今後米ロ間で激しい言葉の応酬がありそうですね。シリアに北朝鮮がどこまで絡んでいたのかも調べてもらいたいものです。化学兵器を北朝鮮がどこまで運用する体制にあるのか、今回の化学攻撃も北朝鮮の知見が背後にあるのではと思うのですがどうでしょうか。
US Looking at Possible Russian Role in Syrian Chemical Attacks ロシアがシリア化学攻撃に関与?
国防総省が金曜日公表した画像でシャリアート基地へのミサイル攻撃の効果がわかる。
(DoD photo)
Stars and Stripes | 8 Apr 2017 | by Tara Copp and Corey Dickstein
- 7日、米軍高官はロシアがシリアの化学攻撃に手を貸した可能性があると述べた。
- 関係者によればロシアの関与が今後の調査の対象で、シリアの化学兵器開発を止めなかったのか、それともシリアによる隠蔽工作を助けたかをはっきりさせる。
- 金曜日に、シャイラート空軍基地の破壊状況を示す画像が公表され、シリア空軍機材20機、弾薬貯蔵施設、地対空ミサイル陣地や燃料弾薬貯蔵庫の破壊状況がわかった。
- 現地ホムズ地方の知事タラル・バラジはアラブTV局に基地の火災は二時間ほど続いたと述べた。知事は攻撃で死傷者が発生したとAP通信に語っている。シリア軍によれば7名死亡、数名が負傷したという。
- ロシア関係者は同日、空爆を「非合法」と非難し、シリア国内の騒乱状態が悪化するだけだと述べたとBBCが伝えている。通信社複数が攻撃によりロシアの対米協力は終わり、シリア上空での米ロ軍用機の衝突を防ぐ等の措置はできなくなったと報じている。
- ただし米関係者は同上報道内容を認めず、両国間の通信回線は維持出来ており、現に金曜日にも使用されていると述べた。
- ただしロシア国営通信インターファックスは金曜日にロシアがモスクワ米国大使館付武官を呼び出し、通信回線は土曜日深夜をもって使用中止とすると通告したと伝えている。
- シリア国内のエスカレーションは今週火曜日の化学攻撃が原因で、反乱勢力が占拠するハンシホン村が襲われたのだ。
- 軍高官が公表した映像では村内道路に全く通行がなく、化学兵器の傷跡が視認できた。爆弾は反乱勢力の化学工場製とのシリア大統領バシャル・アサドの主張への反論がこの画像だ。米情報活動成果も背景に軍事関係者はアサド主張は当てはまらないと断言した。
- また関係者によれば小型無人機が村の病院を襲撃直後に監視していた証拠がある。病院には化学火傷に苦しむ民間人多数が押しかけ、無人機は一旦その場を去った。五時間後に同じ無人機が戻ってくると病院は爆撃を受けた。この病院襲撃の事実からシリア単独での行為だったのか疑問が生まれている。
- 「陰でだれが支援していたのかわかってきたようだ」と軍関係者の発言がある。「明らかにロシアはシリア政権の活動を制限できていない。ロシアが同国に化学分野の専門知識を展開していることはわかっている。ロシアとシリアがこの件で共謀したとまでは今は言えませんが、情報を注意深く評価中でロシアが果たしてシリアを支援していたのかを判断したい」
- 今回の攻撃はトランプ大統領の就任後二度目の軍事作戦となった。二日間に渡り軍トップと国家安全保障会議と協議し、木曜日午後4時30分に攻撃実施の命令を下した。
- 「今夜、軍事攻撃をシリア国内の航空基地を対象に命じました。化学攻撃の出撃基地となった場所です。米国の安全保障上、化学兵器の拡散、使用の阻止には死活的な意味があります」とトランプ大統領は木曜日深夜に全国向け放送で語った。
- USSポーターのミサイル発射開始は午後8時40分で現地時間では午前3時近い。この時間を選んだのは民間人被害を最小限に抑えるためだった。
- 「米作戦立案部門は非常に注意深く計画し、ロシア、シリア双方の人的被害を最小限に抑えようとした」とペンタゴン報道官ジェフ・デイヴィス大佐は述べている。「特にロシア人を標的にしないよう注意した」
- デイヴィス大佐はシャイラートが化学兵器貯蔵場所だったか不明だが基地が以前は貯蔵場所だったと述べている。
- トランプ大統領はアサド軍が化学攻撃の張本人であることは「疑う余地がない」と言い切っている。「シリア独裁者バシャ・アサドが恐ろしい化学攻撃を罪のない一般市民相手に強力な神経ガスで実施した。アサドは多数の男女、児童を窒息させ新生児もこの野蛮な攻撃で命を奪われている」
- シリア政府は関与を否定している。シリア国営テレビは米攻撃を「侵略」と呼んでいるとAPが伝えている。
- トランプは木曜日に習近平主席との会談地パームビーチのマーララゴ別荘地で攻撃実施を命令した。国防長官ジム・マティスはフロリダヘ飛びトランプに選択肢を提示していた。
- トランプはこれまでアサドのシリア国内での動向を無視して、ISIS撃滅を中心にしてきた。ただし今回の化学攻撃を「凶悪行為」と呼び「看過できない」と述べた。エアフォースワンで移動中に同行報道陣に米国の行動を示唆していた。「アサドはひどい」とトランプは述べ、「シリアで発生したことは極悪犯罪だ。あいつがあの国で采配をとるので事件が起こる」
- シリアは2011年から内戦状態にある。シリア反乱勢力はアサドを放逐しようとしたが、アサドは自国民に攻撃を繰り返した。2012年にアサド政権は化学兵器保有を認め、バラク・オバマ前大統領はアサドに化学兵器を使用すれば然るべき行動を取ると警告した。2012年12月にシリア内ホムズの住民が化学兵器で死亡したとの報道があったが、米国は何ら対応しなかった。
- 内戦はISISが力の真空地帯を占拠したことで一層複雑かつ激甚度を高めた。米軍が対ISIS作戦をシリアにも拡大したのは2014年のことで、空爆を開始し、その後シリア反乱軍の訓練や装備提供に拡大している。反乱勢力はもともとアサドを駆逐する目的があったが、支援の拡大によりロシアが2015年9月に進出し、空軍基地を利用して軍用機をシリア国内で運用しはじめ、高性能の防空体制を沿岸部と内陸部に構築した。
- それ以降、米軍の対ISIS地上部隊と空爆回数が増えている。ペンタゴンは現時点でのシリア国内米軍隊員数を正確に発表していないが503名までの長期駐留の権限を得ている他、先月は一時的に海兵隊と陸軍レインジャー部隊400名を増派した。
- レインジャーはマンビジに展開しシリア国内のクルド人部隊とトルコ軍の交戦を抑止する役目を負っている。海兵隊は砲兵部隊でシリア国内のアラブ勢力に火力支援を提供中で、ISISの事実上の首都ラッカ攻略にも一役買っている。
- 空軍はクルド人勢力が支配するシリア北部のコバニに滑走路を設営し、空輸作戦を展開中だ。統合参謀本部議長ジョセフ・ダンフォード大将付きの陸軍最上級曹長ジョン・ウェイン・トロクセルは今週水曜日にコバニに飛び基地を訪問し火砲支援や米軍による現地勢力の訓練状況を視察した。DOD発表の報道発表でトロクセル曹長は現地部隊は活発と報告している。「現地の海兵隊は一ヶ月弱で火砲を1,182回も発射している」■
Pentagon correspondent Corey Dickstein contributed to this report.
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