スキップしてメイン コンテンツに移動

A400Mの進展で評価が分かれる独仏当局


A400Mの実用化も時間がかかっていますね。思い起こせば当ブログの最初の記事が同機開発の難航の話題でしたから相当の時間がかかっているわけです。これならC-17を買っておいた方が安かったと思うのですがヨーロッパには別の考え方があるのですね。C-2もまだトラブルがあるようですので他山の石とするべきでしょう。

ShowNews

French Air Force Happy With Airbus A400M Progress

フランス空軍はエアバスA400Mの進展ぶりに満足

Jun 19, 2017Thierry Dubois | ShowNews

A. Jeuland/French Air Force

  1. エアバスA400Mの運用能力整備の進展ぶり、さらに納期の遵守を見て、フランス空軍が同機事業を好意的にとらえている。
  2. 「同機の進展を肯定的にとらえている」(アンドレ・ラナタ参謀総長)とし、11機調達したうち6機の稼働状況に満足している。残る5機は通常点検あるいは初期作戦能力獲得のため改修中。エアバスは2016年末までに6機納入の公約を守った。今年上半期の納入も予定通り進めている。
  3. 今年末には9機が稼働可能となる。ラナタ参謀総長は今後も納期通りの引き渡しを期待し、2018年末には15機がそろうとする。最終的には50機になる。
  4. ドイツ空軍はそこまで同機を買っていない。ドイツはA400Mの稼働率、戦術性能不足で不満を感じている。パワーギアボックス(PGB)問題で納入遅れが発生し、飛行運用も影響を受けた。ラナタ参謀総長は緊急対策を有効と見ているが、恒久措置は未確立で今年後半に登場する見込みだ。2016年はPGB問題が戦術能力整備の脚を引っ張った。
  5. フランス空軍は同機の性能をフルに引き出そうとし輸送業務の在り方を変えようとしている。NH90多用途ヘリをマリまで搬送し、同日中にフランスへ戻れる戦略意義を示した。さらにフランス曲技飛行チーム「パトルイユ・ド・フランス」に一機が随行し米国内を回り、50名と貨物25トンを運んだ。小型低速のC-160トランザールなら四機必要だった。機体に信頼度があるのでイラクに着陸できたと空軍報道官は述べている。
  6. 戦術輸送機として未整備滑走路を利用でき、後部ランプから貨物・兵員を投下し、電子妨害にも対抗できる。
  7. ただし完全作戦能力(FOC)が成立していないのは電子対抗措置装置が未整備なことが大きい。現在の性能は要求水準に足りずロシア製地対空ミサイルへの対抗で弱いままだ。
  8. またヘリコプターへの空中給油能力が未完成だ。エアバスがこの実用化をできない場合、「C-130Jを追加調達する」と空軍報道官は言う。フランスはロッキード・マーティンC-130Jに回転翼機用空中給油能力を付与し4機発注中で、2017年から19年にかけ受領する。
  9. さらにFOCへの道を閉ざしている要素が空中投下だ。落下傘兵が機体側部のドア両方から同時に脱出できず強襲作戦の効果を減らしている。機体後方の乱気流が大きく、落下傘兵が空中衝突する可能性がある。
  10. IOC、FOCとは別にフランス空軍はエンジン制御標準化の克服も目指している。ソフトウェアで回転数を一定にするとラトナ参謀総長は述べ、乗員が機材を乗り換えても同じ標準で運用できるようにしたいとする。「現状はきわめて面倒」という。そのため機材内でエンジン制御の標準化が必要だとする。これができないと最新のソフトウェアに慣れた乗員で初期仕様機体の操縦で支障が生まれるという。
  11. エアバスはエアバスヘリコプターCEOギローム・フォーリ(フランス人)をエアバスグループのフランス政府担当に任命した。■

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ