戦闘機の形にはならない、ドッグファイトは想定しないとなると米空軍の文化そのものの破壊になり自由な発想から考え直しているのがわかります。米海軍はこれに対して従来型の延長で次期F/A-XXを考えているのでしょうか。そのため米空軍とは別の開発プロセスに入っているのでしょうか。数年後に研究成果の提言が出てくるのに期待しましょう。
Thinking Outside the Box for the Air Force’s Next-Gen Aircraft
空軍の目指す次世代機を自由に発想するとこうなる
- 米空軍が目指す次世代軍用機は従来の概念では分類できない機体になりそうだ。
- 航続距離はF-22ラプター、F-35共用打撃戦闘機より長くなるが、爆撃機のように特定任務に特化せず、ステルス塗料を使わない可能性もある。レーザーを搭載し残存性を高めるだろう。
- 上記は専門家が話題にしている内容で空軍は次世代機を敵防空網を突破し敵装備に打ち勝ち、ハイエンド脅威に対抗できる能力を実現しようとしている。
- 「検討を進めるうちに戦闘機という用語は使わないことになった」とアレクサス・グリンケビッチ准将(Enterprise Capability Collaboration Team室長)だ。ECCTは昨年、空軍の次世代航空優勢維持構想Air Supeority 2030を発表している。
- 研究報告では現状の戦闘機の欠点を把握し次世代の航空機、センサー、兵装でますます増大しながら予測困難な脅威環境に対抗させるべきとする。
- 「航空戦闘がドッグファイトを意味した時代は終わった」「ネットワークを構築し敵防空網を突破するため航続距離、残存性、威力を実現することだ」とグリンケヴィッチは語る。チームにはトム・コグリトー大佐がコンセプト構築主任として、ジェフ・セイリングが主任アナリストとして加わっており、三名は空軍協会ミッチェル研究所主催のイベントに招かれた。
- コグリトーからは別研究で求められる属性を把握したと紹介し、有人無人、航続距離、兵装種類を検討したという。結果は来年発表する。
- グリンケヴィッチは例として「ずっとステルスを唯一無二の存在としてきたことは全体として間違いだった。ステルス性能が高い方がいいと考えていた。残存性を論じる際は電子戦能力によるテコ入れが必要だし、スピードがモノをいう場合が多い」
- 准将はステルスは「入場料」だがスピードなど他要素も使い「脅威効果を軽減する」のだという。
- さらに「センサーがもっと重要だとわかりました」とし、長距離センサーで弾道ミサイルや巡航ミサイルを識別することを重要視しているのは「センサーにより撃破できるだけでなくスタンドオフ兵器を遠距離運用できるようになるからだ」
- 指向性エネルギーが次世代機の「ウェポンシステム」の一部になるのだろうか。また現行機にも搭載されるのか。まだ肉付けの途中だとセイリングは述べる。「指向性エネルギーはもうすぐ実用化できます。相当の進展が生まれています」
- セイリングによるとレーザーは「期待が高いが統合化が相当必要で機体搭載できる状態ではない」という。
- 防御用か攻撃用なのかは「システムとしてどう統合するかの問題」だという。
- ただしコグリトーはレーザーは正式要求の装備に入っていないという。つきつめればA2ADとして知られる高度の接近阻止領域拒否防空体制でレーザーでどこまで残存性を期待できるかだという。「レーザー以外の選択肢も検討しています」というが詳細に触れていない。
- 「弾薬類も急速に進化する必要があります」とグリンケヴィッチは述べた。「脅威内容の進展に応じて多様化していくでしょう」■
写真は ノースロップ・グラマンが2016年2月のスーパーボウルCMで見せた第六世代戦闘機コンセプト。(Northrop Grumman)
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