どうも韓国の国産戦闘機開発事業では機体サイズが今後の発展性の脚を引っ張りそうですね。また技術を大量に海外導入する計算がそのままうまく行くか注目ですね。日本ほどではないとしても相当高価な機体になりそうです。ともかくプロジェクトが今後どう進展するか見守りましょう。
South Korea Tackles Challenging Systems Development In KF-X
Indigenous systems development intensifies KF-X challenge
KF-Xで技術国産化の難題に挑戦する韓国
新規参入国にとって戦闘機開発は海外メーカーが機内装備を提供しても難易度が高い。そのため複雑装備の国内開発は避けることが多い。
- だが韓国は韓国航空宇宙工業(KAI)のKF-X国産戦闘機でこれに果敢に挑戦している。成功するため技術陣は戦闘機以外の技術、ときには航空業界以外の技術も応用する必要がある。利用可能な外部技術があれば自ら挑戦するのを避けている。
- 注目されるのが国産レーダー開発でアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)を作ろうとする。その他の国産装備で予定されるものにフライトコントロールコンピュータ、油圧系、電子戦装備等がある。韓国技術陣は今は主導的立場をとっている。ただし海外企業多数が参画しているため今後もそのままでいられるか不明だ。
- 2015年までに国防省の野心的な技術促進部門がKF-X立ち上げを提唱し、当時は海外の先進装備を導入した機材を第一段とし、国内産業は同事業通じ技術的に追いついてから国産装備を後日開発する予定だった。
- だが米国が技術統合に協力しないと明らかになると韓国は国産化をめざした。だが欧州やイスラエル製の装備より国産開発の方がなぜ望ましいのか説明がない。
- それはともかく韓国は国防開発庁 Agency for Defense Development (ADD)を発足し難易度の高い事業で韓国民間企業を支援することとした。ハンファHanwhaとLIG Nex1が筆頭だ。KAIは主契約企業として当然深く関与している。
- ハンファの国防電子事業部門ハンファシステムズがADDと共同で戦闘機用レーダーを開発したのには驚かされた。LIG Nex1はこの分野で知見が豊かだ。事実同社はKF-Xレーダーのコンセプトモデルを本年のソウル航空宇宙防衛展示会(10月16日-22日)に出展したばかりだ。
- ハンファシステムズは戦闘機の目標捕ポッド開発中でADDの支援を多数得ていることは疑いない。韓国は同種装備は未体験であるものの海軍用赤外線センサー技術がある。課題は小型化だと関係者が認識している。ADDは偵察用ポッド開発の知見がある。
- ポッドにするのはロッキード・マーティンF-35で機内搭載したのと対照的で装備統合作業の難易度を考慮したことと機内に余裕がないためだろう。ポッド使用のため予定されるステルス版KF-Xで低レーダー反射効果は地対空運用で期待できない。兵装庫にも大型装備は搭載できないだろう。
- これに対して電子戦(EW)装備はLIG Nex1が開発中で機内装備となる。ALQ-200EWポッドの技術を流用する。同ポッドは韓国でF-16とF-4で実用化している。
- 同社はフライトコントロールコンピュータ、電波高度計、フライトデータレコーダーも供給する。これらは大韓航空のMUAV偵察無人機用に開発したものを流用する。
- KF-Xとつながりが一番大きい既存事業がT-50練習機および軽攻撃機の開発事例だ。T-50では通常の油圧3,000 psi (21,000 kPa)を採用したが、KAIは 5,000 psiを採用し重量軽減と小型化を図りたかったが、3,000 psi前提にした技術内容と試験機器があることから結局3,000 psiに落ち着いた。スペインの油圧技術専門会社CESAが開発を助けている。同社は拘束フックの設計も支援している。
- 比較するとKF-Xは大型で搭載機器も多く、レーダーの容量はT-50より増える。LIG Nex1の消費電力は50%以上増えている。
- ヘッドアップディスプレイ(HUD)はBAEシステムズのライセンスを得てLIG Nex1が製造する。ただし設計には他のエイビオニクスとの整合性を配慮する必要がある。BAEはT-50でもHUDを提供したが内容はこれより低かった。
- KAIはHeroux-Devtek、ハンファ両社に降着装置開発をさせることとした。作業の大部分は知見豊かな前者(カナダ企業)が行うだろうが、公式発表はまだない。
- KF-XのエンジンはジェネラルエレクトリックF414だ。ハンファの推進器事業部ハンファテックウィンがパーツ製造とともに統合化作業と装着にあたる。ここでも海外メーカーが大きな役割を演じることは最初から認められている。■
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