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パリ航空ショー:エンブラエルの輸送給油機KC-390がデビュー

Source: IHS Markit/Patrick Allen Paris Air Show 2017: Embraer's KC-390 makes Paris Air Show debut エンブラエルKC-390がパリ航空ショーデビュー   Peter Felstead, Le Bourget - IHS Jane's Defence Weekly 22 June 2017 http://www.janes.com/article/71650/paris-air-show-2017-embraer-s-kc-390-makes-paris-air-show-debut    エンブラエルKC-390空中給油輸送機がパリ航空ショーでデビューし、試作二号機が毎日飛行展示を行っている。 報道陣に会場で同機の開発状況を説明したエンブラエル幹部のポール・ガスタオ・シルヴァによれば飛行試験用2機の累計飛行時間は1,000時間を超えており、テスト飛行で「設計の正しさが証明できた」という。 ブラジル空軍 (Força Aérea Brasileira: FAB)が28機を発注しており、来年から引き渡しを開始するとシルヴァは述べた。FAB向け二号機、三号機も生産段階にあるという。KC-390のテスト用三号機、四号機は地上/静止試験に投入中だ。 シルヴァによればKC-390は今年後半に「初期作戦水準通過」をし、来年に「完全作戦水準通過」になるという。ただしFABのKC-390部隊がそのまま稼働可能となるわけではない。来年にFABに引き渡すのは二機で、三号機は2019年になるとシルヴァは説明し、その段階で「最終軍用水準」になるというからだ。ブラジルの予算問題二よりエンブラエルは当初より控えめな納入工期に変更している。 KC-390開発は2009年にFAB契約を受けて始まった。2015年に試作機が初飛行し、同年から飛行テストが始まっていた。■ KC-390の諸元 エンジン:International Aero Engines V2500ターボファン双発 最高速度:470 kt (870 km/h) 最大貨物搭載量:26トン

ユマ基地海兵隊F-35Bがソフトウェア問題で飛行停止措置、ルーク基地F-35Aは飛行業務再開

Marine F-35s grounded due to software concerns 海兵隊F-35がソフトウェア問題で飛行停止中   By: Aaron Mehta, June 22, 2017 http://www.defensenews.com/articles/post-uk-election-team-skytale-to-equip-british-military WASHINGTON – ユマ海兵隊航空基地(アリゾナ)配備のF-35B共用打撃戦闘機が飛行を一時的に停止している。基幹支援システムの問題が原因とされる。 問題の核心部分は自動兵站情報システム(ALIS)であり、ALIS関連ソフトウェアはF-35に搭載されミッション立案から整備まで広く使われる重要部分だ。ALIS2.0.2が4月にF-35Aと海軍用F-35CにインストールされたがF-35B向けは遅れていた。 「第三海兵航空団司令マーク・ワイス少将はVMFA-211の飛行業務を一時的に中止し直近のALISソフトウェアアップグレード2.0.2ヴァージョンの手直しを待つこととした」と第三海兵航空団広報のカート・スタール少佐が声明発表している。「機体の安全に何ら問題はないが地上配備ALISシステムの正常作動を確認してから飛行業務を再開する」 スタール少佐はF-35事業管理室と主契約企業ロッキード・マーティンが技術要員を派遣しており、アップグレード関連問題を調べていると述べ、問題の核心は「整備コード部分が正しくシステムに反映されていないこと」と述べている。運航停止を最初に伝えたのは Inside the Navy だった。 F-35批判派は今回のソフトウェア問題に対して設計不備による遅延の追加事例というだろう。米空軍はルーク空軍基地のF-35Aの飛行停止措置を解除した。空軍機は6月9日から21日にかけ低酸素症がパイロットで見つかったため大事を取り地上待機していた。2011年以降で低酸素症関連の事例15件がF-35Aで見つかり、うち5件は先月に発生して飛行停止措置になっていた。 最大のF-35ユーザーの米空軍は今回の措置に対してソフトウェア不良で飛行停止措置になったことは承知していないと述べている。F-35開発室から本件に関するコメントは得

パリ航空ショー:クフィールを米民間企業売り込みを図るイスラエル航空宇宙工業

アグレッサーを民間企業が飛ばすというのがいいですね。クフィールはロシア製戦闘機をシミュレートするのでしょう。アルゼンチンが機体を受領しなかったのは支払い能力の問題だったのでしょうか。 クフィール(写真後方)を運用するATAC他民間請負企業にIAIがアルゼンチン向けに製造した12機-14機の販売を働きかけている。Source: Textron Paris Air Show 2017: IAI looks to offload unsold Argentinean Kfirs to US 'Red Air' training companies パリ航空ショー2017:IAIが売れ残りアルゼンチン向けクフィールを米国「レッドエア」民間訓練企業向け売却を狙う   Gareth Jennings, Paris - IHS Jane's Defence Weekly 20 June 2017 http://www.janes.com/article/71570/paris-air-show-2017-iai-looks-to-offload-unsold-argentinean-kfirs-to-us-red-air-training-companies イスラエル航空宇宙工業 ( IAI )がクフィール戦闘機の米国向け販売を狙っている。アルゼンチン向けだった機体を「レッドエア」訓練機材として民間請負企業に売りたいとIAI幹部が6月20日にパリ航空ショー会場でJane'sに語った。 IAIのLAHAV事業部長ベンジャミン・コーヘンによると同社は民間企業二社とクフィール12機から14機の販売交渉中だという。機材はアルゼンチン向けに製造されたが成約していなかった。 「販売先として『アグレッサー』訓練機を飛ばしている会社がいいと見ている。 ATAC は同型機を運用中で、 ドラケンインターナショナル も候補だ」とし、 ディスカヴァリーエア には接触していないが、候補になると述べた。 アルゼンチン向けのクフィール売却は2014年に発表され、Jane's取材陣がテルアヴィヴ生産施設を訪問した際にアルゼンチン国旗があるのを見てCEOのジョセフ・ワイスの公表につながったもの。その時点でIA

歴史に残らなかった機体(11)ノースアメリカンF-108レイピア

北米の防空戦闘機構想がここで大きな曲がり角に来たことが分かります。以後米国は防空よりも攻撃力整備に注力していくのですね。一方で、この機体の当初の想定を見ると第二次大戦中の爆撃機掩護任務の思想が見えてきます。やはり前の戦争のイメージが後世を支配するのですね。いかにもアメリカ的なパワーで勝負するコンセプトとともに費用対効果を決定の根拠とするこれもアメリカ的な意思決定の在り方が見えてくる機体です。   The F-108 Could Have Been America's Mach 3 Cold War Super-Interceptor F-108はマッハ3飛行可能の冷戦時スーパー迎撃機になるはずだった Michael Peck June 18, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/the-f-108-could-have-been-americas-mach-3-cold-war-super-21201 ソ連爆撃機の来襲を恐れた1950年代の米空軍は超音速迎撃機を開発しようとした。 実現していれば、マッハ3で高高度飛行する迎撃機は今日の戦闘機のスピード水準を大きく超えていただろう。 1949年に空軍が出した要求水準に対し リパブリックエイビエーション は1951年にXF-103ラムジェット戦闘機構想を提示した。翼を付けたロケットのような同機の最高速度はマッハ3で高度80千フィートまで上昇可能だった。この時点で亜音速のF-86セイバーとMiG-15が朝鮮上空で空戦を始めるところで現在の戦闘機でもマッハ2超の速度は出していない。 だがXF-103は当時の技術水準のはるか先を狙いモックアップだけで開発中止になった。米空軍はあきらめなかった。 1955年に長距離迎撃戦闘機実験事業が始まった。1957年に ノースアメリカンエイビエーション がXF-108開発契約を受注し、二名搭乗でマッハ3、千マイルの戦闘半径と最高高度70千フィートの性能を想定した。 偶然ではなく、マッハ3と上昇限度70千フィートは同社のXB-70ヴァルキリー戦略爆撃機構想と同じだった。XF-108はレイピアの名称がつきXB-70掩護の役割が想定された。いわれてみると両

★★F-22生産再開の可能性は消滅

ラプターもそのうちに改修の限界、機体の限界に達するでしょう。如何せん機体数が少ないのでミッションで酷使されるでしょうから。次期戦闘機を開発するとしていますが、従来型戦闘機の形態である必要もなく、無人機の存在も無視できなくなってきます。なによりステルス性能を発揮するのに小型機では限界があります。そうなると空軍の中に歴然と残る戦闘機パイロットを頂点とする文化も消えていくのでしょうか。 F-22ラプターがティンダル空軍基地フライトラインに見える。2015年12月のチェッカーフラッグ演習16-1にて。 (Photo: Senior Airman Sergio A. Gamboa) The F-22 Fighter Jet Restart Is Dead: Study F-22生産再開の芽消える報告書 Military.com | 21 Jun 2017 | by Oriana Pawlyk http://www.military.com/daily-news/2017/06/21/the-f22-fighter-jet-restart-dead-study.html ラプターファンには申し訳ないが、F-22生産再開の可能性はやはりない。だが最大の理由は費用以外と新しく出た報告書にある。 議会に提出された極秘報告によると米空軍は「F-22を新規生産した場合500億ドルとなり、一機当たり206百万ドルから216百万ドルの試算」とある。Military.comに21日関係者が語った。 「総額は生産再開の初期費用99億ドル、機体調達費404億ドルの構造だ」と空軍は説明している。 空軍長官ヘザー・ウィルソンが報告書を議会国防委員会に6月9日に送付した。下院軍事委員会航空地上小委員会が昨年空軍にロッキード・マーティンF-22を生産再開した場合の検討結果をまとめるよう求めていた。 「空軍にF-22生産ライン再開の予定はない。経済的運用面で実施に意味がない」と空軍報道官エミリー・グラボウスキ大尉が声明を発表した。 「航空優勢2030事業戦力実現チームで提唱する開発事業」に財源を振り向けたほうがよい大尉は述べている。 航空優勢2030構想とは高性能戦闘機、センサー、兵装を開発し予測が困難になる脅威環境の拡大に

★★日本側が調べたフィッツジェラルド衝突事件の全体像

うーんACXクリスタルが円を描いた航行をしていたのは事故後に現場に戻るためだったようですね。事故発生時間そのもので混乱があったのは通信機能がとまっていたためのようです。ただしこれは日本側のまとめた途中経過で肝心の米海軍からはなにも情報開示がありませんので断定はできないと思います。事故はクリスタル側に非があったようですが、今後NYK含め関係者は相当の賠償責任を負いそうですね。イージス艦体制にひずみが出ると今後痛い影響が出そうです。 USS フィッツジェラルドの右舷の様子 Investigators Believe USS Fitzgerald Crew Fought Flooding For An Hour Before Distress Call Reached Help 遭難信号が出る一時間前にUSSフィッツジェラルド乗員が浸水を防いでいた。  By: Sam LaGrone June 21, 2017 8:28 PM https://news.usni.org/2017/06/21/investigators-believe-uss-fitzgerald-crew-fought-flooding-for-an-hour-before-distress-call-reached-help 商船に衝突された誘導ミサイル駆逐艦の乗組員が艦の沈没を防ごうと懸命に努力しながら同艦から救援を求める第一報が発信されたのは事故発生一時間後であったと日本側捜査陣は理解している。 日本側捜査陣の推理ではUSSフィッツジェラルド(DDG-62)とフィリピン船籍の商船ACXクリスタルの衝突後、駆逐艦の通信機能が一時間停止し、その間に船体は四倍の大きさのある商船側は衝突に気付かず、現場に戻って初めて軍艦に衝突したと気づいている。日本側による捜査に詳しい複数筋がUSNI Newsに6月21日明らかにした。 捜査陣はクリスタルは東京に向けオートパイロットを作動し、乗組員は注意を払わずあるいは就寝中に駆逐艦右舷に現地時間1:30 AMごろに衝突したとみている。クリスタル乗組員は何かにぶつかったと感じ航路からUターンし衝突地点に18ノットで戻りフィッツジェラルドを発見し、救難信号を2:30 AMごろに送信した。米海軍は事故発

パリ航空ショー P-1展示をした日本の軍用装備輸出の方向性

  今一内容がわかりにくいのですが、中古機の再生輸出で米国の力を借りることなのか、P-1等新型機の輸出で米国等の技術力を応用するのでしょうか。いずれにせよ輸出で安全保障上のつながりが海外で生まれればよいニュースとなりますね。また内向きだけでよかった日本の防衛産業、行政の姿勢が外向きに変わることも長期に見ればよい効果を生みますが、中国は神経をいらだたせ、日本国内でも同調する動きが足を引っ張ろうとしてくるのでしょうね。   Japan looks to US to partner on used aircraft resale 日本が中古機材の対外販売で米国との提携を模索中 By: Jill Aitoro, June 21, 2017 (Photo Credit: TED ALJIBE/AFP/Getty Images) http://www.defensenews.com/articles/japan-looks-to-us-to-partner-on-used-aircraft-resale 防衛装備輸出の拡大を目指す日本が東南アジア向け中古機輸出で米国の協力を求めようとしている。 今回の方針はTC-90をフィリピンに供与する事業が成功したことから出てきたもので、フィリピンはイスラム国との戦闘に同機を投入しているといわれる。事業成立のため防衛装備庁の吉田孝弘事業監理官(航空機担当)はフィリピンを8回訪問したという。 「中古機のASEAN向け輸出は支援をパッケージにいして可能性を探って生きた。国名は出せないが数カ国と対話を続けており、米国をまじえASEANとの協力関係を模索する」と吉田はパリ航空ショーでDefense Newsに語った。「TC-90はすでに現地に引き渡し済みだ。次は用途廃止済みヘリコプター含む機材の部品輸出を目指している」 この背景に防衛産業の輸出基盤を作る狙いがあり、日本が進める戦闘機開発事業も関係する。防衛省によれば日本はF-2後継機の決断時期が近付く中「多数国と協議中」で機材海外調達、国産開発、国際共同開発の委sれかの選択に向かうという。 F-2の用途廃止は2030年代中頃以降となる。来年夏までに後継機の選択が必要だが中国が影を落とす。 「もちろん中国の次世代戦闘機開発は