新型空母が今夏就役します。ただし戦力化はまだ先ですね。システムが巨大で実戦化に時間がかかるのは仕方ないのでしょうか。トランプ大統領が散々こき下ろした新装備が早く効果を実証できるといいですね。
The Navy Gave Me A Sneak Peek of Its Most Powerful Aircraft Carrier Ever
最強の新型空母を米海軍が一足早く拝見させてくれた
July 11, 2017
- 米海軍は7月22日に新世代空母一号艦を就役させる。
- 就役し正式にUSSジェラルド・R・フォード(CVN-78)となる同艦は海軍航空戦力の未来そのものであり、史上最強かつ最先端の空母となる。
- 就役式典に先立ち海軍は The National Interestを7月10日に招き同艦搭載の新技術を公開してくれた。
- PCU(就役前艦)ジェラルド・R・フォードはノーフォーク海軍基地ふ頭に係留されている姿からして偉容があり、隣に並ぶニミッツ級空母USSドワイト・D・アイゼンハワー(CVN-69)、USSジョージ・ワシントン(CVN-73)、USSエイブラハム・リンカン(CVN-72)と違いは明瞭だ。
- まず目に入るのはフォードの艦橋がニミッツ級より小さいだけでなく位置が他の艦より140フィート(約43メートル)後方にあることだ。さらにフォードは文字通り新造艦であり、鎖に金メッキがついている。
- 巨大な艦内に三つある航空機用昇降機の一つ(ニミッツ級は四つ)から入ると、洞窟状の航空機格納庫は他空母と大して変わらない。しかし、ニミッツ級は三区画に分けているがフォード級は二区画で保守管理が簡単になったことに気付く。
- 艦内を上層階へ移動し艦橋に向かうと空調効果の違いに気づく。フォードの空調能力は9,900トンで乗組員の快適さだけでなく湿度制御で艦の維持管理にも役立つ。CVN-78級の狙いの中心は保守管理、効率両面の向上だ。従来型空母との違いとしてフォードはドック入りは12年に一回で済む。
- ブリッジを登ると艦内システムがはるかに高度なのがわかる。ズムワルト級誘導駆逐艦よりもだ。制御、航法関係はすべてデジタル化されタッチスクリーン式だ。過去を引きずるのは金属製ホイールのみで電子式操舵伝達システムにつながっている。非常時に備え緊急システムがついているが。
- 自動化が大幅採用され、電子電動系への依存が増えている。将来の電力需要増に対応してフォードの原子炉二基の出力はニミッツ級の250パーセントまで拡大された。建造中の姉妹艦PCUジョン・F・ケネディでは電動式昇降機が採用され油圧系が大幅に減る。
- 主航空機運用制御室の装備はニミッツ級とほぼ同じだとミニボス(航空副長)のジョン・ビール少佐が教えてくれた。少佐はボーイングF/A-18のパイロットでもありフォードの航空機運用関連装備の機能に絶大な自信を示している。
- 驚いたのは航空機運用制御フロアの下にある昔ながらの「ウイージャ盤」で飛行甲板上の各機の場所と状況を機体の形の板やピンやワッシャーで示す装備だ。フォードは自動化で艦載機の位置や状況を把握できるが乗組員はウィ―ジャ盤でバックアップしている。
- 「ウィージャ盤がないと飛行運用管制の気分が出ない向きのため維持しているのです」と航空機運用士官ジェイミー・ローマン少佐が説明してくれた。「もともとの設計では廃止されていました。というのは航空機の動きはADMACS(航空機関連データ管理制御システム)で把握できるからです」
- 次に飛行甲板に向かった。フォードでは飛行甲板の見直しがされ、全長は1,106フィート(約337メートル)でニミッツ級より幅が大きく、視覚的に相当大きく感じる。
- 鋼鉄製の甲板の下には電磁航空機発艦システム(EMALS)四基と高性能拘束ギア(AAG)一基があり、蒸気油圧方式の装置が廃止され、第四カタパルトの運用に制約がなくなった。艦上には給油装置が40か所にあり、兵装運搬用昇降機の構造が変更された。海軍は同艦が戦力化すれば以前の空母より25ないし30パーセント多いソーティ運用が可能と見ている。
- 副長ブレント・ゴールト大佐によれば就役後の目標は公試評価だ。7月末までに10日から12日のならし運用をしEMALSやAAGなどすべての装備を運用する。すべてうまくいけば、艦は正式認証を受け9月ないし10月はじめに航空機運用を行う。.
- 「新システムは相当の性能があります。課題は艦を連れ出して必要な性能が本当に出せるか試すことですね。危険な状況になっても戦力をしっかり発揮する必要がありますからね」(ゴールト大佐)
- フォード艦長はリック・マッコーミック大佐でEMALSとAAGは模擬荷重で作動チェック済みで宣伝通りに機能すると自信たっぷりだ。「EMALSは必要な仕事をすべてやってくれるでしょう。ただし大事なのは各装備の機能ぶりをテストし評価することです」
- マッコーミック艦長の説明通り、就役後のならし運用でフォード艦上の新装備をすべてテストし必要な修正箇所を洗い出す。その後フォードは造船所で追加工事を受けながら重要装備の搭載をする。その一つがデュアルバンドレーダーで未完成の作業が残っているのだという。
- その後再び海上でならし運用をし修正部分の確認と新装備の作動を確認する。すべて順調なら2020年まで戦力化し工程表通りなら航空部隊運用を2021年ないし2022年に開始する。
- 「時間がかかることばかりで、すべて一回でうまくいけば理想的なのですが、時間との闘いです」とマッコーマック艦長は述べた。「うまく動かないと再設定が必要となり、結果としてもっとうまく作動するようになればいいのですが、時間がかかりますね」
- フォードは海軍航空戦力を次の段階に引き出す期待を現実にしてくれそうだ。フォードの艦体はニミッツ級を原型としながら艦内部の再設計で余裕を生んでいる。排水量は10万トンとほぼかわらないものの、(洋上ではフォードはニミッツ級よりはるかに運動性が高いと述べる士官に会った。馬力が増加しているためだ)フォードは乗組員定数を減らしつつ保守管理が容易になり残存性を高めている。海軍の予想どおりなら運用期間全体で節約効果は40億ドルになる。
- マッコーマック大佐もF/A-18E/Fスーパーホーネットパイロットであり、運用側からすれば航空機運用がすべてだ。艦長もフォードで最初に着艦を望む航空士官のひとりだ。
- 「早く洋上運用したいですね。航空機の発艦着艦運用をしたいです。できれば自分のスーパーホーネットで発艦着艦を体験したいです」■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @Davemajumdar.
米海軍の空母艦長は航空機操縦資格が必要なのですね。フォード、ケネディ(二代目)と来て命名がされていない近代の大統領はニクソンだけですかね。(ジョンソンはズムワルト級三番艦)なおフォード級三番艦はエンタープライズになる予定です
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