チベット問題、人権問題は中国にとって触れてもらいたくない問題、それだけ弱みのある問題です。今週末の米中首脳会談の日本国内報道でこれが取り上げられるかが日本メディアの敏感さ、中国への忖度の試金石になりそうですね。
U.S.-China Summit: The 4 Big Issues Donald Trump and Xi Jinping Will Discuss 米中サミットで両首脳が競技するはずの4つの論点
April 5, 2017
金曜日午後のドナルド・トランプ大統領と習近平主席の首脳会談で議題のトップは北朝鮮のはずだ。
「中国主席とフロリダで会談するが、北朝鮮問題は両国の責任だ」とトランプは水曜日ホワイトハウスで記者会見中に述べた。
トランプは前任のオバマ大統領が北朝鮮の戦力拡大を黙認したと言いたいようだ。
「大きな問題だ。すべきことをしなかった人物があり、今や自分の責任になった」とトランプは述べ、北朝鮮独裁者金正恩に言及した。「一年前にしかるべき対応をしていればこんな事態にならなかかったのです」
ホワイトハウス関係者からは首脳会談では他にも議題はあるとし、貿易問題に触れている。
会談は金曜日から土曜日にかけ、トランプ所有のマーララゴ別荘地で行われ2人はお互いを直接知る貴重な機会となる。
「中国はここまで来てトランプの器を測ろうとするが、中国にとっていままでの大統領と全く異なり、オバマのように簡単に扱えるような人物ではない」と専門家は見る。
ではトランプと習が話すはずの内容を見てみよう。
北朝鮮:
今週も北朝鮮がミサイル試射を行い、日本海を目標としたが失敗だったようだ。2月にもテストしており、2016年にも多数行っている。北朝鮮の指導者金正恩は長距離核兵器搭載ミサイルを開発し米本土を後数年で標的におさめようとししているという。
「トランプは北朝鮮問題では中国に強気です。別に助けは要らないと言っていますが、実は必要なのです」とウォルター・ローマン(ヘリテージ財団アジア研究センター所長)は言う。「話し合いの時間は終わっています。米国は中国が協力しないのであれば中国企業に制裁を課すでしょう」
ホワイトハウス高官は記者団に本問題の緊急性を語り、「時間は急速になくなりつつある」と警鐘を鳴らし、「中国の経済面での重要性を鑑みると一番望ましいのは中国が国連制裁や決議を完全実施することだ」
中国は北朝鮮対象の国連安保理討議を止めてきた。韓国がTHAADミサイル防衛装備を自国内に展開すると決めるや、中国は韓国に対して経済外交軍事面で制裁の脅かしをかけている。
貿易:
現政権は中国への経済依存を認識しつつ、両国間の交易は「相互に恩恵がある」と見ている。
「トランプ大統領は2国間の経済関係が非常にバランスを欠いていることを問題視し率直かつ生産的な形で解決したいとしている」とホワイトハウス高官は述べている。「トランプ大統領は習主席に公平な経済関係実現の重要性を述べるはず。中国とは建設的な形で貿易赤字削減とともに米企業に公平な参入環境の実現を求めていく」
3月公表の米貿易代表部資料によれば米貿易赤字は2000年から2016年にかけ3170億ドルから6480億ドルと倍増しており、「中国との財およびサービス赤字は2000年の819億ドルから2015年に3340億ドルに急増した」という。中国は世界貿易機関WTOに2001年に加盟している。
南シナ海:
昨年末に中国は南シナ海で人工島を拡張したうえに米海軍の無人水中機を捕獲した。
「米国は今後も国際法の枠内で艦船航空機の航行を続ける。この議題が会談に出るのは当然だ」とホワイトハウス関係者は記者団に語っている。「前政権中に発生した事態に大統領が憂慮しているのは公然の事実で、大統領は看過できないと公式に発言している」
これもオバマ政権時の失策とされ、中国の主張を看過したと現政権が主張している。「中国は米指導部を注視し、指導力の欠如は破壊的結果を招いてきた」というのが専門家の見方だ。
信仰の自由と人権問題:
同専門家はトランプが中国のチベット国内でのウイグル族処遇に対し強く発言すべきだと述べ、国内人権グループも同じく批判している。
トランプが包括的に中国の人権面での劣悪な実績を直接取り上げるとの期待がある。ホワイトハウス幹部もこの問題へ言及があるはずと述べている。
「大統領の取り上げる論点を先に全部言うつもりはないが、人権問題はアメリカ人は看過できない」とし、「同盟関係の基本、国内の繁栄を形作る基本ととらえており、人権問題は両国関係で今後も無視できない」と述べている。
Image Credit: Creative Commons.
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