スキップしてメイン コンテンツに移動

★★F-15早期退役構想にボーイングが反論を展開



A-10退役案の時と同様に議会から猛烈な反発が米空軍にありそうですね。A-10とちがいF-15には明確な寿命延長策、性能改修策がすでにあり、議論が前向きになり、かつ国防予算の制約が緩和されればF-15C/Dの供用延長が可能で、これが一番コストパフォーマンスが高いと思うのですが。ただしF-16改修を先に進めさせている米空軍は外堀を埋めた気なのでしょうね。ただし数字の使い方が意図的すぎます。日本も対岸の火事とたかをくくる余裕はなく、F-3が登場するとしても2030年近くのことでしょうから当面イーグルを大事に使わなければならないことに変わりはないのです。

Aerospace Daily & Defense Report

Boeing Opposes F-15C Retirement Plan

ボーイングがF-15C退役案に反論
Apr 17, 2017James Drew | Aerospace Daily & Defense Report

ボーイングは2040Cと銘打ったF-15イーグルの改修案を米空軍並びに海外向けに販促中。Boeing

  1. 米空軍が打ち出したF-15Cの早期退役案にボーイングが意見を表明し、ロッキード・マーティンF-16改修では冷戦時から航空優勢を維持してきたイーグルの代わりは務まらないと主張。
  2. 空軍はF-15C全機を退役させF-16にアクティブ電子スキャンアレイレーダーを装備し国土防衛に当たらせる構想を発表している。これはF-15Cの機体構造強化で寿命延長に一機あたり30-40百万ドルかけるのを回避する狙いがある。改修は主翼新造と機体中央部の再製造が内容だ。浮いた予算を将来の航空優勢戦闘機開発さらにロッキードのF-35の調達数増加にあてるのが空軍の計算のようだ。
  3. ボーイングの説明ではF-16では速度、航続距離、ペイロード、レーダーのいずれもF-15の比でなく、戦力低下は避けられず、結局短期つなぎ策にしかならない。
  4. ボーイングはイーグル稼働機の疲労試験を行っており、派生型のF-15Eストライクイーグルでも同様に試験を実施中だ。その結果から縦通材longeronを交換する安上がりかつ簡便な対策でF-15は2030年代中頃以降も稼働可能とわかってきた。
  5. 一機あたり40百万ドルとは航空戦闘軍団司令官が機体中央部全体の再製造と主翼交換費用として3月に述べた数字とボーイングは説明。ただし試算は空軍の求めに応じ同社が提供したとも述べている。
  6. 「これは一番費用がかかる方法で最悪の場合のシナリオです。現時点で真剣に考える必要のない方法だと見ています」(ボーイングでF-15事業を統括するスティーブ・パーカー)が4月17日取材に答えてくれた。
  7. パーカーによれば縦通材交換は空軍の定期補修策として実施中だという。費用は一機あたり1百万ドルで部材と人件費すべてをカバーする。ボーイングはイーグルの構造設計は15,000飛行時間設定だが改修で2030年代中頃までは十分飛行可能だという。
  8. 空軍は2023年から2024年までにF-15C全235機の縦通材を交換する予定だ。2017年度予算要求では同機を2045年まで供用させるため大規模構造補強が必要で、主翼交換も2020年代に実施するとしていた。
  9. ただF-15供用を続けるには構造補修だけが必要なのではない。空軍は数十億ドル予算で性能改修を進める予定で一部は実施中だ。
  10. 空軍が力を入れるのはレイセオン製APG-63(V)3アクティブ電子スキャンアレイをF-15C/Dに導入することと、APG-82(V)1をF-15Eに搭載することだ。F-15Eでは高性能ディプレイコアプロセッサーIIの搭載が始まっている。他方でBAEシステムズ製のイーグル・パッシブアクティブ警告残存性向上装備 (Epawss) が電子戦装備として米政府の設計審査段階を通過したばかりで2018年にも飛行テストが始まろうとしている。
  11. ボーイングはこうした改修策でF-15Cの威力は2030年代に入っても十分通用すると主張。早期退役させれば空軍の戦闘機機材数並びに実力が低下することになるという。
  12. F-15をF-16で代替させる空軍提案は2019年度の「計画指針」の一部といわれる。実施となれば州軍航空隊に影響が大きく出るのは必至で、同時に英国、日本に駐留する戦闘飛行隊にも影響は避けられない。
  13. 「現有機材をレーダー、航続距離、ペイロード、本土防空能力のいずれも劣る別の機材に交替させる意味があるのでしょうか。攻撃を受ければ、最速かつ静かな機体に大量の兵装を搭載して撃退させるのがあたりまえではないでしょうか」(パーカー)
  14. F-15はロッキード・マーティンF-22ラプターで交替されるはずだったが、ラプター生産は2011年に187機で終了している。ボーイングはF-22生産でも主要契約企業だった。
  15. 空軍の侵攻制空機材/F-X事業は現在代替策検討段階にあり、2030年代に十分な機数を調達しF-22(183機在籍)にかわりイーグルが現在務める本土防空任務につかせる目論見だ。これと別に空軍はロッキードにF-16C/Dの耐用年数延長作業の契約を認め、ブロック40から52の機材のうち300機を選抜し4,000時間相当の追加で2048年まで供用する。
  16. ここに来てF-15Cの将来に疑問が出ているが、ボーイングは「2040Cイーグル」構想を性能改修策として米空軍他各国に販促中だ。カタール販売が実現する可能性もある。
  17. 2040改修案の中核は機体一体型燃料タンクを左右に付けること、赤外線捜索追尾センサー、第五世代通信ゲートウェイ、四発搭載ミサイルラックを第二、第八兵装ポイントにつけること、電子戦能力、レーダーやプロセッサーの能力向上だ。
  18. ボーイングは各方面から性能改修内容に大きな関心が寄せられており、州軍航空隊と一体型燃料タンクの飛行テスト実施契約を取り交わした。
  19. ボーイングは自社負担でミサイルラックの開発も進めており、レイセオン製AIM-120高性能中距離空対空ミサイルAMRAAMをこれまでの二発から4発搭載できるようになる。この四発パックを国名非公開の顧客向けに実証し今年中に飛行テストを実施する。
  20. 「退役構想が話題に出ていますが、同機への関心度があらめて高まっており領空を守る必要がある国なら航空優勢戦闘機は絶対必要です。当社には現在生産中で最良かつ最先端の性能を有する航空優勢戦闘機があるのです」(パーカー)■

コメント

このブログの人気の投稿

★★★F-35とF-105の意外な類似性、戦闘爆撃機でドッグファイトは不得手

THE BUZZ America's F-105 Thunderchief Fighter-Bomber: The F-35 of the Vietnam War?
David Axe July 3, 2016 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/americas-f-105-thunderchief-fighter-the-f-35-the-vietnam-war-16839
War Is BoringによればF-35はF-16との模擬空戦で旋回速度が遅すぎて勝てなかったとテストパイロットが語っている。
これからの米空軍で最多の戦闘機材になるF-35が数で優勢なロシアや中国の機体と戦って残存できるのだろうか。 答えは歴史の中にある。50年前にも米空軍は同じ予測をしている。攻撃の主力F-105サンダーチーフは重量級ハイテク地上攻撃機で敵戦闘機も同時に撃退できるはず、とF-35と同様だった。 だが事実はF-105も旋回速度が遅くロシア製MiG-21に太刀打ちできず、空軍はF-105の損失を防ぐ特別な戦法を編み出した。同様の措置はF-35でも必要だろう。 F-35とF-105は驚くほど似ている。「F-105とJSFは大型、単座機、単発の戦闘攻撃機で、その時点で最強力なエンジンを搭載、空虚重量は27千ポンド級で翼幅もほぼ同じ35フィートだ」とオーストラリア航空宇宙専門家カーロ・コップが2004年に指摘していた。 http://www.ausairpower.net/Analysis-JSF-Thud-2004.html © 2005, 2007 Carlo Kopp

「両機種とも機内兵装庫があり機外パイロンで燃料と兵装を運べる」とコップは指摘し、「ともに戦闘半径400カイリクラスを目指し推力重量比、高機動操縦性能で制空戦闘機や迎撃機より劣っていた」 http://www.ausairpower.net/Analysis-JSF-Thud-2004.html

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐

米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。 Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter RequirementsBy: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)http://www.defensenews.com/articles/air-force-future-fighter-jet-penetrating-counter-air-next-generation-air-dominance
WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。
だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。
「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します
第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能…

★★★F-3事業に参画意欲を見せるボーイング、ロッキード・マーティン

Boeing, Lockheed Martin emerge as early rivals for Japan's fighter contest
Jon Grevatt, Bangkok - IHS Jane's Defence Weekly 19 July 2016 http://www.janes.com/article/62368/boeing-lockheed-martin-emerge-as-early-rivals-for-japan-s-fighter-contest Japan's Mitsubishi F-2 multirole fighter aircraft. Source: Japanese Air Self-Defense Force
航空自衛隊JASDFがめざすF-2多用途戦闘機の後継機種をめぐり、ボーイングとロッキード・マーティンがともに参画の意向を表明した。 IHS Jane’sが両社へ7月19日照会したところ、ともに日本での実績をもとに同事業参入を目指していることがわかった。事業規模は200億ドルといわれる。 防衛省は情報提供要求RfIを発出済みで、2018年4月までに「次期戦闘機」の決断を下すとみられる。 F-2は2000年代に三菱重工業MHIとロッキード・マーティンの共同事業で製造され、2027年ごろまでに全機退役する。 ボーイング広報によれば同社はF-2後継機の要求内容を検討中だという。「日本で当社の存在意義を大きくする方策は常に考えており、日本での安全保障ニーズに応えたい」 ロッキード・マーティン広報は「日本から各社に情報の要求が出ているが、当社もこれまでの日本との関係をさらに強化する今回の機会を活用したい」とし、「F-35事業とF-2でMHIと実績が成果を生んでいることは誇り」とする。 RfIは6月に出ており、各国の戦闘航空機メーカー宛に送付されている。RfIは7月はじめに締め切られており、米二社に加えユーロファイターSaabもプレゼンを8月末に行う見込みだ。 RfIは既存機種での検討の一助にするほか、各社の事業参加への意欲をさぐることのがねらいだ。MoDはF-2後継機を純国産あるいは共同開発ですすめるかの決断を下すが、後者の場合は既存機種を原型にするとみられる。■