写真は今回の演習のものではなく、くらま(DD-144)が写っているので以前の共同演習の際のものですね。日本国内でこの演習の意義、インド太平洋の秩序の維持=中国へのメッセージの重要性を理解している人がどのくらいいるのでしょうか。オーストラリアが中国マネーに目がくらみふらついているのは中国にとって奇貨なのでしょうね。しかし海上自衛隊はいつになったら「護衛艦」の名称をやめるのでしょうか。国内向け海外向けでつかいわけるのはダブルスピークのようですね。
US, India and Japan launch joint naval exercises to keep China in check
米、印、日共同海軍演習の狙いは中国へのけん制だ
NEW DELHI —米国、インド、日本三カ国の海軍がマラバール2017演習をベンガル湾で開始した。
- 米海軍USSニミッツ、インドのINSヴィクラマディティア、海上自衛隊からJSいずもの空母三隻が参加し、第21回演習は7月10日から17日の会期で幕を開けた。今回の狙いのひとつがインド洋で存在感を高めつつある中国の動きへの対抗だと専門家はみている。
- 米第11打撃群司令ウィリアム・バーン少将はチェンナイに集まった報道陣にマラバール2017の戦略的なメッセージは国名は出さずに「誤解の可能性を排除」することで、「こちらは結束している」と示すことと述べている。
- グルプリ―ト・クラナ(インド海軍大佐・国家海洋財団専務理事)は「マラバールの本質はインドと米国の共同演習であり、日本も参加して拡大したが各国の国家戦略をインド太平洋地区で集結させ、海洋軍事協力体制を機能させることにある」と述べる。
- 「今年の演習の特色は空母運用、防空、対潜戦(ASW)、水上戦、臨検拿捕(VBSS)、捜索救難、共同操艦、戦術行動」だとインド国防省の公式報道資料にある。
- インド海軍の花形は空母INSヴィクラマディティアと搭載航空部隊で、誘導ミサイル駆逐艦ランヴィール、ステルスフリゲート艦カモルタ、ミサイル海防艦コラおよびクリパン、ロシア製シンドゥゴーシュ級(キロ級)潜水艦一隻、給油艦INSジョティ、米国製長距離哨戒機P-8Iが加わる。
- 米海軍はニミッツ級空母と艦載機に加え、タイコンデロガ級巡洋艦プリンストン、アーレー・バーク級駆逐艦キッド、ハワード、シャウプ、ロサンジェルス級潜水艦1およびP-8A一機を派遣。
- 日本はヘリコプター空母JSいずもにSH-60Kヘリコプターを搭載し、ミサイル駆逐艦JSさざなみと派遣している。
- マラバール演習は1992年に米印共同演習として始まり、2015年に日本が加わり三カ国体制となった。
- その途中の2007年に日本、オーストラリア、シンガポールが招待され五カ国演習になっている。
- だが中国が演習拡大に外交面から反対姿勢を取り、再び米印二カ国演習の形にもどったが2015年に日本が正式に加わった。
- 「インド、日本、米国の三カ国に比べるとオーストラリアは戦略上の優先順位を明確にしておらず三カ国に加わり中国の横暴な行動を『緩和』する役目を果たしていない」とクラナは見る。
- オーストラリアの参加を実現する条件としてクラナは「インドにとってオーストラリアとの協力はインド洋の秩序維持で極めて重要です。そのためマラバールにはぜひ参加してもらいたいが、中国に対するあいまいな姿勢を直してもらわないといけません」と述べる。
- 「マラバール演習の背景にはインド、米国、日本の三カ国が中国海軍の劇的な拡大と活動増強の現実を憂慮していることがあります」とプロバル・ゴッシュ退役インド海軍大佐・国防アナリストは言う。「インドは中国の潜水艦、水上艦、給油補給艦がインド洋に大挙出現していることを懸念しています」■
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