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9/11から15年。アメリカ的思考はその教訓をこうまとめる



うーん、どうなんでしょう。いかにもアメリカ的というか。これが3.11の15周年エッセイならこんなトーンの回想録が日本人に書けるでしょうか。思考の方向性が全く違う気がします。日本メディアが日本人の思考でまとめた記事とも全く違っているでしょう。ご参考までに。

The National Interest

9/11 Anniversary: 10 Lessons Learned From the 15-Year ‘Long War’

September 8, 2016


9/11当日に筆者は軍務にいたが、この15年で生活も国の動きも大きく変わってたとはとても思えない。
渦中にいたものには時間は早く流れた感が強いがその他国民にとっては過去の歴史の一部だろう。現在ヘリテージ財団でインターンをする若者は4歳5歳だった。この長期戦で得られた教訓は何なのか。
1.  どの国も脆弱、民主体制も同様。アメリカの自由と開放さが攻撃を招いた。9/11のテロリストはアメリカを世界に紹介する制度を利用して入国している。これまでは2つの大洋が直接攻撃を防いできた。すべてのグローバル化がその仮定を変えてしまった。アメリカも他の国同様に外部から攻撃されることを示した。
2. アメリカの回復力は高い。9/11攻撃が他国で起こっていれば衝撃の脅威で服従させられただろう。だがアメリカは違う。たしかに動揺し、混乱させられたが直後数時間のことで、国家指導層は対応が早かった。米経済は崩壊せず、政府機構は機能不全にならず、世界各地からの軍撤退を求める声は殆ど出ずか細いものだった。困難にめげず頑張る姿勢がアメリカにあり、大混乱のあとも仕組みが機能しつづけていた。
3. 国家勢力相手の戦いより対テロリズム戦は長期戦になる。アメリカでは外交政策は期限付きで考えることが多い。特に軍事作戦が絡むとこの傾向が強い。第二次大戦は数年間でお終わり、ヴィエトナムは長かったが最終では終結した。テロとの戦いではまだ終結の兆しが見えない。オバマ大統領も「永久に戦い続けるわけに行かない」と述べたほどだが、残念ながら大統領は「敵も得点する」きまりを忘れているようだ。急進イスラム教徒のテロ集団はまだ野望を捨てておらず、こちらも見逃すわけに行かない。戦いは今後も続く。
4.  保安体制と市民の自由の双方を最大限実現する必要がアメリカにある。9/11直後は保安体制強化に傾いたのは追加攻撃の恐れがあり当然と言える。その後、方向は逆に向かった。今日でも議論は続いている。これはリベラル派対保守派の重箱の隅をつつくような論争ではない。アメリカを世界唯一の存在にしている精神、心の問題だ。確かに米国のような民主制度は権利を守り、開放佐を維持しているゆえに脆弱さがある。米指導層の課題は市民の生命財産を守りつつ自由を犠牲にしないことだ。これは簡単ではないし、疑問もう無だろうが、指導層に求められたもっとも重要なバランス作業だ。その意味で今も続く議論は継続すべきだ、どちらの方向に向かうにせよ。
5. アメリカ国民一人ひとりが原則を確認すべきだ。政治家の多くが重要課題を風向きが変わったかのごとく話す。政府高官の座についても安全保障対市民の自由問題ではコロコロと方向を変える。それぞれ「反対する前は賛成だった。反対の前は賛成だった」と表現される現象を示し、国民は重要課題を政治家だけには任せられないと感じている。アメリカ国民全員が関与する必要があり、したがって基本原則に親しんでおく必要がある。これは「プロ集団だけにまかせておけばいい」課題ではなく、全アメリカ人の課題だ。
6. 敵をみつけなくても良い時がある、筆者自身のことで恐縮だが、陸軍特殊部隊の幹部として世界中を駆け回り、9月11日にはバージニア州北部で私服のまま戦闘に入った。それ以前もアルカイダが宣戦布告していたが、その日初めて現実に直面したのだ。誰だってこれは望むことではなかったが、アメリカは対応を迫られたのだ。
7. 世界「最悪」かつ最良の軍が非対称の敵との戦い今も手こずっている 米軍は世界各所で叩く準備を整えておく必要があり、敵となる相手は多様だ。アメリカの権益はグローバルに分布し、敵も同様だ。kのためアルカイダのような想定外の課題に迅速かつ最適な対応が必要であり、今はこれがイスラム国になっているわけだ。さらにアメリカは規則に則って戦う。だが相手となる非対称勢力はこれをしない。だからこちらが変わる必要があるというのではないが、イデオロギーで動く敵は撲滅が困難だ。
8. アメリカ指導層には指導力が必要だ。傍観は望ましい選択肢ではない。指導力を発揮するとはまとめればこんなところだろう。米国民にこの先起こることへ準備させることであり、実態をぼやかしたり、正面から説明することを避けてはならない。事実を語る。事実を隠したり、論点を見えなく仕様としても失敗する。さらに信頼を失う。厳しい決断をすべきだ。指導層は選挙の洗礼を経て指導する立場になるのであり、票で生きているのではない。アメリカにとって正しいこと最善なことで生きるのだ。最後に憲法が与えた仕組みを活用することだ。ねじまげたり、闘争手段にしてはならぬ。アメリカの制度は単純ではないが、世界の統治機構としては最善の存在だ。政争に明け暮れず仕事をしてもらいたい。
9. アメリカ若年層は今でも最高。いつの世も若い世代は年長から不信の目を向けられるものだ。たしかに2000年世代はひとりひとりの関与の仕方が弱い。だがすばらしい個人も存在する。米軍に志願する若者は偉大な世代に属する。政府に加わり、各地で自らを犠牲にしてまで働く若者の数はアメリカを前進させる頼もしい力だ。
10. 最後にアメリカは完璧ではないが、国民は世界とともにアメリカが特別の存在であると承知し、役目を果たすことを期待している。マイク・ヘイデン将軍がアメリカがこの七年半にわたり指導性を発揮しなかったのは古典的映画になった「素晴らしきかな人生」のようだと表現した。絶望した主人公は本人がもし生きていなかったら全然異なっていた世界を見るのだ。ヒント、これはまずいことだ。アメリカは最良ではないが、この国は建国の父祖が独立宣言や憲法に盛り込んだ原則から生まれる役割を演じてきた。アメリカは独特の存在であり、指導性を示せねばならない。
.ここまで長く辛い15年だった。アメリカ人が誰も望まなかった犠牲と苦闘の時だった。そこからの教訓に耳を傾ければ、アメリカの時代はまだ終わったわけではないのがわかる。
This first appeared in The Daily Signal here.

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