スキップしてメイン コンテンツに移動

ISIS戦は新たな局面に入ったのか、無人機から攻撃を受けた米軍特殊部隊


イラク、シリアでは敵対勢力が空軍力を持たない前提で作戦を実施した来たため今回の無人機襲撃事例はショックでしょう。無人機を有効に活用すれば効果を上げるのも可能だと示しています。さらに無人機の製造元がイランであり、イランへの警戒をあらためて強める効果も生まれそうです。


U.S. F-15E Downs Iranian-Built Syrian Drone After Airstrike on U.S. Led Forces 米F-15Eがシリア無人機を撃墜したが、イラン製無人機は米軍主導の地上部隊を空爆していた

By Tom Demerly Jun 09 2017

 

  1. ストライクイーグルがシリアの無人機を撃墜したがその前に同無人機は反アサド地上部隊を攻撃していた。ストライクイーグルの撃墜例は湾岸戦争終結後二件目になった。
  2. 反アサド勢力のシリア軍を補佐中の米特殊部隊軍事顧問団がシリア政府に近い勢力が操作するイラン製シャヘド129型無人機の攻撃を受けた。6月8日に発生したと米陸軍が発表した。
  3. これに対し米空軍F-15Eストライクイーグルが同無人機を撃墜した。
  4. 現場はアル-タンフ、シリア南部でヨルダン国境に近い地点。アル-タンフには前線基地があり英米特殊部隊がISISに対抗するシリアゲリラ部隊マガウィル-アル-タウラ(「革命戦士部隊」)を援助している。同部隊はシリア地元の特殊作戦部隊で連合国勢力から訓練支援を受けながらアサド政権を相手に戦っている。
  5. 米軍はF-15Eストライクイーグル一機に無人機の探知撃破を命じた。米軍が敵対勢力による攻撃を空から受けるのはほぼ20年ではじめてで、ストライクイーグルが空対空戦で撃墜したのは1991年にイラクの武装ヘリコプターの撃墜事例以来二件目となった。
  6. 不朽の決意作戦の統合共同タスクフォース広報官ライアン・ディロン米陸軍大佐によればアサド政権所属の無人機が米顧問団とシリア革命戦隊を攻撃したが「連合軍部隊に被害は発生していない」
  7. 「政権側のUAVは米MQ-1プレデターに類似し、米空軍機が撃墜する前に搭載兵装の一部をISISに対抗する地上部隊の訓練支援にあたる連合軍人員の近くに投下した」との声明文を発表。「今回の撃墜の前に同日には連合軍が政権側テクニカル車両二台を破壊している。車両は武装衝突回避地帯内部に侵入し連合軍・提携勢力部隊の脅威となっていた」
  1. ペンタゴン担当記者タラ・コップは米軍機が無人機を撃墜したとツィッターで真っ先に報じた一人である。
  2. アル-タンフ周辺の34マイルにわたる地帯は「武装衝突回避地帯」として連合軍が設定している。緩衝地帯とし英米が支援する反アサド部隊の安全を図るのが目的だ。だが同地帯内部で事件数件が発生しており米軍による対応が必要とされてきた。6月6日火曜日には米海軍F/A-18ホーネットが爆弾四発を投下し推定10名の親アサド勢力戦闘員が死亡し、車両数台を破壊している。
  3. 親アサド勢力がイラン製シャヘド129無人機を近辺から操作した可能性がある。
  4. 注目されるのは、同地域での米陸上部隊がはじめて航空攻撃を受けたことだ。イラン製シャヘド129はヒズボラも2012年にイスラエル戦に投入している。イスラエルも無人機を撃墜していたが、テロ集団の運用能力が危険なエスカレーションをしたことが話題になっていた。■
イラン製シャヘド129武装無人機 (Iranian News Media)


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ