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オーストラリア>水上艦艇国内建造方針、次期潜水艦調達決定は数ヶ月以内

ここのところオーストラリア向け潜水艦案件はおおきな動きがありませんでしたが、まず水上艦は国内建造になりました。ということは国内での潜水艦建造は断念するのではないでしょうか。背景には複雑な国内事情があることがわかりますね。 Australia To Build New Naval Fleet in $65B Package Agence France-Presse 4:14 p.m. EDT August 4, 2015 http://www.defensenews.com/story/defense/naval/ships/2015/08/04/australia-build-new-naval-fleet-65b-package/31107267/ SYDNEY — オーストラリアは890億オーストラリアドル(650億ドル)で新型フリゲート艦、巡視船を国内建造することを発表した。なお、次期潜水艦の海外調達先は「数ヶ月以内に」決定するとしている。 「建造継続」案ではフリゲート艦、巡視船、潜水艦の後継艦を今後20年で整備するとしており、国内で2,500名の雇用を実現する内容でトニー・アボット首相の言では「歴史的な発表」だという。 「歴代のオーストラリア政権は国内建造を続けると表明してきた」とアボット首相は報道陣に語った。「基本的に艦隊建造は国内で行い、中心は南オーストラリアとする」 ただし首相は進行中の次世代潜水艦の海外調達先については多くを語らなかった。現行のコリンズ級潜水艦の退役は2026年から始まる。 オーストラリア向け潜水艦はフランス、ドイツ、日本が受注を狙い、総額500億ドルとオーストラリアで史上最大の防衛調達事業になる。 ただし、海外建造とした場合は国内産業の保護をめぐり国内で議論を巻き起こしていることもあり、契約交付は一筋縄ではいかない。 「これまで各国に国内建造にした場合の費用総額、国内国外建造を組み合わせた場合の価格、完全海外建造の価格開示を請求している」(アボット首相)「回答が今後数ヶ月で到着すれば、最終決定に入る」 今回の建艦事業は「次世代フリゲート」により現行のアンザック級を2020年に交代させるもの。また巡視船はアーミデイル級の後継艦となる。またケビン・アンドリュース国防相によれば「

中東>シリア作戦で新局面に入った米軍の作戦状況

シリアでの状況が大きく変わりそうですね。米国が支援する「穏健な」反乱勢力がどこまで有効なのか試されますが。地上では現地部隊に戦わせ、米軍は航空支援を行い、もって米地上部隊の派兵を回避するというのが現政権の考え方ですが、有効であることを祈るばかりです。 U.S. expands potential targets in Syria By Andrew Tilghman, Staff writer 4:49 p.m. EDT August 3, 2015 (Photo: MC3 Anna Van Nuys/Navy) http://www.militarytimes.com/story/military/pentagon/2015/08/03/us-air-strikes--syria/31069911/ 米軍はシリア国内の爆撃を拡大し、アルカイダと連携するアル・ヌスラほか アサド政権支持派も攻撃対象に含めるとペンタゴンが発表した。 拡大は米国公約の穏健派シリア反乱勢力支援の一環で、米国は穏健派に訓練、機材供与を行っており、訓練を受けた穏健派がシリアの戦闘区域に復帰している。 「これらの一派は米国と共同し、米国の訓練を受けており、米国は防御的支援を提供する」とペンタゴン報道官ジェフ・デイヴィス大佐が3日明らかにした。 シリア空爆を米国が開始して一年、米軍は初めて地上に友軍を得た。新シリア軍New Syrian Forces の名称でおよそ60名がIS戦闘分子との戦いに入ると期待されている。米軍は近接空中支援で新シリア軍の攻勢を助ける。 シリア内戦は複雑な様相を示し、アメリカの支援を受けた反乱分子が他集団の攻撃を受ける可能性は高い。とくに アル・ヌスラあるいはアサド政権が危惧される。もしこの事態が発生すれば、米軍は「防御的火力支援」を提供すると約束しているとデイヴィスは言う。 「防御的目的に限り、米軍は対象を他の脅威から守ります」とし、「集団間の抗争状態は承知しており、必要な手段で該当部隊が目的を実行できるよう手配します」 新方針が先週金曜日に早速試された。新シリア軍がアルヌスラ戦線と思われる集団から攻撃を浴びたのだ。NSFは米軍への連絡手段で空爆を要請した。承認され、実施されたとデイヴィスは言う。 空

★★海上自衛隊>大胆な戦略方針転換の理由は中国

日本国内ではなかなか聞こえてこない海上自衛隊のトップの発言を米国経由で聞くというのは倒錯していると言わざるを得ません。内容自体はごく健全なものですが、このまま日本で(日本語で)発言すると問題が起こるのでしょうか。とすれば国内の言論空間にゆがみがあるということですね。日本の国益をどう捉えるかという問題ですが、思考がどこまで広がっているのかというもんだなのでしょうね。 Japan Looks South: China’s Rise Drives New Strategy By SYDNEY J. FREEDBERG JR. on August 03, 2015 at 2:41 PM http://breakingdefense.com/2015/08/japan-looks-south-chinas-rise-drives-new-strategy/feed/ WASHINGTON: 海上自衛隊トップが講演すれば話題は日本防衛についてだろうと予測するのが普通だろう。だが武居智久海上幕僚長が10ヶ月で三度目の訪米となった今回のワシントン講演で日本が戦略的視野を広げていることを示したのには、いささか驚かされた。日本がインド洋までを視野に入れ、南シナ海に特に関心を示す背景にはもちろん中国の存在がある。 日本を先に訪問していたアンドリュー・クレピネヴィックの発言を引用すると「脅威の高まりと米国への信頼のゆらぎがあいまって、また憲法第9条の再解釈により日本では安全保障への考え方が広がり、戦略的になった」のだ。 日本の新思考で特筆すべきことは何か。カーネギー平和財団の講演で武居海上幕僚長は北朝鮮、尖閣諸島、ロシアについて言及していない。幕僚長は「太平洋」とも言わず、より広範な「インド・太平洋」の語句を使っている。 東北アジアについて論じるかわりに、幕僚長はソマリアであいかわらず混乱が続いていること、イエメンの不安地度から依然アデン湾での海賊活動に現象の兆しがないこと、海上自衛隊が護衛艦艇と哨戒機を派遣していることを紹介した。また「ある国」が「不安と不信」を南シナ海で発生させていると、日本人らしからぬ強い語調で中国について話している。 「中国はスプラトリー諸島のサンゴ礁を急速に埋め立てており、各国の反対を無視している」と武居幕僚

★F-35は最後の有人戦闘機になるのか

同じロッキードのF-104も最後の有人戦闘機と言われていましたが、(こんなことを言っていたのは日本だけ?) どうもF-35が最後の有人機になる可能性は低いようです。 F-35 Lightning II - last of the manned fighters? Gareth Jennings, London - IHS Jane's Defence Weekly 27 July 2015    http://www.janes.com/article/53232/f-35-lightning-ii-last-of-the-manned-fighters (US Air Force) 米海兵隊は ロッキード・マーティン F-35ライトニングII供用打撃戦闘機(JSF)の初期作戦能力獲得を7月末までに宣言する見込みだが、次の有人戦闘機があるのか、いいかえればJSFが最後の有人戦闘機になるかと多くの筋が問いかけている。 軍事航空にはこれまでも誤った予測があり、従来どおりの概念としての戦闘機は消滅すると何回も言われてきた。 ヴォート F-8クルセイダーが1950年代中頃に開発され付けられたニックネームは「最後のガンファイター」で、以後の戦闘機はミサイルのみ搭載すると見られていた。 英国は更に先を行き、1957年の国防白書は大胆にも有人戦闘機は今後地対空ミサイルに置き換えると主張していた。これは全く誤った見解で代償は英国国防宇宙航空産業の衰退と高くついた。. 最近も今年4月に米海軍長官レイ・メイバスがF-35が「打撃戦闘機として海軍省が調達する最後の有人戦闘機になるのはほぼ確実」と発言している。 有人戦闘機が終焉を迎えるといわれてきたのは空対空、地対空ミサイルの開発が根拠だったが、今日では無人機技術が進展し、戦闘機パイロットの仕事を奪いかねない勢いだ。. 名称こそ無人航空機(UAVs)、無人航空システムズ、遠隔操縦航空機、遠隔操縦機システムズ、あるいは単にドローンといろいろあるが、無人機は戦場に初めて登場した1980年代から指数関数的に増加している。 無人機の先陣を切ったのはイスラエル国防軍で敵防空網を無力化する手段としてUAVを地対空ミサイルの前に飛ばせ有人戦闘機にミサイル陣地の場所を教え

★情報戦>スカッドミサイル発射の警報はツイッターから入手していた

詳細はわかりませんが、ソーシャルメディア全体からキーワードを抽出し、位置情報と組み合わせて特定のイベントの開始を事前に把握する仕組みがすでに稼働中だとうかがえます。当然NSAが大きく関係しているのでしょうね。みなさんもフェイスブックやツイッターの利用には注意が必要ですね。 New Intel Era: Tweet Alerts DIA To SCUD Launch, Not Spy Sats By COLIN CLARK  on July 31, 2015 at 1:11 PM PENTAGON CITY: ソーシャルメディアは国際問題や安全保障にも影響を与えている。アラブの春はチュニジアで若者が焼身自殺したことが共有されて蜂起につながった。 だがソーシャルメディアが武器発見に有望なツールだとは考えもしないだろう。なんといってもスパイ衛星(DSPやSBIRS)があり、ミサイル発射の兆候に目を光らせており、レーダー衛星や各種航空機のAWACSやJSTARSが空と地上を見張っているのだ。 だが国防情報局のトップは情報関連の契約企業の聴衆に対し、イエメンのフーシ派が6月にスカッド・ミサイルをサウジアラビアを狙って発射したとの情報は宇宙配備赤外線システム(SBIRS)や旧式化しつつも信頼性の高いDSP衛星群が出所ではないと明らかにしている。 「最初の警告はハッシュタグ・SCUD・発射」のつぶやきが出たことで、それだけではミサイル発射場所は特定できなかったが、海兵隊中将ヴィンセント・スチュワート Lt. Gen. Vincent Stewart はその情報が元で衛星群、無人機他のアセットを動員し、発見に至ったことを明らかにした。「これが探索を開始した経緯だ」という。 中将はDIAがその他好ましくないことも発見したという。詳細は触れなかったが、DIAのネットワークを対諜報活動専門家が探ろうとしたという。 その他にも懸念事項があるという。局内の異動が少ないこと、年間5%しか局員が入れ替わっていない、分析が硬直化しており、とくにキューバ関連でその傾向が強いとし、世界の変化に対応していないことを指摘した。中将は分析官はしかるべき資格を取るべきとし、居心地が悪く感じるものはCIA他情報機関へ転籍すべきとまで言い放った。中将はCIAをくりかえし

最大の防衛企業ロッキード・マーティンCEOに聞く

たしかヒューソンCEOはロッキードに技術畑で入社して上り上がった叩き上げですね。以下インタビューでは微妙な問題も出ていますが、さすがにうまく切り盛りしています。米国のジャーナリズムのきびしい問いかけ方法を日本も学ぶ必要があるのではないでしょうか。ブログ主としてはCFR(コンパクト核融合炉技術)はどうなったのかと聞きたくなるところですが。 Interview: Lockheed Martin's Marillyn Hewson By Andrew Clevenger, Vago Muradian and Aaron Mehta  6:42 p.m. EDT July 27, 2015 http://www.defensenews.com/story/defense/policy-budget/leaders/interviews/2015/07/27/interview-lockheed-martins-marillyn-hewson/30646469/ (Photo: Staff) PARIS and WASHINGTON — 今年もロッキード・マーティンはDefense News恒例の100大国防企業のトップになり、ヘリコプター大手のシコルスキーの吸収合併で更に業績を拡大する勢いだ。会長、社長兼CEOのマリリン・ヒューソンは同社を2013年から率いており、ペンタゴンとの関係改善、社内企業文化の再強化、さらに今後の同社の戦略的位置づけの定義を図ってきた。インタビューは7月27日に行った。 シコルスキー買収の理由は。ロッキード・マーティンのビジネス戦略全体で変化が生まれつつあるのか。 シコルスキー買収は当社のビジネス拡大戦略の一環。当社の航空宇宙国防製品・技術の品揃えが広がり、国際的にも訴求力のあるヘリコプター・ソリューションを提供できる。商用ヘリコプターでも新しい可能性が出てくる。シコルスキーが今後もDoD(国防総省)向けに素晴らしい製品を供給し続けるためにも今回の決定が最善だと確信しており、以前より広範な経営資源を投入し安定性をますのでそのまま事業を継続していた場合よりも優れた業績を示せるはずだ。 シコルスキー買収でロッキードはヘリコプターおよびヘリコプター向け電子装備でトップメーカーに踊り出るが、一方で垂直統合が強まり、

★米海兵隊F-35Bで初期作戦能力獲得宣言

いろいろ問題がついてまわるF-35ですが、IOC獲得だけは予定の時間をぎりぎりで達成したようです。ただし、IOCでありフル性能が実現するのはまだまだ先のようですし、まだまだ今後が難航しそうな同機のことですからどうなりますやら。岩国に真っ先に配備されるのはいいのですが、また反対運動が出てくるんでしょうか。心配です。 U.S. Marines Declare First F-35B Squadron Operational Jul 31, 2015 Amy Butler | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/defense/us-marines-declare-first-f-35b-squadron-operational 計画から遅れること5年、予算も数十億ドル超過し、計画中断の試みを断ち切り、F-35B共用 打撃戦闘機がついに米海兵隊で供用を開始する。 7月31日に12カ国のトップを切り海兵隊は短距離陸垂直着陸型のF-35Bの初期作戦能力(IOC)獲得を宣言した。 第121海兵隊戦闘攻撃飛行隊 (VMFA-121)は駐屯地ユマ(アリゾナ州)がIOCを5日間にわたる作戦即応度観閲(ORI)を7月17日に受けた。 「VMFA-121にはブロック2B仕様の10機が配備され、運用展開の準備が完了した」と海兵隊司令官ジョセフ・ダンフォード大将が発表した。「近接航空支援、攻撃・防空空中戦闘、迎撃、強襲支援、武装偵察を海兵隊陸上部隊とともに実施することが可能だ」 F-35支持派にとって今回の達成は戦術航空の新時代の幕を開くものとされ、単発ステルス機が今後各国で投入されることを期待するものだ。通常離着陸用のA型が需要が一番高く、1,763機を導入する予定の米空軍も2016年12月にIOCを宣言する予定だ。同盟国ではイタリア、ノルウェー、デンマーク、オランダ、カナダ、トルコ、オーストラリア、イスラエル、日本、韓国が運用する。C型は米海軍専用の機材で発着艦時を考慮して主翼が大型化している。海軍のIOCは2019年2月の予定。 VMFA-121配備の10機が今回のIOCで作戦可能となった。同隊は以前はF-18ホーネットを飛ばしていた。 今