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★SM-6の性能拡大には期待ができる=ミサイル防衛、対水上艦攻撃



Visit WarriorBreakthrough - Missile Defense Agency Fires 2 SM-6 Interceptors at Once - Testing New Seeker Technology

突破口になるか。ミサイル防衛庁がSM-6迎撃ミサイルを二発同時発射に成功。新型シーカー技術の効果を実証。

KRIS OSBORN

Yesterday at 9:35 AM



ペンタゴンはスタンダードミサイル-6を弾道ミサイル標的にむけ二発連続発射し新型シーカーの性能を実証した。
  1. 「アクティブシーカー」技術でSM-6ミサイル二発は同時に同じ目標の追尾破壊に成功し、迎撃破壊確率が引き上げられた。
  2. 「これで目標がどんな動きをしても命中の保証が確実になります。目標が方向を変えたり異常な動きを示した場合、一発目が探知に失敗しても二発目で仕留めます」とレイセオンでSM-6を担当する上席部長マイク・カンピシがScount Warrior取材に述べている。

  3. ミサイル防衛庁は今回の実験について海軍駆逐艦から「SM-6デュアルIミサイルを連射し、中距離弾道ミサイル標的に向かわせ、海上配備高高度大気圏内防衛能力を実証した」と発表。

  4. これまで艦艇発射の迎撃ミサイルは迅速な連続発射ができず、目標迎撃の可能性を高めることで限界があった。その理由はミサイルが艦艇が照射する目標捕捉情報に依存していたためだ。

  5. SM-6はいろいろな点でユニークな存在だ。まず、アクティブシーカーを搭載し、光速で電磁信号を前面に発射し、反射を得て移動目標への命中率が高まり、短時間に連続発射が可能だ。光速は定義済みで移動時間を決定すればコンピューターは目標の正確な距離を計算できる。この技術がソフトウェアアップグレードでSM-6に組み込まれた。

  6. アクティブシーカーがミサイルは攻撃の飛翔制御に役立つし、海上の移動目標にも有効だ。艦船からの照射・反射に依存しないためだ。

  7. この技術があれば艦船はSM-6を連射する、あるいは今までより短い間隔で発射でき目標ミサイルが複数の場合にも対応できるようになる。

  8. 「艦船からはミサイルに交信したり照射しながら、ミサイルも独自に標的をとらえることができます。アクティブモードでこれが可能となります」(カンピシ)

  9. そこでSM-6の「アクティブシーカー」で艦からの照射に依存せずに独自に飛翔できる。

  10. SM-3と比較するとSM-6迎撃体は敵の弾道ミサイルの降下段階で近接距離で迎撃できる。

  11. 弾道ミサイルを撃破以外に「攻撃」ミッションも最近追加されており、敵水上艦の攻撃あるいは水面近くを飛翔する対艦ミサイルの防御迎撃が可能となった。さらにSM-6は対空防御も可能でヘリコプター、無人機含む空中の脅威を排除できる。

  12. 「一本のミサイルで多様なミッションに対応できます。つまりこのミサイルがあればミッション3つをこなせるわけで他のハードウェアにはない特徴です」(カンピシ)

  13. カンピシと海軍上層部は脅威環境が急速に変化しているため、新しい高度攻撃防御技術が米国の優位性を保つため必要だと強調している。

  14. 「弾道ミサイルは各種プラットフォームから発射できるようになっており移動式発射台もある。固定式発射基地もあり、艦船からも停発射可能だ。となるとどこからでも発射できることになります」(カンピシ)

  15. そこで昨年のSM-6発射テストで水上艦をハワイ沖で沈没させたことで防空、ミサイル防衛想定だったSM-6が攻撃にも転用できることになり戦略的意味が加わった。「対水上艦攻撃テストでSM-6でペリー級フリゲート艦を撃破しました。SM-6で水上目標を攻撃できることが実証出来た意味は大きいです」(カンピシ)

  16. この事例ではSM-6発射でソフトウェア機能を分析する目的があり、水上目標を追尾破壊する能力があることがわかった。

  17. SM-6を水上目標攻撃に転用すれば水上攻撃力の追加となる。SM-6はSM-3より大型で攻撃手段としても機能することが実証されたわけだ。

  18. 「システム全体をテストしました。予想通りの機能を実行し結果は予想以上でした。海軍艦艇はこれを使って攻撃でき、同時に広域防衛も可能です。文字通り分散攻撃力となります」(カンピシ)

  1. SM-6を多用途に使えるのはソフトウェアの手直しによるものだとカンピシは説明。「システムは目標を識別し、信号を標的に送ります。信号によりソフトウェアパスとアクティビティを選択しミッションに応じた機能を実施します」

  2. SM-6は2013年から供用中で米海軍は250発を保有。海軍はレイセオンに270百万ドルで2016年度用のSM-6生産契約を交付している。ミサイルの最終生産はレイセオンのSM-6およびSM-3完成工場があるアラバマ州ハンツビルのレッドストーン兵器廠で行われる。

  3. 新しく登場したNIFC-CA海軍統合火器管制対空技術では、対艦巡航ミサイルはSM-6に対応させる。NIFC-CAは昨年から導入が始まり、E-2Dホークアイ早期警戒機やF-35を空中センサー機材として使い、標的情報を中継する。

  4. SM-6は巡洋艦、駆逐艦の現行垂直発射管では運用できない。今後海軍がこの点を改善するのは想像に難くない。今後は沿海戦闘艦、フリゲート艦、強襲揚陸艦や空母からも運用できるようになる。

  5. SM-6開発はその他ミサイルや攻撃防御手段の開発と並び、海軍がめざす「分散攻撃力」戦略の一環で、艦艇に次世代通信技術や最新の長距離攻撃防御兵器の導入を目指す。■



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