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F-22初の実戦はISIS対地攻撃になった

F-22’s Takes First Shot Against Ground, Not Air, Target Sep 23, 2014 Amy Butler | AWIN First F-22が攻撃した目標 攻撃前(左)と攻撃命中後(右) Defense Department 米空軍で最も高価な装備F-22が初の実戦に投入された。 9月23日早朝にISISの目標を攻撃したと空軍中央軍報道官エドワード・ショルティス中佐 Lt. Col. Edward Sholtis が明らかにした。 F-22はこれまで制空戦闘機としては無駄に高価な機体と批判されていたので、今回は皮肉な実戦デビューになった。対地攻撃能力の追加は就役後に開発されてきた。 攻撃は三波構成で、米軍及び同盟軍は計22の目標に200発近くを投下したと国防関係者が明かした。このうち9割近くは精密誘導爆弾を使用。 F-22は第二波に参加、その他F-15,F-16、B-1、無人機が投入された。 F-22は指揮統制司令所を目標にGPS誘導の精密爆弾を投下したと、統合参謀本部作戦部長のウィリアム・メイヴィル中将Lt. Gen. William Mayville, director of operations for the Joint Staffがペンタゴン報道陣に説明した。中将は兵器の種類で言及を避けたが、1,000-lbの共用直接攻撃弾あるいは250-lb.の小口径爆弾の可能性が高い。 F-22が何機投入されたか不明。なお、F-22はアラブ首長国連邦のアル・ダフラ Al Dhafra 空軍基地に配備中で今後も作戦に備えている。 F-22の初期作戦能力獲得は2005年で、完全作戦能力は翌年に達成。ステルス性能が高いF-22は探知されずに敵空域に侵入し、搭載センサー類で戦闘空域の情報収集が可能。 第一波攻撃で米海軍USSアーレイ・バークとUSSフィリピン・シーが40発以上のトマホーク巡航ミサイルを発射している。第三波では住宅地区へ精密兵器が投入されISISの訓練・補給センターを攻撃。空母USSジョージ・H・W・ブッシュから発進したF/A-18がGPS誘導兵器を投下したとメイヴィル中将が発表している。■

航空自衛隊E-2Cホークアイ後継機を国産化へ

Report: Japan Wants Its Own Early-Warning Planes Sep. 21, 2014 - 11:56AM   |   By AGENCE FRANCE-PRESSE   |    Comments アンダーセン空軍基地(グアム)でE-2Cホークアイを誘導する航空自衛隊員。防衛省はホークアイ後継機は国産機材とする考えで高性能レーダー開発を2020年代中頃に実現しようとしている。 (Staff Sgt. Jacob N. Bailey / US Air Force) TOKYO — 日本の防衛省は早期警戒管制機を国産開発し、中国及びロシアの空軍が活動を強化している状況に対応したいと考えているとの報道が21日に出た。 防衛省は平成27年度事業で80百万円の調査開発研究予算を要求していると読売新聞が報じている。 記事によれば高性能監視レーダーを2020年代中頃までに開発し、米国製E-2Cホークアイの後継機を配備する案があるという。 領空に近づく外国機に対応した自衛隊の緊急発進は昨年度は800回超となり、大半は中国とロシアから飛来したもの。これは冷戦終結後で最大の回数だという。 また中国が昨年11月に「防空識別圏」を東シナ海上空に設定したことで軍事衝突のおそれも大きくなっており、日本の防空識別圏との一部重複があること、両国の主張が別れる島嶼部分の上空に設定されていることがその原因だ。 日曜日の報道の背景には武器輸出の自主規制を解除や、安倍晋三首相が外交、防衛両面で積極的に動き経済不振が長年続く状況を変えたいとする動きがある。 記事に対する防衛省のコメントは得られていない。

新型無人機トライトンの実用テスト開始近づく

トライトンはグローバルホークの海上型ですが、要求性能がずいぶん違うようです。米海軍は同機テスト機材を大回りで西海岸から東海岸まで回送してきました。無人機運用は有人機前提の航空管制であらたな問題を引き起こしそうです。日本もグローバルホークを導入すれば同じ課題に直面しますね。 Triton Arrives At Pax River For New Round of Testing By: Dave Majumdar Published: September 18, 2014 2:18 PM Updated: September 18, 2014 2:18 PM MQ-4C トライトン無人航空システムがパタクセントリヴァー海軍航空基地に9月18日着陸した。 US Navy Photo パタクセントリヴァー海軍航空基地(メリーランド州)にノースロップ・グラマンMQ-4Cトライトンがテスト実施のため到着した。同機は大陸横断飛行し9月18日到達した。 ノースロップのパームデール施設(カリフォーニア州)を離陸しおよそ11時間で3,290海里を飛行した。 MQ-4Cの到着で、海軍はテスト内容を任務想定したより実践的なものに移行し、ミッションシステム系統を検分する。 「同機のテストは今後数年間が重要となり、世界中どの地点でも海上の動きを探知し戦闘部隊に情報提供することをめざす」とマット・ウィンター少将(海軍航空システムズ無人機打撃兵器開発部門)Rear Adm. Mat Winter, the Naval Air Systems Command’s program executive office for unmanned aviation and strike weapons (PEO (U&W))が文書で発表した。 トライトンはパタクセント基地まで遠回りルートで飛行し、南方の合衆国国境地帯上空から、メキシコ湾、フロリダ半島を横断し大西洋に出てからチェサピーク湾を目指した。飛行中の高度は5万フィートを維持し、民間機の飛行帯を避けた。 この飛行経路は連邦航空局が無人機の飛行を領空内では正式な認証がないままでは認めていないためだ。 「海軍の大型無人機を国内横断飛行させるには関連機関多数と

ロシア、中国の新型爆撃機開発の現況

西側との対決姿勢を示すロシアが軍事装備の拡充を図っているのは周知のとおりですが、伝統的な長距離航空戦力でも進展が生まれつつあるようです。中国はもっと秘密のベールに覆われていますが、空母と合わせ長距離爆撃機の開発を進めているのは間違いないようです。これに対し米空軍のLRS-Bが本当に開発できるのか、F-35で相当計画が狂っている各国の防空体制が中ロの新型機に対抗できるのか、今行われている投資が2020年代意向の航空戦力図を決定することになるのでしょうね。 Future Bombers Under Study In China And Russia China may follow Russia in bomber developments Sep 18, 2014 Bill Sweetman and Richard D. Fisher | Aviation Week & Space Technology Long-Range Plans ラドゥガKh-101/-102ALCMは全長が大きく、Tu-95の爆弾倉に入りきらず主翼下パイロンに装着する。 VIA INTERNET 米空軍の長距離打撃爆撃機(LRS-B)開発が来年にも本格実施を目指す中、ロシア、中国も次期爆撃機を開発中。このうちロシアのPAK-DA( perspektivnyi aviatsionnyi kompleks dal’ney aviatsii 、次期長距離航空システム)は1977年のツボレフTu-160以来となる新型爆撃機、他方、中国は初の国産爆撃機の実現を狙う。 PAK-DAは ユナイテッドエアクラフト United Aircraft Corp . (UAC) 傘下のツボレフが開発にあたる。ツボレフは第二次世界大戦終結後のロシア長距離爆撃機のほぼすべてを手がけてきた。開発の正式決定は2007年。新型爆撃機が登場するまで既存機種の改修が進められる。 超音速爆撃機 Tu-160Mは改修により2030年代まで運用を図る。Credit: Wikimedia 亜音速全翼機あるいはブレンデッドウィング形式の機体にステルス性能を加えた案が2012年初頭に提出されている。実現すればロシア初の全方位高性能ステルス機となり、1997年就役のB-2

インド・ロシア共同開発で新型第五世代戦闘機開発へ

インドとロシアの第五世代戦闘機共同開発ですが、思惑通り進むのか興味津々ですね。 ロシアが狙うのはインドのエイビオニクス等高度技術のようですが、果たしてどうでしょうか。 交渉事ではタフそうな両国ですから途中で意見が衝突しそうな気もします。 Indo-Russian Jet Program Finally Moves Forward Sep. 15, 2014 - 02:50PM   |   By VIVEK RAGHUVANSHI   |    Comments 第五世代戦闘機をロシアのT-50を基にインドとロシアが共同開発する。写真は2013年モスクワ上空を飛行する同型機。 (KIRILL KUDRYAVTSEV/ / AFP/Getty Images) NEW DELHI — インドとロシアが第五世代戦闘航空機Fifth Generational Fighter Aircraft (FGFA) 共同開発で残っていた課題を解決したと在印ロシア外交筋が述べている。計画では200機を300億ドルで生産する。 課題がすべて解決したとインド国防省は認めておらず、両国間の作業分担率で合意できていなかった。 ただナレンドラ・モディ首相Prime Minister Narendra Modi とウラジミール・プーチン大統領がこの問題を7月にブラジルで協議したことを外務省が認めており、FGFA事業の前進を確認していると消息筋が追加している。 2010年に初期設計合意がインド国営 ヒンドゥスタン・アエロノーティクス・リミテド Hindustan Aeronautics Ltd. (HAL) と スホイ設計局 の間で成立しており、FGFAを共同生産するとしていた。ただしこの最終版で生産を開始する予定だったが、インド空軍から設計案の承認が取れず、一方で両国の間で作業分担の合意が取れず棚上げになっていた。 インドは分担率を25パーセント以上に引き上げる変更を求めている。両国は295百万ドルを投入ずみ。 上記ロシア外交官によればインドの作業比率はインド産業界の成熟に伴い40%まで増加し、高度技術の機体搭載が期待されるという。 インドとロシアは今年末までに最終合意にサインする予定と外務省は説明している。ロシアもインド空軍の

★★日本も陸上配備イージス導入か。海自イージス艦も性能改修へ

イージスはヨーロッパ向けに陸上配備の整備計画も進んでおり、日本も導入したいというのが今回の背景でしょう。なお、いつもながら防衛省の使っている「護衛艦」は駆逐艦と訳しています。ちゃんとDDGとなっていますからね。 Report: Japan Interested in Aegis Ashore for Ballistic Missile Defense By: Sam LaGrone September 16, 2014 1:23 PM テスト用のイージス陸上型の指令制御建家が太平洋ミサイル試射場内に設置されている。 Jan. 8, 2014. US Navy Photo 防衛省がロッキード・マーティンのイージス陸上型 Aegis Ashore 弾道ミサイル防衛装備調達に関心を示していると毎日新聞が報道している。 記事では平成27年度に防衛省は数千万円規模の研究費を要求する。イージス陸上型は ロッキード・マーティン のSPY-1Dレーダーと レイセオン のスタンダードミサイル-3を組み合わせる。 防衛省は導入済みの艦船搭載SM-3に加え、地上発射型SM-3で弾道ミサイル防衛(BMD)の実効性を上げる意向、と記事は伝えている。 USNI Newsはロッキード・マーティンと米ミサイル防衛庁(MDA)に問い合わせたが、同記事について双方から言及がなかった。 日本関連で実施中なのはレイセオンの陸軍・海軍共用レーダー監視BMDレーダ(AN/TPY-2) が唯一の事例とMDA報道官はUSNI Newsに述べている。 日本はこんごう級イージス搭載誘導ミサイル駆逐艦4隻にSM-3を搭載し、長距離弾道ミサイルに対応しているほか、ロッキード・マーティンのペイトリオット性能向上型 (PAC-3) 移動式地上発射迎撃ミサイルを極地防衛用に運営している。さらにイージス艦を2018年までに8隻に増強する予定と報じられている。 . 「大量のミサイルが同時に飛来すればPAC3では対応しきれないとの懸念がある」と記事は伝えている。 こんごう (DDG-173) のSM-3発射 (2007年)US Navy Photo ただし、こんごう級のイージスBMD装備は旧式化しており、BMD対応と防空

ISIS戦略方針をオバマ大統領演説から読み解く

ISISとの戦いはこれまでのアルカイダ等イラク、アフガニスタンの戦いと様相がちがうものになりそうです。先日のオバマ大統領演説をメッセージ面で分析したのが下にご紹介する論文ですが、筆者は現役海軍大尉とのことで論旨の展開ぶりから今後が楽しみな人のようです。時々マハンはじめとする論客があらわれるのは米海軍のおもしろいところですね。ところでISIS包囲網に日本も加わっており、今後政治面で日本の役割を真正面から論じざるを得なくなるでしょうね。なお、トヨタにはIsisという車種がありますが、早晩車名変更せざるを得ないのでは。あまり関係ありませんが。 Opinion: The Strategic Communication Goals Behind Obama’s ISIS Speech By: Lt. Matthew Hipple, USN Published: September 11, 2014 8:18 PM Updated: September 11, 2014 8:18 PM アメリカは13年前に長期戦に突入している。9月10日にバラク・オバマ大統領は戦闘が継続中で、今度はイラク・シリアイスラム国(ISISまたはISIL)に立ち向かう旨演説したのは時期にかなうものである。 大統領演説を要約すれば、長期戦ということだ。 大統領の意図はISISの脅威を説明し、ISISを打破しアメリカがこれまでの13年間地上戦にくぎ付けとなった事態を回避することだ。アメリカはISISを滅亡させるが、アメリカ単独では実施しない。アラブ圏の友好国、イラク軍、シリア反対勢力を巻き込み、アメリカ軍事顧問団と空軍力で実施する。 では今回の演説の中身から、政策そのものではなく、戦略的なメッセージ、その対象、意図する効果を論評してみたい。 全員へ:ISISとは脅威そのものであり、破壊されなければならない。 「本土では陰謀の実例はみつかっていませんが、ISIS指導部はアメリカおよび同盟国を脅かしています。情報機関によればヨーロッパ各国とアメリカ出身数千名がシリアとイラク国内で戦闘員として加わっており、訓練と実戦経験を踏んだこれら戦闘員が母国にもどり、攻撃を加える可能性があります。」 とくにアメリカ国民向けに明確にISISの脅威が理解できるよ

スコットランド独立の場合 英国防力への影響はどうなるか 投票日は9月18日

女王まで異例の発言をするなど、分離独立を食い止めようとする勢力は必死になってきました。それだけ可決の可能性が高いということでしょう。記事が取り上げている内容どおりなら英国の国防計画は破たんしてしまいそうですね。東アジアのこちらは中央集権国家タイプですので、今回の騒動もなかなか理解できないでしょうね。 Scottish ‘Yes’ Vote Could Have Major Impact On U.K. Defense Narrowing polls in Scottish independence referendum prompt U.K. defense concerns Sep 15, 2014 Tony Osborne | Aviation Week & Space Technology Sources: Google Maps and AW&ST Art Dept. 9月18日にせまったスコットランド有権者4百万人による住民投票結果次第で英国の国防は大きく影響を受けそうだ。選挙運動の最終段階で賛成票が多数を占める可能性が現実味を帯びてきた。 独立反対の結果でもスコットランドには現在より大きな裁量権が与えられ、英国全体に影響する政策方針の変更は避けられないだろう。. ただし政治指導層が最も恐れているのが独立賛成の結果であるのは間違いない。独立となれば300年にわたる統合が崩壊し、国防分野がまっさきに影響を受ける。英国議会もこの投票の動向を意識しイラク国内でのイスラム勢力向け空爆への参加議決を見合わせている。 2010年の戦略国防安全保障検証 Strategic Defense and Security Review (SDSR) によりスコットランド駐留部隊は大幅縮小したが、スコットランドは英海軍のトライデント戦略ミサイル原潜の母港で、核抑止力のかなめであることにかわりない。 戦闘機や陸上部隊なら簡単に南部へ駐留地を移動できるが、核抑止力はそうもいかず国防関係者にとって頭の痛いところだ。さらにスコットランドが英国に潜水艦の即時撤去を求めるかもしれない。そうなると国内には潜水艦の運用に必要なインフラは他になく、NATO、EUそれぞれの加盟国にとっても核抑止力の空白は悪い結果となる。な

KC-46空中給油機の初飛行日程も遅れる見込み

順調と思われていたKC-46開発ですが、思わぬところでつまづいているようです。設計段階に間違いがあったのであれば「詰めが甘い」と言われても仕方ないですね。固定価格で超過する分は海外輸出で回収するというのがボーイングの計算のようで、日本もその対象に既に入っているようです。KC-767の追加購入はKC-46に切り替えていくということでしょうか。 First Flight for KC-46 Tanker Platform Slips Further Sep 12, 2014 Amy Butler | AWIN First Boeing 配線問題でKC-135後継機となるべき ボーイング 767-2Cの初飛行は早くても11月中旬と当初の6月から大きく遅れている。 それでもジョン・トンプソン少将(KC-46事業責任者)Maj. Gen. John Thompson, program executive officer for the KC-46 programによればボーイングは第一期18機の納入を契約通り2017年8月に実行できると見ている。「稼働可能必要機数(equired assets available RAA)の実現に支障となる大きな問題はないが、日程管理は改善の余地がある」と9月11日にAviation Weekに発言している。 ボーイングは2011年に固定価格制で44億ドル開発契約を獲得し、政府負担は49億ドルが上限となる。2013年に行った原価危険度評価では総額59億ドルとなったとトンプソン少将は述べた。差額はすべてボーイング負担で2017年を迎える事になる。最終的に空軍は179機を調達する。. ボーイングからは272百万ドルを投入し事業を予定通り進めるとの発表があった。問題は基本形767-2Cの配線だ。給油機として配線設定で空軍が二重あるいは三重の冗長性を求めているため、基本形767の配線は総延長70マイルだが、2Cでは50マイル分を追加している。冗長部分とは別に、重要システムでは安全の理由から配線間に一定の距離を保つ必要がある。今年早々にFAAテストの準備を進める中でボーイングは配線の5-10%で距離が十分に確保できていない、あるいはシールドが不十分であることに気づいた。 この設計不備は「設計ツール段