ここまで手を加えて2040年代まで使えるほどF-15が頑丈にできているというのは驚くほどですが、ここまでするんならいっそ生産再開したほうがいいのではとも思えますね。ラインの再構築や治工具の再製をするより経済的という理屈でしょうが記事でも触れていないのがエンジンで、当然交換する前提なのでしょう。どちらにせよ60年間も供用できれば大変良いお買い物ですね。さて、航空自衛隊はどうするのでしょう。F-15J改改として同様に供用するのでしょうか。その時にはF-3が航空優勢、F-35が攻撃を受け持ち、初めてF-15が支援戦闘機となりますね。
Air Force Begins Massive High-Tech F-15 Upgrade to Stay in Front of Chinese J-10
KRIS OSBORN
Friday at 1:44 AM
- 米空軍は1980年代製F-15戦闘機に新型兵装、センサーを与えて空対空優勢を中国製J-10に対し確保すべく改良を熱心に進めている。
- その内容に電子戦、超高速コンピューター、赤外線捜索追尾システム、ネットワーク能力の強化、火器管制能力の工場があると空軍とボーイングが述べている。
- 「空軍はF-15を2040年代中頃まで供用する考えです。F-15の搭載システム多くが1970年代製でシステム更新は避けられません。まず2021年にF-15CへAESAレーダー搭載が完了し、2032年にEW(電子戦)装備更新が終わります」と空軍広報官ロブ・リース少佐がScout Warriorに話してくれた。
- 米空軍はほぼ400機のF-15C、D、E各形を運用中。改修のきっかけは米中関係のからみで2014年に出た米議会報告だ。(US-China Economic and Security Review Commission --www.uscc.gov) 報告書では中国の技術進歩が急速で米優位性が1980年代と比べると急速にその幅を減らしていると指摘。
- 一例として報告書は1980年代にはF-15は中国機に大きく優位性を有していたが、中国の技術進歩でJ-10はF-15にほぼ匹敵する性能になったと述べている。
- 性能向上改修のひとつが世界最高速のジェット戦闘機用コンピューター処理能力で高性能画像コアプロセッサーADCPIIと呼ぶ。「毎秒870億の命令を処理でき、搭乗員に高速かつ信頼できるミッション処理能力を提供します」とボーイング広報ランディ・ジャクソンがScout Warriorに述べた。
- その他防御面で敵攻撃に有効なシステムとしてイーグル・パッシブ・アクティブ警告生存システムがある。「脅威を識別し能動的に脅威に対応し、回避、欺瞞、ジャミングの各技術を応用します」とマイク・ギボンズF-15担当副社長がScout Warrior取材で説明している。
- ギボンズは目標捕捉追尾技術も導入すると説明し、パッシブ方式長距離センサーの赤外線捜索追跡システムIRSTを搭載する。
- 海軍のF-18スーパーホーネットが同技術を搭載済みで、赤外線つまり敵機の熱源を探知する。
- 「同時に標的複数を追尾し、空対空戦で必要な目標捕捉を高度な水準で実現し、敵にレーダージャミング技術があっても対抗できます」と海軍関係者が述べている。
- IRSTも高度脅威空域では空対空標的捕捉の代替手段になるというのが海軍、空軍、業界の共通意見だ。
- F-15には速度、航続距離、火器管制で能力を追加する。兵装搭載ポイントは16基に倍増されAIM-9xあるいはAIM-120空対空ミサイルが搭載され、今後登場する新型兵装にも対応する。このためハードウェアとともにソフトウェアも「オープン・スタンダード」形式のIPプロトコールと構造で対応する。
- 機体には「フライバイワイヤー」自動化機体制御システムも導入される。その他ヘルメットはデジタル式になりレーダー反射も減らしステルス性を獲得する。
- ただしF-15はステルス機でなく、戦闘投入できる空域は「非激戦」環境で、航空優勢確保が条件となる。このためF-15にはネットワーク能力も増強し、第五世代戦闘機F-22やF-35と連携を強化すると空軍は説明している。
- 改修の狙いとしてF-15部隊にはF-15に与えられたミッションを効果的に実行させることがあり、F-22が航空優勢を確保しF-35が精密攻撃を行うのを支援するとリース少佐は述べる。
- 「改修しても第五世代戦闘機と同等になりません。F-15で第五世代機の支援を行い、F-15はそこまで厳しくない空域で活動させます」(リース少佐)
- ギボンズは改修でF-15は中国戦闘機へ優越性を確保できるという。「F-15は重要な機材であり、高高度で高速飛行し、大量の兵装を搭載できます。航空優勢確保のため生まれてきたマシーンですね」■
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