古い機材をやりくりして使うロシア軍ですが、なかなか更新機材が出てきません。PAK-DAは絵に書いた餅で、基礎ができているTu-160の改修型を作るほうが現実的というのがロシアの判断なのでしょうか。総合的にロシア航空産業の実力は相当下がってきている気がします。
Russia’s Tu-160M2 Blackjack Supersonic Bomber: A Cruise Missile Carrier? ロシアのTu-160M2超音速爆撃機は巡航ミサイル運用を狙う機体になるのか
April 12, 2017
- ロシアのTu-160M2ブラックジャック超音速戦略爆撃機の生産は2022年に始まる予定だ。ロシア航空宇宙軍は同機を30機ないし50機発注すると見られる。Tu-160はソ連最後の戦略爆撃機として1991年のソ連崩壊前に登場した。
- 「2021年にR&Dを完了し、量産を2022年から開始したい」と合同航空機企業を率いるユーリ・スリューサルがロシア国内テレビの取材で答えているTASS通信が伝えている。「発注元と金額交渉中で30機から50機になると見ている」
- 同機は年間2機ないし3機のペースでカザンで生産されるようだ。ロシアの国防装備案件では珍しいがTu-160M2はきわめて現実的かつ高性能機材だ。「改修により性能を高めた機体になる」とマイケル・コフマン(ウッドロー・ウィルソン国際センターのケナン研究所主任研究員、ロシア軍装備専門家)はThe National Insterestに述べている。「PAK-DA(ステルス爆撃機)が実は夢の存在で現実的な解決策はTu-160の近代化だということです。またロシアが核運用の三本柱を維持する姿勢を見せつけるものです」
- ロシア筋もコフマンの評価と同意見だ。ワシリー・カシン(モスクワ高等経済学研究所内総合欧州国際研究センター上席研究員)が新型ブラックジャックの準備が進行中と述べている。「この機体は実際に製造されます」とThe National Interestに語っている。「実作業が行われており、50機生産になるでしょう」
- Tu-160初期型と同じく新型もマッハ2.0超の飛行速度を誇り、新型ブラックジャックは巡航ミサイル母機としてスタンドオフで核兵器を運用する。新型ではエイビオニクスを一新し、推進系や機体構造にも手を入れる。そうなると精密爆弾の運用は二次的になる。「まず巡航ミサイル母機で二次的に精密爆撃を実施するはず。相当の機体近代化を受けるだろう」(カシン)
- 新型Tu-160M2はロシアの国防装備更新事業の一環であり、戦略装備重視の具現化である。ロシア国防省は航空宇宙防衛に重点的に予算を計上しており、戦略核部隊、ハイテク兵器や無人機に注力しており、2018年から2025年まで実施される。
- Tu-160M2はクレムリンの軍事装備に強力な切り札になりそうだ。生産されるかではなく、いつ生産されるかの問題だ。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
Image Credit: Creative Commons.
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。