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最新のXプレーン X-56Aを米空軍が発表

                              USAF Reveals Latest X-Plane: X-56A aviationweek.com Feb 1, 2012                                                          米空軍がX-56Aの呼称をつけた新型実験機はアクティブ制御技術の可能性を追求し将来のHALE(高高度長時間飛行)偵察機に利用するねらいがある。 同機は ロッキード・マーティン の スカンクワークスが設計した全翼機でNASAも今後利用する予定で、モジュラー構造の革新的な構造でアクティブなフラッター抑制と突風加重軽減をテストす るもの。この二つの課題は軽量かつ高アスペクト比の主翼の実現に不可欠とされ、将来の輸送機・ISR用無人機への採用が期待されている。 同機はフラッター発生の限界点を探る目的ももつ。フラッター現象は主翼伸縮と荷重が重なって発生すると考えられている。テストが限界点を超えて主翼が破損する可能性を考えてX-56Aの機体にはパラシュートが格納されている。 エ ンジンは二基のJetCatP240ターボジェットで主翼は取替え可能となっており、固定翼以外に柔軟構造の主翼複数に交換できる。また機体後部上方に ハードポイントをそなえ、エンジン追加または連結した主翼のブームが取り付けられ、さらに高度な空力理論のテストが可能だ。 同 機は空軍研究所(AFRL)の多用途空力弾性実証計画Multi-utility Aeroelastic Demonstration Program (MAD)でテスト機として使用される。AFRLは先にSensorCraftの名称でHALE機材を監視、通信中継、、環境測定に使う構想を研究してお り、今回はその後をつなぐもの。空軍によるテストが完了した後、同機はNASAのドライデン飛行研究センターで軽量機体構造や将来の低排気輸送機のための 技術研究に使用される予定。 AFRL によるとSensorCraftの研究結果で高アスペクト比主翼には柔軟度を高めることにしたという。突風加重軽減とフラッター抑制が鍵となる技術で、こ れまでアクティブ制御の実験では有効な試験機材が無かった。そこで専用の機材を開発したのだという。NASAも将来の航空機

F-35A:射出シート不具合で飛行停止

                              Ejection Parachute Issue Grounds F-35As aviationweek.com Jan 30, 2012 By Amy Butler abutler@aviationweek.com WASHINGTON     ロッキード・マーティン F-35の完成したばかりの機体15機が射出シートのパラシュートの不適切な取り付けのために飛行できない状態になっている。 このため1月26日以降は飛行テスト、高速地上テストが停止されており、エドワーズ空軍基地、エグリン空軍基地、フォートワースのロッキード生産施設で影響が生じている。 パタクセントリバー海軍基地でテスト中の8機は一モデル前の射出シートを搭載しており、パラシュートも正しく装着されているのでこの処分の対象ではない。 マーティン-ベーカー 製US16E-21および-23型のシートが設計と180度反対になっていたとのことで、同社からの代替シートの到着には10日かかる見込み。ただ、これでパイロットの脱出が不可能になるわけではないという。 た だ業界筋によればこのまま射出していればパイロットは傷害を受ける可能性があるという。地表に反対側でぶつかるためだ。パラシュートが反対側に装着されて いることで、操作ひも反対になっていた可能性があり、パイロットが着陸地点に接近することが困難になっていたかもしれない。 問 題の装備は英国のマーティン-ベーカーに返送され修理を受ける。改修後のパラシュートはエドワーズ空軍基地の6機に装着され飛行テスト再開となる。エグリ ンではF-35A6機とF-35B3機が地上操作限定の扱いとなっており、改修部品を取り付けるのはその後になりそうだ。-24型の射出シートが利用可能 になるまでは海上飛行は禁止となっている。 今回の不良騒動で米国に残るただ一社の射出シートメーカーである グッドリッチ に チャンスが来るかもしれない。F-35Aの買い手は合計11カ国になりそうで、そのうち米空軍だけで1,763機を最大購入する可能性がある。そこで、 F-35に採用されないと同社のエイセズ5射出シートの今後が危うくなるのだ。これ以外に大量購入の可能性は空軍のT-38C後継機種選定だが、次期高等 練習機はまだ正式に検討

中国のステルス機J-20を分析すると.....

Chinese J-20 Stealth Fighter Advances a viaionweek.com Jan 30, 2012 各種情報を合わせると成都J-20の登場は西側情報機関では予測されていなかったようだ。中国がステルス機を開発中との情報はあったもののJ-20の登場は予想より前で、機体は実験機あるいは実証機の域を超えた熟成度を示している。 J-20の登場は2009年11月の中国テレビ報道で人民解放軍空軍副司令官He Weirong将軍とのインタビューで予測されていた。同将軍は「第四世代戦闘機」が2010年から11年に初飛行し、2017年から19年に実戦配備されると語っていた。 2011年1月11日のJ-20初飛行の時点で試作型の機体は少なくとも二機完成していたようだ。二機は排気口の形状で区別できる。一機はロシア製AL-31Fエンジン、もう一機は成都J-10と同じ国産WS-10エンジンを搭載しているようだ。 J-20は大型機で、全長は66フィートでロッキード・マーティンF-22(68フィート)と大差はないが、兵器庫は機体下部にあるほか、小型の兵器庫が機体側面にあり、空対空ミサイルを格納すると見られる。 J-20にもJ-10のようにカナード翼がついているが、J-20のカナードは主翼のすぐ前方で主翼と同じ高さに装着されている。 ス テルス設計は大部分がロッキード・マーティンのF-22とF-35の例にしたがっているようだ。機体前部のチャインラインが高く、空気取り入れ口まで続い ており、機体上部のラインが平坦な下部につながっている。キャノピーはF-22の形状そっくりだ。J-20ではDSI(空気の流れをうかいさせない超音速 空気取り入れ口)を採用しており、J-10B、JF-17、サーブ・グリペンJAS39E/Fに続くものだ。 機 体後部のステルス性はさしてないようで、スホイT-50と共通。これは意図的にF-22の重量級2Dノズルの採用をしないためだろう。T-50,J-20 共通して高速、高高度飛行の機動性が高い機体は後部からの攻撃に遭遇する可能性は少ないとしているようで、F-22の元となった高性能戦術戦闘機構想 (1986年)以前の考え方である。 中 国国内の報道によると設計思想は高速、操縦性を中国国内で利用可能なエンジンで実現することであ

NGJで同時に期待される電子攻撃能力

    New EW Capabilities To Emerge With NGJ aviationweek.com Jan 27, 2012     次世代ジャマー(NGJ)の技術内容はこれまで秘密にされてきたが、航空産業各社からヒントがあらわれつつある。 アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)はNGJ契約受注を狙う各企業チームがそれぞれ提案内容に入れているが、これによりNGJがセンサーと同時に電子攻撃機能も持つことを意味する。ただそれを実戦レベルにするための開発努力はまだ十分でなく、予算手当も必要だ。 ロッキード・マーティン のF-22ラプターとF-35共用打撃戦闘機にそれぞれ電子情報収集能力と電子攻撃能力を装備する構想には予算が振り向けられていない。 「あの構想は予算節約の方法として考えたものです。ただ、実現していないのは正しい判断ではありません。官僚的な組織内決定により動きがとれなくなりつつあります。」(デイブ・デプチュラ空軍中将(退役)、情報収集・監視・偵察部門の前トップ) そこでこの任務はNGJとそれを搭載する機体が担うことが期待されている。電子戦を実施するためには電磁スペクトラムの広い範囲の利用が必要だ。 「AESA の基本アレイを4つの象限に分割し、各象限を各機能に振り分けるか、別の目標に使用する構想を検討しています。あるいはアレイ全体を超高出力の発射に使う ことも出来ます。NGJではタイル状のアレイがあり、全部使うと小型装置のおよそ三倍の出力を発生することが可能です。アレイを部分的に違う機能に振り向 けると出力は減ります。当社はアレイごとに周波数を割り当て、操作可能で指向性を持たせることを考えています。」(マーク・クーラ、 レイセオン 戦術航空システム担当副社長) その他先端技術としてアレイ同士のチャンネル干渉を最小にする課題があり、その解決方法として低調波harmonicsを使う受信機・励磁機の開発が提案されている。その他航空機の表面をアンテナとして使用する技術がすでに研究されている。 レイセオンはAESAパネルアレイとしてこれまでのタイルアレイの半分あるいは三分の一の厚みしかないものを開発中だ。これまで垂直に積み重ねていたものを水平に広げる構造で取り付けの柔軟度が高まる。 海軍関係者は今後登場する空母運用型の無人監視

2013年度国防予算案で削減・強化される内容が明らかになりました。

                                                             Budget Plan Includes Cuts To UAS, Sats, Tacair By Amy Butler abutler@aviationweek.com WASHINGTON aviatonweek.com Jan 27, 2012     . ペンタゴンの2013年度予算案を見ると ノースロップ・グラマン は大幅に契約額を減らしそうで、大幅な削減が米空軍の無人機システム(UAS)と衛星を対象にされる影響を受ける。 レ オン・パネッタ国防長官はRQ-4グローバルホークのブリック30Mの調達を凍結する意向だ。30Mは画像情報及び信号情報両面の装備を搭載しU-2の多 面的情報収集機能を引き継ぐ予定だった。ノースロップ・グラマンも今回の方針に不満を表明しており、ブロック30の開発中止の代替策に取り組む。同社に とってもう一つ残念な内容が国防天候衛星群(DWSS)の配備中止で、国防総省は「次期尚早」とする。ただこの方針には議論の余地があり、国防総省は早け れば2018年にも新型の気象衛星稼働の必要があるという。現在打ち上げ予定の国防気象衛星(DMSP) 二基があるが、技術的には最新とはとても言えず耐用年数にでも懸念がある。DWSSは総額427百万ドルでノースロップ・グラマンが契約を獲得し、国家極 軌道環境監視衛星計画が2010年に中止になったあとにその成果をもとに開発されたものだ。        以 上ふたつは今後10年間で4,870億ドルの予算削減を求められるペンタゴンの中でも大規模な削減対象だ。2013年度予算案は5,250億ドル総額要求 に加え別途884億ドルを戦闘支出勘定に加える見込み。基本予算の支出規模はゆっくりと増えていき2017年度に5,670億ドル規模になるだろ う。                予 算案ではアジア太平洋地域を最大関心地区にとらえ、欧州内の米軍配備は縮小する。呼応して海軍は海上前進基地として、特殊部隊および情報収集装備(UAS など)短距離陸垂直着陸戦闘機、回転翼機を搭載する洋上施設を調達する。また、新型爆撃機開発も2年目予算を計上する。空軍は現有のB-2(20機)、 B-1(64機)、B-

ターミナル1共通記事 2012年のトピックス12題

    12 Topics To Watch in 2012 aviationweek.com Jan 23, 2012     昨年は米空軍の空中給油機選定、エアバス、ボーイングがそれぞれ売れ筋のA320と737のテコ入れ、NASAのスペースシャトルが最後のミッションを完了などがあった。では今年2012年の航空空宇宙産業、国防関係で予想される出来事はどうか。 サプライチェーンの強化 Supply Chain Ramp-Up エ アバス、ボーイングの合計で2011年中の新規受注の純増は2,150機に上った。エアバスの場合では一機生産するたびに三機の受注があった計算になる。 では2012年の課題とは言えば販売が成立した案件を確実に生産することだろう。これまでのところサプライチェーンは大手二社の生産増に対応した納入をし てきたが、二次メーカーが投資を切り詰めて、生産能力は景気のどん底だった2008年-09年水準に抑えているので今年は試練の年になるだろう。 中国とロシアの宇宙開発の行方  Chinese and Russian Space Programs 中 国は昨年11月のドッキング成功で宇宙開発の大きな躍進を示した。今年は神舟9号、10号と二回のドッキングを予定しており、宇宙ステーションを2020 年に完成させる目標で突き進む。一方、ロシアの宇宙開発は大きな痛手のあと停滞しそうで、NASAが国際宇宙ステーションへの運搬手段をロシアに依存して いることへの懸念を起こそう。 サイバー防衛  Cyberdefense 米 国政府ならびに民間企業が中国からのサイバースパイ活動の激化に悩むなか、サイバー防衛が国家の安全保障の中で重要な意味を持つに至っている。だが、米国 にはサイバー防衛作戦の具体的な案は未整備のままで、政府各省庁と軍に分散したままで協調は絵に書いた餅になっているのが現実。今年はこれが議論の話題と なるが、有効な解決策は見つかりそうにない。 航空宇宙産業の再編  Aerospace Consolidation ユ ナイテッド・テクノロジーズが184億ドルでグッドリッチを買収する案を発表しておりこれが5月までに承認の結論が出る。では、ハネウェル、ジェネラル・ エレクトリック他大手企業はユナイテッド・テクノロジーズの『超大手』のステータスにどう対抗するか。一

次世代ジャマーの選定を急ぐ米海軍

                              Navy Will Select NGJ Contractor In 2013 aviationweek.com Jan 18, 2012 これまで厚遇されてきた電子戦分野にも予算削減の圧力が続くと見て、米海軍は大切な次世代電子妨害手段Next Generation Jammer (NGJ)の取得手続きを簡素化しようとしている。 契約先を一社に早期に絞り込むと数億ドルの節減効果が期待できるとして、通常の二社競合ではなく、最初から一社に技術開発業務を2013年に開始させる。2015年には生産準備を開始する。NGJ技術はこの4月に成熟段階を完了する。 ジョ ン・グリーン海軍大佐(空中電子攻撃AEAおよびEA-6Bプラウラー計画主任)は「NGJで承認された手続きでより経済的に、かつ早期に技術統合が可能 となります。これによりNGJの開発の予算裏付けができてEA-18Gグラウラーへの搭載が可能になります。」と語る。 合 理化はいいとしても契約企業の中には心配な要素もある。NGJがF-35共用打撃戦闘機には搭載されるとは見ておらず、その理由としてJSFそのものが遅 延していることをあげている。「F-35を電子攻撃用の機体にする構想があるが、実際にはその検討はされていません」(関係者) つまりNGJは別の機体 に搭載される可能性があるということで、最も可能性があるのが無人機で、メーカー側には朗報となる. 近 接距離でのジャミングと遠距離からのジャミングでは必要な出力が異なり、海軍の求める運用構想ではグラウラーをF/A-18E/Fに同行させ、目標に近づ かせる想定。ただその場合は電子攻撃支援がないと実際の運用は不可能だ。そうなると無人機にNGJを搭載することで乗員の損失を回避できるだろう。 F- 22にはパッシブな電子戦能力が搭載されており、JSFも当初はパッシブ能力を搭載する予定であったが、最新のサウジアラビア向けF-15にはデジタル方 式のEWシステムが搭載されている。この装備生産はすべてBAEシステムズが獲得している。NGJを巡り競争するのは同社以外に、ITT/ボーイング、 ノースロップ・グラマン、レイセオンの4陣営で、1月24日の週に海軍は各社の方針案を聴取し、早期に一社に絞り込むこと、選に漏れた他

F-35Bの開発継続宣言

                              Panetta Lifts F-35B Probation aviationweek,com Jan 20, 2012         レオン・パネッタ国防長官がF-35Bの保護観察処分を解いた。この処分は短距離離陸垂直着陸(Stovl)型の同機の性能が芳しくないためゲイツ前国防長官が命じていたもの。 パネッタ長官は1月20日に関係者を前に「Stovl型は他の機種と同じ成熟度に達した。そこで本日Stovl型の保護観察処分を解除する」と訓示した。 ゲイツ前長官は昨年にF-35B開発の進捗が二年以内に好転しなければ、開発中止を提言すべきと発言していた。ゲイツは退任し、その後はパネッタに任せる格好となった。 ゲイツ発言の直後にJSFの開発・生産を再構築すべく巨額の投入がなされた。同時にF-35Aと-Cもその対象となっている。その際にF-35BのテストはA型C型と切り離された。 国防総省スポークスマンは長官の決定は5点の改善結果に裏付けられているという。機体構造強度、副取り入れ口の振動、リフトファンのつめ、ドライブシャフトの摩耗疲労、ロールポスト作動部の発熱、である。 一方、Stovl機の有用性はAV8Bハリヤーによりリピア、アフガニスタンであらためて注目されており、長官も認めているところらしい。 国 防総省筋はF-35生産機数の削減が2月6日に議会に送付する2013年度予算案に盛り込まれると見ている。その結果、生産期間を延長する代わりに機体単 価は上昇する結果がすくなくとも発注機数が伸びるまでは発生するだろう。ロッキード・マーティンは受注機数の増加にともなう費用節減効果を享受するために は日産1機まで持っていくことが必要だろうと見ていた。 F- 35Bを運用する予定の米海兵隊は1号機受領後、作戦能力獲得を宣言できるのは早くて2016年の予定で、すべてはエグリン空軍基地でのテストおよび訓練 の進捗次第だ。にも関わらず海兵隊司令官ジェイムズ・エイモス大将Gen. James AmosはF-35Bの今後に楽観的だ。今年のテスト課題は飛行中の兵装投下だとマット・ケリー中佐Lt. Col. Matt Kelly(パタクセント試験場F-35飛行運航主任)は語る。すでに音速、亜音速飛行状態で同機は兵装

サイバー攻撃で大量の国防関連情報が流出

New Threat Environment For Cyberattacks aviationweek.com Jan 11, 2012                                                                         政 府主導のサイバー作戦で物理的な損害がすでに発生している。その例はイラン国内のウラニウム濃縮工場が2010年にコンピュータ・ウォームStuxnet により攻撃された事例にとどまらない。サイバー諜報活動、サイバーネットワークかく乱工作をCNEと総称し、その多くが中国から発信されているが、外交用 語では高度持続性脅威(APT)として知られ、米国はセキュリティ重視のため計画の進捗や投入資源の変更を余儀なくされているのが現状だ。 .APT攻撃は民間部門、政府のそれぞれのネットワークを対象とするもの。大部分が金融価値の情報を盗み出すことが目的だが、2006年以降は国防関連を標的にしたAPTで情報機関関係者以外には無価値の目標にもサイバー犯罪の手口が使われている。 昨年3月に合計24,000点の国防関連ファイルが盗み出されているのが発覚している。 コンピュータ・セキュリティの専門会社マカフィが逆CNEで、APT 攻撃を加えたサーバーを標的にする作戦を実施しており、その結果が公表された。目標は明らかに政府関連機だけが関心を示すものだけであり、中国以外のアジ ア各国が対象になっていた上記三月の攻撃対象となった国防計画の名称は明らかにされておらず、被害の結果、該当計画を再設計あるいは弱点を改善するための 改修を必要とするのか、その費用がどれだけになるのかは不明だ。 レオン・パネッタ国防長官は「デジタル時代の真珠湾攻撃」の脅威を昨年8月に戦略司令部に対して再度提示している。「サイバーを使って送電網をダウンさせる、金融システムをダウンさせる、政府をダウンさせる。わが国全体が麻痺状態に陥るだろう」 その心配の根本にStuxnetを使った攻撃事例がある。この攻撃で産業の制御システムは攻撃の隙間があることを示している。次にイラン事例でStuxnetがどのように作動したのかを知るものがいることから弱点を抱えシステムにどう手を入れていいかは不明だ。 さらにStuxnetを発見したRalph Langerに

F-35でイタリアに不安な動き

F-35 Under Fire In Italy aviationweek.com Jan 9, 2012                                                          イタリア政府はさらに国防費を削減しようとしており、F-35共用打撃戦闘機の国際開発への同国参加の行方が見えにくくなりそうだ。 イタリアがF-35導入機数を大幅に削減するのはほぼ確実で、少なくとも当初の131機の三分の一が減らされるだろうし、野党には計画自体の取りやめを主張するものもある。 同 じように計画を見直しして購入機数を減らした英国であるが、依然最大規模の導入予定を持ち、イタリアはそれに次ぐ存在だ。イタリアの予定支出規模は130 億ユーロ(167億ドル)で通常型F-35Aと短距離離陸垂直着陸型F-35Bの両方を導入する計画であるが、まだ一機も確定発注していない。国防費見直 し議論ではその他の調達計画以上にF-35は規模の大きさから関心度が一番高い。 昨年末のモンティ新政権は財政危機に真正面から立ち向かっており、国防支出もその見直しから免れない。同政権は選挙の洗礼を受けていないが、議会からは各種改革案へ広い支持が寄せられている。 ま た同政権が外交上の必要性よりも予算編成そのものに焦点をあわせていることもJSFには影響してくるだろう。F-35B海軍仕様22機をキャンセルすれば AV-8Bハリアーを退役させるイタリア海軍の空母には搭載する機体がなくなってしまうことになる。それでは軍事力を投射する能力がなくなってしまうが、 モンティ政権はこの点を意に介していないようだ。またイタリア空軍もF-35B40機の購入計画を取り下げF-35Aだけの編成になりそうだ。 一 方で、削減するとはいえイタリアのF-35関連支出規模は25億ユーロで、一部はJSF用の最終生産ライン及び点検(final assembly and check out ,FACO)設備としてカメリ空軍基地内建設に支出される。FACO建設は順調に進み2014年までに完成する見込みだ。

日本の航空宇宙産業にとってF-35採択はどんな意味を持つのか

                              Japan's JSF Buy Balances Economics, Industry aviationweek.com Jan 4, 2012     三 菱重工 製F-2戦闘機の最終生産の完了後に、生産継続の場合の単価を試算したところ150億円という値段になった。全くの新型機ではない戦闘機の価格とし てはいかなる国にも負担できる額ではない。一方、日本の国家予算の赤字額は国内総生産の9%に相当し、債務総額では年間GDPの230%相当で、ヨーロッ パのどの国よりも大きい。東シナ海の反対側には中国があり、その経済は年率10%成長をこの三十年間にわたり達成している。ただし今後は6ないし7%成長 に鈍化しそうだが、中国の国防支出も経済拡大とほぼ同じペースで拡大している。一方で日本経済はこの二十年間の成長実績は年率0.8%というかぼそいもの だった。 今後は「Made in Japan」のスタンプが戦闘機部品に押されることになる。そして生産は拡大し、経済的な規模を確保できるだろうが、戦闘機自体の生産はなくなる。 日本政府による ロッキード・マーティン F-35統合打撃戦闘機採用の発表が12月20日にあり、その直後に過去35年間堅持してきた武器輸出3原則の緩和も発表され、国際共同開発による武器の開発、生産に道を開いた。 この変更は大きな影響を西側防衛産業にも及ぼす可能性がある。制約から解放された日本の防衛産業は大量生産に走るかもしれない。AH-64Dアパッチの例のように年間1機というペースでの完成機の生産ではなく、米国向けに相当数の部品生産が可能となる。 武器三原則の変更を発表した藤村官房長官は緩和の理由は「防衛装備を巡る国際環境の変化」だという。どんな変化かは明らかにしていないが、日本の戦略的な環境条件はきわめて明瞭である。 F-35選択で日本は西側装備採用国の普通のクラブメンバーになる。政策変更に同機の選択が触媒の役割をしたのは明らかだ。ただしどの部品が国内生産となり、三菱重工や 三菱電機 と言った国内メーカーがどこまで関与するのかはまだわからない。 苦労して国内で一貫生産の体制を築いた防衛関係者、国内産業界が新体制に抵抗を示すのは間違いない。一方で、日本産業界にも独自優位性を示せる

イラン国内不時着で明らかになったRQ-170の特徴

                                                  F-22 Technology On UAV That Crashed In Iran aviationweek.com Jan 5, 2012     ロッキード・マーティン の RQ-170センティネル機体中央部偵察装置格納庫の鮮明な写真を見るとセンサー装置複数を収納していることがわかる。センサーは特殊加工透明パネル内に 取り付けられており、この部分はF-22用に開発されたものである。この写真が機密解除で流出したのは同機が12月4日にイラン国内で墜落したため。 写 真は9月30日にアフガニスタン国内カンダハールで撮影されていた。主脚を格納したまま着陸すれば格納庫及びセンサー類に大きな損傷が発生することがうか がえる。UAS計画にくわしい米国情報機関の技術者によればセンサー類は「電子光学・赤外線(EO/IR)装置」で非ステルス機・無人機用に開発されたも のに「類似している」という。 今回の墜落事故の原因は「データリンク消失がその他装置の作動不良と共にあるいはその後に発生したため」と同機関係者が明らかにした。ただし、今回の事故は特に驚きに値しないという。「 MQ-1プレデターは50機、リーパーでは9機を同じようにこれまで喪失している 」ためだという。 センティネル運用部隊は2005年に編成されており、同機がカンダハール出始めて撮影されたのは2007年。初期の運用はアフガニスタン国内でCIAが関与して行われた他、 韓国からも 操作されている。 その後2009年に各機は米国内に戻り、フルモーションビデオ(FMV)カメラを搭載してからアフガニスタンに再配備されたと米空軍情報関係者は語る。その時点では米空軍432航空団の第30偵察飛行中隊が運用していた。 再 装備の前には長距離EO/IRカメラを搭載しており、イラン東部のミサイル実験を監視していたのではないかと専門家は見る。RQ-170の運用高度上限は 50,000フィートでその他の低価格UAVやRC-135コブラボールが30,000フィート以下の運用であることを考えると有利な条件だ。 そ の他の特徴としてB-2向けに開発された前縁部の機体特性が盛り込まれている。ステルス性確保のため前縁部を鋭くしレーダー波を

次期爆撃機に大幅予算割り当て

新年明けましておめでとうございます。さて、ターミナル2では今年も防衛関係の航空宇宙ニースをかいつまんでお伝えしていきます。Aviationweekはまだお休み状態のようなので、新春一号ニュースはAir Force Magazineから取りました。 Future Bomber Program Gets Funding Bump Daily Report, airforce-magazine.com Friday December 30, 2011 2012 年度予算に議会が新型爆撃機に大盤振る舞い。空軍提出案の197百万ドルに議会から100百万ドルが追加され、総額297百万ドルとなったことが2012 年度国防予算案で判明した。追加部分は下院法案2055歳出パッケージとして送付したものにオバマ大統領が12月23日署名しており、同法案は成立済み。 ただし同法案にはこの追加理由の記述がない。一方で空軍作成の197百万ドル相当の予算案も議会承認済みであるが大統領の署名はまだ。空軍は80機ないし 100機の新型長距離爆撃機の配備を2020年代半ばから開始する予定。 関連ニュース も同じくDaily Reportより。                     Bomber Not Derailed by Sentinel's Loss:                          RQ- 170センチネルとそのステルス技術がイランの手に渡ったこと、そしておそらくほどなく中国・ロシアも入手する可能性があるが、空軍は次期長距離侵攻性能 を持つ爆撃機(LRS-B)の開発計画に変更ないことが判明した。空軍の説明ではLRS-Bには低リスクの開発済みステルス技術を採用してコストダウンと 開発期間短縮を狙うという。そこで、センチネルの喪失でその計画に変更が生じるかを知りたかったのだが、「歴史的に見ると新型の高性能航空機ウェポンシス テムはB-2やF-22のように1開発開始から配備開始まで5年以上かかっていますよね。米国に対抗する国なら米国の装備に匹敵する内容を開発しようとし ますが、やはり開発から配備までの年数は相当な長さになるはずです」(米空軍ステフィ少佐) 少 佐によると「低視認性機体の運用は相当複雑で、(ステルス性の維持のための)戦術、整備、訓練で米空軍は