2017年4月29日土曜日

最新装備を有する同盟諸国に期待する米国、お寒い足元事情が足かせ



投稿したロビン・レアードは著名な軍事安全保障アナリストです。表題だけ見るとまた米装備を各国に買わせるつもりかと誤解してしまいましたが、本家の米国が40年だ、60年だと機材を使いまわしている間に各国の装備が更新され、米国より高い性能を実現しているので米国も利用したいというお話ですね。その背後に米国内の諸制度が時代にそぐわなくなっているという指摘です。時代の変化についていけないのであれば新しい思考を取り入れるべきでしょう。

Allies Can Help US Lower Weapons Costs, Build New Force 同盟諸国が米防衛装備費用の低下、新しい軍組織の構築に役立つ

By ROBBIN LAIRD on April 26, 2017 at 3:17 PM

F-35 and TyphoonF-35 とタイフーン
  1. 15年間を対ゲリラ戦に費やしてきた米国と同盟国は再び大国との対決と言う課題に軸足を移しつつある。
  2. その一貫で米国と同盟国が中核装備を共通化する意義を再確認する必要が生まれている。
  3. F-35、P-8、トライトン、グラウラーを米国以外に全部導入する同盟国があり筆頭がオーストラリアだ。
  4. 米F-35AがRAFレイクンヒース基地に向かうのを見た我々は同基地からわずか30マイルも離れていないRAFマーハム基地を失念しているが英軍初のF-35飛行隊がここに編成される。2つの基地が共通機種を運用することで米国は大きなシナジー効果を今後期待できる。
  5. オーストラリアが運用するウェッジテイル指揮統制機、KC-30給油機はともに米軍にはない機材だ。
First Australian F-35オーストラリア向け F-35一号機
  1. 主要同盟国がCONOPS作戦行動構想を米国より進んだ形で構築している。皮肉にもその動きを米防衛産業が製造した装備で現実化している。英、豪両国に第五世代機への移行に反対を唱える向きはないのに、米国には過去に縛られた考え方をする向きが多く議論の決着が付かない有様である。
  2. これまでのように戦略方針や新装備をまず整備するのが米国で、その後に同盟国に売り込めばよいという問題ではない。いまや米国は同盟国とともに変革を進めながら戦略を組み直すべき段階に入っている。
  3. 米国の問題は旧来の国防装備調達のしくみが生む障壁や文化の壁、政治の壁なのだ。
  4. オーストラリア空軍所属のウェッジテイルが21世紀の選択肢として有効性を実証しているのに、米国はAWACS近代化改装を目指している。世界でエアバスA330MRTT給油機を導入する国がオーストラリア、サウジアラビア、UAE、英国、シンガポール、フランスと増えているのに米空軍には新型給油機が皆無という状況だ。
Wedgetail refueled by KC-30AKC-30Aから給油を受けるウェッジテイル
  1. 同盟国が保有する新型装備を米国も利用し、新時代にふさわしい作戦構想を形作ることが米国の死活問題だ。だが米国の調達制度と長年しみついた発想による性能要求制度で可能性を自ら狭めているのが現状だ。どうしてこうなったのか。
  2. オーストラリア訪問で筆者はウィリアムズ財団のセミナーに参加し、統合共同作戦部隊を一から作る方法の議論に参加した。
  3. AWACS近代化改修を2030年までに実現しようとし、スーパーホーネット対F-35の比較議論に花が咲き、40年前のA-10対戦車攻撃機を温存しようとする国では大胆な軍事変革は困難だ。
  4. セミナーが終わりこの課題を退役空軍司令官ジョフ・ブラウンにぶつけてみた。「抜本的な変革の必要があることはわかっています。だがこれまでのやりかたが大木のように太陽を隠して正確な狙いがつけにくくなっています」
  5. ブラウンにはAWACS改修構想は「驚くべき話に聞こえる。AWACSをウェッジテイルに置き換えれば燃料費節約分だけで数年間で元がとれるのに」「しかし米国のやり方では旧型機運用を続けるのと退役させることの交換条件がなかなか成立しません。新型機を投入して戦力化を短期間で実現できません。新装備には維持管理でも新発想が必要なんです」
  6. ブラウンに米国式調達・維持管理方式で一番耳の痛い点をつかれた。「F-35にはこれまでと大幅に違う維持管理方法が必要なのに議会が政府補給処の維持を求めており、産業界と政府の共同歩調に大きな成約が横たわっているのです」
  7. トランプ政権は軍再構築をめざすが、「500億600億ドルを追加投入しても米軍が直面する兵站面の不足を解消できないでしょう。米軍が今後弱体化するのではと不安で仕方がない。追加予算が手に入れば従来型構造の軍を運用できるのにと願望するだけでは何も解決しない。現在の予算問題や議会の干渉がつづけば米軍は空洞化していくでしょう」とブランは述べた。
  8. ブラウンの見るところ、C-17の運用支援モデル例は新しい兵站活動の取り組みであり、新発想を広げる好機だという。「全米で活気を取り戻す動きがある。米国は世界で一番革新的な国のはずだ」
  9. 「そのひとつがC-17運用支援モデルです。運用面で画期的な産業界の協力を得ることで支援経費は下がり、上がることはありません。この方式を今後導入すべきではないですか」
  10. 「今の関心はP-8とF-35です。米国式の支援方式と議会からの要求で政府直営の補給処を保護する動きになっていることで軍の活動に足かせとなっており、今後の即応体制にも悪影響が広くでそうだ」
  11. では制度を刷新するため何をすべきだろうか。「新装備に投資をしながら、優先度を高くし、一方で意味のない事業は廃棄するのです」とブラウンは述べる。「イラク、アフガニスタンでの支出は半分で済んだはずです。同等の戦力を有する国相手には役に立たない装備ですからね」
  12. 他の同盟国にもブラウンの論点は理解できる。レッドフラッグ17-1に参加したRAF高官は「ウェッジテイルがあればAWACSはいらない。AWACSは足手まといだ。ウェッジテイルは第五世代部隊の支援にぴったりだ」とまで述べている。
  13. オーストラリア給油機は現行の米空軍給油機との比較で稼働率や性能面で高い実績を示している。
  14. ミッチェル研究所の所長デイヴィッド・デプチュラは空軍を中将で退役しており、ブラウンの言い分は正しいという。「戦闘の様相を一変するほどの手段が揃っているので、過去のしがらみにとらわれない新しい方法を適用すべきなのです」
  15. 米軍事力を再び偉大にする道は皮肉にも最先端装備を有する同盟諸国との相互交流にあるのかもしれない。■を

2017年4月28日金曜日

中国初の国産空母が4月26日進水したが....



The National Interest

China's First Home-Grown Aircraft Carrier Is Ready: Should America Be Worried? 中国初の国産空母をアメリカは真剣に心配する必要があるのか

April 26, 2017

  1. 中国が空母二号艦を4月26日進水させた。一号艦はソ連艦を再生した遼寧で人民解放軍海軍に2012年就役した。新型艦は初の国産設計で中国船舶重工集団が大連で建造したと新華社通信が伝えている。
  2. 同艦は山東と命名されるはずだが、現時点ではCV-001Aと呼称され2020年までに艦隊編入される見込みだ。
  3. 中国空母は米空母とは比較にならないが、中国にはアジア近隣諸国にはない兵力投射能力手段となり軍事力の象徴だ。
  4. 「新型空母建造を続けて中国は近隣国から一方抜きん出ているとのメッセージが出ている」とパトリック・M・クローニン(新アメリカ安全保障センターのアジア太平洋地区安全保障部長)がニューヨーク・タイムズに語っている。
  5. 「中国造船業は人民解放軍海軍(PLAN)を2020年までに世界第二位の海軍部隊にする」と述べるのはアンドリュー・エリクソン博士で、有名な中国海軍専門家で中国海軍の発展史に並々ならぬ知識を有する博士はDiplomat誌上で「このまま続けば2030年までに数でも質でも米海軍と肩を並べる存在になるのではないか」という。
  6. 中国の軍事問題専門家Cao Weidongの説明では中国には大型作戦艦艇多数が必要で各種脅威に対抗するためとし、空母は二隻では足りないという。中国はより大型で戦闘能力の高い原子力空母複数建造に向かっているとCaoはCCTVで語っている。
  7. もうひとりの中国軍事専門家Yin Zhuoは南シナ海、東シナ海でそれぞれ空母戦闘群を展開させる必要があると述べ、各国との領土争いを念頭に置いている。各方面で少なくとも三隻ずつが必要だという。
  8. 中国がここまでの規模の建艦を目指しているのかは不明だが、拡大する権益を守るため強力な海軍部隊が必要だと中国は主張。空母以外に中国は新型駆逐艦、巡洋艦、補給艦を建造中だ。■
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2017年4月27日木曜日

★北朝鮮国内取材に各国報道機関が大金を払っていた


平壌取材は好きなように利用されただけだったのでしょうか 取材(あくまでも当局の指示通り)をして帰国しながらまったくその際の経験を語らないメディアは良いように利用されただけなのでは?

The National Interest

Report: North Korea Makes Big Money Off the Journalists Who Attend Its Parades 北朝鮮が国内取材を許した各国報道記者から大金を徴収したとの報道

April 26, 2017


  1. 北朝鮮は海外ジャーナリストに国内取材を認めた代償に数十万ドルを請求しているようだ。
  2. 金日成生誕105周年祝賀を北朝鮮は迎えた北朝鮮は海外記者121名の取材を許した。
  3. この機会を利用し国際制裁中の同国が外貨あら稼ぎをしたとロイターは伝えている。
  4. 一名に付き平壌取材7日間で2,500ドルを請求し、外貨が北朝鮮政府機関の懐に入った。ロイターによればこの金額は平均的北朝鮮労働者の年収5年分に相当する。その他航空運賃、宿舎費、滞在費,査証手数料として取材陣から合計30万ドルを手に入れたという。
  5. 平壌を前に訪ねた別のジャーナリストによれば査証手数料は175米ドルほどで、北京平壌往復航空券は500ドルだという。ホテル7泊が800ドルで食費等の合計も300ドルあれば十分だという。北朝鮮が手配する護衛向けの費用が300ドルで通訳も兼ね各地を案内する。携帯電話の利用料は法外にまで高い金額を請求される。
  6. 国内各地の取材は厳しく制限され、取材記者が撮影した画像も聞北朝鮮検閲官が見せたくない画像は躊躇なく削除している。
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陸自AH-64アパッチの性能向上策


しかし陸上自衛隊のAH-64Dロングボウは13機しかないのですね。中途半端な調達に終わっているのですね。

Japan’s Apaches to get improved vision 陸自アパッチヘリに高性能視認性能加わる

By: Jen Judson, April 26, 2017 (Photo Credit: Abigail Meyer / Fort Bliss Public Affairs Office)

  1. 日本の陸上自衛隊が運用するAH-64DJPアパッチ攻撃ヘリコプターの性能改修が間もなく始まる。ロッキード・マーティン製の新型目標捕捉識別暗視装置Modernized Target Acquisition Designation Sight/Pilot Night Vision (MTADS/PNVS)別名「目」が搭載される。
  2. ロッキードは高性能昼間センサー機器(M-DSA)を14セット2020年までに供給し、自衛隊機装備を更新すると26日発表した。M-DSAは「レーザー信頼性を向上してアパッチの目標捕捉ならびに距離測定能力が正確になる」と同社資料にある。
  3. 契約では参加年に渡り実績ベースでの兵站補給業務も含まれており、ロッキードは陸上自衛隊にテスト機材を提供し、日本国内での訓練も受け持つ。
  4. 米陸軍はM-DSA改修をすでに54.3百万ドル契約で昨年初頭に同社と契約している。改修によりパイロットはセンサー画像をカラーで見られるようになる。カタール王国空軍向けキットとして同様の契約が実現している。
  5. 同社によればM-TADS/PNVS装備は予備部品含め1,350基以上が米陸軍はじめ各国に納入されており日本向け十数基もここに含まれる。
  6. 日本は自国内でのM-DSA装着を行う初事例となる。納入は来年はじめに開始し、NECが実施を受け持つとロッキード資料にある。■

2017年4月26日水曜日

中国が北朝鮮に警句、原油供給ストップの効果はどう出るか


4月25日には火砲訓練除き、心配された「暴走」はなかったのですが、むしろ緊張が長期にわたる事態を想定する必要が出てきました。米中二国による北朝鮮管理が実現するのか注目です。なお、中国が北朝鮮をなんとしても支援する姿勢を弱めており、原油供給も減らし始めたようですので、近日中に大きな展開があるかもしれません。

The National Interest

Chinese Media: North Korea Will "Cross the Point Of No Return" with Sixth Nuclear Test 中国メディアが六回目核実験強硬すれば「後戻りできないぞ」と北朝鮮へ警告


April 25, 2017

  1. 北朝鮮が第六回目の核実験の準備に入っておりこのままだと「後戻りできない」一線を超えると中国メディアが伝えた。
  2. 「ワシントン・平壌が度胸試しをしてきたがついに破局点が来た」と環球時報(国営人民日報が運営する右寄り論調紙)が伝えている。「が第六回目の核実験に北朝鮮踏み切れば、後戻りできなくなる」
  3. 「各関係先は結果を甘んじることとなるが平壌が一番大きな損失を被るのは確実だ」
  4. 環球時報は新外交政策の反応を試す手段となっており中国政府の公式見解を反映しないこともあるが、今回の警告は中国政府の動向と一致している。ここに来て中国から平壌に向けた警告がくりかえ出ているのは核実験を中止させ朝鮮半島の危機を回避する狙いがあるようだ。
  5. 「北朝鮮核問題は複雑なパズルの観があり爆弾の落とし穴もある」と同紙は説明し、「米軍が北朝鮮核施設、ミサイル施設に外科的攻撃を開始すれば、平壌政権は生死をかけた決断を迫られる」と環球時報はこのままでは北朝鮮政権に未来はないとまで述べている。
  6. 中国はワシントン、平壌の間で苦境に立たされている。「ワシントンは北京に平壌の核活動を封じ込める役割を期待し、簡単に考えすぎている」と同紙は指摘。「他方で北朝鮮は中国が米韓に圧力をかけ戦争の脅かしをやめさせる期待をしている。中国は双方を満足させられない」
  7. ドナルド・トランプ大統領は中国が北朝鮮を自制させる期待をする一方で中国が効果を上げなければ米国単独で対処するとも発言している。
  8. 「(金正恩が)基地攻撃をしかければ、大陸間弾道ミサイルを発射すれば、当然こちらは行動に出る」と軍事対応を米国連大使ニッキ・ヘイリーはNBCの「トゥデイショー」で月曜日語っている。
  9. トランプ政権は同盟国、中国も含め協力国と協議し北朝鮮の動きを止めようとしている。同時に原子力潜水艦、空母も同地域に移動させている。同政権は平和的解決を求めるとしながら選択肢すべてを準備している。
  10. 北朝鮮の兵器開発はここに来て加速化している。
  11. 弾道ミサイルでは新型二型式をテストしている。KN-15中距離ミサイルとKN-17対艦弾道ミサイルが今年登場した。高出力ロケットエンジンのテストも行っており、ICBM用と見られ、北朝鮮は1月の時点で発射テストが近づいたと公言していた。さらにプンゲリ核施設の活動状況から第六回核実験はまもなくと見られ懸念が広がっている。
  12. 国防関係者の試算で北朝鮮は核爆弾を6週ないし7週で製造する能力があるとニューヨーク・タイムズが伝えた。さらに北朝鮮は近隣諸国だけでなく米本土も射程に入れようとしている。
  13. 「最大の課題は金正恩政権が核開発並びに運搬手段開発に全力を投入していることだ。不幸なことに相当に進展している」と共和党重鎮のジョン・マケイン上院議員が25日のアジア太平洋地区での米政策戦略公聴会で述べている。「核弾頭付きミサイルで米本土を狙うのはもはや仮説ではなく差し迫った危機だ。武力衝突のリスクは現実かつ高まっている」と朝鮮半島情勢が急速にエスカレーションする危険を指摘している。
  14. トランプは北朝鮮を「世界にとり現実の脅威」と呼び、「緊急の安全保障上の課題」とする。朝鮮半島の危機状態を何とかして解決したいとするトランプ政権だが第六回目の核実験が実施されれば軍事解決に追いやられる。環球時報が伝えるように「正気の沙汰ではないゲームで次に駒を進める」のがどちらになるか見えてこない。
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2017年4月25日火曜日

★北朝鮮諜報機関も要注意



このところ平壌からの乱数放送が続いているのは日本国内の潜伏工作員への連絡なのでしょう。公安警察も目を光らせているとは言え、想定外の事態が日本でも発生しないとは限りません。長年に渡りこのような恐ろしい国を放置してきたつけを国民の生命と自由で支払うことにならなければいいのですが。一方でちゃんと精算すべき時なのでしょうか。韓国国内の騒々しい世論にも北の息がかかっているのは当然でしょうね。心ある韓国国民が来る大統領選挙で正しい候補に一票を入れることを祈るばかりです。

The National Interest

North Korea's Spy Agencies Should Not Be Underestimated 北朝鮮スパイ組織を軽視するな


April 23, 2017

北朝鮮には大規模な情報収集・保安措置の仕組みがあり、民主主義人民共和国との国名とは裏腹の専制国家体制だ。
  1. 平壌には2つ課題がある。まず海外での情報収集と秘密工作であり、つぎに防諜活動だ。韓国内に潜入する任務のため専門機関が2つある。「北朝鮮情報保安部門は政治、軍事、経済、技術の各情報を公開情報、人的情報活動、サイバー、通信傍受の各方法で行っている」とペンタゴンが議会に提出した北朝鮮評価レポート2015年版にある。「北朝鮮の主要な情報収集対象は韓国、米国、日本である」
  2. 北朝鮮の主要対外情報機関は偵察総局Reconnaissance General Bureauでソ連のGRU軍事情報機関をモデルにしているようだ。「偵察総局RGBとは北朝鮮の主要対外情報機関であり情報収集と秘密工作を担当する」とペンタゴン報告書はまとめている。「RGBは6つの局を有しそれぞれ秘密工作、偵察、技術、サイバー、海外情報、南北朝鮮関連、業務支援に分かれている。
  3. 国家保安省が北朝鮮の主要国内情報機関で一部対外活動も担当している。意図的にソ連時代の国家保安省(ロシア語でMGB)と同じにしている。北朝鮮はソ連の関連機関をモデルにした。
  4. 「国家保安省 Ministry of State Security (MSS)が北朝鮮の主要防諜機関で、金正恩直轄の独立組織だ」とペンタゴンはまとめている。「MSSの任務には北朝鮮国内収容所の運営以外に国内諜報活動の取締り、脱北者の国内連れ戻し、海外防諜活動がある」
  5. 北朝鮮には他に2つの組織が韓国国内への潜入の任務を担当している。内1つは公然と活動している。「統一戦線部United Front Department(UFD)の任務は韓国国内に親北勢力を作ることで、韓国アジア太平洋委員会Korean Asia-Pacific Committeeや民族和解協議会Ethnic Reconciliation Councilがその例」とあり、「UFDは南北対話や韓国向けに北朝鮮政策を説明する役目もある」
  6. UFDには秘密工作部もあり、侵入工作員向け訓練を実施し、韓国世論の分断や社会混乱を引き起こすのが目的だ。「第225局が侵入工作員を訓練し、地下政治集団を組織し社会騒乱や革命を引き起こすのが目的」とペンタゴン報告書は述べている。
  7. 情報機関は北朝鮮の強みのひとつだ。平壌の保安部隊は母国から遠く離れた地点でも実力を発揮しており、最近では金正男暗殺をマレーシアで実施した。無慈悲かつ効果的に任務を遂行する金正恩の情報機関は朝鮮半島で武力衝突が発生した場合でも効果を示すだろう。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

北朝鮮空軍の実力、考慮すべき点は何か



The National Interest

Should the World Fear North Korea's Air Force? 北朝鮮空軍は恐れるに足りるのか


April 22, 2017

朝鮮人民軍の空軍部隊(KPAAF)は北朝鮮軍で脅威度が一番低い存在に見える。
  1. 技術、練度ともに西側空軍部隊より劣る(パイロット訓練は年間20時間未満)ものの、KPAAFには強みがある。基地大部分は強化施設で空爆に耐えること、国内に機材多数があることだ。
  2. 「北朝鮮空軍には機材1,300機があり大部分は旧式ソ連機だが北朝鮮領空防衛にあたっている」とペンタゴンが議会に提出した北朝鮮軍評価レポート2015年版にある。「その他任務にSOF投入、輸送支援、偵察、KPA(陸軍)向け戦術航空支援がある。ただし機材の大部分が技術面で劣ること、防空指揮統制が柔軟でないため、北朝鮮防空主力はSAM地対空ミサイルやAAA対空砲になっている」
  3. 新鋭機材はMiG-29フルクラムが35機程度あるだけだ。その他比較的新しい機材としてMiG-23フロガー(56機)、スホイSu-25フロッグフット近接航空支援機(34機)があるものの圧倒的多数は1950年代1960年代の旧式機だ。「NKAF主力戦闘機材はMiG-29で1980年代末にソ連から同導入しており、その他MiG-23、SU-25対地攻撃機がある。ただし低性能のMiG-15、MiG-17、MiG-19、MiG-21が中心だ」(ペンタゴン評価)
  4. その他にミルMi-24ハインド・ヘリコプターガンシップ(約20機)があるが平壌はSOF(特殊作戦部隊)を重視する。「NKAFはAn-2コルト多数を運用しており、1940年代製の単発複葉機でSOFをROK(韓国)国内に投入するだろう」とペンタゴン報告書はまとめ、「空軍はヘリコプター多数も輸送、対地攻撃に投入するはずで、主力はMi-2ホップライトや米輸出規制をかいくぐり1985年に調達した米製MD-500だ」
  5. このうちAn-2は旧型機とはいえSOF支援機として有効だ。レーダー断面積が小さく、低空低速でレーダー探知範囲をかいくぐり飛行できる頑丈な機体だ。「北朝鮮SOFは高度に訓練され、装備も優秀で、糧食も最優先かつ高い士気を有する部隊になっている。北朝鮮の通常兵力が米韓との比較で劣勢になりつつある中で、SOFの突出した戦力が重要視されている」とペンタゴンはまとめており、「SOFはAn-2コルトあるいはヘリコプターで搬送されるだろう。(民間航空機も投入される可能性がある) あるいは海上や陸地徒歩移動、DMZ下に構築したトンネルで侵入し指揮統制施設や空軍基地のようなROK内重要施設を狙うはずだ」
  6. こうしてみると北朝鮮空軍力は低水準とはいえ無視できない存在だ。優秀な指揮官のもとなら長年の訓練どおりに被害を与える可能性がある。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

ミサイル原潜USSミシガンが朝鮮半島へ到着



USSミシガンはやはり釜山に25日入港し、点検後、訓練に入るとのことで作戦行動はその後のようですね。そうなるとSEALS運用は早くて今月末に可能となるのでしょうか。

Missile submarine joining US naval 'armada' bound for Korean Peninsula ミサイル原潜が朝鮮半島をにらむ米海軍「無敵艦隊」に加わる

By: Christopher P. Cavas, April 24, 2017 (Photo Credit: US Navy)

WASHINGTON — 韓国聯合通信は24日、巡航ミサイル潜水艦ミシガンがまもなく到着と伝え、UPIは韓国紙東亜日報を引用し25日に釜山入港と報道した。米関係者から報道記事についての言及はない。
  1. 米太平洋艦隊報道官マット・ナイト少佐は24日声明文を発表し、「通常通り、潜水艦については今後の作戦行動の詳細を発表していない。USSミシガンはインドアジア太平洋で通常の展開中」とある。ただし本件で接触した米関係者は報道内容を否定していない。
  2. ミシガン到着で米海軍部隊は日本海や朝鮮半島近くで北朝鮮のミサイルテストで高まる緊張に対応可能となる。空母カール・ヴィンソン打撃群は海上自衛隊の駆逐艦二隻と一両日中に現場に到着する見込みだ。
  3. 4月11日にトランプ大統領がFoxビジネスネットワークで言及していたのがミシガンだったのかもしれない。「無敵艦隊を派遣する。非常に強力だ。空母より強力な潜水艦部隊もある。いまはそれしかいえない」
  4. ミシガンはオハイオ級弾道ミサイル潜水艦をミサイル運用および特殊作戦用に改装した四隻のひとつでSSGNの呼称がつく。弾道ミサイルの代わりにトマホーク巡航ミサイル154発に加えその他兵装を弾道ミサイル用発射管で運用する。
  5. SSGNでそれ以上に意味があるのが特殊部隊隊員66名の搭載で、秘密のうちに敵地への侵入撤収が可能だ。ミシガンは最大級の米潜水艦で全長560フィート、潜航時排水量18,750トンだが浅海水域でも正確な航行が可能で、精密度を要求される弾道ミサイル潜水艦当時の運用性能を活かしている。
  6. SSGN部隊は一年にわたることもある長期運用が通常で、ブルー、ゴールドの各組乗組員が交替で運用する。ミシガンは朝鮮半島近海へもたびたび投入されており、釜山には2015年6月に寄港していた。■

中国空母二号艦の進水式近づく


新型艦は山東Shangdong(CV-17)になるとの説もありますが、どうなるのでしょう。朝鮮半島情勢の裏で進水式があっても注目を集めにくいかもしれませんね。

China prepares to launch first indigenously built aircraft carrier 中国初の国産空母の進水式準備進む


Ridzwan Rahmat, Singapore - IHS Jane's Defence Weekly
24 April 2017
  
China's first indigenously manufactured aircraft carrier seen being prepared for launch in April 2017. Source: Chinese internet sources via sinodefenceforum.com

  • 中国の空母二号艦の進水式は間もなく。同艦は国内建造一号艦
  • 中国は2020年までに少なくとも空母二隻運用体制となる
人民解放軍海軍(PLAN)の初の国産空母の進水が間近と4月23日China Global Television Network(CGTN)が伝えた。CGTNは中央電視台(CCTV)の子会社。
乾ドック注水が始まったのは「進水式前の最終段階」でPLAN創立68周年祝賀の一貫として準備が進んでいる。
中国国防省(MND)は2015年12月に空母二号艦001A型が大連で建造中と認めていた。2017年3月にMND報道官は進水式が近づいているとしたが、PLAN創立記念日の4月23日に挙行されるかは明言を避けていた。
同艦は通常動力排水量約5万トンで一号艦遼寧と同様の航空機運用方式となる。搭載機は瀋陽J-15戦闘機の予定。
中国国内インターネットでは同艦画像が出回っており、足場が撤去された艦体は完成しており、進水式が間近と示している。■

2017年4月23日日曜日

4月21日現在でカール・ヴィンソンはフィリピン南部を北へ移動中


なるほど今週末の段階でヴィンソン打撃群はフィリピン南部を移動中なのですね。ペンス副大統領も今月末に朝鮮半島沖合に到着と述べており、何らかの意図があって時間を調整しているものと思われます。

Super Hornet from USS Carl Vinson Crashes Near the Philippines, Pilot Safe

カール・ヴィンソン搭載スーパーホーネットがフィリピン近海で墜落、パイロットは無事

April 21, 2017 11:38 AM • Updated: April 21, 2017 3:27 PM

攻撃戦闘飛行隊(VFA)137「ケストレル隊」所属のF/A-18Eスーパーホーネットが
USSカール・ヴィンソン(CVN-70)から発艦、 2017年4月10日撮影 US Navy Photo

This post has been updated with additional information from U.S. Pacific Fleet.

  1. USSカール・ヴィンソン(CVN-70)に着艦中のF/A-18Eスーパーホーネットがフィリピン近海で金曜日墜落したと海軍関係者がUSNI Newsに伝えてきた。
  2. 第二空母航空隊所属のパイロットは射出脱出し、第四ヘリコプター海上戦闘飛行隊「ブラックナイツ」が海上で回収したと第七艦隊が発表。
  3. 「事故は現在調査中」とし、「パイロットは艦内の医療チームが手当中だが外傷はない」とある。
  4. 事故は現地時間6:55 P.M.(東部標準時間6:55 A.M.)に発生した。
  5. ヴィンソン打撃群は現在セレベス海で北に向け移動中。朝鮮半島沖でプレゼンス作戦に付くとの発表が出ていた。
  6. 今週はじめ打撃群司令ジム・キルビー少将が任務展開を一ヶ月延長すると発表していた。打撃群はオーストラリア西部沿海部でオーストラリア海軍と共同訓練を終えたばかりだ。
  7. 第三艦隊(カリフォーニア州サンディエゴ)がヴィンソン打撃群を指揮下におさめ、同艦隊の指揮統制能力が西太平洋でも有効に機能するかを確かめる意味もある。■

2017年4月22日土曜日

米空軍OA-X検討でスコーピオンに注目集まる


スコーピオンはハイスペック志向の米空軍に当初は相手にされていませんでしたが、同機のコストパフォーマンスがあらためて脚光を集めているのでしょう。自己資金でこれだけの機材を忍耐強く作ってきたテキストロンの努力が報われるのか注目したいと思います。

The National Interest


The U.S. Air Force's OA-X: An Opportunity For Textron's Scorpion Jet 米空軍OA-Xでテキストロンのスコーピオン採択になるのか

April 21, 2017


テキストロンは自己資金開発によるスコーピオンを米空軍の軽攻撃機OA-Xに採択される期待を高めている。OA-X事業は米空軍の正式事業ではないが、テキストロンは8月か9月予定の実証事業に参加する。
  1. 「スコーピオン生産仕様二号機は今週初飛行に成功しており、フライトテストを始めます」とテキストロンCEOのスコット・ドネリーが4月19日の投資家向け第1四半期営業報告で述べている。「3月、米空軍が正式に当社によるOA-X軽攻撃機実証事業を承認し、今年夏にスコーピオンとAT-6の比較検証が行われます」
  2. OA-Xは米空軍の調達事業の区分ではなく、現時点では実験の扱いだ。「実験ですが個別独立事業です。空軍はミッション投入可能な機材なのか確かめたいはずです。そこで希望性能を定義し、実証での確認事項を公表しています。各社からの提案が期待されており、当社はスコーピオンとAT-6双方を提案済みです」(ドネリー)
  3. OA-X実証が終わるのを待って空軍は軽攻撃機導入の是非を検討する。「空軍は比較実証で機材の実力を把握し検討の材料にすると公表しており、実機調達はその後に決めるとしています」(ドネリー)
  4. OA-Xはスコーピオンで販売見込みがある唯一の機会である。同社は同機へ海外からの照会があると述べてきたのであるが。「各国との商談は続けます。率直に言って現時点では最重要な相手が日程を設定して実機の飛行を見たいと言っているわけです」
  5. ただし海外顧客も米国で採用見送りの機体購入には腰が重いはずだ。そこで米空軍のお墨付きが付いて米国採用となれば国際販売にも追い風となる。
  6. 「海外顧客からも非常に高い関心が米空軍事業に寄せられているのは米空軍の動向を見極めたいためです。繰り返しますが、海外向け販売商談は続けていきます」(ドネリー)
  7. ただし米空軍がOA-X調達を正式に事業化しても空軍が軽攻撃機調達を途中で中止してきた経緯からスコーピオンには厳しい状況になりそうだ。同機の最大のライバルが同社のビーチクラフトAT-6と言うのはなんとも皮肉なことだ。
  8. 「空軍提示の実証条件、性能要求また実証の確認内容は意図的に幅広くなっており、単発ターボプロップのAT-6からスコーピオンのようなジェット機までが対象です。最終要求内容はゆくゆく教えてもらえるでしょう」(ドネリー)
  9. 一方でテキストロンはスコーピオンに自社資金投入を続け機体のミッションシステム関係の完成を目指す。「飛行可能機材が2機になりました。三号機が最終組立工程に入っています。ミッションシステムズ作業がすすんでおり空軍も実証時に性能を確かめたいと言っています。8月頭までに各機投入可能となります」(ドネリー)
  10. 果たしてテキストロンがスコーピオン導入を空軍に納得させられるのか、同社は大金を溝に捨てることになるかは時が経てば判明するはずだ。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
Image: Textron

2017年4月21日金曜日

北朝鮮海軍の低戦力を軽視すれば大変な結果になる



North Korea’s Navy—More Nuisance Than Menace

北朝鮮海軍は脅威と言うより迷惑な存在

Kim's rickety fleet can harass but not stop the U.S. and South Korean navies

おんぼろ北朝鮮海軍で米韓海軍部隊の阻止は不可能


  1. 朝鮮半島で武力衝突が発生した場合、北朝鮮海軍兵力は連合軍にとって迷惑な存在となるが、海岸線近くで作戦実施した場合に限られ、その脅威度は手に負えないものにはならない。
  2. とはいえ米韓海軍部隊は北朝鮮海軍を沿岸部にくぎ付にしておかないと不意打ち攻撃を受ける可能性がある。韓国海軍の海防艦「天安」の例でha北朝鮮特殊潜航艇がCHT-02Dホーミング魚雷で2010年3月26日に同艦を沈めta。
  3. 北の特殊潜航艇は米韓海軍部隊が北朝鮮に接近する際に脅威対象になる。「先制攻撃で排除すれば消える脅威とはいえ外部脱出すれば大変だ」とフェリーブリッジグループで海軍関係専門家のブライアン・マグラスがThe National Interestに語っている。「制御できる脅威といって良い」
「ロメオ」級潜水艦に同乗する金正恩  KCNA photo

  1. だが北朝鮮には通常型潜水艦多数があり、連合軍の海軍作戦上は脅威となる可能性がある。「潜水艦部隊はおよそ70隻あり、ロメオ級潜水艦等で構成」と韓国国防省の白書は2014年から同じ記述だ。
  2. 「潜水艦部隊の任務には海上交通路の遮断、機雷敷設、水上艦攻撃、特殊作戦要員の敵地侵入の補助がある。北朝鮮は水中攻撃能力を向上させており、新型潜水艦・潜水艇の建造、さらに弾道ミサイル搭載可能な新型潜水艦もあり、新型魚雷も開発している」
  3. 北朝鮮の通常型潜水艦部隊は迷惑以上の存在ではない。「小型ディーゼル艦多数があり海軍作戦を複雑にしていますが勝利を妨げる存在ではない」とジェリー・ヘンドリックス(新アメリカ安全保障センターの国防戦略評価部長)がThe National Interestに語っている。
  4. 「懸念の中心はミサイルと砲兵隊で、同盟国たる韓国や日本が脅威を受けていることです。もっと大規模な世界規模の戦略問題となれば世界経済への影響は避けられないため、米国は中国に衛星国家の面倒をみるよう求めています」
  5. 一方で北朝鮮水上艦部隊は沿岸防衛を主にしつつ揚陸作戦で地上部隊の支援が中心となる。
北朝鮮の ‘Nongo’-級ミサイル艇 KCNA photo

  1. 「水上艦の主力は小型高速艇で誘導ミサイル艇や魚雷艇、警戒艇、火器支援警備艇で地上軍の侵攻を支援するのが約目ですが沿岸部防御も任務だ」と韓国が出した白書は説明。
  2. 「中大型艇を建造し、超スレンダー艇多数があり、水上艦艇相手の攻撃能力が充実している」
  3. 北朝鮮には揚陸作戦の実施能力もあり、多くは特殊作戦部隊の運用想定で北朝鮮も力を入れる分野だ。「揚陸作戦用には260隻ほどあり、LCACや高速揚陸艇もある」と韓国国防省の文書にある。
  4. 「ミッションは特殊作戦部隊隊員を攻撃対象の敵地点の後背部に重要軍事施設や戦略的な意味のある施設を破壊し、上陸部隊に重要となる上陸地付近を確保することにある」
  5. 北朝鮮海軍はおおきな脅威ではないが、軽視されるべきでもない。連合軍が気を抜けば、平壌の海軍部隊は損失を与えることが可能だ。■