結局三隻しか建造されなかったシーウルフ級は特別な存在のようです。その任務内容が明らかになることは多分ないでしょうが、相当重要な任務についているようです。北極海での活動用に特別に改装されているようです。
The 'Secret' Submarines the U.S. Navy Doesn't Want to Talk About (And Russia Fears)
海上公試中のUSS Seawolf Wikimedia Commons/Public domain.
November 19, 2016
2013年8月、米海軍の攻撃型原子力潜水艦USSシーウルフがワシントン州ブレマートンを出港し、1997年就役以来五回目あるいは六回目の任務についた。
- 一ヶ月後、第六艦隊がノルウェー駐在米大使がハアコンスベルン軍港に寄港中のシーウルフを視察する写真をFlickr上に公開した。ワシントン州から数千マイルの距離だ。
- 同艦は北極海を潜行してノルウェーに着いたのだ。
沈黙の部隊
- 米海軍は潜水艦部隊について口を閉ざしている。潜水艦の最大の利点はステルスだ。70隻ほどの潜水艦部隊でシーウルフは姉妹艦コネチカット、ジミー・カーターとともに特に秘匿性が高い。
- シーウルフ級各艦をグーグル検索しても何もわからない。
- シーウルフの公式ホームページは閉鎖されている。シーウルフの外観写真は2009年時以来見られない。
- シーウルフ及び姉妹艦は特別な存在だ。新型で大型高速で重武装の同級は他の攻撃型潜水艦と一線を画し、一隻およそ30億ドルの費用がかかっているが数億ドル相当の特別装備が搭載されワシントン州で特別戦隊に編入されている。
- 一回航海に出ると数ヶ月帰港せず、しかも出動の公表は一切ない。シーウルフ乗組員の配偶者は同艦の動きは「全く予想できない」と表現している。
- 一方で同級の秘密ミッションは成功を収めている。2007年にシーウルフ乗員140名に殊勲賞が授与された。これは戦闘時なら青銅章に匹敵するもので、2009年には海軍部隊受勲(銀星章に匹敵)が授与された。
- 潜水艦が情報収集、巡航ミサイル発射、テロ戦闘員やならず者国家相手へ特殊部隊員を送り込み偵察や強襲作戦へ投入しているとしても、シーウルフもこれらの任務を実施しているのか不明だ。
- シーウルフの所属もわからない。太平洋艦隊編入が通常だが、簡単に変更されているようだ。
パズルのピースを集めると
- 判明していることもある。2011年3月に姉妹艦コネチカットが北極海で試験に投入されている。
- コネチカットと新造ヴァージニア級のニューハンプシャーはアラスカのプルドーベイを航行し、「ICEX」演習を開始したが、1958年のUSSノーチラスが初めて北極点の下を航行して以来実施されていなかった種類の演習だ。
- コネチカットは「米海軍極地潜水活動研究所およびワシントン大学応用物理教室と共同で新型装備品の運用試験をおこない氷原下で作戦訓練を実施した」と海軍は発表している。
- ここで言う新型装備品には「高周波ソナーによる北極海中での安全航行とレイセオン製ディープサイレン通信装置がある」と海軍は発表していた。
- シーウルフが2009年からほぼ三年間に渡り乾ドックに入っていたと判明している。契約企業各社は280百万ドルで作業を実施している。またシーウルフが冷たい太平洋の海中に戻ったのは2012年4月のことで同艦は「以前よりも性能が上がった」と当時の艦長ダン・パッカー中佐が述べていた。
- コネチカット同様の氷山下装備をシーウルフが搭載している可能性がある。米海軍は改めて北極海に注目しており、氷山が減少する中で新航路が開けつつあり活動を強化する外国海軍勢力がある。
- 「北極海に安全保障面で重要な関心がある」と2009年に当時の海軍作戦部長ゲーリー・ラフヘッド大将が語っていた。
ロシアの反応
- いずれにせよシーウルフが世界の頂上を横断したのは明白だ。ノルウェーへ数週間で到達するには他の航路はない。
- ではシーウルフは氷の下で何をしていたのか。訓練が頭に浮かぶ。北極海行きは「戦闘装備、航法装備、通信機器のテスト以外に新しい環境での運用性を試すチャンス」とラフヘッド提督も述べていた。
- 潜水艦伝統の秘密運用以外の理由もある。2009年のICEX実施の際のロシアの反応を思い起こしてみよう。「外国潜水艦がロシア領海付近を通行することが我が方の関心を喚起するのは当然である」とクレムリン報道官は述べていた。
- ロシアはアメリカ潜水艦が何をしているのか知りたがるはずだ。■
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