海軍海兵隊の給油方式が違うため、今回サポートにあたったのはKC-10でしょうか。はやくKC-46を供用開始しないといけませんね。中国が狙うのがまさに給油機等の支援機で主力機の運用を狭めることが目的なのには要注意です。
How Often Does The F-35 Need To Refuel?
Sgt. Lillian Stephens, USMC
米海兵隊のロッキード・マーティンF-35飛行隊がアリゾナから日本まで長距離移動をしたが同機の大洋横断飛行に空中給油の回数でペンタゴン内部で静かな論争が続いている。
- ユマから岩国までの飛行にF-35Bの10機編隊は7日をかけた。民間旅客機なら24時間未満の距離だ。これだけの時間がかかったのは多くの要素が絡んだためだ。軍用戦闘機をA地点からB地点に移動させる際には途中の地形やパイロット疲労度など考慮すべき点が多い。ただし空軍が採用する安全重視の空中給油モデルを適用し、海兵隊機は総合計250回の空中給油が必要となった。これについて海兵隊パイロット部門のトップが海上横断飛行で本来効率がよいはずなのに多すぎると不満だ。
- 「同機は追加タンクを搭載したF-18より足は長いのに、どうしてここまで空中給油が必要なのか。こんなにいらない」とジョン・ディヴィス中将(海兵隊航空総監)は述べる。「必要以上だった。多分二倍だろう。もっと効率良くできたはずだ」
- ディヴィス中将によればJSF向け空中給油の想定が「必要以上に慎重だった」が、空軍が決めることで海兵隊航空隊として変更を求めるつもりはない。
- 航空運用で見落とされれがちだが、給空中給油が地球規模の作戦展開の前提条件だ。戦闘機は燃料を大量に消費し、F-35も例外でないと空軍報道官クリス・カーンズ大佐は言う。1月18日から25日にかけての岩国への渡洋移動飛行は給油機を9機動員し、計766千ポンドを合計250回の給油した。一機あたり25回とカーンズ大佐は説明した。
- 海兵隊にも給油機があるがKC-130のため、今回の空中給油は空軍機しか利用できなかった。
- 空軍のスコット・プレウス准将に言わせれば海兵隊機に何回も空中給油をしたのは当然だったことになる。空軍は洋上移動飛行では最悪の場合を想定し、空中給油が失敗した場合でも安全に着陸できるようにしているとプレウス准将は説明。たとえば今回のF-35Bは給油用プローブを伸ばしたまま飛行して抗力が大きく増えたが、これはプローブを格納できなくなった場合をシミュレートしたのだという。
- 「そこまで想定して立案し、最悪の風の影響、機体の最悪の状況も配慮して最悪の場合どうなるかをいつも考えています」と自らもF-16パイロットだったプレウス准将は述べている。「生死がかかるので慎重にならざるを得ません」
- これまでの空軍の大洋横断飛行では「ほぼ連続」方式で30分から40分おきに空中給油しているとプレウス准将は説明。F-35Bの搭載燃料は空軍仕様のA型より5千ポンド少ないため、空中給油の回数は多くなると言う。
- プレウス准将はデイヴィス中将の主張を退け、空中給油の時間間隔を伸ばせばパイロットのリスクが高まるだけと主張。
- ただし有事シナリオでは空軍は全く違う計算で動く。6時間ミッションなら空中給油は二回か三回と空軍関係者は述べる。ミッション前に燃料を満タンにしておくことが重要なのは給油機が戦闘区域で脆弱な存在だからだ。
- 戦闘機ばかり脚光を浴びることが多いが、空中給油機も国防上で同様に重要な存在で、給油機がなければF-35は地球規模の活躍は無理だとカーンズ大佐は強調する。
- 「F-35や計画中の次世代戦闘機や爆撃機の要求性能から給油機も次世代機に更新しないと迅速に世界各地への移動ができなくなります。事態は分秒きざみで流動しますからね。戦闘機部隊を拡充すれば、世界規模で給油機需要も増え、敵も給油機を狙ってくるはずです」■
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