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防衛白書への中国の反応は「人民海上戦」への呼びかけ



 

Japan Warns China Over 'Territorial Aggression'

Agence France-Presse 11:01 a.m. EDT August 2, 2016

Pacific Partnership action(Photo: Petty Officer 2nd Class Jonathan Husman, U.S. Navy)
TOKYO —意図せぬ軍事衝突の引き金を引くリスクを中国が増やしているとの防衛情勢を日本が評価する一方で中国政府からは「海上人民戦争」の準備を進めよとの発言が出ている。
  1. 日本がこのたび公表した防衛白書では中国について「自己主張を強める傾向が続く」とし、その行動は「意図しない結果を招く危険な振る舞いがある」とする。
  2. 中国が南シナ海で広範な領海主張をし、人工島を建設し、軍事作戦の構えまで見せる中で域内各国との対立が深まるのは国際社会も看過できない。
  3. 中国政府は国連制度の一部たる仲裁法廷で自らの主張を却下され、、法廷判断を尊重するよう圧力を受けている。
  4. 白書では中国は「自国の一方的な要求を求めるばかりで妥協の余地を示していない」とし、「既成事実で現状を無理やり変えようとしている」と表現。そのうえで中国に判決に従うよう求めるが、当の中国は茶番だと結果を拒絶している。
  5. 中国国営メディア新華社は常万全国防相が「人民海上戦」の準備を急ぎ、海上脅威へ対抗し、主権を守れと発言したと伝えている。
  6. 国家主権の擁護と領土防衛のため軍、警察、人民を総動員すべきだと同国防相は浙江省視察中に発言している。ただし脅威の出どころについては通信社は解説していない。
  7. 米国が問題の海域で海軍哨戒活動を今後も続けると公言し、航行の自由原則を掲げるのも中国の神経を逆なでしている。
  8. 白書では東シナ海での中国の活動が増加していることに日本も警戒心をあらわにしている。両国は尖閣諸島をめぐる主権主張で対立しており、中国は釣魚諸島と呼称している。
  9. 「尖閣諸島近海での中国活動が強化されており、軍用機が同諸島付近を南方に飛行している事例がある」
  10. 平成27年度の中国機への航空自衛隊スクランブルは571回を数え、前年度から107回増加と白書は指摘。
  11. 防衛白書に対し中国国営CCTVは中国政府が「厳重なる」抗議を申し入れたと報道している。
  12. 新華社は白書を酷評し、日本は「中国の国防や中国の規範、東、南の両シナ海での合法的な海洋活動に無責任な論評を与えている」と非難した。
  13. 先月には日本軍用機が中国機に火器管制レーダーをロックオンしたと両国が対立した。
  14. 防衛白書は北朝鮮の核開発にも触れて、「核兵器の小型化と弾頭開発を実現」している可能性があると指摘。
  15. 1月に第四回目の核実験に踏み切った北朝鮮は核弾頭小型化でミサイル搭載が可能となったと主張しており、米本土を狙う大陸間弾道弾の燃焼エンジンのテストにも成功したとしている。■

コメント

  1. 日本のハッキリとした主張をしなかったいせいで
    「先月には日本軍用機が中国機に火器管制レーダーをロックオンしたと両国が対立した。」
    などと言う嘘の中国のコメントがdefensenewsに乗ってしまうのだ。

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