EMP Detonation, Nuclear Blast or ICBM Test? What is North Korea's Next Move?
北朝鮮の次の手は何か。大気圏内核爆発かICBM発射あるいはEMP実験か。
November 13, 2017
ドナルド・トランプが金正恩を「ちびのロケットマン」とエルトン・ジョンの1975年のヒット曲にちなんで呼び笑いを買ったが、大統領も金正恩の導火線にまだ火が残っていることを知っている。北朝鮮情勢分析での大きな話題は平壌が再度長距離ミサイルテスト準備に入っているのかだ。
- 狙いは核兵器小型化、大気圏再突入と有効射程の実現を米国に見せつけることだろう。だがアナリストの中にはワシントンがテストを誤解すれば戦争の引き金になりかねないと見る向きがある。
- 実験が近づくとの観測に火を注ぐのが北朝鮮が9月15日の火星-12中距離弾道弾の発射以来八週間にわたり動きを示していないことだ。
- 戦略国際研究センター(CSIS)の太平洋フォーラムを主宰するラルフ・コッサRalph Cossaは北朝鮮が再度ミサイル発射実験で長距離攻撃能力を米国に誇示する可能性があると先週木曜日にUPI通信に語っていた。
- 「ワシントンやニューヨークの攻撃能力があるとこちらが理解したと分かれば、北朝鮮は核戦力を実用化したことになり核凍結交渉にも同意するだろう」「だが中国等が提唱する凍結のための当家ではなく、凍結は援助あるいは制裁の解除を交換条件とするものだ」
- コッサの評価の裏付けとして38 Northがベテラン朝鮮ウォッチャーのロバート・カーリンRobert Carlinによる分析を掲載した。カーリンは北朝鮮は7月に長距離ミサイル発射に立て続けに成功したことで躍り上がり、対米戦略立場は堅固になったと見る節があると指摘。このことから北朝鮮政権は戦争瀬戸際から一歩後退し米国と「実務的均衡」を定着させようとするだろうというのだ。
- ただしその前にカーリンは北朝鮮が「再度、危険な一歩」をとり平壌の意図を理解できない米大統領が軍事対応に踏み切らないとは限らないと警告する。「ワシントンでの出来事を見て北朝鮮が米大統領は弱腰で決定的対応はとれないと判断していてもおかしくない」と前国務相情報分析主幹は38 Northに書いている。
- では「危険な一歩」とはなにか。カーリンは解説しないが、核実験か別型式のミサイル発射のどちらかなのは明らかだ。火星-14長距離ミサイルなのか大気圏内水爆実験なのか。平壌がインフラをマヒさせる電磁パルス(EMP)装置を試すのではとの観測もある。
- ミドルベリー国際研究所で核不拡散問題の専門家ジョー・ブラツダJoe Brazdaは北朝鮮で最高性能を誇る火星-14ICBMはシカゴから東海岸まで到達できるのではと見ている。金正恩がめざすのはニューヨークやワシントンまで到達可能なミサイルだろう。
- トランプは金正恩を侮辱する戦術が機能していると自信があるようだが北朝鮮がこの動きを示せば唖然としたあまり軍事行動に走りかねないとカーリンは見ている。
- 金正恩は先例に倣うだろう。1960年代にペンタゴンは中国の核兵器開発能力を軽視し、核兵器運搬能力もないと見ていた。だが中国は1966年に核兵器実弾ミサイルを発射しゴビ砂漠で爆発させた。これで中国の核兵器能力への疑いは消えた。
- 北朝鮮は核兵器に自信を感じさらに別のテストに踏み切るのだろうか。そうならないことを祈るしかない。
- 別の可能性もある。あと一二回のテストでレッドラインぎりぎりで動きを止め米軍の先制攻撃を待つことだ。次のミサイル実験は北朝鮮に核抑止力が備わったことを示すものになる。いかにも狂気じみた政治芝居だが北朝鮮は巧みに計算した動きを示す合理性も証明している。金正恩はエルトン・ジョンの歌詞を借りれば「ずっと長い時」を目指し次の手を考えているのだ。■
Image: Reuters.
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