米空軍は近い将来は第二次大戦後一貫して米空軍が享受してきた航空優勢は確保できない想定のようです。しかしCAS機材に航空優勢任務まで期待できないので、結局任務に特化した機材を複数準備するしかないのですね。この点で単一機能しか果たせない機種は整理するとした以前の空軍の考え方は根本的に間違っていることになります。(ただしA-10退役案は本心ではなかったと今頃になって弁明しているようですが) A-29などターボプロップ機はOA-Xという別のCAS構想なのでA-10とそのまま比較するのが間違っています。そうなると既存A-10の供用期間延長を図るか、新たに生産するしかないと思うのですが。F-35がCAS任務でA-10に匹敵する性能を出せないと空軍もあきらめているのでしょうかね。
Air Force Advances Future Plans for the A-10
A-10の今後の活用案の検討が進む
Yesterday at 11:15 AM
http://www.scout.com/military/warrior/story/1661272-air-force-to-build-new-a-10-attack-aircraft
米空軍の進めるA-10後継機戦略からは新型機が生まれる可能性、既存機種の改修、さらにA-10改修の可能性も生まれそうだ。
- 空軍は「A-10」相当の機体に必要となる速度、威力、耐久性等の性能検討を開始し、米軍地上部隊に効果的な近接航空支援を提供する手段を引き続き実現しようとしている。
- 空軍は「要求性能原案」を作成中で、エイビオニクス、技術、兵装、装甲、技術冗長性がどこまで必要かを検討しているとScout Warriorに伝えている。
- A-10の中核技術や戦闘能力の多くはそのままとし、さらに伸ばすものもあると関係者は述べる。
- A-10ウォートホグはISIS相手にすぐれた攻撃性能を示しており、空軍が同機の退役を先延ばししたこともあり、空軍は長期視点からA-10と同様の機体の実現に本腰を入れている。
- ペンタゴン上層部から最短でも2022年までA-10を供用すると発表があったことを受け、空軍とDoDはA-10は当初想定より長期にわたり実戦投入可能とみている。
- グローバルな脅威内容を意識し、空軍がA-10を温存するのは理にかなっている。ISIS攻撃では原油輸送車列他の攻撃に威力を発揮しているが、それ以外に多彩な兵装を運用でき、レーザー誘導爆弾や精密兵器も含まれる。
- 30mm機関砲、チタン製装甲板、近接航空支援用に冗長性をもたせたA-10は機械化部隊の撃退にも有効だ。A-10には広範な種類のシナリオで他機でまねができないすきま任務をこなす能力がある。戦闘員鎮圧から地上部隊支援、大規模戦での火力提供、防護、地上部隊支援までだ。
- 空軍関係者はScount Warriorに対して現時点で三つのアプローチを明らかにした。一つが現行A-10の大規模性能改修と供用期間延長で、その他既存機種を調達する、全く新規の機体を近接航空支援用に開発することだという。
- 「要求性能原案をまとめているところです。完成すれば現状と比較し、A-10を継続使用した場合との比較、別機材で交替させた場合の比較、と検討を進めていきます」とジェイムズ・ホームズ中将(空軍参謀次長、戦略構想機体性能とりまとめ責任者)が昨年に報道陣に語っていた。
- ホームズ中将は空軍全体として長期間ハイエンド戦闘の際に「航空優勢」を確立、維持、保持する方策を模索していると述べている。近接航空支援用の後継機でもこの課題は無視できないという。
- そのため、空軍は近接航空支援機の「適正度」を図るため既存機種と新規開発機との間の違いも含め多方面からの検討を重視するはずだ。
- ホームズ中将は選定では機体価格と並び維持費用が極めて大きな要素になると述べている。
- 既存機種で検討対象に入っているのはレイセオンのT-XやエンブラエルA-29スーパーツカーノなどがある。
- 予算手当できれば空軍には大きな意味が生まれる。前空軍参謀総長のマーク・ウェルシュ大将はA-10退役案があったが空軍は実はそのまま退役させることは望んでいなかったと述べている。A-10退役案は純粋に予算が理由だったと空軍上層部は一貫して説明していた。ウェルシュ大将は「退役させたくない機種だ」と昨年3月に議会で発言していた。
- 空軍上層部からは多用途F-35が近接航空支援任務を引き継げるはずと述べていた。センサー技術と25mm銃と操縦性を武器にF-35が任務を実施できないはずはない。だが同時にA-10が他に比類のない戦場での実績を示しているからこそ何十年にわたり温存されているとの見方は全員が一致したところだ。■
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