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2月, 2017の投稿を表示しています

ロシア次世代爆撃機PAK-DAは本当に飛ぶのか

いろいろ苦境にあるロシアでこんな機体が本当に実現するのかわかりませんが、米国の国防筋は同機の存在を脅威としてこれから大々的に騒ぎ立てて予算を獲得するのでしょうか。 Russia to start building its next generation flying wing stealth bomber to replace the Tu-22, Tu-95 and Tu-160 aircraft Feb 27 2017 - By David Cenciotti PAK-DA想像図(出展 militaryrussia.ru、スプートニクニュース提供)は公式な想像図ではなく、実際の機体と異なる可能性がある。 およそ四年前ロシアの次世代ステルス爆撃機のコンセプト図が承認をうけていた。今や同機が現実のものになりそうだ。 ツボレフ設計局が2009年から取り組んできたPAK-DA(高性能長距離航空機)はロシアが2023年に就役ををねらう新型爆撃機で既存のTu-95ベア、Tu-22M3バックファイヤー、Tu-160ブラックジャックの後継機をめざす。 国営スプートニク通信は新型戦略爆撃機の初飛行を2021年頃とし、その数年後に一号機を引き渡すとしているが、楽観的すぎる予測だ。 いずれにせよステルス爆撃機は亜音速飛行の全翼機となる。米X-51、ファルコンHTV-2他が極超音速の攻撃機材を狙う中で、ロシアは超音速も視野に入れていない。スピードの代わりに高度ステルス性能、電子装備と人工知能による誘導ミサイルを搭載する。 「ミサイル搭載爆撃機を完全にレーダーから隠しつつ超音速飛行させるのは不可能。このためステルスを重視した。PAK-DAが搭載する人工知能ミサイルは射程7千キロに達し、状況から進路、高度、速度を自ら決定する。このミサイル開発はすでにはじまっている」とのロシア航空宇宙軍司令官ヴィクトル・ボンダレフ発言をロシア紙ロシスカヤガゼータが伝えている。 このロシア全翼機は空対地ミサイル・空対空ミサイルを搭載の上、通常型および誘導式爆弾を運用する。2016年の報告書ではPAK-DAは6,740カイリの航続距離になるとしていた。兵装ペイロードは30トンだ。 このPAK-DAから名称未定の「第六世代」戦略爆撃機が2040年

★WC-135はノルウェー、バレンツ海に向け飛行

続報です。バレンツ海というのが気になりますね。ロシア原子力艦艇で事故があったのでしょうか。あるいは単に通過しただけなのか。全く別の地点に向かったのか。かなり大掛かりな話になってきました。 U.S. WC-135 nuclear sniffer airplane has left the UK heading towards Norway and the Barents Sea Feb 22 2017 - By David Cenciotti https://theaviationist.com/2017/02/22/u-s-wc-135-nuclear-sniffer-airplane-has-left-the-uk-heading-towards-norway-and-the-barents-sea/ 先にお伝えしたWC-135コンスタントフェニックスはRAFミルデンホール基地を離陸し、北部ヨーロッパおよびバレンツ海に向かった。興味深いのはRC-135Wスパイ機も同基地から同じ経路に向かったことだ。両機を投入したミッションは何なのか。 WC-135C(機体番号62-3582)は英国ミルデンホール基地に2月17日に移動し「コブラ55」のコールサインで飛行している。コンスタントフェニックスが英国に展開するのはこれが初めてではないが、北欧でヨウ素131の検出量が急増し調査にあたるとの観測がある。 WC-135は核実験探知以外に放射能探知にも投入されており、チェルノブイリや福島の原発事故の例がある。大気中の粒子を集める飛行は事故の数ヶ月後まで及ぶことがある。 今回のWC-135C配備の理由はまだ不明で、ヨウ素131検出量についても反対の内容の報道もあるが、WC-135はミルデンホールに到着してから本日(2月22日)現地時間11:50初めて離陸し、ノルウェー・バレンツ海にニム向かった。 22 Feb CivMilAir ✈ 🚁 @CivMilAir Nuke sniffer - Constant Phoenix Airborne from RAF Mildenhall US Air Force - WC-135C 62-3582 FLORY58 pic.twitter.com/sCGWqCK

ISIS戦闘員の累計死亡数は6万名?

要は何人殺したか、と数字にこだわっても意味がないということですね。ISISはなんとしても撃滅しなければなりませんが、イスラムの名前があれば異教徒になにをしてもいいと言う考えがある以上また狂戦士集団が発生するでしょう。イスラム世界に自浄力があるかが問われています。連合軍に参戦する湾岸諸国にその意識が本当にあるのでしょうか。歴史が証明します。 General claims 60,000 ISIS fighters have been killed By Christopher Woody, Business Insider Feb 15, 2017 4:53:24 pm http://www.wearethemighty.com/articles/general-claims-isis-fighters-killed レイモンド・トーマス米特殊作戦軍団司令官は米軍および同盟軍は対ISIS作戦で戦闘員をこれまで6万名殺害したと2月14日に述べている。 この発言は推定5万名との昨年12月の米関係者推定を上回っている。トーマス将軍の指揮下には海軍SEALsや陸軍特殊部隊があり、慎重な言い回しながら対ISIS作戦の効果が示されている。 トーマスはワシントンDC近郊で開かれた全国国防産業協会主催の特殊作戦低強度紛争カンファレンスの席上で「死者数は大きな意味がある」と述べた。 「もっと強力な対策が必要なのか交戦規則改正が必要なのかと聞かれるが、実際にはおおきな成果になっているのです」 | Creative Commons photo 12月から急増の原因はモスル作戦とラッカでの戦闘強化が原因と考えられるが、死体数はいろいろな理由で信憑性が薄いとされる。 まずISISに戦闘員が何人いるのかはっきりしていない。 Military.comによればシリア人道観察団が2014年にISISにはイラク・シリア合わせて10万名の戦闘員がいたと発表していたが、ペンタゴンは2016年夏に15千名から20千名しかいないと発表していた。 統計上、この写真の戦闘員は大部分が死亡していることになる。 | Photo via Flickr さらに英国防相マイケル・ファロンがISIS戦闘員殺害数をややこしくしている。「ダーイシ

★★★そうりゅう級の後継艦に世界が注目する理由

確かに現実には無理と思われても、原子力潜水艦は米国、ハイテク通常型潜水艦は日本と分担し、米国向けに日本が潜水艦を建造すればすべて解決するんですが... The Driveは自動車専門ウェブですが、ちゃんと国防関係のコーナーもあるのですね。やはり軍用となると技術レベルも現実の制約から自由になりますからね。記事では次期28SS潜水艦の一部しか紹介していません。機密事項ですからリサーチも限界があったのでしょう。ご了承ください。 Japan Goes Back To The Future With Lithium-Ion Battery Powered Submarines Diesel electric submarines may be on the verge of returning to their simpler roots with the help of lithium-ion batteries. BY TYLER ROGOWAY  FEBRUARY 17, 2017 http://www.thedrive.com/the-war-zone/7747/japan-goes-back-to-the-future-with-lithium-ion-battery-powered-submarines JMSDF ほぼ一世紀に渡りディーゼル電気推進式潜水艦は浮上してあるいは水面近くでスノーケルによりディーゼル発動機で鉛電池を充電してきた。このため脆弱で潜航しても数時間、長くて数日間が限度だった。大気非依存型推進(AIP)技術が革命的にこれを変革した。AIP搭載ディーゼル電気式潜水艦の性能は遥かに高価な原子力潜水艦の域に近づいており、ディーゼル機関と電池だけで隠密理に行動できるようになった。 AIP技術は多様で、最新のものにスターリングエンジン、フランスがMESMA(自律型潜水艦エネルギーモジュール)と呼ぶ密閉型蒸気タービン、燃料電池があり、潜航時間が大幅に延長された。それぞれ長所短所があり、性能より費用、構造、技術リスクが重要だ。 例としてスウェーデンのゴットランド級ではAIPにスターリングエンジンを採用したが、大掛かりな液体酸素酸化装置が必要で、それ自体にも危険があるが、ガス注入で別の危険も

★★北欧で何が起こっているのか 米空軍が核物質探知機を派遣

今回の事件は原子力発電所の事故かもしれません。あるいは原子力潜水艦の事故かも、間もなく真相はあきらかになるでしょう。 U.S. Air Force deploys WC-135 nuclear sniffer aircraft to UK as spike of radioactive Iodine levels is detected in Europe Feb 19 2017 - https://theaviationist.com/2017/02/19/u-s-air-force-deploys-wc-135-nuclear-sniffer-aircraft-to-uk-after-spike-of-radioactive-iodine-levels-detected-in-europe/ By David Cenciotti 米空軍WC-135がノルウェーで放射能レベル急上昇を調査中。一部にはロシアが核実験をしたと見る向きがある。 2017年2月17日、米空軍WC-135コンスタントフェニクス核「嗅覚検知機」がコールサイン「コブラ55」で英国ミルデンホールRAF基地に展開している。 WC-135は現在二機あり、第45偵察飛行隊がオファット空軍基地から運用している。 WC-135は「嗅覚検知機」あるいは「お天気鳥」と呼ばれ、乗員は33名まで搭乗するが、放射線被曝を考慮し通常は最小限の乗員で運行する。 大気標本を機体側面から採取し、フィルターにかけ放射性物質を集める。乗員はリアルタイムで放射性残留物を分析し、核物質の有無を判定し、弾頭の種類まで判別できる。今回の調査で同機の役割は大きい。 核実験以外にWC-135はチェルノブイリ原子力発電所災害、福島原子力発電所災害で放射能調査を行っている。 また北朝鮮の核実験に備えて配備されたり、英国領空を通過した際にはシリア上空で化学物質の検知に用いられたとの観測を呼んだ。 同機がヨーロッパ上空を飛行するのは通常のことだが、ヨーロッパに移動してくるのは尋常ではない。今のところ米軍から核探知機を移動させた公式説明はないが、複数筋を総合すると同機の任務は1月はじめから北部ヨーロッパでみつかったヨウ素レベル急増への対応と考えられる。

★★中国空母二号艦の建造状況、上海で建造中の三号艦が要注意

中国が建造中の初の国産空母の進捗状況をChina Defense Blogが中国報道を引用する形で紹介しています。一体中国の軍拡はどこまで続くのでしょうか。ハードウェアはできても運用要員等のソフト面がついていけるのでしょうか。なんでもコピーすれば良い、自分で作らなくても買ってこれば良いと言うのが中国流ですが、いつか馬脚を表すでしょう。 http://china-defense.blogspot.jp/2017/02/2nd-carrier-almost-complete.html 2nd carrier almost complete http://english.chinamil.com.cn/view/2017-02/21/content_7494952.htm 中国空母二号艦が完成に近づいており、2020年就役の見込みと関係者が述べている。 中国中央テレビ(CCTV)報道では001A型航空母艦の足ぐみが外され、赤色下塗りが艦喫水線下ではじまったという。建造は大連で行われており、進水式がまもなくだという。 「遼寧(001型)との違いは001Aが国産建造で設計、戦闘能力、技術のいずれも進んでいることです」と中国軍事専門家 Song Zhongping が環球時報に述べている。「艦設計は一層『人間に優しい』点も大きく違い、乗組員は快適に仕事ができます」 ただし「進水から就航までは時間がかかる。通常でも2年だ」と人民解放軍海軍装備研究センターの Yin Zhuo がCCTVに語った。 武装や装備すべてを艦に取り付けたあと、空母は搭載航空機とともに公試に臨みやっと就役準備が終わる。 「艦体建造は日程通り。建造設計は大部分完了している。レーダーその他装備の取り付けが今後ある」と国防部報道官 Wu Qian が2016年10月の時点で語っていた。 進水後に艤装工事が控える。進水は今年中と海軍専門家 Li Jie は述べている。「各装備の機能を調整しながら公試は2019年はじめだろう」 中国国防部が001A型の建造を公式を公式発表したのは2015年12月31日のことで、「排水量5万トンでJ-15戦闘機等を搭載する」とし、二号艦の設計、建造には遼寧の経験が生かされていると述べている。 国防部発表内

北朝鮮ミサイルに有効な迎撃手段はすでに複数存在している

4 other ways the US could shoot down a North Korean ballistic missile By Harold Hutchison Feb 20, 2017 3:18:20 pm http://www.wearethemighty.com/articles/4-other-ways-the-us-could-shoot-down-a-north-korean-ballistic-missile 北朝鮮の核ミサイルが色々話題になっているが、直近のテストから北朝鮮が米本土を攻撃する日が来るのではと関係者は真剣に心配している。 だが米国にはICBMが米大陸部に向かってきても迎撃する手段が複数ある。 現在の 対ミサイルの中心は高高度広域防衛システムTHAADだ。 一個射撃隊には発射装置6個を配備し、各6発のミサイルを装填し、韓国に配備が予定されている。 だがTHAAD以外にも米国にはミサイル防衛手段がある。 ペイトリオット対空隊ミサイル防衛発射機から迎撃ミサイルがホワイトサンズミサイル射爆場(ニューメキシコ)から打ち上げられている。最新のPDB-8仕様は4回の試射を行い、米陸軍が最終評価を行っている。 | Raytheon 1. MIM-104 ペイトリオット – 含む Patriot PAC-3 砂漠の嵐作戦以降、ミサイル迎撃に使われている。 サウジアラビアおよびイスラエルの各部隊はサダム・フセイン政権が発射したSS-1スカッド・ミサイル多数を迎撃した。国防総省の公式発表ではサウジアラビアの命中率80パーセント、イスラエルは50パーセントだったとし、MIM-104Cを使用した実績としている。MIM-104Eが2002年から供用されており、PAC-3の供用開始は2003年だ。 日本による飛翔テストミッション1(JFTM-1)は同盟国海軍艦艇による初の弾道ミサイル迎撃成功事例となった。イージス弾道ミサイル防衛の一環。JFTM-1は駆逐艦こんごう(DDG-173)の改修イージスBMDの交戦能力を実証した。 2. RIM-161 スタンダードミサイルSM-3 米海軍のSM-3はおそらく信頼性がいちばん高いミサイルキラーだろう。ミサイル防衛庁の公式発表によればSM-3は試射

限定核戦争は実施可能なのか再び問われています

これもシンクタンクの頭の良い人達によるエッセイですが、核兵器が結局使えない兵器だとしたらなぜ新政権は核兵器近代化を課題としているのか、他国も相変わらず核兵器の保有を続けているのか、議論を呼びそうですね。条件さえ合えば、北朝鮮やイランへの核攻撃は実施可能と見ています。もちろん通常兵器でも恐ろしい威力は可能ですが。 Could America Really Win a "Limited" Nuclear War? Geoff Wilson / Will Saetren February 18, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/could-america-really-win-limited-nuclear-war-19503 ドナルド・トランプ大統領の就任から三週間だが、批判派は選挙運動中のスローガン「アメリカを再び偉大な国へ」はアメリカ社会を1950年代に引き戻すと指摘している。気づいた向きは少ないだろうが、トランプが目指す時間の逆回転は米国の核兵器にもあてはまる 先週ペンタゴン審議会がトランプ政権に「限定核戦争」体制の整備を提言したとCQ Roll Calが伝えている。 記事によると「国防科学委員会は大統領に現在の戦力整備方針を変更し低威力兵器多数の整備をめざし『限定使用前提で状況に応じ核兵器を投入する選択肢』を可能とすべき求めた」 核兵器の限定投入の裏にある戦略は一見単純に聞こえるが、紛争終了にはエスカレーションが必要となる。 理論上では 敵通常部隊に 低威力核兵器で対応すればこちらが全面核攻撃を真剣に覚悟していると見せてしまう。敵はそのまま地球大熱核戦争に移行したり通常戦を続けるかわりに引き下がるはずとする。 軍事用語の「限定原子戦争」が婉曲的に聞こえたらそれは正しい。核を相手に落とせば小規模兵器といえども核攻撃に変わりない。また中国やロシアを相手に「限定核戦争」を行えば、報復が核攻撃になるのは確実だ。 現実世界では核兵器を「限定的に」使う構想は危険な幻想だ。ニクソン政権でさえ、ソ連相手の限定核攻撃は「狂人の理論」と称していた。 だが今回のCQ Roll Call記事では「提言は革命的というより発展形」だという