スキップしてメイン コンテンツに移動

★B-52Hのエンジン換装提案がGE,ロールス、プラットから出揃う



Aerospace Daily & Defense Report

GE, Rolls, Pratt Vie For B-52 Engine Upgrade

Mar 13, 2017James Drew | Aerospace Daily & Defense Report

U.S. Air Force

エンジンメーカーからボーイングB-52Hのエンジン換装提案がそろいつつあり、現在搭載しているプラット&ホイットニーTF33低バイパス比ターボファンの非効率性を改善し冷戦時の同機を2050年まで飛行させる。
米空軍参謀次長スティーブン・ウィルソン大将が議会に3月8日に伝えたのは空軍がTF33換装の選択肢を模索しており、1961年3月に初飛行したH型がすでに60年間近く飛行していることだ。
GEエイビエーション、プラット&ホイットニー、ロールズロイスの各社からAviation Weekにそれぞれ空軍と接触中で機材性能向上案に対して既存民間機向けエンジンの派生型を提案中、またプラットはTF33の性能引き上げ策を提案すると伝えてきた。
各社提案は空軍がボーイングとともにTF33のかわりに推力17千から19千ポンド級のリージョナルジェット用ビジネスジェット用エンジン8発換装を提案してきたことへの対応だ。当初は4発エンジン改装案もあったが機体構造の変更と気流変化が生じるため変更となった。
空軍はCF6高バイパスターボファン4基への変更を検討していた。同エンジンはC-5ギャラクシーが搭載するTF39(テスト写真を参照)の派生型である。また757用のPW2040やRB211への換装も検討されていた。しかし最近の分析で8基エンジンだと機体改修が最小限になるとわかった。
B-52Hは76機在籍なので合計608基のエンジン需要が生まれ、予備部品も期待できる。
空軍は候補とされるエンジンの風洞テストは全く行っていないが、市場調査で民生用エンジンに十分選択の幅があることがわかった。
2014年の情報要求では代替策として燃料消費を10から25パーセント改善し、15から25年間の稼働を求めた。今年2月3日に再び情報要求が発出され、今度はTF33換装として「リージョナルあるいはビジネスジェット用エンジン」とある。
「エンジン調達と機体への搭載両面で調達戦略を立てている」と空軍報道官は3月13日に述べている。「空軍でエンジン換装予算が確保できれば、調達の各選択肢を評価し政府に一番良い価値が生まれるようにしたい」
GEエイビエーションCF34-10
GEエイビエーションは空軍爆撃機の多くにエンジンを供給してきた。ボーイングB-1BにはF101-102を、ノースロップ・グラマンB-2AにはF118-100が採用されている。同社はB-52エンジン換装案として推力18千ポンド級のCF34-10を提案する。TF34/CF34ファミリーの派生型だ。
小型9千ポンド推力のTF34-100がフェアチャイルド・リパブリックA-10「ウォートホッグ」対地攻撃機に採用されている。最新の民生用CF34-10はブラジルでエンブラエル190、195さらに中国ComacのAR21リージョナルジェットが搭載している。
「GEエンジンはB-52で実証されていませんがCF34-10は十分経済的な8発換装対象になります」とGEで大型軍用ターボファンエンジンを率いる副社長兼総支配人カール・シェルドンは述べている。「CF34で同爆撃機を飛ばす機会に参加することに興奮しています」
プラット&ホイットニーのエンジン性能向上案
56年間供用されているTF33の設計製造の知見をP&W以上に持った企業はない。
同社は新型民生エンジンの提供も可能だが、現エンジンの性能改修が一番合理性が高いと述べている。
「民生用エンジンでは燃料消費効率、航続距離、空中給油回数の削減、大修理を最小限にできる利点が生まれます」と同社広報は述べている。「ただし民生用エンジンはB-52Hの電気油圧負荷を増やすため機内構造の大幅改修が必要となりフライトテストも必要になります」
そこで同社のエンジン性能向上策ではTF33の性能、耐久性、燃料消費効率、大修理間の時間延長をそれぞれ実現できエンジン買い替えは不要だとする。「TF33はB-52Hの出力面性能面の要求を満たしており、機体構造には変更は生まれません」という。
P&Wはこの構想を「お値打ちオプション」と売り込んでいる。デジタル制御の民間用エンジンは軍用仕様に改装する必要があり、核爆発に伴うEMP対策野菜バー攻撃への強化策も必要となる。
ロールズロイス BR700
インディアナポリスに本社を置く英エンジンメーカーRRの米国法人はすでに空軍とB-52エンジン改修の件で数度に渡り「会話」している。どす母BR700シリーズを原型に提案する見込みで空軍ではガルフストリームC/C-37A人員輸送機やボンバルディアE-11A戦場空中通信中継機(原型はグルーバルエクスプレス)に搭載されているエンジンだ。
B-52の推力規模だとBR715やBR725も考えられるが、同社はまだ決定していない。
「社内決定はまだですが要求の具体的内容を待っているところです」とRR上席副社長で米国顧客を担当するトーマス・ハートマンは述べている。「技術面、供給面で十分要求に答える自信があります」■


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ