Will USAF Actually Buy A Light Attack Aircraft This Time?米空軍は軽攻撃機を真剣に調達するつもりがあるのか
The U.S. Air Force does not have the best track record of putting procurement dollars toward light attack米空軍に軽攻撃機調達で成功実績はない
米国も軽攻撃機を導入して中東の戦闘員に対処すべきとの意見
の方にとって、米空軍が上位二機種の戦闘実証を省略してそのまま調達戦略を立案することに決めたのは朗報だろう。
だが実際に軽攻撃機部隊に予算を投じることになるのか確実ではなく、空軍はこの面で実績は芳しくない。
空軍は昨年夏に既存機4型式をホローマンAFB(ニューメキシコ)に持ち込み各機の特性を確認した。シエラ・ネヴァダ=エンブラエルのA-29スーパートゥカーノ、テキストロンのAT-6、同じくスコーピオン、L3-エアトラクターのAT-802Tロングソードで、空軍上層部は繰り返し実証がうまく行けば、次の段階は上位機種を実際の戦闘場面で実証すると言っていた。
ここにきて空軍は決定に必要な情報は十分得られたので戦闘実証は行わないとする。何が起こったのか。空軍としては購入前に実際の戦闘環境で対象機の地上部隊支援性能を確認したいはずだ。
空軍のこれまでの実績を見れば今回の軽攻撃機議論が理解できる。
「OA-X」構想は2007年にまでさかのぼる。イラク戦が激化しピークとなり空軍力への支援要請が最高潮に達した。低コスト代替策として戦闘員相手に安価で低性能武器で対抗する構想だった。
コロンビア空軍がターボプロップ軽攻撃機を供用しているのに触発され、空軍内部で費用対効果の研究が始まった。コロンビアはエンブラエルのA-29スーパートゥカーノ以外にEMB-312トゥカーノ、ヴィエトナム時代のA-37ドラゴンフライ(グラスコックピット改装ずみ)、ダグラスAC-47ガンシップを使っていた。検討でダグラスA-1スカイレイダーに関心が集まった。朝鮮戦争で活躍した米海軍機で退役済みで、そのほかノースアメリカン・ロックウェルOV-10ブロンコも観測機でありながら軽攻撃機にも投入された経緯があり注目された。
この研究からOA-X実現構想が生まれ、航空戦闘軍団が2008年に承認し、安価な軽攻撃観測機の必要性能を明示した。その内容は現在まで一貫している。民間で稼働中の機体にターボプロップエンジンを搭載し点検整備を簡単にし、運航を安価に行いつつ、強力な武装、精密誘導爆弾、センサー通信装備を備えるものだ。
ここまでは良好に聞こえるが、現実はうまく行かなかった。当初のOA-Xは2008年の予算問題の犠牲となった。同様の「軽攻撃兼武装偵察機」構想は2012年に取り消しになった。
うまく行ったのは「軽支援機」構想で軽攻撃機少数を購入しアフガニスタン空軍向けに訓練を行ったことだ。今はNATOがスーパートゥカーノでアフガニスタン空軍を養成中だ。
歴史を振り返ると米空軍が軽攻撃機導入で海外国の参加を強調しているのが興味深い。
ホローマン実証では五か国がオブザーバー参加した。カナダ、オーストラリア、アラブ首長国連邦および中東の他国だ。空軍は第二段階実証ではさらに多くの国を招く予定だと言う。
そのねらいは米国自身ではなく各国に同じ機体を導入させることに見える。
そうなると空軍長官ヘザー・ウィルソンは第二段階で「必要なデータを入手し調達に向かう」と言っていたが、大いに怪しく思えてくる。■
なるほど、ゲリラ戦でのCASには米空軍がやる気がないことがわかりますね。A-10の処遇であれだけ冷淡だったのも予算問題と言うよりも対地支援任務への理解のなさが原因なのでしょう。しかし米陸軍に固定翼機運用を禁じたのが空軍自体なので引き受けざるを得ないミッションのはずなのですが。
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