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オーストラリアのF-35導入計画

Australian Government Okays F-35 Purchase Nov 25, 2009 1. オーストラリア政府はF-35共用打撃戦闘機を14機をとりあえず購入する決定を下し、今後数ヵ年かけて運用舞台を拡大する検討する公約は見直さないこととなった。 2. 同国は30億ドルを同機開発の分担金とし、初号機を2014年に受領しテストと訓練に使う。この機材は米国内で運用となる。この分担金で必要な支援施設も導入する。 3. 同国は2012年に次の決断として最低72機のF-35を導入して実働部隊に採用すべきかを決定する。計画によると導入が決まれば稼動開始は2018年となる。 4. 「2012年までにはコスト見積もりがより現実的になり、当初導入予定の機数、必要な支援資材その他の費用含め、米国、わが国、他の共同開発国向けで合計1,000機を超える同機のデータが判明するだろう。これにより、わが国の国防計画全体の中でJSF取得の計画内容の精度が上がることが期待される。」(国防相フォークナー上院議員) 5. オーストラリアはF-35を100機購入する意向を示していた。これはまだ可能性にすぎず、今後の決定次第であり、現有のF/A-18F部隊の動向にも左右される。 6. オーストラリア空軍が配備するのは通常型離着陸性能機版。 7. 2012年に再度見直しをする際には同国航空宇宙産業へのJSF開発関連での効果も考慮する予定。国内企業25社が2億ドル相当の業務量を確保していると発表をしている。生産が本格化した際の事業量が次の話題となろう。「オーストラリア企業が相応の価値のある業務を受注することが重要で、ロッキード・マーティン他JSF関連ではオーストラリア産業への考慮があってしかるべきだ」(国防関連人材・物資・技術担当大臣)

X-47Bの開発も難航しているようです

UCAS-D Flight Slips, Sea Trials On Track Nov 25, 2009 1. 米海軍向けのノースロップ・グラマンX-47B無人戦闘航空システム実証機(UCAS-D)の初飛行は2010年第一四半期へ延期となった。これはエドワーズ空軍基地(カリフォルニア州)での地上点検で推進器の音響特性、エンジン始動の進行手順で問題が発見されたため、調整と追加テストが必要となったため。 2. 低速度によるタクシーテストは12月以降の予定と海軍が文書で本日発表しており、海上公試を空母運用型のUCAS-Dで実施する予定は2012年のままで変更なし。より詳細な情報は海軍から発表されていない。 3. ノースロップ・グラマンはコメントを出していない。同社の関係者はプレス取材は一時的に中止となっている。 4. テスト飛行は今月の予定であった。今夏には関係者は実証機をパタクセントリバー海軍基地(メリーランド州)まで全区間あるいは一部区間飛行させると楽観的であったにもかかわらず、現在は初飛行の日程を数週間延期してまでもその後に問題が見つかることのないように慎重に点検すべきと考え方が変わってきている。 コメント  うーん、すべてのプロジェクトが遅延しているように見えます。よほど不都合な事実が判明したのでしょうね。海軍の現役パイロットは無人機の導入には及び腰のようですが。プロジェクト管理手法では追いつかないほど技術が複雑になっているのでしょうか。一見不可能と見えたポラリスミサイルを見事開発するのに大きな力となったPERT-CPMのような画期的なツールはもうでてこないのでしょうか。

F-35の開発も難航しています

More JSF Test Planes, Software Work Needed aviationweek.com Nov 24, 2009 1. ペンタゴンは総額3,000億ドルのF-35共用打撃戦闘機(JSF)開発で飛行試験用機材とソフトウェア技術者の増加を検討中。同機の実戦配備の遅れを回避する手段としている。 2. 合同評価チームによりF-35開発では少なくとも160億ドルのコスト超過が発生しており、想定していた飛行試験の日程は実現不可能とも判明した。 3. ペンタゴン調達部門のトップ、アシュトン・カーター(次官補)は記者団に対し11月23日、テスト機数を増やすことで「時間を圧縮して」テストを実施できると語った。別の可能性はソフトウェア技術者陣を増やすことで、交代制をとることで同機の運用、ミッションの実施に必要となる多数のコードで発生する問題を「事前回避し、解決する」ことだ。 4. これを実施するとコストはさらに上昇するが、カーターの言い分ではこれは「投資」であり、長期的には開発計画が安定化すると見ている。日程計画を実現することが各国の開発パートナーに同機の購入意欲を持続させることになる。 5. カーターはさらに各種の問題を「今後数週間で」分類し、2011年度予算で追加支出を求めるのだという。 6. 過去にペンタゴンは飛行試験中のF-35を2機テストから外し、ロッキード・マーティンのモデル検討とシミュレーション技術により設計の確認が可能と言う理由であった。今回テスト機材を増やすことがモデルおよびシミュレーションだけで懸案となっている問題の解決には不十分と判断されているのかは明らかではない。 7. カーターもプラットアンドホイットニー製F135エンジンのコスト上昇が大きな課題だと認めている。 8. 独立製造工程検討チームがカーターの下に編成されており、ロッキード社のF-35組立てライン(テキサス州フォートワース)で作業効率が向上し、製造単価の引き下げが今後可能なのかを検証する予定。 9. しかし、政府およびロッキード社ですでに上昇してしまったコストの負担が必要であるとカーターは見る。最終的な開発費用の全貌はまだ見えてこないが、カーターのチームでオプションを検討している。ロッキードCEOのボブ・スティーブ

F-15サイレント・イーグルはどうなっているのか

中国の第五世代戦闘機の話題の次にはF-15を安価にステルス機に改造するボーイングの話題ですが、初出は今年6月の記事です。これが今出てくる裏を考える必要がありますが、封印したF-22の復活への期待なのか、機数では相手にならない西側ステルス機部隊の補完を同盟国に期待するのか、よくわかりません。どちらにせよF-35単体ではF-22の代わりにならないのは自明の理なので、日本としてもサイレントイーグル含めたステルス機の部隊編成を今後真剣に考えることになるのでしょうね。まずは本当にSEが飛ぶのをみることにしましょう。 Boeing Studies Stealth Eagle Options aviationweek.com Jun 11, 2009 1. ボーイングはF-15SEサイレントイーグルのレーダー断面積(RCS)削減レベルの可能性について米政府関係機関による輸出許可申請の前に自社検討を進めている。 2. 「どこまで下げられるかの問題ではなく、どこまで下げるのが許されるのか問題であり、この管理は米国政府がしています。政府次第で削減レベルも変わります」(ブラッド・ジョーンズ ボーイング社F-15発展型開発担当者) 3.社内データがもととなり、政府との協議で前面ステルス性をどこまで認めることができ、F-15SEへの関心示す各国への輸出が可能となるかが決まる。研究では新造サイレントイーグルと既存F-15の改修の各例。 4.RCS削減の大きな対策は現在のF-15が搭載するコンフォーマル燃料タンクをコンフォーマル兵装庫に置き換えることで空対空あるいは空対地武装を機内に格納する。 5.「機体各部でRCS削減対策を検討していきます。部署ごとに使う技術を使い分けます」(ジョーンズ) 6.ボーイングはRCS削減策の検討を極力早く終了して政府と許認可について協議したい意向。購入希望国からの最初の企画提案提出の申し入れは2010年中ごろから2011年に韓国から発出されると同社は想定している。 7.また同社内でF-15SEの兵装庫の設計検討も進行中で、電動・油圧または圧縮空気により、あるいは組み合わせにより扉開閉と武装の投下を迅速に行うことが検討されている。 8.社内検討の結果、国際分業の可能性が浮上し、開発期間が延びる可能性があるとジョーン

中国の新型戦闘機開発の行方

中国が第五世代機を本当に開発しているのか、それよりも第四世代機の多数配備の方が脅威だというのが以下の記事の趣旨です。それにしてもF-22の少数配備で今後20年間は一機一機をアップグレードして使っていく米空軍に雲霞のような中国機と対峙していけば結果は明らかですね。結論はF-22の生産再開、性能向上だと思うのですが。(写真は中国のJ-11) China Promises New, Advanced Fighter aviationweek.com Nov 24, 2009 1. 中国には第五世代戦闘機生産の資源も技術も確保されていると米空軍および情報機関関係者は見ているが、中国航空宇宙産業には西側最新鋭機と同等の性能を実現する中核的技術が不足しているのも事実。 2.ただ中国の技術陣がシステム工学、集積の能力を入手しており、高性能機を大規模に生産し、配備することが可能なのかは不明。 3.人民解放軍空軍(Plaaf)が新型機体は米海軍情報部が1997年にJ-XXの名称を与えており、さらにステルス性を追求した設計になっている可能性がある。双発でデルタカナードをもつ機体の概念設計が存在することがすでに知られている。 4.今後10年間に中国がF-22クラスの機体を前線配備する可能性は低いが、新型機の開発は進んでおり、初飛行の期日は近づいていると、中国の航空宇宙工業関係者ならびに米国情報機関筋は見ている。 5.その見方をする米国情報関係者は長年にわたる中国空軍力のアナリストであり、中国による高度技術の利用方法を次のように要約している。「合法的あるいは非合法すれすれ、あるいはスパイ行為による技術獲得のいずれかで中国はわがほうのステルス機の構造および素材についてほとんどのデータを入手していると見て間違いがない。また公開特許制度からも恩恵を受けている。またわがほうの制度を利用して軍事、警察、公共、民間商用データからも幅広く情報を収集している。」 6.もはや最新鋭とはいえないF-22やB-2の設計も別の要因だ。中国側の研究員にはこれまで20年間の時間が与えられており、各機の技術的特長を追求することができた。 7.「米国、日本、ロシア、ヨーロッパ各国から中国は必要なデータを集める手段を確立しています。生産工程の技術的リードと集積度ではまだ当方が勝って

A400Mの前途は依然として多難

A400M Engines Run In Prep For First Flight aviationweek.com Nov 23, 2009 1. エアバス・ミリタリーはA400M輸送機の初飛行の準備を進めている。同機搭載のTP400Dターボプロップエンジン4基のパワーオンテストは予定よりも数日前に実施が完了している。 2. ただし、予定外の損失を生んでいる同機の開発状況から生産契約の再交渉を巡る同機発注各国との議論は平行線のままでエアバス・ミリタリーはこの点で進展をしていない。11月19日に同機の購入の中核となる各国の高位国防関係者がベルリンに集まり、同機開発の今後の進め方を議論した。フランスが各国に働きかけて追加金融支援と技術供与を進めようとしているが、ドイツは現行の条件をそのまま進めるべきと主張している。さらにドイツの新任国防相グッテンバーグはエアバス・ミリタリーの親会社EADSからの支援の可能性を期待している。 3. 同会議は年末までは同計画を進めるという合意以外にはほとんど成果を生まず閉幕した。次回会議は12月にドイツが主催する。話し合で進展がないまま、将来の契約内容が不明のままA400Mは飛行テストに入ることになる。また、エアバス・ミリタリーは現行の契約内容のままでは同機の開発は継続できないとしている。 4. 11月18日にセビリア(スペイン)で同機のエンジン各基は低出力設定のままパワーオンテストを開始した。推力は今後増加させる予定。エアバス・ミリタリーによるとテスト終了後のエンジンカウル点検では高温排気あるいは液の漏れはみつかっていないという。同機の補助動力ユニットを使ってエンジン回転が開始された。同機のエンジンにはヨーロッパ航空安全庁からの飛行承認が下りている。

中国の第五世代戦闘機開発は予想外に早い

PLAAF to Fly 5th Generation Fighter aviationweek.com Nov 15, 2009 1. 中国人民解放軍空軍(PLAAF)によると同国製第五世代戦闘機の試作機の初飛行が迫っているとのことで、同機は今後10年以内に第一線配備となるという。これは米国情報機関の予想よりも相当早い。事実とすればロッキード・マーティンF-22Aの生産打ち切りによりF-35生産を優先するという根拠が誤りだったことになる。 2. PLAAFは先週設立60周年を迎えたばかり。その特集番組でHe Weirong空軍副参謀長が同機開発計画を公式に認めている。第五世代戦闘機開発は「熱烈に進め」られており、初飛行はまもなく、空軍への納入は2010年までに完了するという。 3. 同機の開発は第611研究所(成都)で行われ、試作機製作は成都航空機の第132工場となるという。成都航空機の第五世代機設計は国内の他社設計案との競作を勝ち残ったものと思われる。ライバルの瀋陽の第601研究所も開発に参加することになるだろう。 4. 北京の情報筋は成都J-10の主任設計技師Yang Weiが昇格し北京のAVIC本部に異動しており、成都航空機の設計案の選定に手を貸したという。 5. これまで判明していた中国の航空機エンジン開発では黎明航空機発動機のWS-10Aの発展型WS-10Gが推力15,800kgあると見られている。その他筋によると搭載しているのはWS-15型(定格推力15,000kg)であるという。中国では政府筋が発表するまでは開発計画を言及することはまったくない。また発表した開発日程は実現を保証される。未知の技術的な支障がない限り、中国の第五世代戦闘機開発は競合する米国のF-35やロシアのT-50/PAK-FAよりも早く実現する可能性がある。