スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

テキストロンのスコーピオンは米空軍OA-X選考に残れるのか

以前から気になっているスコーピオンですが、いよいよ運命の別れ目になりそうです。今夏の米空軍実証では同機の性能が嫌でも目に付くはずですが(同機は唯一のジェット機)、予断を許しません。一方、同機に関心を示す海外国がサウジアラビアとはじめて明らかになりましたね 。   Could Textron's Scorpion Light Attack Jet Take Over the OA-X Competition?  テキストロンのスコーピオン軽ジェット攻撃機はOA-X選考に残れるか Dave Majumdar July 20, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/could-textrons-scorpion-light-attack-jet-take-over-the-oa-x-21610 テキストロン は同社が自主開発したスコーピオン軽攻撃ジェット機を米空軍が今夏主催するOA-X実証に出場する準備を進めている。 同社からはビーチクラフトAT-6ターボプロップ軽攻撃機も加わり、OA-X実証が正式な調達事業になり、300機程度の採用を2022年めどでテキストロンとしては期待したいところだ。 OA-X実証の結果でスコーピオン採用となればテキストロンにも意味が出てくるし、海外でも採用国が出てくるかもしれない。反対の場合、スコーピオンはお払い箱行きになりそうだ。 同機の生産型仕様を見たいとする向きも海外にあるが、OA-X結果を待つ向きもある。 「空軍の実証結果を待とうとする動きもあり、他方で当社と詳細を協議中の向きもあり実際の運用想定と予算検討をしている向きもあります」とテキストロンCEOスコット・ドネリーが投資家向け業績報告会で7月19日に述べている。 「今回の実証に本腰を入れているのは米空軍の評価のみならず海外顧客数か国も結果を注視していると思います」 OA-X実証は8月の予定でスコーピオン量産仕様機が投入される。空軍からは評価は厳格に行う旨の連絡があったという。 「空軍の実証では各機に各種のミッションシナリオで性能、実用性を試し、8月から始め9月かまでかかるかもしれない」とドネリーは見る。 「単純な合否の判定はなく、ど

2016年の北朝鮮経済動向が明らかになったが、国連制裁効果は僅少

去年までは中国の後ろ盾があり制裁効果がなかったことがわかります。今年の影響がどう出るかは来年の今ごろにはわかるでしょう。(それまで同国が存続していればですが) 稼働開始したリューギョン・キムチ工場を視察する金正恩。Korean Central News Agency / Reuters North Korea 2016 Economic Growth at 17-Year High Despite Sanctions 北経済制裁の中、朝鮮の2016年は17年間で最大の経済成長を達成していた     BY: Reuters July 21, 2017 2:13 pm By Christine Kim and Jane Chung http://freebeacon.com/national-security/north-korea-2016-economic-growth-17-year-high-despite-sanctions/ SEOUL (Reuters) — 2016年の北朝鮮経済は17年間で最大の成長を実現したと韓国銀行(韓国の中央銀行)が7月21日発表した。核兵器開発を続ける同国は国際制裁を受けている。 国内総生産GDPは3.9パーセント増で干ばつと産品価格低迷に苦しんだ前年から大きく成長した。けん引役は鉱業とエネルギー部門で6.1パーセント増記録(1991年)を更新した。 輸出は4.6パーセント増で北朝鮮の最大貿易相手国は中国だ。 ただし一人当たり国内総所得は150万ウォン(1,342米ドル)と韓国の5パーセント未満にすぎない。 北朝鮮は経済統計を公表していない。韓国銀行は統一院や国家情報院はじめ政府機関統計をもとに北朝鮮GDPデータの公表を1991年に開始している。同行の推計は国際機関や研究者が利用している。 北朝鮮はミサイル、核開発のため2006年から国連制裁の対象で、安全保障理事会は核実験5回、長距離ミサイル発射二回を見て制裁内容を強化してきた。 核・ミサイル開発事業が順調な経済成長の一因と韓国銀行は見る。ミサイル部品製造がGDP統計の一部だ。2016年の発電量も増えたがミサイル製造と関連は不明だ。 2月に中国が北朝鮮産石炭の輸入を停止し、北朝鮮向け石油輸出

★米海軍が進める電磁レイルガン(EMRG)開発の現況

着々と研究は進んでいるようです。砲身の耐久性と電力確保が現状の課題ということですか。ミサイル迎撃を期待するとなるともう一段以上の技術開発が必要ですね。 The Navy’s Railgun Will Get Faster, More Powerful This Summer 米海軍のレイルガンが今年の夏に高速かつ出力増を実現する   POSTED BY: HOPE HODGE SECK JULY 21, 2017 https://www.defensetech.org/2017/07/21/navys-railgun-will-get-faster-powerful-summer/ 写真 海軍研究所(ONR)による電磁レイルガン(EMRG)、海軍水上戦センターのダールグレン研究施設(NSWCDD)にて。(U.S. Navy/John F. Williams) 米海軍の進める電磁レイルガンが大きな開発段階を今夏迎えている。毎分当たり発射回数を増やし、出力を大幅増にする。 レイルガンは海軍が10年以上大切にしてきたプロジェクトで試作型の艦載運用は2006年にはじまっている。レイルガンは電磁反発力で発射体を高速発射し、火薬の化学反応に依存しない。 理論上はレイルガンは安全かつ安価な運用で従来の火砲より優れる。DDG-1000ズムワルト級駆逐艦三隻に搭載するとしていたが、実施するのか不明だ。 現在は海軍研究部門ONRが照準通りの命中精度を目指して作業中だ。 今夏から来年にかけての作業の中心は出力増により32メガジュールで発射し毎分10発の発射を実現することとトム・ビュートナー博士ONR海軍航空戦兵装開発部長が説明。 32メガジュール出力だと射程は110カイリに及ぶとビュートナーはワシントンDCで開かれたONR主催の科学技術エキスポで講演した。 この出力増と発射回数増に耐える設計の複合材製発射装置はヴァージニア州ダールグレン試射場に設置される。同地では試作型の発射実証を行なっている。 「目標はともに来年にかけて実現できるのではないか」とビュートナーは発射回数、出力の増加について述べている。 装置にはまだ解決が必要な課題がある。発射による摩耗損傷に装置が耐えなければならない。砲が短時間で壊れる危

F-35A:依然不明なパイロット酸素供給トラブルの原因、ルークAFB

要は根本原因がわからないということですか。深刻ですね。しかしルーク基地以外のF-35では報告がないというのも変です。航空自衛隊向けの機材もルークにあるので日本としても看過できない問題です。機内に搭載されている部品の品質管理が問題なのでしょうね。まさかC国製は使われていないでしょうね Fix Elusive As Another F-35 Pilot Reports Trouble Breathing Jul 19, 2017  Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/defense/fix-elusive-another-f-35-pilot-reports-trouble-breathing (写真)ルーク空軍基地第六十一戦闘飛行隊のパイロットがケンタッキー州空軍基地のあるルイスビルに自機を駐機した。April 20, 2017.  USAF ルークAFB(アリゾナ)のF-35パイロットでまたもや低酸素症に似た症状が発生し、政府・民間合同専門家が困惑している。 第56戦闘機隊の教官パイロットが7月10日の訓練飛行中にめまいと息切れを覚えたと広報官ベッキー・ヘイス少佐が発表。パイロットは予備酸素に切り替え無事帰還したという。 これ以前に5件の飛行生理事案がルークで発生したが、当初は最新事案は別の種類と見られていた。F-35運用は一時停止していたが、6月21日に条件付きで再開されている。原因究明は終わっていない。現在は飛行上限は25千フィートに制限されている。 7月10日事案の飛行後解析からパイロットマスクの弁が不良だと判明したとヘイス少佐は述べている。弁を交換したところパイロットは支障なく飛行できた。 「マスク上の弁の不良が原因と分かりましたが、先行5事例の原因は未解明のままです」(ヘイス少佐) F-35共同開発室(JPO)が5月26日に編成したアクションチームはいまだに根本原因をさぐれていない。ただしJPOは「各事例の特徴を把握すべく標準に従った体系的な作業」をしており、「可能性のある範囲をつきとめられそう」とJPO広報官ブランディ・シフが語っている。 JPOが目を付けているのは ハ

A-10後継機開発の行方は不明、混迷する米空軍の装備開発方針

A-10: USAF 米空軍が何を目指しているのかわかりにくくなっていますが、 敵対勢力は意外に伝統的な戦法をとり、旧式機でも数にものを言わすのであれば、高性能を持った機材でも数で劣勢ならかなわないのでは。しかも頼みの綱の技術優位も揺らいできており、明らかに思考が行き詰まってきているのではないでしょうか。 Air Force Weighs Scrapping A-10 Replacement A-10後継機検討はこれ以上進める意向のない米空軍 Jul 17, 2017 Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/defense/air-force-weighs-scrapping-10-replacement 米空軍は近接航空支援の将来像を検討中だが上層部によればA-10ウォートホグの直系の後継機は生まれない可能性がある。 空軍はここ数年ずっと近接航空支援(CAS)の次期専用機材を検討していたが、現時点で作業は止まっている。専用機材としての「A-X」開発に向けた措置を取っているのか問われた空軍参謀総長デイヴィッド・ゴールドファイン大将は「まだない」と答えている。 すると専用機材としてのCAS機は作らないのか。「多分ね」とゴールドフェイン大将は言う。 「単一任務機実現への障害が空軍内で高いとは思わない」と参謀総長は7月16日のAviaion Week取材で述べている。「しかし前線指揮官に多様な戦闘状況があり当方はそれを支援する立場で、ハイエンド、ローエンド、その中間と多様な中で空軍にとって最善の結果を予算以内で生む運用が求められているのだ」 取材は英ロイヤルインタナショナルエアタトゥー訪問から帰国する参謀総長に空軍C-40機内で行われた。 本人はアフガニスタンの航空部隊指揮官としてCASミッションでA-10だけでなく各種機材にいかに依存しているか直接目にしてきた。地上部隊防護でウォートホグが必ずしもいつも第一の選択にならず、東部山岳地帯ではMQ-9リーパーが山谷を縫って迅速に移動できる点で一番優れた機材だった。不安定な西部では状態が悪化すれば多用途F-15Eが効果を最大限に発揮し、北部な

米空軍向け採用を狙うガルフストリームの狙いは特殊用途機の小型化

以下記事はガルフストリームが行ったメディアツアーの結果なので多分に同社の言い分が中心で内容は要注意です。こんな小型機でボーイング707原型機が行っているミッションがこなせるのなら大幅に運航経費がひらせていいのですが、大きいことはいいことだ、大は小を兼ねると信じる向きには簡単に信じられないでしょうね。 Gulfstream mounts pro-bizjet blitz ahead of major Air Force competitions   ガルフストリームが空軍採用を期待しビズジェットを攻勢中   By: Valerie Insinna, July 18, 2017 (Photo Credit: Gulfstream) http://www.defensenews.com/articles/gulfstream-mounts-pro-bizjet-blitz-ahead-of-major-air-force-competitions WASHINGTON — ガルフストリーム は同社G550が空軍向け次期JSTARSおよびコンパスコールに採用されると期待し、空軍への営業活動を大々的に開始している。空軍は特殊作戦向け機材の次期機種検討も始まる。 ガルフストリームはまず小型ビジネスジェット機でも要求水準は十分実現でき、大型旅客機は不要だと空軍の説得する必要がある。 「米国だけでなく世界各地で進行中の案件で商談していますが、根本的な課題は次世代機材はビジネスジェット機、旅客機のいずれを原型にすべきかという点です」とトロイ・ミラー同社軍用販売営業担当副社長が述べている。同社は報道陣を7月13日サバンナ(ジョージア州)に招き、G550生産拠点を公開し特殊用途への改装工程を見せた。 ガルフストリーム社関係者は ボーイング を名指さなかったが同社プレゼンテーションではJSTARSやコンパスコール向けにG550を提案する方がボーイング737-700のような旅客機を原型にするより優れているとの主張が中心だった。 「空軍が進める構想の方向性そのものについてはコメントできません。空軍上層部とは定期的に意見交換しています。空軍は当社機材の提供する性能に大きく関心を示していますよ」(ミラー)「最終的には空軍は最終決定を迫られます。どちらがふ

米空軍T-X選定で考慮すべきポイントはこれだ

  Choosing A New Trainer Might Prove Challenging For The Air Force 新型練習機選定は米空軍にとって重要な作業となる Dan Goure July 17, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/choosing-new-trainer-might-prove-challenging-the-air-force-21572 米空軍は新型ジェット練習機T-Xで契約企業を今年後半に選定し、老朽化進むT-38タロン後継機を実現する。調達規模は350機と大規模ではないが重要案件だ。第五世代機のF-22、F-35で複座型がなくパイロット養成は基礎飛行訓練からいきなり世界最高水準の機体に移行する。そのため新型練習機にも高性能が必要で最新鋭エイビオニクスで飛行速度も十分高速にし訓練生に第五世代機に必要な技能を獲得する機会を作る必要がある。 T-X最終提案を出しているのは三社で、 ボーイング が Saab と組んで完全新規設計を、 ロッキード・マーティン は 韓国航空宇宙工業 のT-50原型案、 DRSテクノロジーズ が親会社 レオナルド の支援を受けM-346を元にT-100を提案している。各社はパイロット養成システムを高性能シミュレーターや地上配備の支援設備も含め提案している。 選定のどこが難しいのかと思う向きがあるかもしれない。T-Xは単一ミッション機をめざし、戦闘投入は想定しない。製造機数は比較的小規模だ。高性能戦闘機、新型空中給油機KC-46、新型爆撃機B-21の決定と比較すればT-Xの選定など「朝飯前」ではないか。 だが新型高性能練習機選定には考慮すべき要素が多い。まずコストだ。空軍の要望は最低価格だが、基本性能を満たすものを選定するともしている。空軍が長期間にわたる機体改修で戦闘機、爆撃機、給油機、情報収集機で相当の費用を覚悟する中、T-Xで予算節約が望ましいのだろう。 ただ価格だけが選定基準ではない。評価部門はリスク要因に注目するはずだ。その一つに技術リスク、言い換えれば技術成熟度がある。T-X訓練システムのすべての構成部品やサブシステムが期待通りに機能し最初から仕様通りに動くか。新型機では長期テス