米空軍第96遠征爆撃飛行隊所属のB-52が不朽の決意作戦でイスラム国を相手に作戦中。2017年2月13日撮影。
(U.S. Air Force photo/Jordan Castelan)
以前からお伝えしているB-52エンジン換装の動きですが、来年度予算に検討用予算が付く見込みで、米議会も必要性を認め高い優先順位をつけているようですので実現に向かっていくようです。ただしその動きは意外にゆっくりしているようですね。
Air Force Eyes Replacing B-52 Engines
B-52エンジン換装の検討を進める米空軍
- 米空軍が2018年度予算要求で10百万ドルをB-52エンジン換装に備えリスク低減活動用に計上している。
- 承認されれば供用期間が60年を超えたB-52ストラトフォートレス爆撃機で大きな一歩となる。
- また予算案では227百万ドル超をB-52改修に向けると空軍報道官ローラ・マクアンドリュースがMilitary.comに伝えてきた。
- 総計13.4億ドルを2018年度から2022年度にかけ支出する要求でレーダー近代化、戦闘ネットワーク通信技術の導入、機体内兵装庫の改修、戦術データリンク統合が内容とマクアンドリュースが説明。
- このうち、兵装庫改修はIWBUと呼ばれ、「GPS誘導方式の共用直接攻撃弾搭載量がほぼ二倍になる」と第96爆撃飛行隊で兵装システム教官を務めるケニー大尉が説明している。保安上の理由で本人の姓は伏せた。「外部搭載をなくせるので抗力が減り、航続距離が延びる」
- B-52を2040年代まで供用したいとする空軍に対し議会は装備近代化の優先順位を高く認めている。エンジン換装で燃料消費で改善効果が期待される。
- 「エンジン換装で整備時間は95パーセント減り、大修理は事実上不要となり、燃料消費は30パーセント減ります」とマデレイン・Z・ボーダロ下院議員(グアム)が下院軍事委員会シーパワー兵力投射小委員会で5月25日に説明している。
- 「空軍にはB-52のエンジン換装で将来のコスト増加を回避し作戦効果を実現する企画があるのでしょうか」と同議員が発言。
- 公聴会には国防長官付け空軍副代表のアーノルド・W・バンチ中将、空軍参謀次長ジェリー・D・ハリス中将、空軍参謀次官スコット・A・ヴァンダーハム少将が出席。
- 「現行のB-52エンジンが供用期間中に寿命が来ることが分かっています。供用期間を延長するか、新エンジンに切り替えるか決めねばなりません」(バンチ中将)「選択肢すべてを検討中です。18年度に若干の予算を確保し、初期分析を選択肢に試したい」とバンチ中将は10百万ドルのリスク低減策に言及した。
- バンチからはエンジン換装は燃料消費の改善だけが目的でなく、給油機の活動を減らし、作戦執行の簡素化とともに人員投入量の削減も目指すと説明し、「整備要員を減らしながら作戦効率が引き上げられます」
- B-52は空軍グローバルストライク司令部の下で砂漠の嵐作戦やイラクの自由作戦さらに最近はISIS相手の戦闘に投入されてきた。
- 太平洋方面に10年近く展開していたが、昨年はB-1Bランサーがかわりに投入され、同地区での爆撃機継続プレゼンスを維持した。
- 直近ではRAFフェアフォード基地に先週配備されており、まもなく開始されるヨーロッパ演習に参加すると空軍が発表している。■
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