アーレイ・バーク級は大量建造しつつブロック式にその時点で成熟化した技術を導入して戦力を拡張する設計思想になっています。ズムワルト級、LCS(沿海域戦闘艦)ともに期待された戦力にならず、当面はバーク級が米海軍の大黒柱になりますのでこの拡張性は大きな意味がありますね。またシリア空爆で示されたように対地攻撃能力もあり大変頼りがいのある艦です。
The U.S. Navy's Next Generation Flight III DDG-51 Destroyers are About to Get a Powerful New Radar 米海軍の次世代DDG-51級駆逐艦フライトIIIに強力な新型レーダー搭載へ
May 10, 2017
- レイセオンが米海軍から327百万ドルでAN/SPY-6(V) 対空ミサイル迎撃レーダー(AMDR)の低率初期生産契約を交付された。レーダー三基を製造し、フライトIII版のアーレイ・バーク級 (DDG-51) 駆逐艦に搭載する。
- 「生産段階に入るのはレイセオン、海軍、ならびに各一流メーカーのたゆまぬ努力の成果です。わずか三年で技術開発、製造開発段階を終え、技術実証モデルの技術成熟度を上げ、高性能レーダーを実現したのです」とレイセオンで防空ミサイル防衛レーダー開発を担当するタッド・ディッケンソン部長が述べている。「本日生産を開始します。納入に一歩近づき、海軍向けに防空・ミサイル防衛双方に対応可能なレーダーが生まれます」
- ガリウム窒素技術をもとに生まれた新型レーダーは現行AN/SPY-1の数倍強力となる。AN/SPY-1はアーレー・バーク級駆逐艦およびタイコンデロガ級巡洋艦が搭載中。DDG-51各艦が搭載するSPY-1D(V)と比較すればSPY-6(V)は二倍の距離で現行の性能限界の半分の大きさの目標を探知できる。レイセオンは「AN/SPY-1D(V)比で30倍以上の感度が実現する」と述べる。
- 同装備は完全デジタル式でソフトウェアにより変更可能だ。基本は民生コンピュータのハードウェアのためSPY-6(V)は将来において簡単に仕様変更できる。SPY-6(V)は「デジタルビーム形成を調整可能でずばぬけた性能を厳しい環境でも発揮できる。クラッターが多く、ジャミングを受けていても大丈夫」とレイセオンは説明。「プログラム変更式なので新規ミッションや今後出現する脅威にも対応できる」
- SPY-6(V)がSPY-1より優れる点に民生用プロセッサーを採用したことがある。「AMDRにはプログラム式のバックエンドレーダー制御機能に民生用のx86プロセッサーを採用している」とレイセオンは説明。「プログラム変更可能式により今後登場する脅威にも対応できる。民生x86プロセッサーはハードウェアの置き換えを簡単にする」
- SPY-6(V)は最初から各種艦船搭載をめざし、自由に拡大縮小できる構造になっている。アクティブ電子スキャンアレイ装置が複数のレーダーモジュラーアッセンブリー(RMA)(2フィート立方体)に入る。各RMAを組み合わせてレーダーアレイが構成できるのでシステムの縮小拡大が可能となった。14フィート版がフライトIIIのバーク級に用意されるがRMAは合計37基搭載される。レイセオンはもっと大きなアレイ構造によるレーダーを将来の巡洋艦向けに準備できるとする。「RMAを組み合わせてミッションで必要とされる大きさのアレイを準備でき」「AMDRは海軍初の拡張性のあるレーダーになる」とレイセオンは説明している。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
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