Enhanced Patriot Missile Enters Full Rate Production, Will Sell Like Hotcakes
高性能版ペイトリオットミサイルが本格生産開始、人気商品になりそう
Driven by world events, the market for ballistic missile defense is very hot at the moment, and the Patriot PAC-3 MSE's timing seems just right.
弾道ミサイル防衛への注目が増える中、ペイトリオットPAC-3 MSE登場のタイミングは時宜にかなっているようだ
ペイトリオットミサイルシステムの最新型PAC-3ミサイル部分性能向上Missile Segment Enhancement (MSE)は昨年11月のホワイトサンズミサイル試射場で複数目標の迎撃に成功した。PAC-3 MES迎撃ミサイルはコスト削減策Cost Reduction Initiative(CRI)型のペイトリオットとともにテストに供された。
テストが順調に推移しPAC-3 MSEの実証段階は終わり本格生産に入る。ペンタゴンは2018年1月2日に数億ドル相当の契約を交付し、米陸軍向け生産が始まり、米同盟国多数にも配備されるはずだ。
新型性能向上版ペイトリオットについてロッキードは以下発表している。
「PAC-3ミサイル部分性能向上(MSE)は実績で証明済みのPAC-3ミサイルの進化形だ。命中すれば必ず破壊するPAC-3 MSEで性能向上が実現し変化し続ける脅威対象に対応する。PAC-3は世界最先端かつ最高性能の戦域防空ミサイルであり大量破壊兵器を搭載した戦術弾道ミサイル(TBMs)、巡航ミサイル、航空機の脅威に対応する防御手段となる。
PAC-3 MSEでは最新技術を導入し大幅に性能を向上している。PAC-3 MSEには大型パルスソリッドロケットモーターを複数採用し、アクチュエーターを改良し、熱バッテリーで性能向上している。射程も伸びた。PAC-3 MSE はキャニスター格納で積み重ね可能なので現地運用が柔軟に行える。PAC-3 MSE12本をペイトリオット発射機に搭載する、あるいは6本とPAC-3ミサイル8本を一緒に運用できる。
さらにロッキードは新システムの長所を以下述べている。
- 今日の戦闘空間全体で戦力を向上
- 高度、距離ともにミサイル性能が拡大
- 発射装置の改修は最小限ですむ
- 複パルス技術によりさらにシステム性能と信頼性が伸びた
LOCKHEED
MSEの正確な有効距離と高度は極秘事項だが、改良でMIM-104ペイトリオット部隊がはるかに広い範囲でより高い防御力を戦術弾道ミサイルに対し発揮するのは確実だ。ミサイルのモーター、制御部分、ソフトウェア、フロントエンドの熱防御他の改修で一層威力を増やしたのは確実だ。このミサイルが国際顧客向け中距離防空システムMedium Extended Air Defense System (MEADS) の基本装備となる。
戦域弾道ミサイルの普及の中で高性能版ペイトリオットミサイルの需要は高いはずだ。ロシアがイスカンダル戦術弾道ミサイルの配備で再び厄介な存在になってきたこと、北朝鮮の脅威が増えるばかりになっていること、さらにイラン支援を受けたフーシ反乱勢力がイエメンで長距離弾道ミサイルを運用しているため弾道ミサイル防衛は防衛当局の最優先事項に認識されている。このためペイトリオットはルーマニア、ポーランド、スウェーデンにも販路を広げているほか、採用国はこれから増えるだろう。
LOCKHEED
フーシが発射したミサイルにペイトリオットが示した性能は宣伝ほどではなかったが、現実と食い違う「ミサイルの盾」構想とあわせこの問題は前にも解説している。だが弾道ミサイルから国内の重要地区を防御するのは価値がある試みだ。とくに同じ部隊で地域内の防空機能を航空機や巡航ミサイルに発揮しながら小型無人機にも対抗できれば投資価値は十分ある。精緻な専用ミサイル防衛手段もあるがこれだけの柔軟性はない。ペイトリオット最新型は「多層」弾道ミサイル防衛の下級部分として十分な内容になっている。
三十五年ほども供用されてきたペイトリオットが進化を続けていることは朗報で、能力が高まりながら柔軟性を増している。ペイトリオットPAC-3 MSE最新型で性能面が大きく飛躍した。将来の発展の基礎にもなりそうだ。デュアルモードシーカーが今後採用される可能性がある。■
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