのだ。  だが米政権にとって課題は明白だ。制裁で戦争は回避できるか、また外交交渉に道が開けるのか。あるいは武力衝突が始まり直ちに軍事力による惨状が生れ世界戦争につながるのか。 トランプの戦略    今日の状況は北朝鮮の弱体化を狙った制裁の結果であり、貿易制限を狙った制裁は多くが「毒蛇戦略」と呼び、同政権を痛めつけ最終的に交渉の席につかせることをねらう。  政権関係者が言うような最大規模の制裁内容ではないが、積み重なる効果で北朝鮮は傷つき、エチオピアの三分の一程度の経済には打撃となる。なお、北朝鮮経済は韓国の経済規模の1パーセントにも達しない。  また度重なる国連安全保障理事会決議以外にワシントン、ソウル、東京が独自に実施する措置や外交圧力で

お粗末、トランプ訪中で核フットボール管理の米軍補佐官官の人民大会堂入場を拒もうとした中国

お粗末な話ですが、これが「大国」のレベルなのでしょうか。核抑止力の重要な要素に絡むだけに米側もピリピリしている感が伝わってきます。米国がなんでも米国のやり方を押し通すのに我慢ができないのはわかりますが、子供のいじめではあるまいし、あまりにお粗末ですね。中国が「成熟」するのには時間がかかり、また成熟の定義が世界の常識からかけ離れているのが問題なのですが。 Confusion Surrounds Confrontation With Nuclear Football During Trump's Beijing Visit  トランプ大統領の訪中で核のフットボールをめぐる深刻な対立があった The US Secret Service says no one got "tackled," but has not denied that an incident occurred while Trump was in China in November 2017. 米シークレットサービスは誰も「タックル」していないと語るが、トランプ大統領の11月の中国訪問中に事件があったと認める BY JOSEPH TREVITHICK FEBRUARY 19, 2018 http://www.thedrive.com/the-war-zone/18604/confusion-surrounds-confrontation-with-nuclear-football-during-trumps-beijing-visit OLIVIER DOULIERY/ABACA/SIPA VIA AP 新 しく浮上した報道でホワイトハウス主席補佐官ジョン・ケリーと氏名不詳のシークレットサービス係官が中国保安部院といわゆる「核のフットボール」、アルミ製ゼロハリバートンブリーフケース内の安全通信装置をめぐり身体的な騒動を起こしていたことがわかった。この装置は米国大統領が核攻撃をいかなる場所からでも命じるために必要な装置。シークレットサービスは大統領の2017年訪中で発生した対立の間だれも「タックル」していないと述べ、事件が発生してないとは言っていない。  2018年2月18日、Axiosが匿名取材源からこの事件を報じ、

北朝鮮制裁措置の違反船舶の海上取締を米沿岸警備隊が実施か

米沿岸警備隊に対応させるのは政治的に正しい方針でも、北朝鮮関連の国際常識に反する行動を見ると貧弱な警備船で大丈夫なのか、臨検に応じない場合どうするのか、さらに各水域に派遣するだけの余力があるのか疑問です。ヴィエトナム戦争では沿岸警備隊も動員されていましたが。そうなると海上保安庁も急に期待されそうですね。ただし尖閣等の警備が手薄になれば喜ぶ国があらわれそうですが。制裁はかなり効果を上げてきているので実効性を引き上げるべきで、北朝鮮封じ込めは今後何年も続く可能性があることに日本も注目すべきでしょう。 US reportedly planning high-seas crackdown on North Korea sanctions evaders by deploying Coast Guard force 米国が 北朝鮮制裁措置逃れへの対応を沿岸警備隊に実施させる模様 http://www.businessinsider.com/north-korea-sanctions-coast-guard-ships-2018-2 夜間機関銃射撃訓練にあたる米沿岸警備隊カッター・ストラットン。US Coast Guard/Petty Officer Bryan Goff トランプ政権はアジア内同盟国と北朝鮮制裁措置違反の疑いのある船舶を洋上摘発する準備に入った 報道では米沿岸警備隊を投入するという 2月23日に米国は北朝鮮海上輸送を対象に追加制裁措置を発表し国連にブラックリストも渡した 北朝鮮は海上封鎖は戦争行為と受け取ると警告 WASHINGTON (Reuters) -トランプ政権は北朝鮮制裁違反の疑義がある船舶の取り締まりをアジア主要同盟数か国と検討中で、米沿岸警備隊がアジア太平洋海域で臨検を行うと米高官が述べている。 ワシントンは日本、韓国、オーストラリア、シンガポールの各国と取り締まり強化を協議中で北朝鮮が海上から核ミサイル開発に必要な物資入手を阻止しようとしている。 疑わしい船舶がすでに確認されているが、今回の戦略はさらに活動範囲を広げるものの海軍力で北朝鮮を封鎖する一歩手前で止めるのがねらいだ。平壌は海上封鎖を戦争行為と受け止めている。 戦略では疑わしい船舶を個別に追跡し禁制品を搭載していれ

ロシアがシリアにSu-57を配備との報道の真偽、その意図は何か

Russia's Su-57 Stealth Fighter in Syria: “This Is Testing in Actual War" ロシアのSu-57ステルス戦闘機がシリアに展開、「実戦テスト」なのか Dave Majumdar February 22, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/russias-su-57-stealth-fighter-syria-%E2%80%9C-testing-actual-war-24611 ロ シアがスホイSu-57 PAK-FA 戦闘機の試作型2機をシリアのフメメイム基地に配備したようだ。 同ステルス戦闘機のシリア到着報道は未確認のままだが、実戦配備前の開発用機材を戦闘地帯に投入したとしたら極めて異例だ。ロッキード・マーティンF-22を1990年代末か2000年代はじめに技術製造開発(EMD)期間中に戦闘投入したようなものだ。ただし開発中機材を戦闘投入し運用上の知見・データを得ること自体はソ連時代からロシアは行っている。 「実戦テストのようなものですがソ連時代にも事例はありました」と総合欧州国際研究所(モスクワ)主任研究員ワシリー・カシンがNational Interestに述べている。 ​ Su-57をシリアで運用する目的は運用データやエイビオニクス等の性能データを得るなのだろう。同時に限定的でも実戦投入の機会もあるはずだ。 「主目的と外れますが攻撃兵装も搭載するでしょう。レーダーも外国機標的に作動させるはずです。問題はテストをどう評価するかです」 Su-57はまだ開発段階だがシリアに展開させた機体はフル装備機で実戦同様のエイビオニクス搭載の可能性がある。カシンは後期試作型ではないかと見る。 一部には地政学の理由からSu-57派遣となったのではとみる向きもあるが、カシンはこれを否定。「政治的側面はないでしょう」 一番あり得るのはSu-57の設計を煮詰めて量産型に反映すること、実戦含む運用上の知見を得ることで、シリアが試験場になったということだろう。 「戦闘テストなのは最初から明らかで量産仕様の調整が目的でしょう」(カシン) ロシア式のやり方は独特でリスクがないわけでは

再掲 英艦隊旗艦オーシャンはブラジルに125億円で売却完了

英海軍の栄光の歴史を考えると情けない話ですね。改修をしっかり英企業に行わせお金を落とさせ、純益も計上できると企業経営者みたいなことを国防省が堂々と発表していていいのでしょうかね。   Navy’s flagship HMS Ocean sold to Brazil for £84 million 英艦隊旗艦HMSオーシャンはブラジルに84百万ポンドで売却 http://www.heraldscotland.com/news/16030138.Navy___s_flagship_HMS_Ocean_sold_to_Brazil_for___84_million/ 英 国防省(MoD)は英海軍旗艦HMSオーシャンを売却し財政赤字の穴埋めとすべく、£84百万(約125億円)でブラジル海軍に3月初めに譲渡し今夏に現地回航される。 MoD報道官は純益£55百万が生まれ全額が海軍財源に入ると発表。 国家監査でMoD装備調達で49億ポンドが不足と分析している。さらに調達コスト上昇で不足は208億ポンドに上る可能性がある。 HMSオーシャンは昨年12月にプリマスに帰港した。最後の海外運用はハリケーン被害を受けたカリブ海地区だった。 HMSオーシャンは バブコック 、 BAEシステムズ の英企業二社が改修を行い、費用はブラジル政府が負担する。ブラジル海軍は同艦を現役艦船として運用する。 英艦隊旗艦はHMSクイーン・エリザベスに変更され、同艦は海上公試が完了すればヘリコプター空母となる。 MoD広報官はHMSオーシャンのヘリコプター運用能力はHMSブルワーク、HMSアルビオンが引き継ぎ維持すると発表。■

中国潜水艦が2003年に恐ろしい事故に遭遇していた

潜水艦を運用する国は増えていますが、特に中国の潜水艦の数的拡大はずば抜けているのですが、高度の建造、運用、訓練が不可欠であることを数々の事故が物語っています。各国で事故が発生しないことを祈るばかりです。 In 2003, a Chinese Submarine Sank Mysteriously. How the Crew Died Is Horrifying. 2003年発生した中国潜水艦の謎の沈没事故で乗員は恐ろしい運命に直面した Sebastien Roblin February 16, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/2003-chinese-attack-submarine-sank-mysteriously-how-the-crew-24547?page=show 2 003年4月25日、中国漁船が水面に浮かぶ潜望鏡を見つけた。同船は人民解放軍海軍(PLAN)に通告すると早速現場に二隻が到着した。  当初PLANは韓国や日本の潜水艦の一部と考えたが、漂流物から自軍のディーゼル電気推進型潜水艦明級第361号艦と判明した。  翌日艦内に乗り込むと乗員70名が全員配置のまま倒れて死亡していた。  軍事委員長の江沢民主席が悲劇的な事態を2003年5月2日に声明文で認め中国海軍人員の犠牲を招いたのは「機械故障」とあいまいに背景情報を伝えた。  一か月後の調査結果から北海艦隊の司令官、政治将校が更迭され、「不適切な指揮統制」が理由に幹部6-8名も降格など処分を受けた。江沢民と跡を継いだ胡錦涛は回収された潜水艦を訪問し遺族と面会したと伝えられる。  中国政府は自軍の事故で透明性は眼中にない。たとえばジェット戦闘機墜落の調査報告は公開せず、潜水艦事故でも事実を一切認めてこなかったのだが、この事件では事実を認めて解説者を驚かせた。当時流行していたSARSを軽視して批判を浴びたのをかわそうとしたとの観測も生まれた。  明級035型潜水艦は大戦時ドイツのXX1型を基にしたソ連ロメオ級の派生型ですでに時代遅れだった。035型の最初の二隻は1975年完成だったが、同時期の米、ソ連それぞれの潜水艦と比べて探知は容易だった。中国はディーゼル潜水艦多数を建造したが、