スキップしてメイン コンテンツに移動

悲劇の重巡インディアナポリスの艦体が海底で発見された


重巡インディアナポリスの沈没は米海軍には後味の悪い大戦末期の出来事で日本海軍の橋本艦長も米本国の海軍法廷に証人召喚され、米艦長は自殺したんでしたっけ。原爆を下ろした後だったので広島投下は回避できできませんでしたが。しかしお金に余裕がありちゃんとした意思があるといい結果が生まれますね。


Billionaire Paul Allen Finds Lost World War II Cruiser USS Indianapolis in the Philippine Sea

大富豪ポール・アレンが第二次大戦で沈没した巡洋艦USSインディアナポリスをフィリピン海中で発見


USSインディアナポリス、1937年真珠湾にて。 US Navy Photo


 By: Ben Werner
August 19, 2017 12:30 PM • Updated: August 20, 2017 11:26 PM

巡洋艦USSインディアナポリス(CA-35)が日本潜水艦の魚雷二本で沈没して72年たつが、太平洋の18,000フィート(約5,500メートル)下で沈没した艦が8月19日に発見された。

マイクロソフトの共同創設者、大富豪で事前活動家のポール・アレン率いる捜索チームが海軍歴史伝統本部(NHHC)の支援を受け、過去に何度も試みられつつ誰も成功しなかったインディアナポリスをこのたび発見し、第二次大戦中の米海軍関連の悲劇に幕が下りる。

View image on TwitterView image on Twitter
We've located wreckage of USS Indianapolis in Philippine Sea at 5500m below the sea. '35' on hull 1st confirmation: http://paulallen.com

「勇敢なるUSSインディアナポリス乗員、その家族の名誉を称え同艦を発見できたことで第二次大戦を本当に幕引きできる」とアレンは8月19日に声明文を発表している。「同艦乗員の勇気、忍耐、犠牲と悲劇的結果にアメリカ国民全員が深く感謝している。艦の残りの部分の捜索は今後も続けるが、今回の発見で一つの幕が下りる」

1945年7月30日、第二次大戦の最終段階でインディアナポリスはティニアン島への原爆「リトルボーイ」搬送の秘密任務を終えたばかりだった。広島に投下され終戦につながった爆弾だ。艦はわずか12分で沈没し、遭難信号を送る間もなく、救命装備を展開する暇もなかったと海軍歴史伝統本部が述べている。任務が極秘だったため同艦の航行予定は共有されていなかった。

乗組員の水兵・海兵隊員1,196名中800名が沈没時に生存していたが、その後海上を5日間漂流するうち、脱水、溺死、サメ襲撃により救助されたのはわずか316名だった。

「発見できてよかった。72年は長かった」と生存者のアーサー・リーナーマン(93歳)が述べている。「長年見つかることを祈っていた。海で生活をを共にした仲間が失われるのは本当に悲しいことだが艦が発見されれば区切りがつくと思っていた。捜索が成功して嬉しい。発見場所とどこまで深い場所で艦が休んでいるのか知りたい」

同艦の史実はほぼ伝承の域になっている。理由の一つが1975年の映画「ジョーズ」で、インディアナポリス沈没時の話を登場人物のクイントがしている。

アレンによる発見の一年前にNHHC学芸員リチャード・ハルヴァーが揚陸艦LST-779の記録から雷撃を受ける数時間前のインディアナポリスを視認した事実をつかんでいる。同学芸員の調査で捜索範囲が当初想定されていた海域より西方に設定されたのだ。ただし捜索範囲は太平洋上600平方マイル(約1,500平方キロ)に及んだ。

「これまでインディアナポリス発見を目指したチームが失敗に終わったのは深度2マイル以上の深さに沈没しているためであり、間違った場所を捜索していたため」とハルヴァーはNHHCから昨年出た研究書で解説していた。「歴史記録にある沈没地点はまちがっており、遭難信号を受信していないこともその理由。連合軍情報部はイ-58潜水艦が東京に打電した電文から雷撃による沈没があったと知ったものの艦名を特定できず、また日本海軍の通信文中の雷撃位置も把握できなかった」

アレンの捜索チームは13名体制で正確な位置を把握し今後数週間以内に現場から実況中継をする。米国法規に準拠して沈没艦は戦時墓標の扱いとし現場を保存する。インディアナポリスは米海軍の所有物であり、正確な位置は今後も米海軍が機密事項扱いとする。

捜索チームは捜索活動で一貫して海軍当局と協力し、今後も現存する元乗組員19名を尊重し、遺族にも配慮して活動を続ける。■

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ