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★中国空母への日本の対抗策は潜水艦だ



潜水艦を抑止力ととらえ、中国にはせいぜい高価な兵器を整備させ作戦上使えなくさせれば旧ソ連のように防衛力が破綻するかもしれませんね。要は日本が中国の上を行く戦略をとればいいのです。相手は数の威力や大きければいいと考えているきらいがありますからね。そうなると潜水艦の整備も重要ですが、それを支援する体制中心に海自が組織されていくかもしれません。沈黙の部隊の隊員の皆さんには頭が上がりませんね。


Here Is How Japan Plans on Killing China's Aircraft Carriers

日本は中国空母をこうして攻撃する

November 5, 2017


  1. 中国が空母を複数運用する日が近づく中、近隣国や米国は対応策を準備しているはずだ。特に中国の伝統ライバルと言ってよい日本で顕著だ。ただ日本には経済効果が高く有効な手段がすでにある。潜水艦部隊だ。
  2. 中国が旧ウクライナ空母を改修し遼寧として就役させたのは2012年のことだ。だが同艦の戦闘能力は限定的で建造中の国産空母の練習用に使っている可能性が高い。国産一番艦は今春進水ずみで、人民解放軍海軍(PLAN)での供用は2020年になりそうだ。国防分野に造詣が深い編集者デイヴィッド・マジュンダーは同艦は遼寧と比較しても大きく変わった点はないと述べている。とくにスキージャンプ式発艦方式が継承されているのが大きい。だが国産二番艦では技術が大幅に進歩し、蒸気カタパルトや最終的に電磁式カタパルトの搭載も予想される。マジュンダーは中国人軍事アナリスト発言を引用し「002号艦は遼寧(001)は001Aと全く異なり、米海軍空母に似た艦容になる」という。
  3. 中国空母は最終的に6隻になると見られ、兵力投射能力が大幅に伸びる。日本含む各国も対抗を迫られる。北京は敵空母打撃群への攻撃手段を開発中で対艦弾道ミサイルのDF-21D「空母キラー」には制御可能再突入体(MARV)があり発射後に飛翔経路を変更し空母の移動分を補正できる。
  4. 理論上では日本も対艦弾道ミサイル(ASBM)の開発能力があり、中国空母に対抗できる。(米国の場合はINF条約により陸上版の配備はできない)だがこれは誤った方法になる。中国がASBM開発に進むのは国内国防産業にミサイル技術の蓄積があるためだ。対照的に日本に攻撃手段の技術蓄積が少ないのは平和憲法のためだ。
  5. 日本の技術水準は高くその気になればミサイルを容易に開発できるはずだ。宇宙打ち上げの実績とミサイル防衛装備でも経験の蓄積がある。とはいえ今からASBM開発に向かっても一定の開発期間が必要でかつ非常に高価になる。中国のDF-21D開発支出は不明だが一番近い比較対象が米パーシングIIミサイルだ。MARV対応の弾道ミサイルのパーシングは冷戦末期に登場し、中国のDF-21D開発の契機となった。INF条約でパーシングは全廃されたが、政府会計検査院(GAO)の算定では247発製造で26億ドルだった。2017年ドル換算では58億ドルに相当する。
  6. ただしこれはミサイル本体価格で空母のような移動目標を攻撃するには「システムのシステム」あるいはキルチェーンとよばれる支援装備が必要だ。ロバート・ファーレイが指摘しているがDF-21Dは「通信装備で各種高性能センサーを統合して情報を発射部隊に伝える」必要があり、言い換えればASBMにはリアルタイム情報がないと移動目標に対応できない。ハリー・カジアニスは「水平線越えレーダー、衛星追跡能力、無人航空機で洋上目標への誘導が必要」と指摘する。日本が中国と同じ方法を採用すればすべての費用が上積みされる。
  7. さらに中国の空母キラーの実力は不明だ。判明している範囲では中国は移動目標に対し一回も試射していない。システムのシステムを整備してもDF-21Dは敵対抗策に脆弱であり、米国は同ミサイルを徹底的に排除する構想だという。仮に対抗策が全部失敗しても空母打撃群には相当のミサイル防衛手段があり最後の手段として有効性を証明するだろう。
  8. そこで日本は中国を模倣するのではなく日本独自の優位性を最大限活用する戦略を模索すればよい。競争戦略構想は実業界で生まれ冷戦末期にペンタゴンが採択した、比較優位性を把握したうえで敵の弱点を探し出す考えだ。中国の接近阻止領域拒否が例で中国の地理条件を活用しながらアクセスを求める米国を狙っている。
  9. 日本にミサイル開発の知見はないが、潜水艦で優秀性を示している。そうりゅう級潜水艦は疑いなく世界最高水準のディーゼル電気推進艦で、ここまで高性能でない潜水艦でさえ空母に脅威となる。ロシアの低性能潜水艦に言及し米関係者は「小型潜水艦一隻が主力艦へ脅威を及ぼす」と述べている。潜水艦は第二次大戦中に空母8隻を沈めている。
  10. 潜水艦は費用対効果も優れる。高価といわれるそうりゅう級でも単価5億ドルほどに過ぎない。パーシングII弾道ミサイルの予算で日本は潜水艦11隻を整備できる。さらに中国の弱点は対潜戦(ASW)能力だ。近年は強化の動きもあるが中心は沿海部での探知能力向上にあてており洋上での能力は依然低い。このため日本が中国の将来の空母群に対応するには潜水艦が、もっとも費用対効果が高いといえよう。■
Zachary Keck (@ZacharyKeck) is a former managing editor of The National Interest.
Image: The Kokuryu submarine of the Japanese Maritime Self-Defense Force (JMSDF) bursts to the surface during a fleet review at Sagami Bay, off Yokosuka, south of Tokyo October 15, 2015. REUTERS/Thomas Peter​


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