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米空軍F-16の供用期間延長はF-15早期退役の布石なのか


F-16でF-15の役割を果たせるのか、米空軍が本当にそう考えていれば危険な状況になりませんかね。PCAがどうなるのかまだまったくわからないままで2020年代は戦闘機には厳しい時代になりそうです。

Aerospace Daily & Defense Report

With Structural Mods, F-16 Will Fly Through 2048 機体改修でF-16供用期間は2048年まで延長

Apr 12, 2017Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report

F-16 SLEP: Lockheed Martin
  1. 米空軍がロッキード・マーティンF-16の耐用期間を現在の8千時間から12千時間に延長する事業を承認したことから、F-15C/Dイーグル退役への第一歩になるのかとの疑問が生まれている。
  2. 機体構造の強化はF-16Cブロック40-52の300機が対象で2048年まで十分使用できるとロッキードは広報資料で述べている。
  3. F-16が2048年まで飛ぶ反面、空軍は200機あるF-15C/Dを予定より20年早く2020年代中に退役させる検討中。予算が厳しい中、空軍にはF-15多数を第五世代機やさらに第六世代機と並行して運用する余裕がない。さらにB-21ステルス爆撃機があり、新型侵攻制空機(PCA)が将来型戦闘機として登場するはずと航空戦闘軍団司令官マイク・ホームズ大将が述べている。
  4. 空軍提案ではF-15退役で生まれる穴をF-16改修型で埋めるべく、アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーも機体構造強化と平行し行う。AESAレーダー追加装備でF-16は現在州軍航空隊がF-15C/Dで担う防空任務が実施可能となるとマーク・ナウランド中将(作戦担当参謀次長)は述べる。
  5. ただし専門家にはF-16では高性能ロシア、中国機材に対応できないと指摘する向きがある。AESAを装備しようにもF-16のレーダーアンテナはF-15よりかなり小さい。一方でF-16は最大でも6発とミサイル搭載量が少なく、速度、操縦性でF-15を下回る。
  6. ナウランド中将はこれに対して航空優勢が確立出来ていない戦闘状況で第四世代機の残存は困難で、これはF-15、F-16でも同じだ、空軍は第五世代機、第六世代機への移行を加速化する必要があるという。
  7. 「接近阻止領域拒否をというとドームを心に描く人がいるが、ドームではなくスイスチーズだ。つまり穴が必ず存在する」とナウランドは述べている。「第五世代機はこの穴を利用して相手の領空に侵入できる。それで第四世代機も活動できるようになる」
  8. ほぼ互角の実力を有する相手が高性能レーダーや地対空ミサイルの導入で第四世代機を脅かす中、ホームズ大将は新鋭機を多数導入したいはずだ。少なくとも年間100機は必要だろう。ここにF-35の増産も勘定に入るが、第六世代航空優勢戦闘機をPCA事業として前倒しででも調達する必要がある。空軍参謀総長ディヴィッド・ゴールドファイン大将はF-15C/Dの早期退役は空軍予算検討時の選択肢の一つにすぎないと強調している。
  9. 「予算が実現しないと編成もできません。F-15では何ら決定はしていません」と記者団を前にワシントンで語っている。■

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★★★F-35とF-105の意外な類似性、戦闘爆撃機でドッグファイトは不得手

THE BUZZ America's F-105 Thunderchief Fighter-Bomber: The F-35 of the Vietnam War?
David Axe July 3, 2016 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/americas-f-105-thunderchief-fighter-the-f-35-the-vietnam-war-16839
War Is BoringによればF-35はF-16との模擬空戦で旋回速度が遅すぎて勝てなかったとテストパイロットが語っている。
これからの米空軍で最多の戦闘機材になるF-35が数で優勢なロシアや中国の機体と戦って残存できるのだろうか。 答えは歴史の中にある。50年前にも米空軍は同じ予測をしている。攻撃の主力F-105サンダーチーフは重量級ハイテク地上攻撃機で敵戦闘機も同時に撃退できるはず、とF-35と同様だった。 だが事実はF-105も旋回速度が遅くロシア製MiG-21に太刀打ちできず、空軍はF-105の損失を防ぐ特別な戦法を編み出した。同様の措置はF-35でも必要だろう。 F-35とF-105は驚くほど似ている。「F-105とJSFは大型、単座機、単発の戦闘攻撃機で、その時点で最強力なエンジンを搭載、空虚重量は27千ポンド級で翼幅もほぼ同じ35フィートだ」とオーストラリア航空宇宙専門家カーロ・コップが2004年に指摘していた。 http://www.ausairpower.net/Analysis-JSF-Thud-2004.html © 2005, 2007 Carlo Kopp

「両機種とも機内兵装庫があり機外パイロンで燃料と兵装を運べる」とコップは指摘し、「ともに戦闘半径400カイリクラスを目指し推力重量比、高機動操縦性能で制空戦闘機や迎撃機より劣っていた」 http://www.ausairpower.net/Analysis-JSF-Thud-2004.html

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐

米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。 Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter RequirementsBy: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)http://www.defensenews.com/articles/air-force-future-fighter-jet-penetrating-counter-air-next-generation-air-dominance
WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。
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「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します
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★★★F-3事業に参画意欲を見せるボーイング、ロッキード・マーティン

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Jon Grevatt, Bangkok - IHS Jane's Defence Weekly 19 July 2016 http://www.janes.com/article/62368/boeing-lockheed-martin-emerge-as-early-rivals-for-japan-s-fighter-contest Japan's Mitsubishi F-2 multirole fighter aircraft. Source: Japanese Air Self-Defense Force
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