F-16でF-15の役割を果たせるのか、米空軍が本当にそう考えていれば危険な状況になりませんかね。PCAがどうなるのかまだまったくわからないままで2020年代は戦闘機には厳しい時代になりそうです。
With Structural Mods, F-16 Will Fly Through 2048 機体改修でF-16供用期間は2048年まで延長
F-16 SLEP: Lockheed Martin
- 米空軍がロッキード・マーティンF-16の耐用期間を現在の8千時間から12千時間に延長する事業を承認したことから、F-15C/Dイーグル退役への第一歩になるのかとの疑問が生まれている。
- 機体構造の強化はF-16Cブロック40-52の300機が対象で2048年まで十分使用できるとロッキードは広報資料で述べている。
- F-16が2048年まで飛ぶ反面、空軍は200機あるF-15C/Dを予定より20年早く2020年代中に退役させる検討中。予算が厳しい中、空軍にはF-15多数を第五世代機やさらに第六世代機と並行して運用する余裕がない。さらにB-21ステルス爆撃機があり、新型侵攻制空機(PCA)が将来型戦闘機として登場するはずと航空戦闘軍団司令官マイク・ホームズ大将が述べている。
- 空軍提案ではF-15退役で生まれる穴をF-16改修型で埋めるべく、アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーも機体構造強化と平行し行う。AESAレーダー追加装備でF-16は現在州軍航空隊がF-15C/Dで担う防空任務が実施可能となるとマーク・ナウランド中将(作戦担当参謀次長)は述べる。
- ただし専門家にはF-16では高性能ロシア、中国機材に対応できないと指摘する向きがある。AESAを装備しようにもF-16のレーダーアンテナはF-15よりかなり小さい。一方でF-16は最大でも6発とミサイル搭載量が少なく、速度、操縦性でF-15を下回る。
- ナウランド中将はこれに対して航空優勢が確立出来ていない戦闘状況で第四世代機の残存は困難で、これはF-15、F-16でも同じだ、空軍は第五世代機、第六世代機への移行を加速化する必要があるという。
- 「接近阻止領域拒否をというとドームを心に描く人がいるが、ドームではなくスイスチーズだ。つまり穴が必ず存在する」とナウランドは述べている。「第五世代機はこの穴を利用して相手の領空に侵入できる。それで第四世代機も活動できるようになる」
- ほぼ互角の実力を有する相手が高性能レーダーや地対空ミサイルの導入で第四世代機を脅かす中、ホームズ大将は新鋭機を多数導入したいはずだ。少なくとも年間100機は必要だろう。ここにF-35の増産も勘定に入るが、第六世代航空優勢戦闘機をPCA事業として前倒しででも調達する必要がある。空軍参謀総長ディヴィッド・ゴールドファイン大将はF-15C/Dの早期退役は空軍予算検討時の選択肢の一つにすぎないと強調している。
- 「予算が実現しないと編成もできません。F-15では何ら決定はしていません」と記者団を前にワシントンで語っている。■
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