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次世代爆撃機構想の最新状況

Pentagon Bomber Evolution Underway aviationweek.com Sep 2, 2010                                       今後配備すべき長距離爆撃のニーズ分析の最新版がぎりぎりのタイミングで提言としてまとまられ2012年会計年度予算案に反映されることになった。 だ からといってこのニュースに期待を寄せる向きは第一線の爆撃機運用部門には皆無に近い。各軍の統合運用構想を取る政治上の動きでは地上軍が大きな影響力を 持っており、調達予算にも反映されがちだ。また共用打撃戦闘機の費用超過もあり、提言の内容は控えめなものになりそうだ。 提言に盛り込まれる可能性が高いのは長距離通常弾頭弾道ミサイルだが。開発日程・予算規模ともに不明だ。通常型迅速グローバル攻撃(CPGS)構想が海兵隊カートライト大将(統合参謀本部副議長)のお気に入り。 次 の二つの構想には指示はあるものの予算はほとんど期待できない。1)各軍共用の長距離巡航ミサイルでヴァージニア級潜水艦、B-52のどちらからも発射で きる 2)海軍の無人戦闘航空機(UCAV-N)構想で空母航空部隊の航続距離を拡大する この二つともに将来の空中、海上戦闘の定義に合致するもので中 国の西太平洋における軍拡に呼応するものになる。 そ こで米空軍の将来型爆撃機はカートライト大将やゲイツ国防長官にも受け入れられる構想としてこの10年間研究しつくされてきた研究成果を元にすることにな る。ブリードラブ空軍中将は空軍参謀副総長(業務、立案、予算要求担当)として「爆撃機」という名称はもはやペンタゴンでは使われていないし、機体サイズ は相当小さくなるという。カートライトはUCAV-Nの空軍版を好ましいと考えているという筋もある。 空軍参謀総長シュワルツ大将とドンリー空軍長官は新型爆撃機の案件をまだ真剣に考えていない。四つ星将官で新型爆撃機構想を支持しているのは戦略軍司令官チルトン大将だけだ。 こ うして軍上層部の支持がないまま、次世代爆撃機支持派は名称を「偵察・打撃」機に変更した。デプチュラ中将が退役前の記者会見で情報収集、監視偵察任務 (ISR)および攻撃任務は今や別々に取り扱えないとの自説を改めて披露している。敵地奥深くまで侵入できる偵察機が武装できない

ABL空中発射レーザーの開発テスト延期続く

    Airborne Laser Test Rescheduled Again aviatonweek.com Aug 24, 2010     ミサイル防衛庁(MDA)は週末に予定されていたボーイング747-400F型を改造した空中レーザー発射母機(ABL)の飛行テストをキャンセルした。機内のミサイル追尾用カメラシステムの冷却問題が原因という。 飛行テストは当初は8月17日と予定されてたものが、21日に延期されていたが、原因は同じ理由だ。 ミサイル防衛庁スポークスマンは8月24日深夜から午前4時をテスト時間として想定していたと発表。 テ ストはABLでもっとも挑戦的なものになるはずで、ミサイル迎撃の有効射程距離をこれまでの二倍にする目標だった。射程距離は公式には発表されていない が、ゲイツ国防長官はそもそもABLの有効射程距離に批判的だった。同長官はイランのミサイル迎撃を上昇段階で行うには同機がイラン上空を飛行する必要が ある、と発言していた。 ABL は数メガワット級の化学酸素ヨウ素レーザーを利用する。しかし、ペンタゴンは固体レーザー技術の開発を中心にしようとしている。この場合、動力源の規模が 大きくなるが、レーザー発生が容易になる利点がある。MDA関係者によるとABLが搭載する光学系システムは将来の固体レーザー試験にも利用できると いう。 ケビン・キャンベル中将(陸軍宇宙ミサイル防衛軍団司令官)は陸軍の計画では今後7年ほどで中型機に固体レーザーを搭載したシステムの実用化を進めるという。■

F-35テスト開発の最新状況

F-22 Lessons Drive Faster F-35 Testing aviationweek.com Aug 24, 2010   エドワーズ空軍基地にて                                                  F-35共用打撃戦闘機のフライトテストは予定よりも3倍早く進展しており、それに呼応して関係者は付随的な支援テストも予定を繰り上げる対応に迫られている。 同時に関係者によるとフライトテスト用の機材設備の追加投入の予定もあり、開発期間が13ヶ月延長となったことに対応しようとしている。 通 常型離着陸(CTOL)型のF-35A合計2機は5月以来53ソーティをこなしており、当初の予定では現段階で17回だったので進展が著しい。「予定では 150点だったテスト項目も536点まで実施できました」(461飛行テスト隊司令兼F-35統合テスト部隊(ITF)司令ハンク・グリフィス中佐) また空軍フライトテストセンター司令官デイビッド・エルクホン少将もF-35Aが「予想を上回る」進展を見せていると語る。 F-22開発の過程で得た経験が結果を生んでいるとグリフィス中佐は話す。テスト開発に従事する人員もF-22の経験者が多い。同中佐はさらにITFとロッキード・マーティンが当初からF-22の経験からフライト前テストの遅延を回避しようと努力したのが大きいと加える。 「F- 22ではフライトテストの開始が遅れたのはテスト機の生産が遅れたためだ。F-35でもロッキード・マーティンと緊密に動いたのです」(グリフィス中佐)  その結果、到着したテスト機はトラブルがなく、テストを開始できる状態であったという。「当地に到着して二日目にテストフライトを開始し、二週間で9回 を実施した」という。さらにメンテナンス・支援要員もエドワーズカラパタクセントリバー海軍航空基地に飛び、あらかじめF-35取り扱いの経験を得たとい う。 熱 管理もF-35のテストチームが憂慮していた問題だったが、結局トラブルにはならなかった。「白昼3時間の運転でもオーバーヒートしませんでした」(グリ フィス中佐) 冷却した燃料も準備したものの使用されなかったという。ただし、IPP(統合動力パック、補助動力および緊急動力に環境制御システムを組み 合わせて重量軽

JSFと新世代ジャマー

                                                                                                                      By David A. Fulghum NAS Patuxent River, Md.                      Will F-35 Customers Get Advanced Jammer? Aug 12, 2010     米海軍がF-35共用打撃戦闘機に搭載される予定の次世代ジャマー(NGJ)の性能の一部を明らかにし始めているが、敵防衛網を無力化する性能が同機の購入先の海外諸国のうち何カ国に提供されるのかが問題となってきた。 海軍及び国防総省長官官房はNGJの海外提供方針を決定していないが、このジャマーの搭載が防衛体制の強固な敵領空での生存性を大きく左右する。 NGJ の中核技術は電子スキャンアレイ(ESA)である。これはF-22、F-35、EA-18Gグラウラー、F/A-18E/Fスーパーホーネット、性能改修 型F-15Cゴールデンイーグル、F-15Eストライクイーグルが搭載するレーダーの発展型。ESAはレーダーの有効範囲の三倍の距離をカバーし、ジャミ ング用の波形を送信し、メンテナンスコストは9割カットできる。 未 定なのがNGJシステムのJSF導入国への輸出だ。NGJはF-35を重防備の防衛体制から守り、敵の防空網を制圧する機能を有するが、米国のアナリスト はSA--20のような高性能ミサイルで防衛されている場合は生き残れるのはステルス、高高度スーパークルーズ能力のある機体だけだという。ロシアはイラ ン向けSAMの販売契約を結んでおり、今のところ装備の引渡しはしていない。 海 外でJSFを最初に受領するのはイスラエルになると見られており、19機で一飛行隊を編成する。ただし、米国とイスラエルはF-35の電子戦闘システムの ソフトウェアコードの公開で協議を完了する必要がある。また同システムの追加装備をイスラエルエアロスペースシステムズのエルタグループあるいはエルビッ トシステムズによって生産させるかを決めなければならない。 イ スラエルの考え方はF-22あるいはF-35ならば小

イスラエルの考える国土防衛体制の新しい形

Arrow 2 David's Sling Israel Assesses Changing Threats aviationweek.com Aug 13, 2010     予算削減に加え脅威の内容が変化している中でイスラエルは今後の予算の割り振りに苦闘している。財政当局と国防省の議論はかれこれ一年も続いており、同国の存亡を左右しかねない争点では国論が大きく分かれている。 イスラエルが新しい形の脅威にどれだけ早く対応できるか、また戦闘とその勝利の定義をどう変化させるべきかが、改めて同国内の問題意識となっている。 「イ スラエルが直面する課題を我々は完全に理解しているとは言えない。脅威は大きく変化している。通常型の軍備増強がその解決策とは必ずしも結びつかない。技 術革新、思考方法の変革等に一層の投資が必要であり、一方で戦闘、その勝利、その戦場の再定義をすることが求められる。」(ダン・メリドル、副首相兼情 報・核エネルギー大臣) 戦闘を取り巻く環境は急速に複雑化している。「国産のUAVの必要度は大きい。乗員の生命を危険にさらさずに、多数のミッションを実施できる。」(メリドル) UAVはミサイル防衛の一部として偵察・捕捉任務を実施することになるだろう。 「敵ミサイルの発見、位置把握には10秒か12秒しか余裕がない。今後はミサイル迎撃技術への予算投入を増やしていく。アロー迎撃ミサイルと新型衛星からの情報が重要な要素となる。」(マタン・ヴィルナイ国防副大臣、元陸軍参謀副総長) 「宇宙空間が一層重要になってきた。イスラエルは地上の面積に比べると宇宙で大きな存在だ」(ダニ・ハルツ空軍中将(退役)) 同 中将が指摘するのは同国の地理的な制約条件が長期的には優位点になるという点だ。イスラエルが宇宙機を打ち上げる際には自転方向の反対にしてブースターが 他国領土に落下するのを防ぐ必要があるので、技術・計画双方で革新的な工夫が求められる。高性能機能を積み込んだ小型衛星を連続して打ち上げに成功した同 国はISR活動の拡大に向けた一歩に踏み出した。 サイバー戦、高出力マイクロ波、ネットワーク侵入が同国の関心事だ。「敵の指揮命令系統が攻撃対象リストの上位にある。サイバーだろうがネットワークと呼ぼうが、結果は敵システムのソフトキルであることに変わりない

P-8Aポセイドンの飛行テストは順調に進んでいます

Third P-8A Poseidon Enters Flight Testing aviationweek.com Aug 3, 2010     ボーイングP-8Aポセイドンの三号機T3が7月29日シアトルで初飛行を完了し、現在パタクセントリバー海軍基地(メアリーランド州)への移送準備中だ。 T3はミッションシステムと兵装認定用の機体で同基地でテストに従事している先行2機に合流する。初飛行ではボーイングと海軍のテストパイロットが同乗し、エンジン加速減速、自動操縦、補助動力、エンジン停止・再始動等の飛行チェックを行った。 T3 は海軍システム開発実証契約(SDD)でボーイングが2004年受注したフライトテスト用機材6機のひとつ。一号機T1は滞空性証明用で2009年10月 からフライトテストを開始している。T2は主にミッションシステムのテスト用ですでに50時間のフライトテスト時間を計上している。SDDによりさらに3 機が製作中。 T4が生産型と同じ内容でレントン工場で最終組み立てに入っている。 完成すると、ボーイング商用機からボーイング防衛システムズに引き渡される。T5とT6はスピリットエアロシステムズで胴体部分が製作中でこのうちT5は今月末にレントン工場に納品される。 T4、T5、T6はパックスで初期運行テストと評価に使用される。静止テスト用のS1ではボーイングは110通りの試験条件で実施しており、S2を使ってライフサイクルのシミュレーションテストを2011年はじめに開始する予定。 米 海軍が予定するP-8Aの調達合計は117機で、対潜任務、対水上艦任務、情報収集、監視偵察でP-3と交代する。初期作戦能力獲得は2013年となる見 込み。ボーイングはP-8Iの初号機組み立ての準備に入っており、合計8機をインド海軍向けに生産する。これを機会にP-3を運行している各国、とくに オーストラリアへの売り込みを図る。■

F-35調達で意見が対立するイスラエル

                 Israel Debates Deterrence Vs. Cost On F-35 aviationweek.com Jul 29, 2010     イスラエルが予定している共用打撃戦闘機 (JSF)F-35の第一陣計19機の取得費用27.5億ドルに対して、同予算は現有主力機を改装して長距離高速度ステルス兵装やセンサー類の改装に充当 したほうが得策ではないかとの意見が出ている。 同じように攻撃ヘリや情報収集専用機も安価な民 間機を改造して高性能センサーを装備して開発できると見る向きもある。JSFに対する見解が分裂しており、その結果イスラエル空軍が運用するJSFの機数 は当初計画よりも少なくなる可能性がある。 「今後は少ない運用機数で高性能の機体を配備の 方向だ。F-35はこの方向に合致している。同機の性能が宣伝どおりなら、国防予算の縮小にも対応できる。また、ステルス機、非ステルス機の同時運用にも 道が開ける。その結果、敵陣営が優勢な環境でも現有機の運用が可能となるだろう」(イスラエル空軍ダニ・ハルツ中将) とはいえ同機が高額であることが論争の的になっ ている 「予算は他の装備にも使いたい。高性能のF-16やF-15を改修して使えば予算の節約になり地上配備ミサイルのような必要な装備 の調達に回すことができる。空中発射スタンドオフミサイルはきわめて高い命中精度にあわせ長い射程距離があるので広く使用できる。F-35に予算を集中す るのは得策ではない。」(イスラエル陸軍退役中将G.レイランド) 中には安全保障が価格に優先すると考える向きも ある。「F-35 はイスラエル空軍には必須な装備です。では何機必要なのかが次の問題です。導入するとその他の装備はどうするのか。新しい価値観・作戦概念を作り他の現有 機を刺激するのです」(ホルツ中将) F-35 の魅力はステルスとスーパークルーズであり、F-35導入で第四世代戦闘機を多数交代させられるが、機体数の減は得策ではないと警鐘を鳴らす向きもある。 「いくら高性能でも同時に二つの場所で活躍はで きないのであり、絶対的な機数が必要だ。配備戦力を削減して戦場で必要なインパクトを与えることができなくなっている」(ホルツ中将)■

米空軍の新型通信衛星AEHFの打ち上げ迫る

USAF Plans For AEHF Launch Next Week aviationweek.com Aug 4, 2010 米空軍はロッキード・マーティン製の高性能EHF(ミリ波)(AEHF)衛星1号機の打ち上げを8月12日に予定している。 AEHF-1   AEHF衛星は妨害を受けずに盗聴ができない通信の新時代を開くもの。同衛星はMILSATR衛星システムの一部となる。 AEHFは地球上のあらゆる地点に(ただし両極頂点除く)高速データ通信を可能とする。 一号機単体で既存のMilstar衛星群の容量を超えており、末端サービスは従来の5倍に増えるという。 AEHF一号機の軌道情報は秘密だが、打ち上げ後3ヶ月後に軌道を上昇して、西経90度で軌道上の機能チェックを3ないし4ヶ月かけて行う。 拡張データレート機能はAEHFで実現する高データレートの防護通信機能で、打ち上げ後一年以内に利用可能となる予定だ。 AEHFはMilstar衛星群とクロスリンク機能があり、既存の端末を介して利用できる。 ケープカナベラル(フロリダ州)からの打ち上げ可能時間帯は8月12日午前7時以降である。 AEHF衛星開発にはカナダ、オランダ、英国が共同参加しているが、各国別の分担金額・利用可能な機能内容は秘密となっている。 AEHF はこれまで幾多の難関を生き残っている。開発の契機は1999年にMilstar衛星の一機ガ喪失されたことで、ロッキード・マーティンを主契約社年、 ノースロップグラマンがペイロード製作を担当した。配備機数も変動を繰り返し、現在は4号機までの予定だがペンタゴンは長期的には6機の調達を予定してい る。 2009年12月時点のペンタゴンによる見積もりはAEHF6機で124.5億ドルだが、2002年には3機で61億ドルだった。 2号機は来春に打ち上げ予定で、3号機は2012年初めになる。世界規模のXDR通信機能は4機が軌道に乗る2010年代末まで待つことになる。■

米空軍: 調達方法を見直すべきか

USAF ISR Chief Calls For Procurement Changes aviationweek.com Aug 3, 2010 デイビッド・デプチュラ空軍中将・空軍副参謀長(情報収集・監視・偵察担当)は装備調達のスピードを上げて、前線指揮官のニーズに呼応すべきと発言。  取得が早くなると次世代無人機システム(UAS)の配備がまず恩恵を受ける。   ペンタゴンの現在の装備調達は要求内容作成・精査の長いプロセスである共用能力統合開発システム(JCIDS)を経ないと購入ができない仕組みになってい る。JCIDSの承認に数ヵ年かかり、その後やっと契約者を選定して設計が始まる。                   デ プチュラ中将は退役前の記者会見で「JCIDSそのものは善意」で要求性能を実現する手段として構築されたと解説。しかし非正規戦闘と技術が急速に変化す る現在の状況では「そんなに待つ余裕がない」(同中将)。空軍の最新型ISR装備にはプレデター無人航空機、MC-12Wプロジェクト・リバティー有人情 報収集機があり、双方ともにライトパターソン空軍基地(オハイオ州)のビッグ・サファリ事務局が開発・導入をまとめた。この事務局は求められる性能水準を 迅速に実現し、伝統的な調達手順の制約を回避することで知られている。 グローバルホークは従来型の調達方法で導入をしており、コスト上昇に悩まされている。ペンタゴン関係者の言によると国防長官官房は費用がこのまま上昇し続けると上院決議の内容に反する事態に陥るのを懸念している。 デ プチュラ中将はビッグ・サファリ方式を「例外措置ではなく標準方式に」すべきと考える。例として次世代UASの実戦配備は最短で2020年で、かつ調達手 続きが適正に行われ、実際の製作が即座に開始された場合だという。「アルカイダにはJCIDS手順はない」と同中将は新型装備の第一線配備が一刻も早く必 要であることに注意を喚起している。前線に一刻も早く新しい装備を届けるためには調達手順を簡素化するしかない。 同 中将は次世代の攻撃・ISR用の無人機開発が高価になるという国防関係者の主張に反論している。次世代爆撃機の呼称もある同機の機能には自動再目標捕捉が あると同中将はほのめかしている。このためジャミングの対象になる再確認用の通信のやり取りが

アヴェンジャーUAVの開発状況

Avenger UAV Will Come in Two Variants aviationweeek.com Jul 21, 2010     ジェ ネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システム(GA-ASI)はアヴェンジャー/プレデターC無人戦闘航空機を二型式で提供する。そのうちの一型式 にはレーダー吸収素材、共用打撃戦闘機と同様の電気光学センサー他の装備を搭載し、防御堅固な空域出の生存性を高める設計だ。. アヴェンジャーの最初のモデルは「対戦環境」(敵対勢力が存在するが、友軍がおおむね制空権を確保している)を想定。これに対し二番目のモデルは引き込み式の電気光学センサーを搭載する等の変更点があり、2011年早々に初飛行の予定。        た だしプレデターCはレーダー断面積(RCS)    テストは未実施だ。GA-ASIの技術開発本部は米国最大級のRCSテスト施設と文字通り隣接しており、コンピュータ上のRCS判定は良好なものの機体一 部にホットスポットが見つかっており、実際のRCSテストはステルス設計が完成してからになりそうだ。    同 社によると米海軍が話題にしているのは完全ステルス性能よりも「バランスのとれた生存性」を無人空母発進空中偵察攻撃機(UCLASS)の仕様に取り入れ ることであり、一方で米空軍のMQ-X仕様はそこまではっきりしていないようだ。ただ空軍筋によると    空軍にとって優先順位が高いのはUAVのシステム設計を固めることであり、将来の多様な機体要求にこたえるものとすることであるという。■ m

PAK-FAの運用は2015年開始か

T-50(左)とF-22 PAK-FA Will Be Operational In 2015: Executive aviationweek.com Jul 21, 2010            スホーイT-50PAK-FA戦闘機の実戦部隊配備は2015年から開始となると同社はファーンボロ航空ショーで明らかにした。西側ではこれまでの例と比較して同機開発のテンポを懐疑的に見る向きもある。 「これまでの知見の蓄積があるし、準備状況の進捗と解決方法の選択があってこそ可能です。新型エンジンを待たずに、既存エンジンを改良しますし、総合すれば達成は可能です」(同社幹部ミハイル・ポゴシヤン) 「過去10年間に当社は合計4機種の機体を開発しました。Su-30MKI、Su-34,Su-35およびT-50ですが、海外メーカーでこれだけの実績がある会社はないでしょう」 また、T-50の本格生産が始まってもSu-35の生産も2020年までは平行して維持されるという。レーダー探知距離が400Kmと長い同機の有用性がその理由だ。 ポ ゴシヤンは同時に西側報道で中国・パキスタン共同開発のFC-1/F-17戦闘機用のRD-93エンジンの輸出をロシアが禁止したことにもコメントしてい る。この禁輸は中国がSu-27を不正コピーしたJ-11を生産していることへの対応策とされる。「エンジンの引渡しには反対というわけではないが、本件 は二国間合意により決めるべき問題だ。軍事技術協力は長期間の戦略的なプロセスであり、両者が合意内容を遵守する必要があるし、一方がそれを守らないと秩 序が失われます。」■

2011年導入に向けて準備進むタイ空軍グリペン部隊

Thai Gripens To Be Operational In 2011 aviationweek.com Jul 19, 2010                                        タ イ空軍のパイロット、技術要員の第一陣がスウェーデンで訓練中で同空軍はグリペンで編成する701飛行隊を来年から運用を開始する。 タイが購入するグリペンは当初6機で、その後 12機まで拡充する予定。さらに増強する可能性もあるが、まずは初期導入機体の運用経験からの判断となるはずだ。 現在訓練中のパイロット4名が教官となる予定。 現時点で使用しているのはグリペンA/B型だが、今後C/D型も投入して訓練は12月に完了する。 タイ空軍F-5およびF-16 のパイロットにグリペンへの機種切り替えは比較的容易とのことで、飛行制御システムは「とてもスムーズ」でマン・マシンインターフェースは「うまくできて いる」とのことだ。 グリペン各機体の引渡しは来年3月までに完了する。タイ空軍は当初はAIM-9M  サイドワインダーおよびAIM-120 Amraamミサイルを搭載するが、IRIS-Tドッグファイトミサイルを別途導入するだろう。 グリペンはタイ空軍の通称グリペン統合防空シス テムの一部で、同空軍はErieye早期警戒機もあわせて導入する。このシステムも来年から稼動する。■ コメント なかなかよく考えた選定のようです。AEWまでサーブ製でまとめたのは、コストを一番に考えた結果と思いますが、グリペン が熱帯の気候の中、どのような働きをするのか、その他多数派の米製戦闘機とのインターフェースはどうなるのか、来年以降の運用の中で実態を知りたいもので す。

高高度情報収集UAV運用で米海軍、空軍が共同運用に動く

Navy, USAF Coordinate High-Altitude UAV Work aviatonweek.com Jul 15, 2010     米空軍-海軍が覚書を交換し、高高度偵察無人航 空機(UAV) の開発で協調することにしたが細部では問題が残っている。 6月12日に取り交わされたこの覚書では空軍の グローバルホーク、海軍の広域洋上監視(Broad Area Maritime Surveillance (BAMS))双方の運用上、予算上の効率性を求めるのを目的としている。両プログラムともに開発段階にあるが、グローバルホークが先行している。 運用基地を共有し、メンテナンス、指揮命令系 統、訓練、ロジスティクス、データ活用でも共用するすることで効率化向上の余地が大きいと空軍情報収集・監視・偵察(ISR)担当のデプチュラ中将は考え る。 例えば両機をイタリアのシゴネラ海軍航空基地に配備すればヨーロッパに加え中東地区も情報収集の対象に加えられる。同様にグアム配 備が想定されており、現実に空軍がグローバルホーク運用の準備をしているところだ。 グローバルホーク初期型各機およびグローバル ホーク洋上運用実証機はアルダフラ基地(アラブ首長国連邦)で運用中。海軍用の機体はアラビア洋上での情報収集に従事しており、一年間の現地運用が決まっ たところだ。ホルムズ海峡上空の監視活動ならびにイランを出入する艦船の把握に同機は重要な手段となっているというのが専門家筋の見方だ。空軍所属の各機 体はアフガニスタン、イラク及びアフリカ上空で各地の司令官の求めに応じ情報を収集している。 これとは別にパイロットとメンテナンスの訓練が 両軍を対象にカリフォルニア州ビール空軍基地に準備されつつある。ただし、海軍の運用管制官向けに360度をカバーする多機能アクティブセン サー(Multifunction Active Sensor ,MFAS)の訓練場所は未定。空軍のセンサー類では電子光学、赤外線、レーダー、通信傍受装置の種類が海軍と異なっている。 今回の協定はペンタゴン内部で一層の共同事業を 行う一歩になる。これまで各軍は独自に計画づくりを伝統的にしてきたが、それは共同で同時に開発する試みが特に武装関連で失敗してきたためだ。海軍は共用 空対地スタンドオフミサイルの取得に熱

ボーイング・ファンタムアイUAVが公表されました

Boeing Phantom Eye Preps For Ground Testing aviationweek.com Jul 13, 2010                                           ボーイングの水素動力による高高度飛行無人機(UAV)の実証機ファンタムアイはNASA ドライデン飛行研究施設(エドワーズ空軍基地内)に移送されて、地上テストの準備を進める。 ボーイングは7月12日に同機を初めて従業員向 けにセントルイスで公開した。 初飛行は2011年初めに約8時間の予定で計画 されているが、その前に地上・タキシーテストを実施する。最終的な目標は96時間の連続飛行を高度6万5千フィートで実施することだ。 動力はフォード・レインジャートラック用の 2.3リッター4気筒エンジン二基で、長時間飛行を目指す。同機の製作はボーイング・ファンタムワークスである。お披露目の席上、ファンタムアイは24時 間連続、一週間連続の地域上空飛行を4機交代で行う構想であることが発表されたれが実現できれば前線に航空機を配備したり、世界中に基地を確保したり、世 界的な規模の補給網が不要になると同社は発表。 ファンタムアイは実寸の60%から70%相当の 縮小サイズで、巡航速度150ノットでペイロード450ポンドを搭載。 競合機にはエアロバイロンメントのグローバルオ ブザーバーがあるほか、ロッキード・マーティンとオーロラフライトサイエンシズAurora Flight Sciencesも長時間飛行体の市場参入をめざしている。すべて高高度飛行により現在はグローバルホークが担っている情報収集任務を実現することが目標 だ。グローバルホークは24時間運用が可能だが、米空軍は運用コストが高いことに不満がある。 ファンタムアイの縮小モデルは来週のファーンボ ロー航空ショーのボーイング無人機コーナーで展示される。同時にファンタムレイ戦闘用無人機、スキャンイーグル、スキャンイーグルインテグレーター、 A160Tハミングバードの各モデルも展示となる。■

EADSがKC-X入札に単独で参加

EADS KC-X Bid In, Tanker Rhetoric Heats Up aviationweek.com Jul 9, 2010                                        EADSノースアメリカはA330-200を改装する同社のKC-X提案が米空軍入札で採用とな ると自信満々である。同社会長ラルフ・クロスによると競合するボーイングの支持者による同社への攻撃は取るに足らないものと一蹴する。    同社は合計8,819ページ全17巻の提案書を 提出。入札締め切りは7月9日。提案の給油機設計はオーストラリア空軍仕様を大幅に流用している。一方、ボーイングは767原型の提案だが日本、イタリア 向けの設計とは異なり、現段階ではまだ原型機は存在していない。代替の対象となるKC-135は現段階で179機が稼働中。 米空軍は採択結果を11月12日に公表の予定。 契約規模は350億ドル。EADSは7月8日の記者会見で入札の意向を表明した。 両社はこれまで非難中傷の応酬を繰り返してきた が、ボーイングの支持者は世界貿易機関WTOの見解でエアバスが不正な形で政府補助金を受けて民間機を開発した経緯を今回の選定で考慮すべきと主張する。 この補助金を理由にEADSには一機あたり5百万ドル相当のペナルティを国防総省は課すべきだと主張する議員もいる。 ペンタゴン関係者はWTO規則ではペナルティの 上乗せはできないと言い、EADSも一蹴する。 一方WTOも紛争解決委員会の活動は9月まで延 期するとし、その理由はEU側が米国に対してボーイングは不公正な補助を受けているとしているためだとする。 EADSはKC-X事業の本拠地をアラバマ州 モービルに7月12日に開設し、以後の空軍との交渉を続けると発表。もともと同地は2008年の落札時にA330-200タンカー・貨物型の最終組立工場 として当時の提携先ノースロップ・グラマン主導で選定されていた経緯がある。この落札が無効とされたのはボーイングの抗議がきっかけであり、ノースロッ プ・グラマンが事業から降りてしまった。EADSはその後単独で応札する意向を公表していた。 KC-X開発用の最初の三機はツールーズで製作 し、スペインのエアバスミリタリーで軍用の改装を施す。4号機からモビールで改装をする。