すごい、これが実用化されれば設計の自由度も上がりますが、機体を広くアンテナとした画期的な機体が生まれます。民生への活用も可能ですね。可能性が大きく広がる革新的な技術になりそうです。
液体アンテナ用の複合材の試作品。(内部には液体金属は充填していない) 空軍研究実験部門がDoD Lab Dayでペンタゴンにて展示した。(Photo: Oriana Pawlyk)
Air Force Works on Liquid Antennas for Aircraft Adaptability
米空軍が液体アンテナの航空機搭載可能性を模索中
米空軍研究部門が液状アンテナを開発中で実用化となれば航空機の通信機器で変革が生まれそうだ。
- 「実戦で必要なアンテナの種類が不明だと8-9本のアンテナを立てることになり、それぞれ周波数や用途が違うのです」とクリス・テイバー研究員は言う。
- Military.comがペンタゴンで開かれた国防総省技術展示会で研究スタッフに取材している。
- 空軍はミッションごとに各種電子機器を対応アンテナをあわせて機体に装着しているとテイバーは説明。しかし「一種類で全部用が足りるなら重量軽減になります」
- 空軍研究部門は作戦遂行に必要となる各周波数に対応できるチャンネルシステムを開発中だ。
- これを機体に搭載し、液体金属を充填すれば「どの周波数や指向性に対応できるアンテナが生まれます」とテイバーは述べる。
- またチャンネルは複数にし複合材内部に封印できる。「液状ですから移動は簡単でチャンネルの中に充填できます
- 「70メガヘルツから7ギガヘルツまでテスト済みで、これだけあれば相当の周波数帯をカバーできます」
- 機体にアンテナとして搭載するには二つの方法があるという。「液体金属を物理的に移動させれば電子機器の形状も変わります」「もうひとつは液体を柔軟な構造に充填し、電子機器そのものをストレッチできます」とし、柔軟性のあるハイブリッド電子機器NextFlexに言及している。(写真下)
フレキシブルハイブリッド電子部品も液体アンテナ実験に使われている。 (Photo: Oriana Pawlyk)
- 2015年に国防総省は「フレキシブル。ハイブリッド電子機器製造のための革新技術研究構想」として企業、大学、非営利団体162機関をまとめたFlexTech Allianceで同様の研究を行わせている。
- 「常温で液状になる金属は限られます。水銀はそのひとつですが、水銀はまき散らしたくないですね」と研究員のブレント・ヤング少尉は述べる。
- ただしガリウムは華氏87度で溶融する。ガリウム複合材は電子製品では頻繁に使われているとテイバーは指摘する。
- 「インジウムなどと合金にすれば溶解点は19度から17度低くなります。室温近くまで持っていけます」(ヤング)
- 今までのところ試験研究は実験室限定だが、次の段階は航空機に搭載することでMQ-9リーパー無人機を想定している。
- ヤング、テイバー両名は今後7年ないし10年で液体アンテナ技術が実用化されると見ている。■
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