戦闘機の正当な進化を海軍は目指しているようです。ただし無人機が基本となるのは空軍より発想が柔軟なようですね。無人機といことは高G制約もなくなるのでしょうが、自律運用が前提で2030年代の世界では実用化されているとみているのでしょう。
Speed and range could be key for Navy's next fighter jet
スピードと航続距離が米海軍が目指す次世代戦闘機の中核性能だ
WASHINGTON — 米海軍はスーパーホーネット・グラウラー両機の後継機に向けた分析に没頭中といったところだ。作業から生まれる機体は現行機と相当異なる外観になり、海軍の優先順位は航続距離と速度になるのは間違いない。
- 海軍が「次世代航空優勢機」(NGAD)で代替策検討(AoA)を開始したのは2016年2月でF/A-18E/FスーパーホーネットおよびE/A-18Gグラウラーの後継機の検討だった。(空軍もNGAD名称をF-22後継機に使うが、両軍の作業は別個に進み、統一機材にする予定もない)
- 一年半が経過したわけだが海軍チームは将来の空母打撃群で必要な性能内容と同時に大事なことは将来の脅威内容を詳しく理解出来たようだ。AoAを担当したリチャード・ブロフィ―大佐が海軍研究本部(ONR)主催の科学技術エキスポで語っている。
- 「後継機は広い範囲で検討している」とし、「システムファミリー」でスーパーホーネット、グラウラー両機の後継機となるのは戦闘機のみならず、派生型も多数生まれると見ていると述べた。
- 検討作業は少なくとも来年4月までかかるとブロフィ―大佐は述べ、NGADで想定する中心性能の詳細を説明してくれた。
- まず機体は無人が基本で場合により有人操縦となると前海軍長官レイ・メイバスと同じ発言をした。
- NGADで実現したいのが長距離飛行性能でブロフィ―大佐は現行の空母航空隊の航続距離が大きく制限されていることを指摘した。
- 「単に長距離飛べるだけでなくどれだけ内陸部に到達可能かを考えるようにしています。つまり兵装をどこまで到達させるかです」とし、「推進系の問題にもなり、どこまで効率を追求できるかです。燃料補給で戻らずに長く飛べればそれだけ良いことになります」
- もう一つ重要な性能はF-14トムキャットの時代の航空運用に戻るもおだ。つまり高速度飛行の追求である。
- ブロフィ―大佐からは海軍は空軍よりステルスを懐疑的に見る傾向があるが低視認性を将来のNGADに盛り込む可能性はあると指摘があった。だがF-35共用打撃戦闘事例の際ほどの高優先度は想定されていない。
- 「確かに残存性は必要ですが、ステルスは残存性確保の手段のひとつにすぎません。ステルスというとチャフ・フレアーをまず考えます。それで敵を毎回出し抜くことはできませんが、助けにはなります。ステルスは将来の姿の一部にすぎず、各国も同じ扱いです。あくまでも一部という考えです」
- ONR航空宇宙部のビル・ニッカ―ソンからはステルス以外に超軽量装甲や指向性エネルギー対策も含め機体残存性技術の開発が進んでいると追加コメントがあった。
- AoAが進むと海軍はスーパーホーネット・グラウラー後継機で選択肢が手に入る。最初の選択肢はなにもしないことだが即座に排除されるはずだ、海軍には現行機の退役が2030年代に始まるためだ。
- 2040年代の脅威環境を想定するとスーパーホーネット、グラウラー、F-35Cを追加導入する手もあり、各機の改修型で対応できるかの検討もありうる。
- 最後が新規開発事業で「画期的性能」を実現することだ。ただしブロフィ―は機体大量導入のためコストを低く抑える必要があると認める。「機数が肝心です。十分な機体数を導入する必要がありますね」と述べた。■
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