スキップしてメイン コンテンツに移動

★★海兵隊が強襲揚陸艦を「ライトニング空母」に転用するのなら日本にもできるのでは



日米演習ではひゅうがにオスプレイが着艦しているので甲板が強化されているとの見方がありますが記事にあるような連続使用に耐えるものなのか、F-35Bの大きな排熱に耐える仕様なのか不明です。(多分仕様が違うでしょう) しかしこれで日本も真剣にF-35B運用を検討し実施に移せば、(海兵隊機材運用もありえるでしょう)いつまでも護衛艦だと言ってられなくなるでしょうな。ESG構想は面白そうですね。


Here's the USMC's Plan for 'Lightning Carriers' Brimming With F-35Bs

米海兵隊の「ライトニング空母」にF-35B多数を搭載する構想は以前の「ハリヤー空母」構想よりも威力高い新しい内容だ。

BY TYLER ROGOWAYMARCH 30, 2017


USMC

  1. 米海兵隊は強襲揚陸艦にF-35B16機から20機を搭載し「ライトニング空母」(CV-L)に転用したいと考えている。新型アメリカ級(LHA-6) は揚陸艇用ウェルデッキを備えず航空作戦に重点を置き20機近くの運用能力がある。
  2. 実はこの発想は前にもあった。AV-8B搭載の「ハリヤー空母」に転用する構想があった。ただし通常ヘリコプターで構成する海兵隊航空部隊を運用できなくなる代償が発生した。大型空母の運航コストがとんでもなく高い中でこの構想は空母ミッションを奪うと注目を集めた。ただしハリヤーは性能面でスーパー空母の航空隊より相当下回っていた。
USSパターンがイラクの自由作戦(2003年)で「ハリヤー空母」に転用された。USN
  1. 戦闘行動半径が短いことに加え、2千ポンド級の兵装を機内に搭載できないもののF-35Bの性能は米海軍大型空母の戦闘機並みで、その他陸上運用機にも遜色ない。またF-35搭載の高性能センサー装備と電子戦能力があれば早期警戒機や電子戦専用機への依存を減らし、第四世代戦闘機との違いが生まれる。
  2. つまりF-35Bはアメリカの「8隻の別の空母」つまり強襲揚陸艦に高性能多用途戦闘機の運用可能性を与え交戦の初期段階で威力を発揮させる意味でJSFファミリー中で最も意味のある存在だ。通常運用ならにF-35Bを6機ないし8機を搭載する。筆者はこの可能性を以前にも記事にしており、ハリヤー空母構想をF-35Bにどう応用するかをまとめていた。以下記事を再掲載する。
  3. 「多数の紛争が同時進行する想定でゲイター部隊の揚陸艦を『ハリヤー空母』として運用したことがあり、十機程度を搭載している。F-35Bなら効果がもっと上がる。たとえば交戦の初期段階で同機は敵の地対空ミサイル陣地、航空機センサーのネットワークを破壊しその後に続く僚機が安全に敵地で作戦できるようお膳立てできるはずだ。
  4. 新型LHA「アメリカ」級強襲揚陸艦はこの運用構想を念頭に建造されており、従来からのウェルデッキを廃し大型航空機用の燃料・兵装貯蔵空間を確保している。強襲揚陸艦をペアで運用して遠征打撃群 Expeditionary Strike Group (ESG)とする構想もある。一隻が10機程度のF-35Bを搭載し僚艦がヘリコプター10機程度を運用する。
  5. この構想だとF-35Bのプレゼンスを戦闘地区上空に維持できESGは「アルファストライク」としてF-35Bに敵の戦略的標的攻撃を一回で済ませられる。この方式ならESGは原子力空母の航空隊より高効果を実現できる。ESGは多任務部隊となり敵へ脅威をより柔軟に発揮でき、航空作戦以外に揚陸作戦や内陸部侵攻も実施できる。
  6. F-35Bは開戦初日の空母作戦効果を倍増させる可能性があり、原子力空母の隻数が減る一方の今日、意味のある存在となる。またESGは従来より自由に作戦を展開でき、海兵隊は戦闘の様相を一変させる本構想を真剣に検討すべきだろう。」
USMC
  1. 海兵隊の2017年海兵隊航空運用計画にはこの発想に通じるものがあり、こう言っている。
  2. 「2017年から2027年にかけ海軍用第五世代戦闘機の多数を運用するのは海兵隊である。2025年には185機のF-35Bを運用する予定でL級強襲揚陸艦7隻全てに配備可能となる。強襲揚陸艦が制式空母を代替することはありえないが、運用次第で補完能力はある。CV-L構想はこれまで五回にわたりAV-8Bを運用する「ハリヤー空母」として実現している。ARG/MEUのミッションや13通りの中核ミッション任務(METs)に変更はない。ただしライトニング空母は海上移動拠点としての強襲揚陸艦の利点を完全利用しながら、敵地アクセス、回収、攻撃能力を海軍、統合部隊に提供する」
  3. ライトニング空母構想では各種航空作戦任務で40超ソーティーを想定し、F-35B16機が14時間以内に実施するとしている。
  4. 重要なのはライトニング空母構想によりスーパー空母のかかえるプレッシャーを緩和できることで、小規模紛争の支援任務がその典型だ。同時に空母打撃群に組み込むことも可能だ。その場合、ライトニング空母第五世代戦闘機を前方展開して大きな補強効果を生むだろう。
  5. 現時点の構想では2020年代以降の空母航空隊は12機程度のF-35C飛行隊x1および他機種2飛行隊になる想定だ。そうなるとライトニング空母になるLHAで空母打撃群のF-35勢力が三倍になる効果が生まれる。だがこの構想が真価を発揮するのは遠征打撃群(ESG)として個別に運用した際だ。
LOCKHEED
  1. 海兵隊はライトニング空母構想にMV-22オスプレイを給油機として加える。F-35B搭載用スペースが食われるが、戦力を引き上げる効果は大きく、F-35Bは長距離ミッションを実施し敵地内部攻撃も可能となる。飛行運用上の安全余裕度も引き上げられソーティ回数も減らせる。カタパルト運用できないためライトニング空母でソーティの制約もある。V-22による空中給油装備は来年にも艦隊に導入されるはずだ。
V-22による空中給油システム試作品のテスト BELL
  1. USSアメリカ(LHA-6)および姉妹艦USSトリポリはF-35BやMV-22の長期運用を想定した飛行甲板の強化が施しているが、ワスプ級のLHDにはなく大幅改修しないとライトニング空母CV-Lとして機能が発揮できない。F-35Bを搭載できないのではなく、連続運用に耐えないということでF-35Bが与える熱負荷が大きいことで作戦テンポが高いと不具合が発生する。
  2. それでも海軍が「空母ギャップ」に苦しむ中で、小型で柔軟運用可能な空母を多数建造すべきと主張してきた筆者含む一部にとってアメリカ級を「ライトニング空母」に転用する構想には興味をそそられるものがある。■


コメント

このブログの人気の投稿

★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。

Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★破損機材二機からF-15を再生したイスラエル空軍の実力に脱帽

すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。 Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍 By: Barbara Opall-Rome, May 15, 2017 (Photo Credit: Photo by Heidi Levine) http://www.defensenews.com/articles/meet-the-israel-air-force-unit-that-frankensteined-a-totaled-f-15
TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングやロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。 その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」 第22補給処は事故機の前方部分と20年間も「機体の墓場」で放置されていた別の機体の後部を接合した。 Credit: Photo by Heidi Levine ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。 第…

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐

米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。 Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter RequirementsBy: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)http://www.defensenews.com/articles/air-force-future-fighter-jet-penetrating-counter-air-next-generation-air-dominance
WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。
だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。
「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します
第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能…