シリア上空での危険な事態について以前はロシア発の情報としてお伝えしていましたが、米軍側の見解が出てきました。やはりものごとは両面から見ないと実態がわかりませんね。
Is Russia Spying On U.S. Stealth Fighters In Syria?
ロシアはシリアで米ステルス機をスパイしているのか
米空軍F-22ラプターがKC-10エクステンダーから空中給油を受け離れていく。不朽の決意作戦の一環としてシリア上空で。昨年撮影: USAF
Jan 5, 2018Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report
ロシア軍パイロットがイラク、シリアの航空作戦を利用して米軍機とくにステルスF-22ラプターの情報収集に励んでいる。
対イスラム国戦で米軍作戦の情報と戦術が「宝の山」のように手に入ったはずとヴェラリン・ジェイミソン中将(ISR担当空軍参謀次長)が議会で1月4日明らかにした。米軍機とシリア上空で隣り合わせに飛行する中でロシアは米軍機とその戦術で「貴重な知見」を入手したと中将は強調。
「敵側はこちらを注視しており、こちらから学び、イラク特にシリア上空でこちらの作戦実施方法の宝の山を掘り当てている」
ジェイミソン中将は具体的な機種に触れなかったが、ロシアが米第五世代戦闘機の実戦投入状況を初めて目にしたのは事実だ。F-22はシリアで2014年に初めて実戦投入された。
ロシア機がF-22に異常接近するのは日常茶飯事でロシアは同機の情報を収集している可能性は十分ある。
最近もF-22がロシア機と空中衝突を辛うじて回避した事案があった。12月13日にSu-25二機編隊がユーフラテス川東側の連合軍側空域に侵入した。パトロール中のラプター二機編隊がただちにSu-25を迎撃に入り、チャフやフレアを放出し緊急時防護周波数で数回にわたり空域退去をロシア機に求めた。
うち一機のSu-25がF-22に接近したのでラプターパイロットは「過激な操縦」で空中衝突を回避せざるを得なかったと空軍は説明。また別のSu-35が川を越えて侵入したためラプターが追尾した。このロシア機は連合軍側空域に40分滞空して西方面に戻った。
この12月13日の出来事はかなり危険だったがロシア側が川の西側に留まる口頭合意に違反するのはこれが初ではない。米軍パイロットはイスラム国戦闘員が敗退する中で警戒すべきロシア側の行動が増えていることに気づいていた。Aviation Weekが11月に合同航空作戦センター(CAOC)やアルダフラ基地(UAE)を訪問して確認している。
11月初めからロシア機が米および連合軍の領空に飛来するのが連日6-8回、つまりロシア・シリア側のフライトの1割になったと関係者は述べている。
悪いことばかりではない。シリア作戦で米パイロットもロシアの作戦内容を研究する機会を得たとジェイミソン中将は述べる。特に今回はロシアが精密誘導兵器を投入する過程をつぶさに見られ、航空出撃時間の長さや指揮命令機能、ISRや空中給油の状況を観察できた。■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。