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米議会の求めでA-10とF-35の飛行実証試験が行われる

F-35がCAS機材として妥当なのか、実証で確認することは良案でしょう。ただし、妙な圧力で結果がゆがまなければいいのですが。新政権で財政事情が一夜にして好転するとは思えませんが、明らかにトランプの思考はこれまでの政権とは異なり、ビジネスの損得を国家財政に持ち込むもののようですので、ひょっとすると今後米経済が急転換する可能性もあります。そもそも予算が足りない(使い方が悪い)ためにA-10はじめ高性能装備の今後が見通せなくなっていたのです。 Congress Wants A-10 vs. F-35 Flyoff Dec 1, 2016 Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/defense/congress-wants-10-vs-f-35-flyoff USAF 米議会は米空軍にF-35と実地で比較検証したあとでA-10退役を決めたいとしている。 この案はこのたび議会内調整できた総額6,187億ドルの2017年度国防政策法案に組み込まれており、A-10支持派には勝利と言える。ここ数年に渡り空軍とウォートホグ退役案で戦ってきたからだ。空軍がA-10退役予定を当面断念する結果になるとの予想もあり、すでに空軍上層部がAviation Weekにそれとなく暗示している。 上下両院で妥結を見た法案は11月30日に公表され、ペンタゴン試験部門にF-35とA-10の近接航空支援(CAS)での比較テスト実施を求める条項が加わった。ペンタゴン試験評価部門トップは試験結果に加えF-35の最終テスト段階の所見を初期運用評価(IOT&E)として議会に報告するよう求める。今後上下両院で議決に回される。 また空軍長官がIOT&Eと比較検証の結果を議会に提出したのちに空軍がA-10退役を開始できると定めている。これでF-35の性能判定とともにCASミッションの実施能力も確保できるとする。 これで空軍がA-10退役を始められるのは最短で2019年となった。F-35の共同事業推進室(JPO)はIOT&E開始を2018年と楽観的に見ているが、そもそも2017年8月の予定が実施不能となっている。ペンタゴ

12月7日のヘッドライン

12月7日のヘッドライン 筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。 J-20を甘粛省に配備 民間商用衛星の画像により中国甘粛省Dingxi にJ-20が2機11月17日に到着しているのがわかった。同基地は米空軍ネリス基地に相当するウェポンスクールの所在地である。 http://alert5.com/2016/12/07/j-20s-deployed-to-dingxin-airbase/ 新潜水艦「コロラド」 12月3日にコロラド州デンヴァー製発泡ワインを艦体に打ちあてて命名を完了した。同艦は2019年に就役し300隻体制を目指す米海軍の一部となる。ヴァージニア級攻撃潜水艦の15号艦の建造単価は27億ドル。コロラドの艦名はこれで四隻目。直近は第2次大戦の戦艦だった。 http://www.military.com/daily-news/2016/12/04/navy-christens-submarine-uss-colorado-shipyard-ceremony.html 戦場で改良を続ける小型飛行船 常時情報提供のため小型飛行船がアフガニスタン等に投入され、有効性を証明している。無人機より費用が抑えられるのも魅力だ。従来の飛行船は低空に配置され脆弱だったが新技術で高空に数か月滞空できるようになっている。太陽光発電を応用してセンサーを使える。ただし軍は新政権の方針が出るまでは静観の立場だ。 https://warisboring.com/battlefield-aerostats-are-getting-better-790ae80123d7 米海軍がF/A-18E/F追加調達か 米海軍はF/A-18旧型ホーネットに代わりE/Fスーパーホーネット数十機程度の調達を検討していると判明した。決定となれば2018年度予算に盛り込む。旧型機の整備に手間がかかりF-35Cの供用開始が遅れていることもあり、70機程度のホーネット機体数が不足するという。 http://www.reuters.com/article/us-boeing-fighters-idUSKBN13T05S 高性能無人ステルス偵察機を求める米空

ヘッドラインニュース12月6日

12月6日のヘッドライン 筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。 Su-33が着艦失敗し機体海没、地中海、ロシア空母 12月5日、地中海で作戦中のロシア空母アドミラル・クズネツォフでSu-33が着艦に失敗し、機体は海に没した。パイロットは射出脱出し無事回収された。原因は拘束ワイヤーが切断したことによる。以前にMiG-29KRでも同様に着艦失敗で機体喪失している。 https://sputniknews.com/military/201612051048173705-su-33-admiral-kuznetsov/ USSズムワルトがカリフォーニアへの回航を再開 主駆動軸の潤滑油の冷却装置が同艦を航行不能にした原因だった。海水が装置内に入ったことで故障したが、この現象は以前から報告があった。今回のパナマでの修理のため姉妹艦マイケル・マンソーから同型部品を慌てて空輸した。ズムワルトはサンディエゴに12月上旬に到着する。 http://www.defensenews.com/articles/destroyer-zumwalt-resumes-voyage-to-california 自殺車両攻撃に苦しむイラク陸軍のモスル奪回作戦 ISISが用いる車両搭載即席爆発物による自殺攻撃が深刻なためモスル奪回を狙うイラク地上部隊が苦境に陥る中、連合軍は同市につながる橋梁5箇所のうち4箇所を空爆で壊滅させ、ISISガチグリス川東岸への移動を困難にする策に出た。 http://www.janes.com/article/65923/coalition-takes-out-mosul-bridges-to-restrict-svbied-attacks 中国がDF-21ミサイル10発を同時に試射 トランプ次期大統領への力の示威なのか、中国が11月末に一斉発射下のは中距離弾道ミサイルDF-21でアジア太平洋地区の米軍基地を標的にすると新華社が説明する装備だった。専門家によれば今回発射されたのはDF-21Cで海上艦船を狙うDF-21Dはこの派生型。中国がミサイル発射を発表したタイミングはトランプがマティス退役海兵大将を次期国防長官に内定したと明らかにし

12月5日のヘッドラインニュース

12月5日のヘッドライン 筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。 A-10対F-35のCAS効果比較実証を求める米議会 総額6187億ドルの2017年度国防予算案の一環で浮上した動きでA-10の実効性が明らかになれば同機の温存をかねてから主張している一派は有利となる。その結果、米空軍はA-10退役案を当面棚上げする可能性もある。 http://aviationweek.com/defense/congress-wants-10-vs-f-35-flyoff ベルと富士重工がUH-X開発から民生型投入も期待 ベル412を自衛隊向けUH-Xとして改修する案から機体重量が増えて民生向け派生型も生まれそうだ。ベルと富士重工は別個に民生型を生産することになりそうだ。 http://aviationweek.com/combat-aircraft/bell-fhi-raise-412-maximum-weight-uh-x 初の電子戦総合戦略をペンタゴンが作成 電子戦での優位性を再度確立することが急務な中、初めて電子戦関連の総合戦略構想がまとまり、カーター国防長官の承認をまっている。完成すれば実施案、ロードマップ除き公表される見通し。新技術の積極的導入が柱となる。また2018年度予算ではEW関連が大幅に増額される。具体的予算規模は2月以降明らかになる。 http://breakingdefense.com/2016/12/1st-ever-electronic-warfare-strategy-headed-for-secdefs-desk/ 北朝鮮への先制攻撃が必要 シャープ退役陸軍大将(前駐韓米軍司令官)は北朝鮮への先制攻撃をトランプ政権は検討すべきと主張。これは北朝鮮が米国を狙う長距離ミサイル開発に完成する前に手を打つべきとの主張で、外交やミサイル防衛では不十分との考えを反映するもの。CSIS主催のパネル討論で発言した。国連安保理は討論の前日に北向け制裁策の強化を採択している。 http://www.defensetech.org/2016/12/01/pre-emptive-strike-north-korea/ テ

トランプの台湾電話会談の次に何が来るのか

南シナ海、東シナ海で現状維持に堂々と挑戦する中国がトランプ次期大統領の突然の台湾総統との電話会談で現状が破られることを危惧するのはなんという皮肉でしょうか。台湾の独立と繁栄を守るのが米国の大きな目標です。台湾内部の意識変化もあり、そろそろ台湾に国ではない扱いをするのを変える時期に来ているのでしょう。台湾が台湾としてのアイデンティティーを持てば(中国が一番忌避する考え)、一つの中国原則はそのままで、誰もが得をする結果になるのですが、計算高い中国人がこれに気づいていないはずはないのです。台湾侵攻のシナリオはたしかにありますが、何ら生産的な結果を招かないことも自明の理です。建前と本音をうまく使い分けられる中国人と台湾人がうまく並列できるといいですね。しかし今回の電話会談で一番びびったのは外交官僚であり親中派だったのは痛快ですね。 Donald Trump Talks to Taiwan: What Happens Next? Walter Lohman December 3, 2016 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/donald-trump-talks-taiwan-what-happens-next-18608 ドナルド・トランプ次期大統領が台湾総統蔡英文と12月2日に電話会談した。その事自体になんら誤りはなく、むしろ今後のアメリカの台湾政策で良い兆候となるだろう。 米台関係には中国と取り交わした3文書による一つの中国政策から制約を受けている。一部は1979年に正式に中華人民共和国を承認するため必要だったが、残りは必ずしも必要ではない。 新政権は両国交流に塞がる成約を見直し緩和にもっていくべきである。 台湾に親しみを感じる勢力がこのことを長年提唱してきた。マルコ・ルビオ上院議員(共フロリダ)やスティーヴ・チャボット下院議員(共オハイオ)はともに煩雑な制約に手をつける法案を提出しており、上院版の2017年度国防予算認可法案でも同じ内容が盛り込まれている。 米台関係では他の課題も目白押しだ。たとえば台湾向け潜水艦、戦闘機の調達は待ったなしだ。台湾関係法の理念を再度確認し、レーガン大統領が1982年に台湾に約束した「6つの保障」も活かすべきだ。 また台

12月4日のヘッドラインニュース

12月4日のヘッドライン 筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。 F-35開発推進室の存続はぎりぎりで認められた 2017年度国防予算許認可法案の政治的妥結でJPO共同開発推進室は廃止を免れたが、ペンタゴンは来年3月までに事業統括の代替策の提出を求められている。 http://www.defensenews.com/articles/f-35-joint-program-office-saved-for-now ミニドローンを運用するオスプレイ 先行飛行させ着陸地点の情報を送る無人機をオスプレイに搭載する構想をペンタゴンが検討中。 http://www.defenseone.com/technology/2016/12/pentagon-wants-eye-reading-software-x-ray-tools-and-virtual-facebook-fight-terrorism/133562/?oref=d-river EU防衛行動構想が公表された 加盟国の集団安全保障作として年間55億ユーロを基金に繰入れ、各国の防衛体制の変化を奨励する内容だ。既存の各国防衛方針の調整変更から装備調達までこれまでの方向性を変えようとするもの。 http://www.janes.com/article/65905/ground-breaking-eu-defence-action-plan-unveiled 敵装備を乗っ取る新技術が開発中 米政府は産業界とともに敵通信制御を奪い、無人機など装備を自由に操る技術を開発中。これまでの技術は通信妨害に注力していたが、新技術Mesmerは通信の奪取が目標だ。 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/the-us-military-has-plan-take-over-potential-enemies-18559 USSズムワルトの修理作業はどこまで進捗しているのか パナマ運河で機関故障が発生し回航途中で修理を受けけている同艦だが、高性能誘導モーターからシャフト周りが浸水していた。出港の準備が整い、サンディエゴへ向かう。 https

歴史のIF ② フォークランド戦争でアルゼンチン潜水艦の魚雷が機能していたら

ASWが困難であることに改めて驚かされます。もっとも英海軍はフォークランドでは対潜哨戒機を運用できず能力で限定があったのでしょうが、ディーゼル潜水艦とは言え大きな脅威になることを示していますね。 How the Falklands War (Thanks to a Stealthy Submarine) Could Have Gone Very Differently Sebastien Roblin November 27, 2016 http://nationalinterest.org/blog/how-the-falklands-war-thanks-stealthy-submarine-could-have-18495 1982年に発生した短期間ながら熾烈なフォークランド諸島(アルゼンチン名マルヴィナス)をめぐる戦闘は英国海軍力による勝利と受け止められている。英海軍任務部隊は激しい航空攻撃をものともせず南大西洋でアルゼンチンから領土を奪還した。 戦いの殆どでアルゼンチン海軍のディーゼル動力潜水艦サンルイが英海軍に立向かっていた。同艦へほぼ200発の対潜兵器が向けられたが無傷で帰港している。同艦は対潜フリゲート艦に2回も攻撃するチャンスがあり、兵装が正常に作動していれば英国の勝利は大きな代償を求められていただろう。 アルゼンチン軍事政権はフォークランド諸島を占拠し、国内政治で点数稼ぎを狙った。実際に開戦になるとは考えなかった軍事政権は判断を誤り、英国首相マーガレット・サッチャーが事態をエスカレートし軍部隊を迅速に動員するとは予期していなかった。 作戦立案の不備を如実に語るのはアルゼンチン海軍の潜水艦部隊だ。機関不調で潜行できず、修理に入っている艦もあった。旧式のサンタフェがフロッグマン部隊を送り、4月2日の侵攻当日を支援したが、その時点で最新鋭のサンルイはその翌日に出港しマルヴィナス周辺で戦闘哨戒を実施する命令を受けた。 サンルイはドイツの209型ディーゼル潜水艦で小型かつ費用対効果の高い潜水艦で大量に建造された途上国向けの艦だ。排水量は1,200トンで36名が乗り組む同艦はマーク37対潜魚雷14発とドイツ製SST-4有線誘導式対水上艦魚雷10初を搭載。潜行時に42キロ、浮上時に21キロの