北朝鮮の現体制が永続するはずなく、考えられる事態を想定してあらかじめ対処方法を考えておくということですか。日本ではミサイルが飛翔するだけでもうてんやわんやでとても先を見通せない反応が出ていますが、冷静な思考(反射反応ではありません)が必要ですね。しかしどっちに転んでも大変な負担が必要となる北朝鮮はガンのようなもので迅速に対処したほうがいいのでしょうね。体制崩壊には軟着陸はないとすれば、強硬策が必要なのではないでしょうか。洗脳されている国民を解放する方法がないとISIS以上に危険な戦闘員になりそうです。また核武装した韓国を出現させないためにも北朝鮮の核兵器、製造能力はすべて撤去しなければなりません。
What is Worse Than a War with North Korea? A Sudden Collapse
北朝鮮との開戦より怖いのは同国が突如崩壊することだ
September 29, 2017
http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/what-worse-war-north-korea-sudden-collapse-22537?page=show
北朝鮮で言及されていない恐怖がある。民主人民共和国(DPRK)と自称する同国は究極のパンドラの箱であり、歴代の米大統領の悪夢でもある。核兵器、化学兵器、生物兵器にさらに米本土まで狙うミサイルが加わった。平壌は毎回新しい段階に入ることを心得ているようでおかげで北東アジアでは緊張が高まっている。
だが北朝鮮が核兵器で威嚇する中、もっと大きな話題を世界は見逃している。北朝鮮が民衆蜂起、経済崩壊あるいは戦闘で解体されたらどうなるのか。肥満不良少年ともいうべき金正恩が首脳となる同国が崩壊すれば数兆ドル単位が正常復帰に必要となるが、洗脳、飢餓、奴隷扱いを受けた数百万名はここに入っていない。
RANDコーポレーションが2013年に優れた研究成果を発表されており、図書並みのボリュームでこの問題に取り組んでおり、上記が現実となった場合の背筋の凍る内容を紹介している。バラバラになったピースを元通りにできるのか、ワシントンはじめ同盟諸国はどんな準備をすべきなのかを展開している。この報告書から論点五つを抽出し、北朝鮮問題の本質に触れたい。
1.「崩壊の種類」とは
「金正恩体制はどんな状況で崩壊するのか。以下の二つのいずれかだろう。政権が崩壊すると金一族はその座を追われ、新たな指導者が北朝鮮の統治者となる。おそらく軍部出身者だろう。この場合は全国統治組織はほとんど無傷だが、金正恩放逐で一時的に機能が停止するはずだ。新指導者は旧政府の上層部大部分を粛清し、忠実な部下を登用する」
次のシナリオはもっと怖い。
「別の形の崩壊は政府の崩壊だ。この場合は金一族の支配が機能を失しなうか放逐され、その後を引き継ぐ人物あるいは集団があらわれない。可能性が一番高いのは派閥が生まれ、それぞれ支配権獲得を目指すが、成功しても全国統治には及ばず、中央政府機能は失われる。
「政権崩壊は政府機能崩壊につながることに注意が必要だ。崩壊は過程であり結果でもある。北朝鮮は政権崩壊を経験していないが、崩壊過程はすでにはじまっている。金正恩体制は『専制統治の失敗例』として記憶されることになろう」
2. 内戦勃発の可能性
「北朝鮮国内の内戦がWMD投入まで進めばROK(韓国)にも深刻な被害が及ぶ。生き残れないと悟れば派閥勢力が意図的に韓国を攻撃する可能性がある。ROK都市への弾道ミサイル攻撃に核弾頭、生物化学兵器を併用すれば韓国全域が被害を受ける。物理的な損害以外ににROKの社会経済が大損害に直面する。ROKの視点から見れば、最悪の可能性は朝鮮半島全域の不安定化で、ROK自体も巻き込まれ、治安が崩壊するとROKも封じ込め対策は実施不可能となる」
3.もっと悪いのは中国の介入
「さらに中国の介入の可能性がある。実施されれば朝鮮統一を中国が否定することになる。韓国軍、米軍、中国軍が前進すると米韓連合軍と中国軍で武力衝突が発生する可能性が生まれる。つまり中国が統一を阻害するだけでなく戦闘を発生させ統一はさらに遠のく」
4. 大規模な飢餓
「北朝鮮は今でさえ国民への食糧供給に苦労しているので、政府崩壊で全国的飢餓に一気に突入するはずだ。崩壊後の国内で資金に余裕ある層は金の力で食料確保に走るが食品価格はうなぎのぼりとなるはずだ。食料品は姿を消し、軍など武力で食料強奪に出る勢力が発生すれば一層食料在庫は厳しくなる。人道援助団体も北朝鮮向け活動を減少せざるを得なくなるほど治安状態は悪化する。崩壊後の食糧供給は飢餓水準をさらに下回る」
5. 南との統一、国土再建費用はとてつもない規模へ
「朝鮮半島統一の費用は高くなるとわかっているが、金融面では数兆ドルとなり、かつ大部分は崩壊から5年以内に必要となるが、その後数十年単位でも費用が発生する」
報告書ではさらに詳細に触れている。
「費用を積算すると韓国政府予算で毎年2,500億ドル必要となる。統一に2兆ドル(うち軍事作戦で5,000億ドル、ROK国内の戦災復興に5,000億ドル、北の経済開発に1兆ドル)かかり、ROK政府の年間予算の8倍に相当する。統一費用を10年間継続負担すると同国政府予算が飛躍的に増えるため税負担率を二倍にしないと対応できず、ROK市民に歓迎されないだろう」
北朝鮮が核兵器以外でも危険であるのは明らかだ。北朝鮮崩壊あるいは南との統合は米国のみならずアジア内の同盟諸国にとり難題だがいずれ避けて通れなくなるのは過去を見れば明らかだ。独裁体制は永遠に続かない。DPRKの核実験に代表されるニュース見出しに踊らされることなく、この報告書に目を通した方がよい。■
This first appeared in early 2016.
Image: Reuters.
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