9月からの沈黙を破り北朝鮮が大きな動きに出てきました。今回の新型ミサイルは本命つまり米国本土攻撃用のICBMでしょう。事態がここまでになると西側も選択肢がどんどん減っていくのは必至で今決着をつけるか、先送りしてリスクを抱え込むのかの二者択一になりそうです。トランプ大統領はお得意の取引に持ち込みたいのでしょうが、相手が悪すぎますし、韓国の動きも不穏です。状況は悪い方向に向かっています。
North Korea: Why War Is the Only Option Now
北朝鮮問題:開戦しか選択肢が残されていない理由
November 29, 2017
北朝鮮の核脅威対処で選択肢は
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北朝鮮はあくまでも核兵器開発を進める姿勢で開発の凍結や放棄は外交交渉で期待できない。北朝鮮は(意図的にせよ偶発的にせよ)米国や同盟国への核攻撃能力を今後も拡充していく中で米国の選択肢は 1)抑止効果により北朝鮮の核攻撃を抑える 2)予防戦争により現政権とWMD開発を同時に除去し北朝鮮の核攻撃能力を排除する のいずれかだろう。
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抑止力で核攻撃を意図的に行う北朝鮮の意欲が削がれる効果が期待できるものの、北朝鮮が誤って核攻撃に踏み切る可能性は排除できない。予防戦争なら意図的、偶発的ともに将来の核攻撃の可能性を排除できる。だが金政権排除目的で開戦すれば北朝鮮は韓国や日本の核攻撃に踏み切るのは必至だろう。抑止力を優先すれば米国は将来の偶発的戦争のリスクより現時点の戦争回避を優先する賭けになる。これは賢い賭けなのか愚かしい賭けなのか。
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では予防戦争、抑止それぞれの場合で韓国、日本、米国の民間人死傷者数で比較してみよう。ここでは1)死亡者数に比例した経済その他費用、2)軍での死亡者数は民間に比すればはるかに小さくなる の二点を考慮しよう。筆者はこのままだと北朝鮮は今後30年間にわたり脅威となり、2048年に核戦争のリスクはゼロになると見る。
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予想死亡者数はそれぞれ開戦の時期や開戦の可能性で変動する。ではそれぞれの要素を見てみよう。
北朝鮮核兵力による被害リスク
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国際安全保障科学研究所のディヴィッド・オルブライトの議会証言をもとに北朝鮮の2018年時点の核兵器保有量を25発で各25キロトンと想定し、毎年4発追加していくとする。北朝鮮が熱核爆発兵器とミサイル技術を実用化ずみなので、米国に向け発射可能な250キロトン弾頭付きミサイルが現実になると見ている。
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目標別の使い分けについて 1)20キロトン兵器は韓国、日本に半々の比率で向けられる 2)250キロトン兵器は韓国、日本、米国に1-1-2の比率で向けられる 3)(機構上の不良、誘導精度、ミサイル防衛を想定し)目標地で爆発の可能性は50%の想定 とした。この仮定では核弾頭の違いはない想定とし、攻撃の成功率は不明だが予想死亡者数に影響は出るが抑止・予防戦争の選択に影響はない。
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死亡者数の算定にはウェブサイトNukeMapを利用した。便宜上弾頭の威力は同じと仮定した。日本では東京、京都で、韓国ではソウル、釜山で同じ威力の爆発が起こったと仮定した。米国ではロサンジェルス、サンフランシスコ、シカゴ、ワシントンDC、ニューヨークを仮定した。韓国、日本、米国で重みはつけない。20キロトン爆弾一発で112千名、250キロトン一発で546千名が死亡するとの計算が出ている。
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2018年に戦争となれば日韓米市民140万名が死亡する。(25キロトン爆弾25発*成功率50%*一回112千名)で一年たつたびに死亡者数は1.1百万名ずつ増える。(追加250キロトン4発 *成功率50%*一回546千名)と以下毎年規模は拡大し、2048年には34.2百万名になる。
偶発核戦争のリスク
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冷戦中の米ソは今から思えば冷静だったが両国で偶発核戦争の引き金を引く一歩寸前になったことは何度もあった。危機一髪の事態には早期警戒で軍の誤解、機械の故障やヒューマンエラーもあった。
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指揮官の誤認:キューバミサイル危機でソ連は核魚雷搭載の潜水艦4個戦隊を派遣した。潜水艦が米海軍の包囲網に到達し、緊張が高まる中、潜水艦艦長の一人が空母USSランドルフはじめ米海軍の攻撃を受けていると誤解し「死ぬ前に連中を道ずれにしよう」と核魚雷を発射しようとした。発射すれば米空母が撃沈され米ソ全面戦争突入、この場合は核の応酬となるのは必至だった。幸い戦隊参謀が同乗しており、艦長を説得し発射を食い止めた。
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技術不良:米ソ緊張の高まった1983年にソ連の早期警戒システムが米先制攻撃を探知した。ただちに検証したが信頼性最高度と確認された。当直士官の責任で警戒警報を出し、上官に伝えるのが責務だった。ソ連の核兵器操作手順では米ミサイル到達前に反撃開始することになっていた。幸いにも当夜の当直士官は科学知識もあり探知結果を疑わしく見て、報告義務と警報を発しない選択に直面し、最終的に手順を無視し上司にシステムの動作不良を伝えた。もしその時に警報が出ていればソ連が手順通りに米国に向けて攻撃を開始していた可能性はある。
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ヒューマンエラー:1979年にソ連核攻撃の訓練用テープがかNORAD早期警戒システムで再生された。幸いにも(またもや)ソ連ミサイルの飛翔時間に相当する時間でNORADは元データ検証し、米ミサイルの発射可否を待つことができた。結果として米軍は偶発で報復攻撃を回避できた。
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核戦争寸前の事態を信頼性工学の評価手法で検討した論文によれば米ソが冷戦期に偶発核戦争になっていた可能性は年間2%だった。この2%には上記事例は入っておらずきわめて現実的な数字に見える。
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では冷戦時の推定は北朝鮮にあてはまるのか。筆者は北朝鮮との偶発核戦争の確率は米ソの場合より高いとみている。抑止力の賭けのコストとして試算してみた。米朝間の偶発的核戦争の確率は年2%になった。今後30年間に軍事対立が発生する可能性は25%になった。
抑止か予防戦争のどちらを選択すべきか
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米国が予防戦争で北朝鮮の核脅威に対処すれば2018年の開戦は100%確実だ。(予防戦争を実施するなら早い方がよいのは明らかだ) この戦争で北朝鮮は25キロトン核弾頭25発を韓国、日本の都市に発射し、140万人が死亡する想定だ。
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これは極めて悲観的な見積もりだ。予防戦では米核攻撃を北朝鮮の指揮命令機能や核兵器関連施設に向け実施し北朝鮮の核攻撃実施能力を奪うのが狙いだ。さらに米国はミサイル防衛機能で韓国、日本を守るはずだ。ただし、米攻撃でも北朝鮮の核運用能力に影響はない仮定とした。米攻撃で北朝鮮の核運用能力を100%壊滅できると信じるのは早計過ぎ、実際は米攻撃で北朝鮮の核脅威をある程度減らすだけに終わる可能性が高い。
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抑止力に賭ける選択をすれば、偶発核戦争で1)年間2%発生率で750万人が死ぬ、あるいは 2)発生率25%で440万人が死ぬ 事態が生まれるだろう。
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抑止力に賭けた場合の推定死亡者数はこれで極端なまで楽観的に見積もった数字だ。まず、核弾頭が予定通り爆発する確率は不変とした。ただし、北朝鮮が技術改良で核爆発を米国で成功する確率は高くなっておかしくない。次に北朝鮮が威力を250キロトンまで上げると推定しているが、水爆として完成させれば威力はもっと高くなる。将来に偶発核戦争が勃発すればここでの想定被害以上になってもおかしくない。
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他方でミサイル防衛も進歩するはずだ。筆者は米ミサイル防衛能力の強化を強く支持するものだが、ミサイル防衛は万能ではない。(抑止効果支持派はミサイル防衛が完璧と信じる傾向がある) だがミサイル防衛を信じると抑止論も強化されるのは事実だ。
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抑止に賭けるのは予防戦闘よりずっと危険ということだ。
結論
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北朝鮮の核脅威に対し抑止を選択すれば賭けとなり現在は比較的弱体な北朝鮮との開戦を回避できても偶発核戦争の可能性を将来に残すだけだ。抑止の選択は北朝鮮の野望があってもキューバ危機の再来はないと信じること、北朝鮮の早期警戒機能にヒューマンエラーはあり得ないと信じること、北朝鮮の指揮命令機能は規程より本能を優先するので米攻撃の兆候に対処できると信じるのと同じだ。言い換えれば、抑止効果への賭けは毎回幸運に恵まれると信じるようなものだ。言うまでもなく常時幸運が必要な賭けは無謀で馬鹿げている。
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オバマ政権の北朝鮮政策は無力さを残しただけだったが、結局これが現実の世界だ。米国の政策目標は強力になるばかりの北朝鮮との偶発核戦争の過大リスクを下げることにある。この実現には予防戦争しかない。北朝鮮の核脅威への賢明かつ合理的な対応が予防戦争だ。■
Kevin R. James is a Research Fellow in the Systemic Risk Centre at the London School of Economics (@kevinrogerjames).
北朝鮮はあくまでも核兵器開発を進める姿勢で開発の凍結や放棄は外交交渉で期待できない。北朝鮮は(意図的にせよ偶発的にせよ)米国や同盟国への核攻撃能力を今後も拡充していく中で米国の選択肢は 1)抑止効果により北朝鮮の核攻撃を抑える 2)予防戦争により現政権とWMD開発を同時に除去し北朝鮮の核攻撃能力を排除する のいずれかだろう。
抑止力で核攻撃を意図的に行う北朝鮮の意欲が削がれる効果が期待できるものの、北朝鮮が誤って核攻撃に踏み切る可能性は排除できない。予防戦争なら意図的、偶発的ともに将来の核攻撃の可能性を排除できる。だが金政権排除目的で開戦すれば北朝鮮は韓国や日本の核攻撃に踏み切るのは必至だろう。抑止力を優先すれば米国は将来の偶発的戦争のリスクより現時点の戦争回避を優先する賭けになる。これは賢い賭けなのか愚かしい賭けなのか。
では予防戦争、抑止それぞれの場合で韓国、日本、米国の民間人死傷者数で比較してみよう。ここでは1)死亡者数に比例した経済その他費用、2)軍での死亡者数は民間に比すればはるかに小さくなる の二点を考慮しよう。筆者はこのままだと北朝鮮は今後30年間にわたり脅威となり、2048年に核戦争のリスクはゼロになると見る。
予想死亡者数はそれぞれ開戦の時期や開戦の可能性で変動する。ではそれぞれの要素を見てみよう。
国際安全保障科学研究所のディヴィッド・オルブライトの議会証言をもとに北朝鮮の2018年時点の核兵器保有量を25発で各25キロトンと想定し、毎年4発追加していくとする。北朝鮮が熱核爆発兵器とミサイル技術を実用化ずみなので、米国に向け発射可能な250キロトン弾頭付きミサイルが現実になると見ている。
目標別の使い分けについて 1)20キロトン兵器は韓国、日本に半々の比率で向けられる 2)250キロトン兵器は韓国、日本、米国に1-1-2の比率で向けられる 3)(機構上の不良、誘導精度、ミサイル防衛を想定し)目標地で爆発の可能性は50%の想定 とした。この仮定では核弾頭の違いはない想定とし、攻撃の成功率は不明だが予想死亡者数に影響は出るが抑止・予防戦争の選択に影響はない。
死亡者数の算定にはウェブサイトNukeMapを利用した。便宜上弾頭の威力は同じと仮定した。日本では東京、京都で、韓国ではソウル、釜山で同じ威力の爆発が起こったと仮定した。米国ではロサンジェルス、サンフランシスコ、シカゴ、ワシントンDC、ニューヨークを仮定した。韓国、日本、米国で重みはつけない。20キロトン爆弾一発で112千名、250キロトン一発で546千名が死亡するとの計算が出ている。
2018年に戦争となれば日韓米市民140万名が死亡する。(25キロトン爆弾25発*成功率50%*一回112千名)で一年たつたびに死亡者数は1.1百万名ずつ増える。(追加250キロトン4発 *成功率50%*一回546千名)と以下毎年規模は拡大し、2048年には34.2百万名になる。
冷戦中の米ソは今から思えば冷静だったが両国で偶発核戦争の引き金を引く一歩寸前になったことは何度もあった。危機一髪の事態には早期警戒で軍の誤解、機械の故障やヒューマンエラーもあった。
指揮官の誤認:キューバミサイル危機でソ連は核魚雷搭載の潜水艦4個戦隊を派遣した。潜水艦が米海軍の包囲網に到達し、緊張が高まる中、潜水艦艦長の一人が空母USSランドルフはじめ米海軍の攻撃を受けていると誤解し「死ぬ前に連中を道ずれにしよう」と核魚雷を発射しようとした。発射すれば米空母が撃沈され米ソ全面戦争突入、この場合は核の応酬となるのは必至だった。幸い戦隊参謀が同乗しており、艦長を説得し発射を食い止めた。
技術不良:米ソ緊張の高まった1983年にソ連の早期警戒システムが米先制攻撃を探知した。ただちに検証したが信頼性最高度と確認された。当直士官の責任で警戒警報を出し、上官に伝えるのが責務だった。ソ連の核兵器操作手順では米ミサイル到達前に反撃開始することになっていた。幸いにも当夜の当直士官は科学知識もあり探知結果を疑わしく見て、報告義務と警報を発しない選択に直面し、最終的に手順を無視し上司にシステムの動作不良を伝えた。もしその時に警報が出ていればソ連が手順通りに米国に向けて攻撃を開始していた可能性はある。
ヒューマンエラー:1979年にソ連核攻撃の訓練用テープがかNORAD早期警戒システムで再生された。幸いにも(またもや)ソ連ミサイルの飛翔時間に相当する時間でNORADは元データ検証し、米ミサイルの発射可否を待つことができた。結果として米軍は偶発で報復攻撃を回避できた。
核戦争寸前の事態を信頼性工学の評価手法で検討した論文によれば米ソが冷戦期に偶発核戦争になっていた可能性は年間2%だった。この2%には上記事例は入っておらずきわめて現実的な数字に見える。
では冷戦時の推定は北朝鮮にあてはまるのか。筆者は北朝鮮との偶発核戦争の確率は米ソの場合より高いとみている。抑止力の賭けのコストとして試算してみた。米朝間の偶発的核戦争の確率は年2%になった。今後30年間に軍事対立が発生する可能性は25%になった。
米国が予防戦争で北朝鮮の核脅威に対処すれば2018年の開戦は100%確実だ。(予防戦争を実施するなら早い方がよいのは明らかだ) この戦争で北朝鮮は25キロトン核弾頭25発を韓国、日本の都市に発射し、140万人が死亡する想定だ。
これは極めて悲観的な見積もりだ。予防戦では米核攻撃を北朝鮮の指揮命令機能や核兵器関連施設に向け実施し北朝鮮の核攻撃実施能力を奪うのが狙いだ。さらに米国はミサイル防衛機能で韓国、日本を守るはずだ。ただし、米攻撃でも北朝鮮の核運用能力に影響はない仮定とした。米攻撃で北朝鮮の核運用能力を100%壊滅できると信じるのは早計過ぎ、実際は米攻撃で北朝鮮の核脅威をある程度減らすだけに終わる可能性が高い。
抑止力に賭ける選択をすれば、偶発核戦争で1)年間2%発生率で750万人が死ぬ、あるいは 2)発生率25%で440万人が死ぬ 事態が生まれるだろう。
抑止力に賭けた場合の推定死亡者数はこれで極端なまで楽観的に見積もった数字だ。まず、核弾頭が予定通り爆発する確率は不変とした。ただし、北朝鮮が技術改良で核爆発を米国で成功する確率は高くなっておかしくない。次に北朝鮮が威力を250キロトンまで上げると推定しているが、水爆として完成させれば威力はもっと高くなる。将来に偶発核戦争が勃発すればここでの想定被害以上になってもおかしくない。
他方でミサイル防衛も進歩するはずだ。筆者は米ミサイル防衛能力の強化を強く支持するものだが、ミサイル防衛は万能ではない。(抑止効果支持派はミサイル防衛が完璧と信じる傾向がある) だがミサイル防衛を信じると抑止論も強化されるのは事実だ。
抑止に賭けるのは予防戦闘よりずっと危険ということだ。
北朝鮮の核脅威に対し抑止を選択すれば賭けとなり現在は比較的弱体な北朝鮮との開戦を回避できても偶発核戦争の可能性を将来に残すだけだ。抑止の選択は北朝鮮の野望があってもキューバ危機の再来はないと信じること、北朝鮮の早期警戒機能にヒューマンエラーはあり得ないと信じること、北朝鮮の指揮命令機能は規程より本能を優先するので米攻撃の兆候に対処できると信じるのと同じだ。言い換えれば、抑止効果への賭けは毎回幸運に恵まれると信じるようなものだ。言うまでもなく常時幸運が必要な賭けは無謀で馬鹿げている。
オバマ政権の北朝鮮政策は無力さを残しただけだったが、結局これが現実の世界だ。米国の政策目標は強力になるばかりの北朝鮮との偶発核戦争の過大リスクを下げることにある。この実現には予防戦争しかない。北朝鮮の核脅威への賢明かつ合理的な対応が予防戦争だ。■
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