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スホーイT-50飛行テスト状況をプーチン首相が視察

Sukhoi T-50 Prototype Demonstrated For Putin                     aviationweek.com Jun 29, 2010 ロシア初の「低視認性」航空機をウラジミール・ プーチン首相が視察した。モスクワ郊外のジューコフスキー飛行テストセンターでスホーイの試作機T-50のコックピットまで同首相は乗り込んだ。 T-50はロシア空軍のPAK FA開発計画に より開発中の多用途戦闘機でSu-27フランカーの後継機種となる。1月29日初飛行以来、米側関係者によると同機のこれまでの飛行回数は16回。初期段 階の開発は2012年に完了の予定。 スホーイの予測では全世界で今後40年の市場規 模は1,000機程度。プーチン首相によると同機の価格はF-22の三分の一。また、米議会により海外販売が禁止されたF-22と違ってスホーイは最初か ら輸出を念頭に設計されている。 インドは同機開発にすでに「参加」しており、複 座型に関心を示している。 T-50試作一号機はレーダーを搭載していないと推測されるが、機種と後尾に合計2基の固定アク ティブ電子スキャンアレイレーダーを搭載し、前後各120度の探査範囲を確保する設計だ。 搭載エンジンはNPOサターン117S二基で、 これはフランカー各型で採用されたAL-31Fエンジンを改良したものだ。■ ● 同機の行方には注視が必要です。いわばチープな ステルス機として今後多くの新興国が採用すれば、西側にとって厄介な存在になりかねませんし、F-22/F-35 の配備数は少数にとどまり、数では優位性が確保できる可能性が少ないためです。

次期哨戒機P-8A開発の近況

Second P-8A Moves To Pax River Testing Site aviationweek.com Jun 23, 2010 ボーイングは次期洋上哨戒機P-8Aの二号機を パタクセントリバー海軍航空基地(メリーランド州)に移動させた。また、三号機の完成もまもなくだ。飛行テストはこの三機で実施する。 二号機はT-2と呼称され基礎的なミッションシ ステムが搭載されている。初飛行は6月8日に実施されたばかり。パタクセントリバー基地への移動は6月19日に完了した。 三号機T-3の飛行テスト開始は本年第三四半期 の予定。兵装の認証を得ることが大きな目的だ。P-8Aは魚雷に加えボーイング製のスタンドオフ陸上攻撃ミサイルを搭載する。 ボーイングは同機開発の進捗を良好と見ており、 2013年の初期作戦能力(IOC)獲得目標は達成可能としている。IOCまでに合計6機の購入が必要で、T-4 から6の三機は乗員訓練に使用される。 その一方で海軍はP-8A の性能向上型(Increment 2)の2016年配備をめざし、企画案を完成させつつある。改良の中心は潜水艦探知に向けた機体の音響特性の向上だ。輸出についてはオーストラリアがイン ドにつぐ第二の導入国になる可能性があり、現在両国間で協議中。その次の改良(Increment 3)は2019年となる。 米国とインドは来月に最終設計審査を予定してい る。インド向け改良型の生産開始は2012年に予定され、米国向けの機体と一部が異なっており、磁気異常探知機、洋上捜査レーダーの追加装備で360度探 知が可能、および空中捜索能力の追加が主な点。■

F/A-18E/Fの調達は当分継続される

  Boeing Eyes F/A-18E/F Long-Term Production aviationweek.com Jun 24, 2010                                                    ボーイングはF/A-18E/F スーパーホーネットの生産ラインを2020年まで稼動させる見込み。 を4年間で124機調達する現行計画だが、変更 はありうると同社は見ている。複数年度調達方法で年間5億ドルが節約できるという。 平行してボーイングは米海軍または海外購入者向 けの将来の性能向上需要に向けた技術の開発を進めている。海外市場での性能向上型機種へ関心は高く、例としてインド空軍はGEの改良型F414エンジンで 20%の推力増加画可能となることに関心を示している。 一方、米海軍の目下の関心は追加兵装システムの 統合、センサー統合能力の向上および追加電子装備にある。 これに対応してボーイングは新型9x11インチ のディスプレー(三次元表示にも対応)の導入改修を進めているが、実証飛行を来年に開始して顧客の関心度を探り、求められる性能を確認する予定だ。 その結果で予算がつけば性能向上型は4年で実用 化される。 新型ディスプレーに対応した新設計のHUDヘッドアップディスプレーも導入されるが、パイロットにはセンサーを利用して各種情報を 統合する余裕が生まれるはずだ。 なお、予備用の3.5x3.5インチがあわせて 準備される。 そのほかの改善点としては赤外線探知追跡センサーが外部燃料タンクの前面に2016年までに取り付けられる。 そのほか海軍が導入を予定しているのが、新型 IFF(敵味方識別装置)、データリンク能力向上、目標補足情報の共有能力で、電子攻撃の脅威に対抗する手段となる。これ以外に戦闘管理能力の向上、電子 戦統制能力、自機防衛装置として開発が遅れている360度対応ミサイル接近警告機能がある。ただ、後者についてはレーダーまたは赤外線技術のどちらを採用 するかが未定だ。■

空軍のABL開発状況、海軍もレーザー兵器実験へ

Airborne Laser Demonstrating Increased Range aviationweek.com Jun 22, 2010     ボーイング747-400を改造した空中レー ザー(ABL)テスト機は高出力化学レーザーの発射射程が従来の3倍から4倍に延びていることがボーイングにより判明した。 同機は毎月2回の飛行をしており、そのうち一回 は実際にレーザーを発射し、実際の標的を使用することもあると、ボーイング・ネットワーク・スペースシステムズ社長のロジャー・クローンが明らかにした。 同機のレーザー照射撃墜実験は2月に始めて成功しており、引き続き今年中の実施が予定されている。現在の重点はレーザーシステムの性能向上にあり、単に射 程距離だけでなく、照射角度の改善も視野に入っている。 ABLについては有効射程が 短すぎ、747をあらかじめ脅威の所在地近くに配備する必要があるとして ペンタゴンから 批判があった。 テスト機の予算手当ては来年も継続される。ミサ イル防衛庁(MDA)は数週間のうちに今後のテスト内容を決める。 クローン社長によるとボーイングはMDAとテス ト機に固体レーザー装置の追加搭載の可能性を協議している。747機内には既存の化学レーザー装置に追加搭載するスペースは十分ある。 一方、海軍は自由電子レーザー開発でレイセオン とボーイングのいずれかを採択する予定を来月に控える。海軍の計画では採択後15ヶ月で設計審査を完了し、次の段階は100キロワット級のレーザー実証実 験をしたあと、第三段階で海上公試に移る。■ コメント ミサイル防衛では技術の進展が早いのと、技術手段が多様になったほうが選択の幅も広がることもあり、レーザー開発状況には日本も注視しておくべきでしょうね 。

次期大統領ヘリ選定は仕切りなおしに

Presidential Helo Competition Complicated aviationweek.com Jun 14, 2010 大統領専用ヘリコプター調達が仕切りなおしとな る中、複雑なメーカー間の関係はより大きな防衛産業メーカーの動向をそのまま反映する形になってきた。 ボーイングは6月8日にアグスタウェストランド よりAW101ヘリコプターの知的財産、技術データおよび製造権を完全に買い取るとの発表をし、今後は同機は完全にボーイングの製品となると付け加えた。 アグスタウェストランドはこの取引で相当の額の 収入を得ることになる。同社にとっては大西洋の両岸でビジネスを展開する重荷がなくなることで安堵できるが、今後はボーイングがこのリスクを負うことにな る。 その逆のことがボーイングにあてはまる。ボーイングはCH-47チヌークの知的財産権をアグスタウェストランドに販売し、同社がイ タリア向けの製造販売を行う。その他世界各地では両者はAW-101とCH-47で競合関係にある。なお、アグスタウェストランドはベルテクストロンの BA609ティルトローター開発で小規模の出資をしていることから、ここでもボーイングとのつながりがある。 次期大統領専用ヘリコプターVXX計画に話を戻 すと、ボーイングはベルヘリコプターと共同でV-22オスプレーを提案している。 一方、アグスタウェストランドが以前に提携して いたロッキード・マーティンは提携を解消し、新たにシコルスキーと組みS-92を候補機として売り込む構えだ。 シコルスキーもボーイングも生産分担の話には入 らないだろう。ボーイングによるとAW101の生産場所は未定とのこと。 「国産品採用」の声がワシントンで高まってお り、今後の企業連合の決定にも影響を及ぼすだろう。アグスタウェストランドが第一回目の入札で苦労したのが純粋な米国企業とみなされなかった点だ。そこで AW101をボーイングに引き渡せば、その点はクリアできる。なぜかボーイングも「アメリカ製品採用」キャンペーンをしているなか、逆にボーイング101 がどれだけアメリカ製品と呼べるのかを証明する立場になっている。ヨーロッパ製の部品もあるためだ。 一方海軍も代替選択検討仕様(AOA)の作成に 苦労しており、VXX落札の行方が大きく変わることもありう

米海軍新世代空母に搭載される新技術

Carrier Launch System Passes Initial Tests aviationweek.com June 4, 2010 全電動カタパルトのテストがレイクハースト海軍航空基地(ニュー ジャージー州)で成功したことで、新型空母USSジェラルド・フォード(CVN-78)の建造関係者は安堵しているはずだ。海軍は伝統的な蒸気カタパルト に決別する賭けをしている。 電磁誘導式航空機射出システム(Emals)の開発が遅れていたことで同空母の建造には黄色信号がついてい た。蒸気式カタパルトに復帰するには遅すぎた。フォード級空母は発電配電システムがニミッツ級より強力でEmals搭載を念頭においている。このため艦内 では暖房、厨房、ポンプはじめ延長10キロメートルの蒸気配管を全廃している。 予算115億ドルの同空母の就役は予算上の理由で二回に わたり遅れている。そこで予定通りにEmalsが進展してきたことと建造日程が合致してきたのだが海軍は同システムの開発を注視している。 レ イクハーストのEmalsは陸上配備で荷重なしの高速度テストを4月に開始しており、バラストを乗せた状態で50ノットから180ノットに加速していく。 主契約事業者はジェネラルアトミックスで、試作品が同社工場で加速試験を受けており、6,800回のライフサイクルに耐えれるかを点検中だ。これまでのと ころ航空機、兵装、脱出シートに深刻なサージ電流による電磁干渉の兆候は見つかっていない。レイクハーストでは最初の航空機発進テストを年末に実施予定 だ。 2011年5月にフォード向けのEmals部品の第一陣が造船所に到着する予定。特に関心が集まるのは発電装置合計12基で、各 80千ポンドの重量ではずみ車でエネルギーを保存、提供する設計である。この製作日程に余裕がない。 Emalsは蒸気カタパルトより柔 軟性が高い運用が可能だ。F-35C共用打撃戦闘機にはF/A-18E/Fよりも大きな発進エネルギーが必要で、EmalsはF-35Cを完全装備のまま 発進させることができる。 逆にEmalsの設定を蒸気カタパルトよりも低くすることも可能で無人機のような軽量機の発進にも対応でき る。 フォード級空母には新型の高性能着艦装置もあり、これもジェネラルアトミックス社製品であり、従来の油圧式

政治の混乱に左右されてはいけない日本の防衛体制

Japanese Defenses Battered By Political Storm aviationweek.com June 4, 2010 日本は総理大臣をひとり失ったかもしれないが、代わりに政治の劇場効果で高い評価を受けることができる。 「誰 かが面子を失う必要があったのです」と日本の防衛問題を専門とする米国アナリストは見る。「鳩山首相は世論と反対の方向に進む必要に迫られ、米国と同じ方 向に進んだことで結局辞任を迫られたのです」 鳩山首相はミサイル防衛能力の増強策としてF-22および長距離ミサイルを搭載した性能向 上型のF-15の追加配備が沖縄に必要と理解するに至った。 「あわせて同首相が海兵隊の駐留を認めたのは朝鮮半島及び中国の問題に加 え、日本単独では必要な水準の防衛ができないための決断です」と米空軍高官は語る。 今や鳩山氏は過去のものとなり、民主党は新 しい指導者により強力なリーダーシップを模索しているが、米国の専門家は鳩山辞任が長期的視点では両国関係の改善につながると見ている。 「自 民党が政権を回復するとみる向きはありません。なぜなら自民党が未来を志向しているとは見られていないからです」と日本在住のアナリストは語る。「日米対 話は実り多いものになるでしょう。そして同盟関係は元の姿に戻ります。これで日本政府の思考停止状態はおわって防衛問題に明確な思考が出てくることを期待 したいですね」 「CXに注目すべきです」と上記アナリストは続ける。日本が開発中の長距離軍用輸送機については「今まで動きがありませ んが日本政府が同機の開発に力を入れる可能性があります」 日本の防衛支出では2005年から09年にかけて巡航ミサイルおよび短距離弾 道ミサイルに対する防衛能力の向上も目標のひとつであった。ただし、昨年の衆議院選挙後にこの方向の努力が停滞している。 「防 衛力を縮小する圧力がありますが、日本はミサイル防衛に多大の関心を持ち、政治的に利用することができるでしょう」と上記アナリストは見る。「ペイトリ オットミサイルの性能向上が必要なのは日本には簡単に理解できるはずです。戦闘機に長距離ミサイルを搭載してパトロールさせることは理解しにくいでしょう ね」そこで、考えられるのは高度防衛能力の獲得方法として米国製センサーおよび武器装備品を日本国内

X-51Aスクラムジェット初飛行に成功

X-51A Team Eyes Results Of Scramjet Flight aviationweek.com Jun 1, 2010 X-51Aウェイブライダーが空気取り入れ式スクラムジェットエンジンとしては最長時間の飛 行を達成した。同機の開発チームは極超音速機開発の継続予算の承認を期待している。 X-51Aは5月26日太平洋上空でスクラム ジェットの点火に成功し加速に入った。ただしエンジンの燃焼は200秒にとどまり、計画上の300秒には届かなかった。マッハ5に達したが、計画ではマッ ハ6を目指していた。その後減速を開始すると遠隔測定データが消え、飛行は終了し、機体は破壊された。以上は米空軍研究所(AFRL)のチャールス・ブリ ンク開発主査による発表。 同主査によると今回の飛行実験は95%成功したという。加速が遅れ、燃焼時間が短くなった原因はまだ不明。 実験機はまだ3機残っているが、次回の飛行実験の日程は未定。今回の飛行実験で予算を大部分使ってしまったのがその理由だという。今回の成功結果で予算が 計上され、来年の飛行再開に関係者は期待を寄せている。 高度50千フィート速度マッハ0.8で母機B-52から投下されて飛行が開始 された。機体はきれいに分離されブースターに予定通り点火成功し、マッハ4.8に加速したところで、巡航部分が分離され、予定通りのロール飛行を実施し た。 マッハ4.7に到達した時点でエチレンがスクラムジェットを点火したあと、JP-7炭化水素燃料に切り替わった。X- 51Aはその後加速を続けたが、予定よりもその伸びは遅く、当初想定の0.22gではなく0.15gにとどまった。 マッ ハ5近辺で減速を開始。遠隔測定データが消えた段階で、実験スタッフは機体を破壊して飛行終了することを決定。 今 回の飛行は炭化水素燃料による初のスクラムジェット運転となった。燃料は実際はエンジンの冷却に使用されて、超音速飛行で使われたのはエンジンの熱そのも のである。今回の飛行で実証された熱均衡状態によりエンジンは燃料がある限り作動を続けることが実証された。 NASA のスクラムジェット機X-43Aはマッハ9.7を2004年に達成しているが、同機は水素燃料で銅製ヒートシンク付エンジンはわずか10秒作動させて溶解 している。 X-51Aのエン

沖縄の基地問題は解決しているとアメリカはとっくに見ています

Okinawa Decision Has Missile Defense Element aviationweek.com May 25, 2010 選挙公約を撤回した鳩山首相は結果として巡航ミサイルおよび戦術弾道ミサイルに対する防衛体制を強化 したことになる。 Su -27 MKK 攻撃戦闘機部隊を整備した中国は巡航ミサ イル発射能力は日本にとって脅威である。北朝鮮の核搭載弾道ミサイルはずっと大きな脅威であり、同国政府の予測不可能な行動と武力行使の意思がその背景に ある。韓国艦艇の撃沈もこの一端だ。 沖縄に配備されている米空軍のF-15Cが搭載しているのは旧式の AESA (アクティブ電子スキャンアレイ) レーダーだ。レイセオン製の新型 AESA で はこれまでの探知距離50マイルが150マイルになり、小型目標の捕捉も可能となりAIM-120C-6あるいはAIM-120D発達型中距離空対空ミサ イル( Amraam ) で対応が可能だ。 米側の防衛関係者が本誌に語ったところでは AESA 搭載の戦闘機部隊を今後拡充し沖縄の対ミサイル防衛力を拡充する方針で あるという。沖縄配備のF-15部隊はアラスカで巡航ミサイル迎撃訓練を実施ししている。 最新動向として防空任務を担う州軍航空隊とレイ セオンとの間で空中発射新型ミサイル「ネットワーク中心空中発射防衛要素」( NCADE )を対弾道ミサイル防衛に 使用する検討がなされている。Aim-120 Amraam ミサイルの筐体を利用し有効 射程距離を拡大して弾道ミサイル防衛に用いる計画だ。 州軍はゴールデンイーグルF-15C部隊の性能向上を4月から順次開始している。 ま たF-22にも AESA が搭載 されており現有220機のF-15Eにも APG -82(V)4 レーダーが、また州軍のF-15には APG -63(V)3 レーダーが装備されている。 米側高官は公には発言していないが、鳩山首相が前言を撤回して沖縄の米軍配備を認めたことは同首相が米軍の 持つ抑止力効果を正しく認識している表れと見ている。■ ●日本国内というか連立内閣の騒ぎとは別に国際政治ははるかに冷酷であり現実的です。いったい安全保障とは何かという疑問に結局今の内閣は答えを出せずに終わる気がするのですが。

レーザー光線でUAVに電力を提供する技術

Laser Power Beaming Aimed At UAVs aviationweek.com May 8, 2010 宇 宙エレベータ向けに動力の光線供給技術を開発する会社が同じ技術を無人機に応用できないか検討している。 レーザーモーティブ LaserMotive  は 動力の光線供給で電動力UAVの飛行時間が延長できると見ている。 シアトルに本社を構える同社はUAVメーカー数社と協議をしており、 実際の試作機は18ヶ月で完成するという。 実証機は小型無人ヘリコプターで同社がNASAから90万ドルの賞金を得た宇宙エレベーター 競技大会の技術を応用するという。競技では長さ1キロメートルのケーブルを登るロボットに動力を供給するのに成功している。 システムの 中核は赤外線に近い波長のレーザーダイオードから動力をビーム指向装置に提供し飛行中のUAVを追跡し、機体の太陽電池にビームを照射するもの。レーザー 光線は電力に変換され、バッテリー充電に使われ飛行時間が延長される。 同社は次の用途を想定している。高高度で静止待機する飛行船への レーザー動力供給で無限に近い飛行が可能だ。また、航空機の場合はビーム施設に戻り動力を補給することで長時間飛行が可能だ。これをUAVに応用すれば、 前線をパトロールして動力補給に戻る運用が考えられる。ビーム施設そのものにも移動性を与えることができる。 UAV用の直流1kWの動 力供給にはビームは2kWとなり、レーザーダイオードに4kWのインプットが必要なのが現在の技術水準だ。これが小型車両であれば100から200ワット あれば十分だという。ただし、キロワットレベルの送電にはビームの安全措置が特に必要だ。  同社は他の応用として地上配備センサーや遠 隔地の通信中継施設向けの動力供給を想定している。また災害救助にも応用できるという。■ ● すごい。これが実用化されれば電気飛行機という形態が普通の概念になりますね。 ご参考 同社のウェブサイト  http://lasermotive.com/

第六世代戦闘機の構想を練るACC戦闘航空軍団

ACC Looks At Possibilities For Future Weapons aviationweekcom Apr 30, 2010 第五世代戦闘機の性能向上計画、ならびに新しく登場する第六世代戦闘機の初期企画 内容から見ると、広範囲の光学・電子監視能力、非爆発性兵器の搭載ならびに敵のネットワーク解析能力が検討されているようである。 その 基礎となるのは通信能力であり、敵のネットワーク攻撃にも耐えるものとなろう。 第五世代でステルス性と超音速巡航を実現した。これに続 く第六世代機では有人飛行はオプションの一つとなりステルス性はあるものの超音速飛行は前提としない機体設計となり、高性能の電子戦闘装備とISR能力を 実現することになりそうだ。 「第六世代戦闘機企画室を創設し、盛り込むべき性能を確認していきます」(トム・アンダーソン空軍少将 戦 闘航空軍団(ACC))「生存性を高めるためにスピード、ステルス性あるいは両方を組み合わせて実現すべきか。価格も重要な要素で一機5億ドルでは多数の配備は不 可能ですね。今年から開始すれば2030年には第六世代戦闘機が実用化できるでしょう。有人操縦はオプションとなるでしょう。」 新型機 は通信リンクされて所在は相互に認識され、敵の脅威の所在はどの時点でも共有できる。この高度なリンクは共用空中階層ネットワーク Joint Aerial Layered Network (JLAN)と呼ばれ、戦闘地帯の宇宙、上空、地上をそれぞれ階層として把握できる。低迎撃・発見可能性 low probability of intercept or detection [LPI/LPD]の第一波の中心となり、情報を友軍に伝え継続攻撃部隊やステルス性のない電子妨害機を支援する。 このため装備品も革 新的な設計となる。例としてLPI信号をリンク16で波形に変換して友軍に広く伝える装置がある。この伝達はステルス性を犠牲にせず、デジタル信号として 瞬時に情報を利用することが可能となる。 電子攻撃、ネットワーク侵入、高出力マイクロウェーブ(HPM)パルスを発射する兵器も開発さ れる。 「現在開発中なのは対電子装置HPM発達型ミサイル counter-electronics HPM ­advanced missile p

インドがC-17導入へ

Indian C-17 Deal with U.S. Advances aviationweek.com Apr 26, 2010 米国安全保障協力局は議会 に対しボーイングC-17グローブマスターII合計10機のインド空軍向け海外軍事販売(FMS)の可能性を正式に通達した。 インド国 防省から米政府にC-17をFMS方式で取得希望する内容の要望書が先に出されており、ボーイングにとっては同機の海外販売はアラブ首長国連邦向け6機に 続くものとなる。 議会向け説明では販売額を58億ドルとしており、保守サービス等も含む見積としては最高額となった。 同 価格には乗員およびメンテナンス要員の訓練、訓練機材、予備部品、地上支援装備、技術援助、エンジニアリングサービス費用が含まれる。 イ ンドの現有軍用輸送機はロシア製IL-76(40機)およびAN-32(100機程度)であり、別途ロッキード・マーティンC130 Jを6機発注済で、2011年に納入予定。 160,000ポンド(約73トン)の搭載能力を有するC-17は7,600フィート(約 2,300メートル)の滑走路から運用可能で2,400海里(約4,400キロメートル)の航続距離がある。C-17導入でインドの軍用輸送は大幅に近代 化される。 インドがボーイングP-8I長距離洋上監視・対潜哨戒機の購入を決定して以来米印間の防衛パートナー関係は急速に進 展している。

X-37B打ち上げに成功

U.S. Air Force X-37B Launched aviationweek.com Apr 24, 2010 4月22日ケープカナベラル空軍基地から X-37B実験宇宙機が打ち上げられ初のテスト飛行に入った。 当初はNASA所管だったX-37はその後国防高等研究プロジェクト庁に 移管され、さらに空軍高速能力開発室Air Force Rapid Capabilities Officeが現在は担当している。 X-37B の自重は11,000ポンド(約5トン)でアトラスV501により東武標準時午後7時52分に打ち上げられた。打ち上げ後20分で分離に成功している。 X-37Bのペイロード、実験内容、軌道飛行中の運用についてはいずれも非公開情報となっている。 無人運用での地上帰還を予定している が、今後の課題は地上回収後にどれだけ早く次回の打ち上げに移れるかで、その間の準備期間の短縮にかかっている。 スペースシャトルは水 素酸素の燃料電池を使用するが、X-37Bはガリウム砒素の太陽電池とリチウムイオン電池を使用する。設計上は最長270日軌道上に留まることが可能。起 動離脱および滑走路への帰還を自動的に行う。 製作したのはボーイングのファンタムワークスで全長8.9メートル、全高2.9メートル、 翼幅4.5メートルである。 着陸場所はヴァンデンバーグ空軍基地(カリフォルニア州)の予定で、エドワーズ空軍基地が予備となる。今回 の結果次第で空軍は二号機を2011年に飛行させる予定。

F-35開発・導入で圧力をかけるイタリア

Italy, Netherlands See JSF Plans In Flux aviationweek.com Apr 16, 2010 イ タリアがF-35統合打撃戦闘機(JSF)開発で以前より高い共同作業分担率を要求してきたことで、ペンタゴンの頭痛の種が増えた格好だ。 イ タリア政府はF-35関連業務作業分量を増やせと要求しており、北部カメリ空軍基地近郊のJSF最終組立工場建設を一時差し止めとしており、同国の負担 分に対して見返りが少ないことを理由としている。あわせて技術移転協定にも不満を持っており、その改訂を期待している。 JSF 開発に対するイタリアの感情は複雑だ。電子装備メーカーは特に不満が高いが、機体構造メーカーは相応の作業量を確保している。アレニア・エアロノーティク スは主翼等の生産に加え、初期生産分の組立も担当する。エンジンメーカーのアヴィオも同社の作業量には 概ね満足しており、ブラットアンドホイットニーF135とGE/ロールスロイスF136の双方に参画している。 最終組立工場の建設差し 止めはアメリカとの交渉力強化が目的だが、2014年の稼働開始という当初の予定の実現が危ぶまれる。同工場ではオランダ向けF-35の組み立ても予定されて いる。 同機の最新単価の正確な金額は公表されていないが、2010年価格で93百万ドルから112百万ドルと4月1日付のペ ンタゴン報告書が提示している。これ以前は59百万ドルだった。ただし、見積価格は再度検証中でこれ以上に上昇する可能性がある。 JSF 導入を希望する各国にとっては価格上昇は不安感を高める可能性があるが、今のところ、同機導入を断念する国はまだない。それでも 動揺は広がっている。ノルウェーは導入方針に変更ないとしているが、生産が安定し、コストが低下した際に導入すると明記している。同国の当初の 導入案は2014年開始としていた。オランダも同機導入の見通しがはっきりするには6月まで待つ必要ありと判断している。同月にペンタゴンで作業が完了す るとともにオランダ総選挙で新政権が誕生する見込み。 JSFの飛行テストそのものは勢いがついてきた。ロッキード・マーティンは実戦用 のアクティブ電子スキャンレーダー(AESA)・電子戦装備・通信/航法/敵味方識別装置を搭載した機体の飛行テストを開始した

米空軍が構想する新型再利用打ち上げ機

U.S.A.F Plans Reusable Booster Demonstrators aviationweek.com Apr 10, 2010 米空軍は再利用可能ブースターシステム Reusable Booster System (RBS )の技術熟成を目的に実証機複数の製作を計画中。RBSは これまでの発達型使い捨て打ち上げ機 E volved Expendable Launch Vehicle (EELV) ファミリーを代替して2025 年以降に実用化の予定。 実証機の一号はRBS パスファインダー Pathfinderの名称で空軍研究所( AFRL )が 2013年に打ち上げ予定で一段目ブースターを打ち上げ地点の滑走路に着陸させる技術の評価を行う。 RBSは一段目を再利用可能と し、それ以外の上位構造は使い捨てだが新設計となる。詳細計画は空軍宇宙軍団に来月に提出される。 計画ではRBSを二種類想定。 中規模重量物の打ち上げ用の一段目再利用可能打ち上げ機と再利用ブースターを二段もつ打ち上げ機で重量物運搬ならびに将来の発展を想定する。RBSの投入 は2025年とし、EELVの退役は2030年までに完了する。 RBSの実用化で打ち上げ費用は年間8回打ち上げで50%削減が可能と 期待される。ブースターのエンジンは10回連続使用可能だ。エンジンは交換して機体構造は100回のフライトに耐えられる。 打ち上げ基地への帰還用にはロケットバック技術がもっとも有望と判明しており、無動力の滑空帰還ならびにタービン動力によるジェットバック方法が研究されているが、 ロケットバック(マッハ5ないし7)は滑空帰還(マッハ3.5)より高速で上部構造を小型化する必要がある。 ただしロケットバック運用 には迎え角と横滑りの微妙な組み合わせが必要となり、風洞実験では空力特性の再現が不可能と判明したため実証機を製作することになった。 パ スファインダーは実機の縮小版として全長15フィートで、気象観測ロケットあるいは航空機から打ち上げられる。試験飛行は三回で各回違うロケットバック方 法が試される。実証試験には各1.5百万ドル上限の予算で三チームまでが参加し、最終的に優秀なチームがパスファインダー製作契約として28.5百万ドル を交付される。 一方、それより大きい(

中国がインドをサイバー攻撃した模様

Chinese Cyber-Attacks On India Suspected aviationweek.com Apr 7, 2010 カナダの the Shadowserver Foundation and Information Warfare Monitor所属のサイバー保安専門家によると中国がインドに対してサイバー攻撃をかけた疑いがあるという。 4月6日公表された報告 書“Shadows in the Cloud - Investigating Cyber Espionage 2.0”によると「シャドウネットワーク」と呼ばれる組織のハッカー集団がインドのミサイル計画、部隊配備状況、軍事訓練施設の各極秘ファイルを盗むこと に成功したという。 インドのみならず、ダライラマ、国連も攻撃の対象となったと報告している。 インド国防関係のコン ピュータならびに同国シンクタンク企業のコンピュータも攻撃を受け、漏洩された文書ファイルにはペチョラ地対空ミサイル、アイアンドーム移動型ミサイル防 衛システム、陸軍の砲兵隊用プロジェクト・シャクティ指揮統制システムが含まれる。 ネットワーク戦に関連した文書も漏洩し、ネットワー ク上のデータを監視分析する情報活動および技術の運用計画案も漏洩した。 今回の調査には融合分析として技術的な質問法、データ分析、現 場調査としてシャドウグループのサイバー諜報ネットの存在が明らかになった。 対象の文書はインド政府の所有物であるがインド政府のコン ピュータから直接漏洩したのか、別のコンピュータにコピーされて漏洩したのかは明白ではないと、同報告書は示している。 また同報告書で は個人から組織にいたるまで保安手段の実行がお粗末なことが指摘されており、サイバー空間の軍事利用が急速に進む中であらためてサイバー戦に対抗し勝利す るための方法論の確立が必要としている。この種の軍拡が進むと同時に犯罪、諜報活動が拡大する可能性が増える。

お知らせ

4月になりました。 ターミナル1に 民間航空輸送量の堅実な増加でまもなく不況前水準に回復、ボーイング787静止試験完了 の2本をアップロードしました。 ぜひ読者の皆様のコメントも随時お寄せください。

米海軍の無人機計画で進展

U.S. Navy Seeks ISR, Strike UAVs aviationweek.com Mar 29, 2010 米海軍の求めに応じ、主要メーカーが5月までに空母搭 載型ステルス無人攻撃・偵察機として有人機と一体運用が出来かつ2018年までの空母配備が可能な機体の情報を提案することになっている。 こ の無人型空母運用空中偵察攻撃機(Uclass)に関する情報要求では無人運用が可能な機体を4から6機編成でCVN-68ニミッツ級あるいはCVN- 78ジェラルド・フォード級原子力空母から運用できるものと士、空母あるいは陸上から飛行管制を受けるものと想定している。また、空中給油を海軍式に加え て空軍の給油方式にも対応するものとしている。 空中給油なしで同機は11時間から14時間の飛行が可能で、その場合も「適正な」予備燃 料を残すものとする。搭載兵装には「高破壊力精密兵器により敵目標の制圧、破壊、欺瞞あるいは影響力行使が可能なもの」が想定されている。発表された構想 図ではノースロップ・グラマンのX-47B無人戦闘航空機システム(UCAS)との類似性が認められる。あるいはボーイングのファンタム・レイやジェネラ ルアトミックスのアヴェンジャーにも似ている。 今回の情報提供要求に先駆け海軍の無人航空機開発責任者ウィリアム・シャノン少将が本誌 開催の国防技術カンファレンスで2月17日に海軍新型無人機開発の次の段階には予算20億ドルを2013年から投入すると発言していた。 席 上でシャノン少将は今回の情報要求はノースロップ・グラマンX-47Bの開発延長を自動的に認めるものではないと強調しているが、同機はエドワーズ空軍基 地で高速タクシーテストを開始しようとしている。 X-47Bは無尾翼ステルス機の空母運用を実証するために製作された。一方、 Uclassは同機の構想をさらに進めて情報収集、偵察監視に加えて攻撃能力を与えるものだ。X-47Bの初飛行は今年夏の予定で、2011年には空母着 艦テストが予定されている。

KC-X EADSの考え方

EADS Takes Wait-And-See Approach On KC-X aviationweek.com Mar 19, 2010 米空軍向け次期空中給油機KC-Xをめぐり、EADSは契約受注にむけた活動をまだ断念しておらず、米政府の対応を待っている格好だ。 提案企画の締め切りが現状どおりとすると、また提案仕様書の表現ぶりがこのままであると、EADSは入札断念の可能性がある。ただし、条件に変更があれば同社は入札参加の道を排除しない。要は米政府が競争入札を実施するつもりがあるのかどうかだという。ペンタゴン はEADS-ノースロップ・グラマン連合はKC-X入札に関心を有していると認めている。 EADSのCEOルイ・ガロワは同社単独によ る入札参加あるいは他社と連携しての入札参加になるのかは言明を避けた。同社の戦略は米国防市場に参入をめざすことであり、そのためには同社の他部門の成 長を妨げることも辞さない構えだ。 KC-X以外に同社は米陸軍向け装甲空中偵察ヘリ構想にEC165およびUH-72ラコタ軽量多用途 ヘリの改造型を提案している。 あわせて米空軍の弾道ミサイル配備支援用にNH90ヘリおよびEC725ヘリを提案している。ただし、次 期大統領専用ヘリの選定には参画しない予定。機材の販売以外に同社としては支援業務を拡充する考えだ。■ ●なんとなく、KC-X仕様書がボーイング案に有利に鳴っていることから、しらけた雰囲気が感じられますが、KC-Xがだめならヘリコプターだ、となりふりかまわず商談を勧めようとするあたり、さすがたくましい会社ですね。逆に言えば、それだけボーイングが米国内で強力な立場にあるわけですが。

F-35は今世紀最大の失敗プロジェクトになるのではないか

Carter Confirms JSF Unit Price Nearly Doubled aviationweek.com Mar 12, 2010 ロッ キード・マーティン-35共用打撃戦闘機(JSF)の一機あたり価格が大幅に上昇し、50百万ドルから95百万ドルになっているとアシュトン・カーター国 防次官補(調達担当)が11日に議会で証言した。 この価格は現在のドル価格では112百万ドル相当となる。 最初の開 発費用見積は2001年に2002会計年度のドル価格で作成されており、ロッキードはこれにより契約を受けた。当時の契約総額は500億ドル相当。カー ル・レヴィン上院議員(民主 ミシガン州)は上院軍事委員会委員長としてロッキード・マーティンは非現実的な低価格を意図的に提示して開発計画に着手した のではないかと問いただし、ボーイングとの競作に勝利してから予算超過を繰り返していると指摘。これに対し、カーター次官補は「その繰り返しが存在してい る」と認めている。 平均単価の算定には開発計画全体予算が反映されており、開発、調達、配備の費用が含まれている。大幅な予算超過によ り米空軍には予算超過額の上限を超えた「重大な」契約逸脱の場合には「数日以内に」議会にその旨を通知する義務があることになる。 上記 単価は米空軍、海軍、海兵隊全体で2,443機を導入する計画を反映している。 あわせて、開発の遅れが延べ13ヶ月相当になっており、 米空軍は同機の初期作戦能力(IOC)獲得予定を変更しており、現在は2016年としている。先週はこれが2015年と発表していた。カーター次官補の JSF開発関連の覚書では運用テストの終了を2016年4月としており、空軍にさらに計画を再考するよう求めている。海軍もIOC獲得を2016年として いるが、海兵隊のみ依然として2012年に実現としている。 価格上昇の要因には2006年の海兵隊仕様の短距離離陸・垂直着陸型の重量 軽減策があり、これで開発が送れ、投入人員数を増加し、管理費も上昇させる一方、機体の共用性を損ない、生産機数を減らし、原材料特にチタンの価格上昇を 招き、主要部品メーカーにおいて費用上昇となったとカーターは分析している。 それでもペンタゴンは同機導入を積極的に進める姿勢だ。マ イケル・ドンレー空軍長官もF-