以下記事はガルフストリームが行ったメディアツアーの結果なので多分に同社の言い分が中心で内容は要注意です。こんな小型機でボーイング707原型機が行っているミッションがこなせるのなら大幅に運航経費がひらせていいのですが、大きいことはいいことだ、大は小を兼ねると信じる向きには簡単に信じられないでしょうね。
Gulfstream mounts pro-bizjet blitz ahead of major Air Force competitions ガルフストリームが空軍採用を期待しビズジェットを攻勢中
WASHINGTON — ガルフストリームは同社G550が空軍向け次期JSTARSおよびコンパスコールに採用されると期待し、空軍への営業活動を大々的に開始している。空軍は特殊作戦向け機材の次期機種検討も始まる。
- ガルフストリームはまず小型ビジネスジェット機でも要求水準は十分実現でき、大型旅客機は不要だと空軍の説得する必要がある。
- 「米国だけでなく世界各地で進行中の案件で商談していますが、根本的な課題は次世代機材はビジネスジェット機、旅客機のいずれを原型にすべきかという点です」とトロイ・ミラー同社軍用販売営業担当副社長が述べている。同社は報道陣を7月13日サバンナ(ジョージア州)に招き、G550生産拠点を公開し特殊用途への改装工程を見せた。
- ガルフストリーム社関係者はボーイングを名指さなかったが同社プレゼンテーションではJSTARSやコンパスコール向けにG550を提案する方がボーイング737-700のような旅客機を原型にするより優れているとの主張が中心だった。
- 「空軍が進める構想の方向性そのものについてはコメントできません。空軍上層部とは定期的に意見交換しています。空軍は当社機材の提供する性能に大きく関心を示していますよ」(ミラー)「最終的には空軍は最終決定を迫られます。どちらがふさわしいのか、どちらの提案が正しいのか。ただし世界規模での特殊用途の方向性を考えればビジネスジェットに向かうのが自然な流れと思いますよ」
- 今後数か月で空軍は特殊任務用機材二機種で重要な決断を迫られる。結果は各社競合にも影響を及ぼす。JSATRSの後継機選定は早くて来年初めでノースロップ・グラマンがガルフストリーム、L3と共同してボーイングに対抗している。ボーイングは737-700を提案し、ロッキード・マーティンはボンバルディアとチームを組みグローバル6000ビジネスジェットを提示している。
- ガルフストリームはコンパスコールでも採択を期待する。同事業はボーイング、ボンバルディアからの抗議を受けており、両社の言い分は調達方針がガルフストリームに有利にというもの。
- さらにミラーはビジネスジェットは電子戦、ISR、高官輸送、空中早期警戒にも転用可能と同社が見ていると紹介。ガルフストリームはE-3AWACSやRC-135リヴェットジョイント後継機候補にもなるという。
- 「これまでは大型機が必要と思われてきたミッション多数で旅客機を原型にしてきましたが今やガルフストリームが適正機材になっています。当社は各分野での応用に前向きに取り組んでいます」(ミラー)
- 「空軍は開かれた対話に前向きで当社製品の性能と将来のミッション要求内容に関する意見交換に乗ってくれています。二種類の機材で先入観による判断は働いていないことに自信があります。既存機種から推測が生まれがちですが当社は大きな可能性を見ています」
- 興味深いのはガルフストリーム社幹部が同業他社に言及しなかったことで、ボンバルディアはその例だ。そのかわりにG550のコスト低水準や高高度でのミッション能力、高速性能、中距離飛行性能が民間旅客機よりも有利だと主張した。
- G550の上昇限度51千フィートは通常の旅客機より10千フィートほど高いとミラーは指摘し、軍用装備で若干の高度性能、速度や航続距離が下がるのは共通と指摘した。
- JSTARS(共用監視目標捕捉攻撃レーダー機)の場合は地上、空中共に監視し戦場の全体像を作る必要があり、高高度飛行性能は有利に働く。悪天候や他機の飛行も避けられるとミラーは指摘。
- また同機の速度マッハ0.85は民間旅客機平均0.82より高く、高高度に早く到達できる。長い航続距離は途中の給油回数を少なくし現地で長時間情報を集められるとミラーは述べた。
- 他方でボーイングは737を原型に特殊用途機材として売り込む意向で、空軍の現行特殊用途機はJSTARTSであれAWACSあるいはリヴェットジョイントまでボーイング製旅客機の軍用転用型が大部分だ。
- ボーイングと同社支持派の主張は737-700のサイズが大きいことが大きな利点になるという。余裕ある空間、出力、冷却能力で追加装備の搭載が将来に発生しても対応できるからだとする。
- だがガルフストリームの言い分は違い、大きすぎることが良いとは限らないとする。
- 「拡張の余裕があるということはミッションに必要以上の機数を提供することになりませんか」とミラーは言う。技術の進歩で装備は小型化し電力消費も少なくなり、冷却の必要も減るということだ。人手も減るので乗員数も減らせるとミラーは続けた。■
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