スキップしてメイン コンテンツに移動

米空軍は人工知能をどう活用して次の戦争に備えるのか

人工知能の前にアルゴリズムあり、という話ですが、案外この関係が分かっていないのでよくお分かりの人に解説してもらえると助かります。当ブログの追及するテーマのひとつがISRなのでこれこそAI応用にぴったりということですね。米空軍にはこの分野に詳しい人が多そうです。さて、航空自衛隊は?


Air Force Looks to Artificial Intelligence to Fight Future Wars 人工知能で将来の戦争を戦う方法を模索する米空軍


Artificial intelligence. Graphic Illustration courtesy of T2 Telehealth and Technology
Artificial intelligence. Graphic Illustration courtesy of T2 Telehealth and Technology
Military.com 10 Apr 2018 By Oriana Pawlyk
米空軍は人工知能の進歩で機材、兵装、衛星が生む大量のデータの利用解析が楽になると期待している。
「データの観点からみています」と空軍参謀次長スティーブン・ウィルソン大将が述べている
「データこそ21世紀の『再利用可能燃料』であると言っても反対意見はないのでは」とウィルソン大将はアリゾナ州立大等が主催した会議で発言。
「データを適正なアルゴリズムでつなぎあわせてデータの意味を理解し、ネットワークに流せます。クラウドも使うでしょう」と情報の流れを詰まらせずスピードを上げることが戦闘に必要と述べた。
だからと言って生身の人間の関与をなくすという話ではないと大将は発言。
会場の質問に答えウィルソン大将は映像自動処理で戦闘員を絞り込み識別するアルゴリズム開発の「プロジェクトメイヴン」に言及した。これは将来の「ヒューマン-マシンチーム」のひとつになるという。
ウィルソンによれば現在はデータ蓄積に努め、「コンピュータにコンピュータが得意な仕事をさせ、人間には人間の得意分野を任せている。そこから洞察力が生まれる」とし、将来の戦場に備えるのが目的だと大将は説明。
「自律型システムで探知、報告が可能ならヒトによる処理が入る余地がない。現在はこうした性能を活用した試作型を試しているところだ」
ロシアや中国と言った高能力の敵に対応すべく、空軍には「復元力のある」衛星ネットワークで探知効果と短時間による報告能力が必要だとウィルソン大将は見ている。「ネットワークを構築し地球静止軌道上からすべての衛星機材を接続する必要がある」
ウィルソン大将はイーロン・マスクのテスラ車を例に挙げた。走行中のテスラが道路上の穴に遭遇すると、その場所と大きさ他の特徴を把握してテスラネットワークにデータを送り他の電気自動車が同じ道を走行する際に回避すべき注意点として共有する。
「これができるんだったら同じことが空の上でできないか。機材を全部つないで敵の情報を流したら作戦上の学習を進めるシステムが生まれないか」「宇宙ではどうか。さらに宇宙と空を地上、地下と結んでいけるのでは」
.参謀総長デイヴィッド・ゴールドフェイン大将もネットワーク化を提唱しており、空軍内部にとどまらず連合国側全部との共有を主張する。
ゴールドフェイン大将は自動化を進めれば大量の情報処理ができると見ている。
「データが大量すぎて全部に目を通せないのが現状で、ましてや分析もできず、目を通すだけで精いっぱいです」とゴールドフェイン大将は空軍協会主催朝食会で講演した。
「各軍が民間業界の支援も受けながら現在の人間中心の仕組みや方法論を人工知能を利用した情報解析に変えようとしています。自動化にためには現在すでにあるツールも使い、どんな解析が可能となるでしょうか」
Maj. Gen. VeraLinn Jamieson, director of Intelligence, Air Combat Command, Joint Base Langley-Eustis, Va., visited the 552nd Air Control Wing and the Oklahoma City Air Logistics Complex. (Air Force photo/Kelly White)
Maj. Gen. VeraLinn Jamieson, director of Intelligence, Air Combat Command, Joint Base Langley-Eustis, Va., visited the 552nd Air Control Wing and the Oklahoma City Air Logistics Complex. (Air Force photo/Kelly White)
Military.comは昨年ヴェラリン・「ダッシュ」ジェイミソン中将(空軍参謀次長、情報監視偵察部門A2トップ)の意見を聞く機会を得た。同中将はこれからの情報収集の方向性で最先鋒を進む人だ。
「人工知能に行く前に自動化がありますがこの意味がわかりますか。これはアルゴリズム開発を意味するのであり、が信頼されるアルゴリズムにする必要があるのです」
同中将はさらに「人工知能とヒトとマシンをつないでいくと予想しており、例えば200億のなかからナノ秒でひとつにしぼりこむ時代がくるはず」と述べた。■
-- Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at @Oriana0214.

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ