自分の選挙区にPAC3がないのは不安と防衛当局を動かした議員がいましたが、集中配備してこそ効果を発揮するのが現在のミサイル防衛ならこの議員は明らかに防衛効果を減らす方向、つまり北朝鮮の喜ぶ方向にもっていったことになりますね。お伝えしているように通常兵力では勝ち目がない北朝鮮のカードがはったりの核兵器であり、今回ご紹介の論調だと「悪の体制」と今後共存しなければなりません。これはナチドイツと宥和を図った欧州各国と同じ過ちになりませんかね。結局北朝鮮の思い通りになっていく気がしますがいかがでしょうか。
Would America Have Been Able to Shoot down North Korea's Missile? 今回の北朝鮮ミサイルは撃ち落とせたのか
August 30, 2017
- 北朝鮮は中距離弾道ミサイルを8月29日発射し、米国及び同盟国に対する新たな挑発行為に出た。
- 今回のテストでは日本上空を通過した。だが米国・日本にミサイルを撃破する選択肢はあったのだろうか。専門家の答えはNoのようだ。
- 米太平洋軍司令部は「米国防総省は北朝鮮からの弾道ミサイル一本発射を東部標準時間8月28日午後4時57分に探知した。初期分析では中距離弾弾道ミサイルと判定」と発表した。「発射地点は順案航空基地で飛翔方向は東。弾道ミサイルは日本北方上空を飛行し日本から東方500カイリの太平洋に着水した。現在関係機関と詳細評価中で追加発表していく」太平洋軍司令部の声明文では同盟国の防衛に米国が責務を果たすと強調している。
- だが米国、日本に飛来する北朝鮮弾道ミサイルを撃破する能力はあるのか。その答えは、可能性はおそらく少ない、となるだろう。「今回は日本上空の宇宙空間を飛翔したためミサイル迎撃はしていないはず」とジョシュア・H・ポラック(ジェイムズ・マーティン核不拡散センター研究員)は述べる。「イージスでは上昇中のミサイルには対応できません。イージスでは艦を発射地点と目標の中間地点より標的に近い地点に配備して飛翔後半で迎撃するはずです。そのため日本海に展開しているはずです」
- 軍縮専門家ジョセフ・シリンシオンは日本が北朝鮮ミサイルを撃破できた可能性はないと断言する。「ペイトリオットは局地防衛用の短距離ミサイルです。海上イージスも似たようなものです。THAADが韓国にありますが距離が遠すぎます。結局、現在配備中のミサイル防衛装備では迎撃は不可能でしょう」
- 日本がミサイル防衛に追加支出していたとしても今回の北朝鮮IRBMテストの破壊は不可能だっただろう。「THAADを札幌に配備しなければ北を飛翔するミサイル迎撃は不可能だったろう」(シリンシオン)
- さらに実戦になると信頼性に足りる防衛体制の実現は困難だろう。「北朝鮮が多弾頭ミサイルを発射した場合に信頼度が高い防御は不可能だ。北朝鮮はミサイル防御対策をしてくるだろう」(シリンシオン)
- ボラックは防衛用迎撃ミサイルは高価なうえに数が少ないので北朝鮮のミサイルテストで無駄に発射するのは賢明ではないと指摘。「発射したからと言って必ず対応する必要はない」とポラックは言う。「防衛装備は少量となるので防衛用には集中配備することになる。そもそもそういうものだ」
- 北朝鮮問題の行き詰まり状態を打破するのだろうか。専門家は悲観的だ。「双方で受け入れられる解決策があるとは思えなくなりました」とポラックは言う。「危機管理の仕組みがあればいいのですが、軍同士のホットラインで誤解を解消するとか」
- シリンシオンは唯一の可能性は最良でも一時しのぎだがテストの凍結交渉だという。「各国と一緒に厳しい制裁を実施しつつ外交をうまく使い核開発の上限を模索することで、テスト凍結はその第一歩です」「うまく行かない可能性がありますがこれが唯一の可能性であり、以前はうまく機能したのです。ただちに北朝鮮と対話を始めるべきで、新規かつ正式な交渉を開始する可能性を模索すべきでしょう」
- 核兵器保有国であり長距離ミサイル技術を手に入れた国として北朝鮮の事実に目を向けるべきなのか。核保有国としての北朝鮮との共存を米国は図るべきか。一度瓶から出した悪霊は元は戻らない。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @Davemajumdar.
Image: Reuters
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