Stealthy Super Hornet In Cards As Boeing Plans Major Overhaul
ボーイングが大幅改修するスーパーホーネットはステルス性能を付加
F/A-18: Boeing
- 米海軍のスーパーホーネットの耐用年数限界に近づく中、ボーイングは大幅改修案を検討中で機体構造アップグレードとともにステルス塗装処理を施せばF/A-18E/Fは今後も稼働可能になるという。
- ボーイングはスーパーホーネットの耐用年数改修 service life modification (SLM)の開始を2018年4月と見ているとSLM事業を率いるマイク・シアーズMark SearsがAviation Weekに10月17日述べている。契約が成立すれば同社はスーパーホーネットの飛行時間を現行の6千時間にさらに3千時間追加する作業を開始する体制にあるという。
- 改修は構造強化と一部サブシステムが中心だが、同時に各機を最新ブロックIII仕様にするとシアーズは述べている。低視認性(LO)表面塗装とレーダー波吸収剤(RAM)の改良策も選択肢のひとつだという。
- 最新ブロックIII仕様のスーパーホーネットがどこまでステルス性能を有するのか不明だ。ブロックIIIは2020年にロールオフする。米海軍は「高度非探知性向上策」を2018年予算要求に盛り込んでいるがボーイングによればブロックIIIはLOを中心に置いていない。
- 「ステルス性についてはある水準で線を引き、バランスの取れた残存性を確保できると判断しており、それが現状の水準です」とF/A-18とEA-18事業を担当するダン・ジリアン Dan Gillianが述べている。「F-35は確かにステルス性能が優れていますが当社はバランスを重視し残存性と電子戦装備と自機防御能力を進めました」
- スーパーホーネット改修は米軍にいかにも時期の悪いタイミングとなる。海軍戦闘機の即応耐性の低さが続いていることが知られており、任意の日で海軍F/A-18で飛行可能なのは52%にすぎず、旧型ホーネットでは44%で、やや高性能のスーパーホーネットでは54%だ。この数字はここ15年に渡り海軍が機材運用に苦労している状況を物語るものと海軍作戦次長のビル・モラン大将Adm. Bill Moranは見ている。
- 短期的にはスーパーホーネットをSLMに送れば、作戦運用機材が減る。だがSLMしなければ各機はすぐにでも使用不能となる。
- 機体がSLMに入っている時間を利用して海軍はブロックIII用の新型高性能コンピューターを搭載できるとシアーズは述べる。新型空母の高性能センサー性能を配慮して操縦席廻りでは表示装置の大型化や分散型標的処理ネットワークDistributed Targeting Processor Network (DTPN)と呼ぶ高性能コンピューターやデータ転送量を拡大した戦術標的ねとワーク技術Tactical Targeting Network Technology (TTNT)の搭載も視野に入っている。
- 中でも重要なのはこのアーキテクチャーでスーパーホーネット、EA-18Gグラウラー電子戦機、E-2Dホークアイが相互交信で敵情報データを共有できる戦闘環境が生まれることだ。
- ボーイングが想定するスーパーホーネットブロックIII改修では他に長距離赤外線センサーもあり、高性能敵機を遠距離で探知追跡できること、機体一体型燃料タンク(CFT)で飛行距離を100ないし120カイリ伸ばすことがある。このうちCFTは現行の追加燃料タンクのかわりとなり、重量軽減と抗力発生を減らせるのでペイロード増加につながる。
- SLMは2028会計年度まで続く見込みでボーイングは海軍とスーパーホーネット400機の改修を予定する。実施は同社のセントルイスおよびサンアントニオ両工場で行う。
- シアーズは初号機の改修完了には18ヶ月を見込むが、12ヶ月に短縮化する可能性に言及している。
- ボーイングはセントルイスで「学習用」機材2機を準備して可能な限りの準備体制を整えており、予測と実機状況のかい離を減らそうとしている。■
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