This Plane Could Start a Nuclear War With North Korea, Russia, China or Anyone この機体が核戦争を北朝鮮、中国、ロシア他と開始させる
December 11, 2017
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米海軍の穏やかな外観なE-6マーキュリーはボーイング707原型で攻撃力は皆無だが、その姿に騙されてはいけない。確かにマーキュリーに兵装はないが、ある意味でもっとも破壊力のある機体である。というのはその任務は陸上、海中配備の核弾道ミサイル発射指令を発することだからだ。
- 米軍には戦略グローバル作戦センターがネブラスカにあり、核三本柱への交信装備がある。ただしE-6の不気味な任務は通信リンクを国家指導部(大統領から国防長官まで)と米核部隊の間に維持することにあり、敵の第一撃で地上施設が消滅した場合を想定している。いいかえれば、米核部隊の
- 頭が切られても体は敵に向かっていくということで、これを実現しているのが終末の日に活躍するこうした機体だ。
- E-6の基本任務はTACAMO(Take Charge and Move Out、仕事をしたらさっさと退出する)として知られる。E-6登場前は最初は陸上送信所が、その後EC-130GおよびQ型が超低周波無線通信(VLF)で海軍の潜水艦向けに任務にあたっていた。
- E-6は16機あり、1989年から1992年にかけ就役した。長年活躍したボーイング707旅客機の最終生産分で、同じ原型707-320B型からE-3セントリーも生まれた。通信アンテナが31個もあり、当初は潜航中の海軍潜水艦との通信専用だっ
- たが、その後CFM-56エンジンと燃料増槽をつけE-6Aは15時間あるいは空中給油を受ければ72時間滞空可能となった。
- VLF通信のためE-6は高高度で連続周回飛行を維持する必要があり、胴体と後部に搭載したVLF装置はそれぞれ1マイル、5マイル長のアンテナをほぼ垂直に下がるよう維持する。VLF信号は数千マイル先のオハイオ級原子力弾道ミサ
- イル潜水艦が受信する。ただしVLFでは帯域が限定されるため一秒で送れる信号は35英文字に限定され、1990年代のインターネット用モデムより遅い。
- だがこれでも緊急行動信号の送信には十分で限定核戦争から全面核戦争まで対応できる。E-6の機内装置は下界の核爆発で発生する電磁パルスに耐えられるよう強化されている。
- 1997年から2006年にかけてペンタゴンはE-6A全機を複合任務実施可能なE-6Bに改装し、マーキュリーは空中核攻撃指令所機能も付与された。E-4空中指揮所の予備としてである。E-6Bは超高周波無線を搭載し地上配備弾道ミサイルを遠隔発射できる。これはかつて空軍EC-135ルッキンググラスの任務だった。追加UHF機能でE-6Bは残存性高いMILSTAR衛星通信ネットワークも利用でき、コックピットのエイビオニクスや計器は737NG旅客機と同等になった。E-6Bは主翼に追加されたポッドで判別できる。
- マーキュリーの通信装置は多様で核戦争以外にも指揮統制通信(C3)機能を提供できる。このためE-6はヨーロッパや中東にも派遣されており、C3ハブ
- 機能を空から提供している。例としてVQ-4飛行隊がカタールに2006年から三年間展開し、IED爆発報告から救命回収要請までイラク国内の米軍部隊の通信を司令部まで中継していた。
- E-6を現在運用中の海軍艦隊航空偵察飛行隊はVQ-3「アイアンメン」とVQ-4「シャドウズ」の二隊でともに海軍戦略通信航空団1所属だ。オクラホマのティンカー空軍基地が本拠だがトラヴィスAFB(カリフォーニア)およびパタクセントリヴァー海軍航空基地(メリーランド)に定期展開している。常時一機のE-6が滞空する。潜水艦交信用には最低速度で海上を10時間以上周回飛行する。一方で核任務にあたるとき際はネブラスカ州のオファット空軍基地周辺を飛ぶことが多い。核戦力と関連があるためE-6がしばしば陰謀説と関連づけられ、外国の宣伝戦にも登場する。
- E-6各機は2040年まで供用が決まっている。機体寿命延長策や各種装備の改良がおこなわている。前線戦闘部隊の支援用の空中通信ハブ機能は実証済みのため、本来任務に一回も投入されることがなければ成功したといえる。核抑止力の本質は第一撃に成功しても破滅的な反撃を食い止めるのは不可能と敵側に悟らせることにある。E-6はまさしくこの機能を担う重要な要素になっている。■
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Image: Creative Commons.
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