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F-35 エンジン亀裂発見で今度は全機飛行停止へ

Engine Crack Grounds Entire Lockheed F-35 Fleet By Amy Butler abutler@aviationweek.com, Jen DiMascio jennifer_dimascio@aviationweek.com   aviationweek.com February 22, 2013 Credit: USAF F-35全機が地上で飛行停止措置となっている。原因はエンジンで、今回発生した問題は米海軍航空システムズ軍団Naval Air Systems Command (Navair)によると「壊滅的な不良」“catastrophic failure.”につながる可能性があるとしている。 2月19日に第三段目低圧タービンのエアフォイルで亀裂がF-35A点検中にみつかったのはエドワーズ空軍基地でのことだったと プラットアンドホイットニー が明らかにした。同社は同機用F135エンジンのメーカーだ。 「予防措置としてF-35全機のフライトオペレーションを調査点検が完了するまでは全て停止している」とペンタゴンが声明文を発表しており、「今回の自体で同機部隊全体にどんな影響が出るかを断言するには時期尚早」としている。 プラットアンドホイットニーは今回の飛行停止は「予防策」と表現しており、「破損したタービンモジュールおよび付属ハードウェアを当社ミドルタウン(コネチカット州)工場に搬送され調査をする。今回亀裂を生じたエンジンは合計700時間運転しており、そのうち400時間がフライトテストで計上したものだった」としている。同社としても事態の把握をしてすみやかにフライト再開ができることを期待しているという。 一方Navair司令官デイビッド・ダナウェイ中将Vice Adm. David Dunawayは議会向けの情報更新は3月1日以前には期待できないとの見解を示している。 飛行停止措置が長引くとフライトテストの進捗予定にも影響が出る可能性があり、重要システム系統のテストも遅れることになる。とくに2Bソフトウェアが最初に作戦能力獲得をめざす海兵隊にとって必要な要素だ。 今回の事件は短距離離陸垂直着陸型F-35B部隊の飛行停止措置が解除になった直後に発生している

F-35Bの飛行停止措置は解除へ 

Pentagon, Navy Lift Flight Restrictions On F-35Bs aviationweek.com February 13, 2013 Credit: Dept. of Defense ペンタゴンおよび米海軍は海兵隊向けF-35Bの飛行制限措置を解除し、およそ一ヶ月間地上待機していた同機のテスト・訓練飛行の再開にめどがついた。 今回の措置は水曜日に決定となったとケビン・キレア大佐Colonel Kevin Killea(海兵隊向け機体を統括)が発表した。同大佐によると海軍とF-35統括室には今回の飛行停止措置の原因を作った製造上の問題を解決すべく多くの課題があるという。 飛行再開は総額3,960億ドル規模のF-35開発ゼンタイではよい知らせではあるものの、今年は相当の密度のテスト飛行日程を行わないとこれまでの遅れを取り戻せない同機の状況に変りはない。 . ペンタゴンと海軍がF-35Bの25機全てを飛行停止させたのは1月18日のことで、Stratflex製の燃料ラインが飛行開始前に外れるという事態が1月16日にフロリダで発生したため。ペンタゴンからはその後、この原因は製造過程内の不良であり、機体整備上あるいは設計上の問題ではないとの発表があった。 ペンタゴンF-35管理室のスポークスマン、ジョー・デラべドヴァJoe DellaVedovaによると25機全部の飛行再開は不良品の燃料ラインの交換が完了すれば可能だという。すでに不良品は全点が点検済みで、問題がある部品は交換されるという。問題の部品はF-35Bの排気系の一部だ。 . Stratoflexは英国のロールスロイス Rolls Royce Plc向けの製造契約企業であるが、F-35Bのエンジンはプラットアンドホイットニー製だ。 ペンタゴンF-35統括室はまず開発テスト用の機体9機の飛行制限を解除しており、海軍航空システムズ部門を統括するデイヴィッド・ダナウェイ中将Vice Admiral David Dunawayがその後16機の飛行制限を解除している。この機体は訓練用に使用されていた。 なお、空軍向けA型と海軍向けC型の飛行には今回の問題は影響を及ぼしていない。燃料ライン部品が異なるため。 今回の飛行停止措置の結果がF-35Bのテスト日程にどのような影響をおよ

初飛行したY-20の性能は意外に低水準、しかし今後の向上策には要注意

Avic Y-20 Airlifter Awaits Better Engines aviationweek.com February 04, 2013 Chinese Internet Bill Sweetman Washington and Bradley Perrett Beijing 初飛行はしたものの性能向上の課題が残る機体、それがこのたび登場した中国の Y-20輸送機だ。1月26日に初飛行した同機は一見現代的な機体に陳腐化した60年代技術のエンジンの組み合わせとなっている。そのため、運用上で大きな真価を発揮できる機体ではなく、せいぜいイリューシンIl-76よりわずかな性能向上を提供するだけだろう。 というものの同機にはもう少しまともなエンジンが開発中だ。中国が高バイパス比エンジン技術を実用化したとき、同機の性能は急上昇する。ComacのC919旅客機にも同様に高性能エンジンが開発中だが、道は遠い。 Y-20の機体開発が成功したことが中国航空産業では重要な成果だ。これまでおよそ60年間に渡り中国は主にソ連時代の設計をコピーするだけに終始してきたが、Y-20は純国産機では最大規模で、80年台に失敗に終わったY-10旅客機よりも大きい。 ただしY-20の就役は2017年以降になりそうだとの観測が中国国内にあり、機体には複合材料が使われているというが、機体の大部分はアルミニウム製のようだ。また、「超臨界」主翼構造にになっているという。その目的が後日エンジン換装を見込んだものなのかは不明だ。 機体寸法と外観ではIl-76に近いもののY-20は完全新設計の機体だ。エンジンも同じサツルンD-30KP中バイパス比エンジンが搭載されている。ただしIl-76より主翼幅が短く、機体幅は逆にわずかに大きくなっている。エアバスA400Mよりも大型で、ボーイングC-17機体と直径はほぼ同じで全体では小型だ。 Aviation Weekによる同機の詳細性能の推定値と中国国内で報道されている値は食い違いっている。中国報道ではY-20の全幅45メートル、全長47メートル、全高15メートル、基本重量200トン、ペイロード66トンとしている。その根拠は不明だが、2006年に同機開発が始まった際の推定値に近い。Il-76との比較で同じD-30KPエンジン

海外販売に期待するボーイング防衛部門の期待はインドだ

International Orders Boost Boeing Defense By Michael Mecham aviationweek.com January 31, 2013 Credit: Boeing . ボーイング防衛部門への各国発注の比重は同社受注残で全社レベルで24%、防衛宇宙安全保障部門では41%相当にまで増えていることが同社の1月30日発表で判明した。 防衛部門の売上は2%増加して326億ドルになり、民間商用機部門の491億ドルに近づく勢いでその中でもボーイング軍用航空機部門の増加10%が大きい。とくにAH-64DアパッチとCH-47チヌークのヘリコプター2機種の生産ペースがあがっている。また、KC-46給油機の生産が開始されており、インド向けにはP-8I海洋パトロール機の一号機が納入されている。 一方で中間飛翔段階ミサイル防衛と衛星案件で売上が伸び悩んでおり、世界規模での顧客向けサービス・支援プログラムでも売上拡大が勢いを失っており、総額86億ドルにとどまっている。ただし、ことしは米空軍向けC-17輸送機の供用維持契約とF-15合計68気の改修により売上の伸びが期待される。 米国向け防衛案件が弱含み担っている一方で、海外販売はそれを上回る勢いがあり、現時点でボーイング防衛部門の売上24%相当になっている。インド向けには今年のボーイングはP-8Iをあと3機およびC-17を5機納入する予定だ。■

インドのSLBM開発状況で進展が見られました

India Flies Submarine-Launched Ballistic Missile aviationweek.com January 29, 2013 インドが原子力潜水艦による弾道ミサイル運用に一歩近づいた。ベンガル湾に潜水させた試験プラットフォームから中距離ミサイルの水中発射に成功したのだ。 全長10メートルの同ミサイルは約50メートルの水深から1月2 7日に発射されたと、国防研究開発機構 Defense Research and Development Organization長官V.K. サラスワットV.K. Saraswatが発表した。 「同ミサイルは最長射程をテストし、 ミッションの要求水準全てを満たしていると判定した」 とサラスワット長官は言う。ミサイルは高度12マイルに上昇し、 434マイルを飛翔してベンガル湾に落下した。 その過程は全てレーダー観測されており、 軌道および落下は全て予測どおりであったと同長官は言う。 インド開発の潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)はK- 15の名称でこれまで十数回の発射に成功していると言う。「 今回はSLBMとしての最終段階公試」とし、 同SLBMを国産ミサイル原潜アリハントINS Arihantへ搭載する作業がまもなく開始される、 と同長官は語る。 技術科学スタッフの発言をまとめると、最大12発の核ミサイル( 重量6トン)がアリハントに搭載される。 アリハントは80メガワット級の原子炉を動力源に、 ウラニウムのほかに軽水を冷却減速材に使う。 同原潜の公試は6月に開始予定。 今回の実験成功でインドは核ミサイルを、空中、地上、 海中から運用できるエリート国家の仲間入りをするとインド科学技 術陣は見ている。 国防研究開発機構でSLBM開発の中心となったA.K. チャクラバーティA.K. Chakrabartyによると次の大きな課題はアリハントにj今後数 ヶ月以内に搭載したあとでの同ミサイルのテストだという。 「ミサイルシステム開発は絶えず進行していきます。 実施すべきテスト項目は多数あります。 いまのところ順調に推移しており、 成功を重ねることでウェポンシステムとしての運用が早期に実現す るでしょう」(チャクラバーティ) 国防相A.K. アントニー A.

F-35B飛行停止措置の理由は何か

Production Error At Fault In F-35B Grounding By Amy Butler abutler@aviationweek.com aviationweek.com January 28, 2013 Photo: US Navy 「品質の不適合」が燃料供給チューブ fueldraulic tube 内で発生したことが「もっとも可能性が高い原因」となり、運用で不具合が起こり、海兵隊が配備されたばかりのF-35Bが1月16日以降運行停止となっている。プラットアンドホイットニーが発表した。 チューブのメーカーはストラトフレックスStratoflexだが、同機の単発エンジンF135はプラットアンドホイットニー製だ。同社スポークスマンは問題が発生したのは「燃料チューブ製作工程の中である」可能性が最も高いという。 海兵隊が飛行停止措置にしているのは合計25機のF-35Bで飛行中にパイロットが異常を感じ通常型離陸を中止した際に燃料チューブが「外れている」ことを発見したことでこの措置となっている。このため短距離離陸垂直着陸(Stovl) 用の同機の飛行テストとパイロット養成の両方が停止中で、このふたつが進まないと海兵隊が同機の初期作戦能力獲得を宣言することができないままだ。 エンジン技術者がX線画像分析を各機のチューブに対しておこなっており、異常がないかをチェック中だと同スポークスマンは発表。「当社はStovl型各機の飛行再開はまもなくになるとみています」 なお、同型を発注しているのは米国と英国のみである。■

サイレント・ガーディアンは革新的なハイブリッドUAS

Bye Aerospace and BoldIQ Team on Software for Silent Guardian Hybrid Power UAS from UAS Vision, Posted on January 23, 2013 by The Editor Bye Aerospace, Inc.はデンバーを本拠地とするクリーンなエネルギーを革新的設計の航空機に応用し、航空宇宙及び国防需要に食い込もうとしている企業であり、BoldIQ Inc.のソフトウェアを組み込んだハイブリッド無人航空機システム(UAS)をサイレント・ガーディアンSilent Guardianの名称で開発すると発表した。 BoldIQは画期的な運航最適化ソフトウェアを開発しており、完全自動化した飛行管理プラットフォームをAstroの名称で最適化を目的としたエンジンSolverに組み込む。この最適化機能によりAstroによりサイレント・ガーディアンは従来の飛行計画よりも多数のミッションを計画・実行できるようになる。さらにAstroではリアルタイムで最適化され実施可能なタスク中断・復帰が可能であることに加え、自動シナリオ立案機能も可能なため、全般的なミッション信頼度が向上する。 Astroの開発には「例外事項を管理する」考え方の実現が目的とされた。高度な自動化、判断エンジン、拡張性・柔軟性がそれぞれ高い水準で実現することで、同機の運用では作戦立案と各時点での実行対応をこれまでより少人数で行い、これまでより高い実効性のある運用が可能だ。ここにサイレント・ガーディアンが提供する高付加価値の意義がある。 ハイブリッドUASでは初となる同機の構想ではターボファンエンジンでまず離陸上昇を行う。機内の蓄電動力および薄膜太陽光電池で電動推進器を動かし、ずば抜けた長時間飛行、静粛運用、低排ガスを実現する。同機を政府で運用する場合の用途として国境警備、国土保安、捜索救難、視覚・熱感知による航空管制が想定される。民間部門では同機を災害・火災探知、エネルギー天然資源探査、広範囲安全確認、パイプライン・送電線の点検、広範囲天候観測(ハリケーンの追跡)、衛星と同程度の写真観測・通信データ中継が考えられている。 Bye AerospaceCEOのジョージ・バイGeorge B

フランスにはA400Mの早期導入を望む理由がある

French Need A400M, Due This Year    aviationweek.com January 21, 2013   マリ武力介入 が続く中、フランス空軍は地上軍支援の空輸能力を試されている。 フランスが運用中のC-160 トランザール、C-130ハーキュリーズ、 エアバスA340の各輸送機は戦略級兵員物資輸送の任務がある。フランソワ・ オランド大統領により1月11日にアルカイダ支援の武装勢力によ るマリ占領を防止する国際協調実施案が提案されたが実施は非 常に緩慢な一方、 偵察によると同国の首都バマコに向け大量の部隊移動が判明して いる。 Operation Servalと命名された今回の作戦はフランス陸軍200名の地 上部隊でマリ陸軍への支援開始と言う形で発動となった。 同時に空爆により反乱軍が占拠する同国北部および砂漠地帯( およそフランス全土の面積に匹敵)の各拠点を攻撃している。 空爆の初期段階にはガゼルヘリコプター・ガンシップにHOT( 長距離対戦車)ミサイルと20-mm 砲を搭載した機体およびダッソー・ ミラージュ2000DとミラージュF1- CR偵察機にボーイングKC-135給油機を投入。 1月13日には羅ファール戦闘機4機を派遣し、 マリ北西部を空爆させ、 チャド国内のフランスが運用するジャメナN' Djamena空軍基地に配備した。 数日間に及ぶ空爆でも武装勢力の地上進行を食い止めることができ ず、Operation Servalは規模を拡大し地上兵力を2, 500名に増強すると国防相ジャン・イブ・ルドリアンJean- Yves Le Drianから発表があった。 それに先立って同国防相からフランスが同盟国各国に対して戦略空 輸活動の強化を要請していることが明らかになったが、 それに呼応したのは英国のみで2機のC- 17が1月13日に大型装備補給品を輸送した。 英国はOperation Newcombeと呼称し、英軍機も同地域内で活動中。ただし、 C- 17の一機は未公表の技術的問題によりフランス国内で飛行できな い状態になっている。 ルドリアン国防相によると「具体的な軍事支援」 に部隊を動員している諸国はベルギー、カナダ、ドイツ、 イタリア、ポーランド、英国、米国の各国だという。 「空輸は

海兵隊用F-35Bだけ現在飛行停止中

Pentagon Grounds Marine Corps Model Of F-35 Fighter Jet By Reuters   aviationweek.com January 18, 2013 Credit: DoD ペンタゴン及び米海軍はロッキード・マーティンF-35の海兵隊用機材の運用を一時中止する命令を発した。これは今週水曜日にエグリン空軍基地(フロリダ州)の訓練飛行中に発生したインシデントのため。 ペンタゴンのF-35計画室からは今回の措置の対象はF-35B合計25機全機だとし、空軍のA型、海軍のC型は対象外だと発表した。B型も地上での運転は継続する。 運行停止の原因となったインシデントとはB型の排気システムの不良に関連した推進系の問題で離陸前に発生したもの。同機のパイロットは離陸を断念していると同計画室が文書で発表した。これに伴うパイロット、地上要員の損害はない。 今回のインシデントはペンタゴンのテスト評価部長が18ページの報告書を発表し、一連の問題点を詳しく述べ、総額3,960億ドルで開発中の同機で「成熟度が不足している」ことを明らかにした直後に発生してしまった。 プラットアンドホイットニー社スポークスマンは初期段階の点検で推進線がエンジン格納部分後部で外れていたことが見つかったと発表した。 この機構はA型C型では使用されていないので飛行はそのまま許可されている。 「プラットアンドホイットニーとロールスロイスの合同チームが今回のインシデントの根本原因を調査中でロッキード・マーティンおよびF-35共用戦闘機開発室と密な連絡をしながら問題解決に取り組んでいます」とプラットアンドホイットニー社から文章による発表があった。 それによると今回発生した事例は以前はみつかっていないという。

日米防衛協力ガイドライン改定と変化した防衛環境

U.S., Japan Review Defense Guidelines Amid Tension With China By Reuters aviationweek.com January 17, 2013 日米両国は17日より防衛協力ガイドラインの改訂作業を開始した。これは15年ぶりの見直しとなり、阿部首相が中国との領土をめぐる対立、北朝鮮のミサイル・各開発問題に直面しているさ中での作業となる。 今回のガイドライン見直しはタカ派の安部首相が先月の総選挙の結果誕生したさなかでの作業となり、日本国内外で日本、米双方の部隊を共同運用するルール作りがねらいだ。 「自衛隊の役割と米軍の役割を10年15年先の安全保障環境を見越して検討したい」と防衛省関係者は語っている。 今回の見直しはこの15年間で大きな変化が既に選考していたため急ぎ求められていた。 北朝鮮のミサイル・核開発に加え、南シナ海では日中双方が艦船、航空機を動員する緊張が高まっている。 今回の見直し作業はまず実務レベルが東京ではじまった。一年以上かけて完成させるタイミングが米国が外交安全保障の軸足をアジア太平洋に移す時期とちょうど一致することになる。 安部政権が集団安全保障を権利として行使できるように憲法解釈を変更するかが広く関心をもたれる点、と戦略国際研究所Center for Strategic and International Studiesの主任研究員ニコラス・シェチェニNicholas Szechenyiは解説する。 「その決断を下した場合は自衛隊と米軍部隊の共同作戦は大きく変化します」 日本では集団自衛権とは日本に攻撃が及ばない場合に同盟国が攻撃を受けると想定し同盟軍とともに防衛作戦を展開することと解釈している。 しかし歴代の日本政府は平和憲法下ではこの権利の行使は禁止されていると解釈してきており、日米の防衛協力関係でひとつの弱点になっている。阿部首相はこの解釈を変え、この権利の行使が可能になるよう希望している。 ただし防衛省からは進行中の作業で集団的防衛権が検討されているかについては何も言及がない。■

新国防長官ヘイゲル氏と新CIA長官ブレナン氏

Obama To Nominate Hagel, Brennan For Top National Security Posts By Reuters aviationweek.com January 07, 2013 バラク・オバマ大統領は1月7日に共和党員チャック・ヘイゲルChuck Hagel(写真左)を次期国防長官に、ホワイトハウスで対テロ顧問のジョン・ブレナンJohn Brennan(写真右)をCIA長官に任命することを明らかにした。 .ヘイゲルは一匹狼の元上院議員でベトナム戦争従軍で叙勲を受けており、レオン・パネッタに代わりペンタゴンのトップとなる。この人事は上院での承認ではヘイゲルのこれまでのイラン、イスラエルに関する投票記録を理由に批判があることから難航しそうだ。ブレナンはCIA勤務経験があり、退任したデイビッド・ペトレアス将軍David Petraeuの後任となる。 この二人の任命人事は先のジョン・ケリー上院議員Senator John Kerryの国務長官人事とともに第二期オバマ政権の中で生じた閣僚の退任を埋めるもので、アフガニスタンでの戦域縮小、イラン各問題への対応、ペンタゴン予算削減と言った難題を乗り切るものだ。正式な発表はまもなくある予定。 ヘイゲルはベトナム戦争従軍の後ネブラスカ州より上院議員に統制し、2008年までの任期を務めた。共和党内部からの批判が根強くあるのはイスラエルの利益に逆行する本人の姿勢が理由で、イランに対する制裁案でも反対票を投じており、「ユダヤ人ロビー」がワシントンにあるとの発言も反感を買っている。ヘイゲルは米軍兵力規模についても批判的である。ただし、ホワイトハウスはそのような批判を乗り越えて民主党が多数派を占める上院でもヘイゲルの人事は承認受ける見込みありと見ている。 退役陸軍大将スタンリー・マクリスタルRetired Army General Stanley McChrystalはNBCの「トゥディ」でヘイゲルのこれまでの発言をもって本人を不適切とするべきではないと発言。「オバマ大統領が信頼を寄せるのであればヘイゲル上院議員には経験があるということでしょう。たしかに一角の人物であります。」と発言。マククリスタルはアフガニスタンで最高位の将官出会ったが、2010年に退役。「信頼の度合い、人間関係の強さ

ロッキード新CEOが語る同社の今後の方向性

Face-To-Face With Lockheed Martin’s New CEO By Anthony L. Velocci, Jr. , Joseph C. Anselmo December 31, 2012 Lockheed Martin ロッ キード・マーティンからクリストファー・キュバシックChristopher Kubasik が新CEOに2013年1月に就任すると発表があったのは昨年5月。マリリン・ヒューソンMarillyn Hewsonは社長兼最高業務責任者に就任することになった。ヒューソンの同社での職歴の長さからNo.2の地位に据えるのはキュバシックが51歳で今後 もCEO職にとどまる可能性が高いこともあり、賢明な選択と写った。だが、ロッキード・マーティンがその案を昨年11月にひっくり返したのはキュバシック が「親密すぎる個人関係」を部下と持ったことで退任を迫られたため。結果、ヒューソンがCEOに就任し、退任するロバート・スティーブンスと交代したが、 準備には53日しかなかった。ヒューソンは12月に本誌のワシントン支局を訪問し、まもなく退任するAW&ST主筆アンソニー・L・ヴェロッチ Anthony L. Velocci, Jrおよび次期主筆ジョセフ・C・アンセルモ Joseph C. Anselmoと新CEO就任の心境とともにロッキード・マーティンを防衛産業を取り巻く厳しい環境の中でどのように成長を継続させるつもりなのかを語っ た。 AW&ST  1月1日付でのCEO就任は青天の霹靂だったのでは。 ヒュー ソン: 実際には1月末で当社在籍30年であり準備はすすめてきたつもり。その間にトップは19人変わり、当社主要事業四分野のうち三つに従事し、本社に 6年間いた。当社で最大規模の事業である電子システムズを運営してきており、その際に最高経営責任者の仕事と同等の職責を果たしてきたのも事実。当社の戦 略策定に直接関与しており、その間会長兼CEOボブ・スティーブンスBob StevensやCFOブルース・タナーBruce Tannerと一緒にいた。昨年4月に社長件COO職になった際に、クリスがCEOに指名され、私はその補佐を務め最も成功したCEOの下で働いた。とい うことで4月以来準備はしてきた。先月になり交代の

インドの次期空中給油機にA330MRTT

Airbus Military Prevails In Indian Tanker Selection aviationweek.com January 07, 2013 エアバス・ミリタリーはインド空軍向け空中給油機選定に同社が優先入札業者preferred bidder に選ばれたと認めた。 インドは総額10億ドルで合計6機の購入を検討してきた。インドが選んだのはエアバスA330多用途給油輸送機 multirole tanker transport (MRTT)でロシア製イリューシンIl-78給油機は選外となった。 エアバス・ミリタリーは同機は「合意形成から51ヶ月以内に納入」と発表。 イ ンドにおける優先入札業者の位置づけは機体選定と財務上の契約決定を分離していることに特徴がある。エアバス・ミリタリーは契約調印がいつになるか不明と しているが、インド政府が予算削減を新年に発表したことで調達手順が遅れることになるかもしれない。インド政府の削減策は経済不振を理由に国防予算を当初 の386億ドルから5%カットするもの。 エアバス・ミリタリーによると選定の決定となったのは同機が各種の戦闘機に空中給油可能なこととヒマラヤ高地Lehにあるインド空軍基地からの運用が可能であることだという。 インドの導入決定でA330 MRTTの運用国は計5カ国になり、オーストラリア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、英国にインドが加わることになる。■

F-15Eストライクイーグル後継機種を考える

What will replace the F-15E Strike Eagle? DEW Line, FlightGlobal http://www.flightglobal.com/blogs/the-dewline/ By Dave Majumdar on December 17, 2012 12:54 AM 米空軍はF-15Eストライクイーグル多目的戦闘機を2030年代まで運用したいと考えているが、その後継機種については明確な案はないようだ。 ストライクイーグルは米空軍の運用する機材の中では最優秀な多目的戦闘攻撃機であるといえる。航続距離、ペイロード、運用ミッションの幅広さでF-15Eの右に出る機体はない。 ロッキード・マーティン F-22ラプターはF-15Cの後継機種として企画されているが、ストライクイーグルは対象外だ。ロッキードF-35は フェアチャイルド・リパブリック A-10とロッキードF-16の代替機として想定されているが、結局ストライクイーグルの航続距離やペイロードに匹敵する性能はない。2030年代までに米空軍はF-15Eのミッションを代行できる機材の配備に迫られる。 業 界筋ではF-35派生型がF-15E後継機種になるとの観測が強い。F-35の航続距離を伸ばすことは可能だ。すでにその検討も進んでいる。特に空軍研究 所が進める適応型エンジンテクノロジー開発Adaptive Engine Technology Development (AETD)の成果としてエンジンの燃料消費が プラットアンドホイットニー のF135エンジンより35%以上改善されればその効果は大きい。F-35複座型の開発も可能だろう。また同機のペイロードを増加させる選択肢もある。 し かし、そこまで自信を持てないアナリストがいることも事実だ。F-35改修は大掛かりな投資になると見ている。FB-22開発案ではラプターを大幅に再設 計することで可能としていた。ただし、実現していたとしてFB-22の航続距離がどうなっていたか疑問だ。F-22のアキレス腱は航続距離だ。おそらく F-16をわずかに上回る程度だっただろう。別の例はボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットで、原型のA型からD型までと比較すると全く新しい 機体になっている。 第六世代機とする選択肢も

防衛メーカーも国防予算削減への対応を開始

        Arms Makers Lament Uncertainty, Urge Clarity To Make Investments aviationweek.com January 11, 2013 国防予算を巡る状況が厳しさを増す中で米国防産業各社はコストを削減する一方で新技術への投資を継続する構えだが、ペンタゴンに対しては要求内容をもっと明確に提示して欲しいとの要望を持っている。 .リアン・カレット( ボーイング 垂 直飛行製品部門副社長兼主幹)Leanne Caret, vice president and general manager of Boeing Co’s vertical lift divisionは国防総省と主要メーカー各社との開かれた形での対話を重要視しており、各社が入札できる新規計画が少なくなっているからこそこれが必要 だと主張する。 「社内投資を精査し、者の生き残りを図ることがどうしても必要です。」と米陸軍協会主催の航空機会議で発言している。 カレット副社長は軍指導部に対して産業界にもっと率直に対応するよう求めており、軍の求める内容とともに予算状況の現実を伝えてもらいたいとする。この形での対話が困難になることも承知のうえだ。 ボーイング、 シコルスキー・エアクラフト (ユナイテッドテクノロジーズの一部門)および兵装メーカー各社は追加削減がペンタゴン予算で現実のものになると見てすでに準備をしており、昨年末に5,000億ドルを国防予算から今後10年間に渡り削減する案を議会が葬らなかったことで覚悟を決めている。 各社幹部は国防予算を巡る状況が見えてこないこと、新規調達が遅れることで従業員雇用を削減しており、社内投資も抑制していると同様に発言している。 .レオン・パネッタ国防長官は先週木曜日に民間人従業員雇用を凍結、保守点検作業を先送り、その他支出を削減する指示を米軍の各部門に対し出しており、すでに実行中の4,870億ドルとは別の追加削減の可能性が現実のものになりつつあると認めている。 ヘリコプター部門では状況は特に暗いものになっており、この10年間で複数の計画が取り消しになっている他、スタートが先送りになっているものもあり、熟練従業員や重要な設計能力の喪失への懸念が高まっている。 とくに今週に